『長江落日賦』です。
中国史を題材とした短編集です。
著者が得意とする中国史ものの中で、これは一番いいのではないでしょうか。
歴史ものは、史実を追求すればするほど、作家が操る自由度が少なくなってしまうという宿命を抱えています。そこにエピソードを挿入すると、かなりわざとらしい演出に見えてしまいます。
本書の諸作品では、そういった短所を感じず、楽しく読めます。中国史にさほど詳しくなくても、それほど読むのに問題は無いと思います。歴史、を描いているというよりは、歴史を題材として主人公の人間としての姿を描いているからです。
特に、ちょっとファンタジーな展開がある前半の作品が、自由度が高く、面白さを上手く演出していました。
作品もヴァリエーションがあり、明代の黒竜江、唐代の西域、唐貞観の長安、三国時代などを舞台としています。
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長江落日賦 (ノン・ポシェット た 18-2) 文庫 – 1999/2/1
田中 芳樹
(著)
- 本の長さ281ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日1999/2/1
- ISBN-104396326718
- ISBN-13978-4396326715
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (1999/2/1)
- 発売日 : 1999/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 281ページ
- ISBN-10 : 4396326718
- ISBN-13 : 978-4396326715
- Amazon 売れ筋ランキング: - 593,839位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1952年10月22日、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年在学中に「緑の草原に…」で、幻影城新人賞受賞。1988年「銀河英雄伝説」にて第19回星雲賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 野望円舞曲〈9〉 (ISBN-13: 978-4199052019 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代も様々な5編の短編集。
怪力乱神を語っている3編と語っていない2編。
語っている「黒竜の城」、「長安妖月記」と語っていない「長江落日賦」がよかった。
怪力乱神を語っている3編と語っていない2編。
語っている「黒竜の城」、「長安妖月記」と語っていない「長江落日賦」がよかった。
2005年9月13日に日本でレビュー済み
田中芳樹氏の初期の短編集。運命に翻弄される人々を描きます。
悪い意味での田中節がなく、感情を抑えたハードボイルドな文体ですので、氏の作品にいまいちなじめないという人も、安心して読めると思います。
悪い意味での田中節がなく、感情を抑えたハードボイルドな文体ですので、氏の作品にいまいちなじめないという人も、安心して読めると思います。
2022年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やや凡作に近いですが夏侯覇の逸話については「史実のあっけなさと虚飾の過剰」を共に排した読後感のよさ(幸福な終わりではないですが)があります。あとは長安妖月記が悪くないんですが、これは唐の武将に対しての知識が欠けているとやや苦しいところがあります。ただ、隋唐演義を紐解いた人には良い作品だと感じられるでしょう。表題作である長江落日賦は、怪人というかなんというかの侯景からなんとか魅力的な一面を引き出そうとして滑った感はあり、残り2本も田中先生の作品としては星3つ以下程度の凡作ですが三国志を「好きであり嫌いでもある」田中先生の価値観が良くも悪くも垣間見られるので、夏侯覇の「白日、斜めなり」のためだけにでも読む価値があると言えます
2020年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
史書に記載された事績を巧みに膨らませた佳作揃いの短編集です
個人的にお気に入りなのは三国時代の夏侯覇を題材にした「白日、斜めなり」ですね
魏と蜀、二つの王朝の皇族と言う数奇な運命の人物である夏侯覇
最近こそゲーム等で認知度が上がりましたが執筆当時はさほど知名度のない人物を取り上げるあたり筆者のセンスの高さを感じます
個人的には藤田和日郎さんの挿絵が魅力的な新書版をお勧めします
個人的にお気に入りなのは三国時代の夏侯覇を題材にした「白日、斜めなり」ですね
魏と蜀、二つの王朝の皇族と言う数奇な運命の人物である夏侯覇
最近こそゲーム等で認知度が上がりましたが執筆当時はさほど知名度のない人物を取り上げるあたり筆者のセンスの高さを感じます
個人的には藤田和日郎さんの挿絵が魅力的な新書版をお勧めします
2004年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短篇で読みやすい。各編最初の部分の情景記載には力を込められていて、読み手は、小説の舞台にあっという間に入り込んで行く。中国に行ってみたくなった。
田中氏の中国モノの多くがそうであるように、名言、ロマンスに若干欠けるかな。
文庫版でもあり、1時間ほどの通勤途上に読むのにとても適していた。
田中氏の中国モノの多くがそうであるように、名言、ロマンスに若干欠けるかな。
文庫版でもあり、1時間ほどの通勤途上に読むのにとても適していた。
2006年12月29日に日本でレビュー済み
誰も三国志ものを書かなくなったら
三国志ものを書くと言っていた田中芳樹だが、
短編ならひとつ書いている。
この短編集に収録されている
「白日、斜めなり」が夏侯覇を主人公にした三国志ものである。
魏の皇室にも蜀の皇室にも血縁関係のある
貴公子夏侯覇の数奇な運命を描いた佳作。
魏から蜀に亡命する破目になった夏侯覇が可哀想でならない。
史官職がない文化後進国、
軍国主義の野蛮な蜀の一員となって戦う夏侯覇の苦悩は
たいへんなものでありましたな(w
戦場で逃げ遅れた敵の家族の美少女を
拉致して手篭めにして結婚してしまった
張飛がすべての元凶である。
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短編ならひとつ書いている。
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史官職がない文化後進国、
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拉致して手篭めにして結婚してしまった
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