「沙門空海・・・」に感銘を受けてこの作品も読んでみた。 まあ凄かった、としかいいようがない。
我々現代人は、お経を文章として読んで「凄い!」と思うにはあまりにも鈍感になっているのかもしれない。 天空から華が降ってきました、金銀宝玉の城が現れました、と言われても「その文章自体に」圧倒されることは少ないだろう。
この作品で描かれる阿鼻叫喚、地獄絵図の中での覚者降臨、このコントラストによってお経の意味するものが見えてくるような気がした。それにしても文章だけで膨大な場面、多彩な人物を描き切る作者の力量には敬服するしかない。 まさに曼荼羅を文章で作り上げたようなものだ。コントラストと言えば、透明感溢れるシッダールタ。 洒落っ気のある清明、ケレン味たっぷりの空海とはまた違うタイプであるが、それでいて存在感は圧倒的。 実に汚泥の中で、染まらずに咲く蓮の華か。
この作品の中で語られる「空」。 それは自分がしばしば読み返している仏教書を思い出させる。 『「聖なるもの」の顕現のために一度死んだ「俗なるもの」が、「聖なるもの」の顕現と同時に「再生」する』(空の思想史 立川武蔵)
聖なるもの(空性)に至る無数の否定のプロセスを経て、俗なるものを肯定する。 これは、「涅槃の王」で書かれる「諸々のものはうつろいゆく」「動いていく。変転してゆく。」「肯である」という事の背景にある考え方ではないか。
「空海」でも思ったが、夢枕獏という作家は仏教に詳しい、というようなレベルでなくて「仏教を身につけている」人なのではないか。 仏教の教えを説得力を持って広めることができる、現代では極めて稀少な人なのではないか。 仏教界はもっとこの人を真面目に考えるべきなのではないか。 そんなことまで思わされてしまった。
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涅槃の王: 長編伝奇小説 (4) (祥伝社文庫 ゆ 2-19) 文庫 – 2000/12/1
夢枕 獏
(著)
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神獣変化 幻鬼編 覚者降臨編
- 本の長さ734ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2000/12/1
- ISBN-104396328249
- ISBN-13978-4396328245
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2000/12/1)
- 発売日 : 2000/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 734ページ
- ISBN-10 : 4396328249
- ISBN-13 : 978-4396328245
- Amazon 売れ筋ランキング: - 406,169位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1951年、神奈川県小田原市生まれ。77年に作家デビュー後、“キマイラ・吼”“魔獣狩り”“闇狩り師”“陰陽師”シリーズ等人気作品を発表し、今日に 至る。89年『上弦の月を喰べる獅子』で、第10回日本SF大賞を、98年『神々の山嶺』で第11回柴田錬三郎賞を受賞。日本SF作家クラブ会員(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 天海の秘宝(上) (ISBN-13: 978-4022507631 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年12月9日に日本でレビュー済み
全巻揃えて読める機会があり、結局5日程毎晩読んで読み終わりました。作者はシリーズものが多いので刊行を待ちながら読むことが多いですが、このシリーズは是非まとめ読みしてほしいです。10年以上書き続けたそうですが、その割には話の雰囲気のぶれもなく、登場人物もストーリーの進展に応じてさらに魅力的になり昼間仕事で中断するのがもったいなくて。
最初から気になっていたブッダの悟りをどう描くのかという心配も、好みの差はあれ正面から渾身の記述で満足できました。(作者の別の格闘もので、最後の格闘の山場が、始まる前と終わった後のシーンだけというのもあったので心配していたのですが)。
時々夢枕獏の本を読むという人で、まだ読んでいない人におお薦めかと思います。ぜひこの世界に浸って下さい。気持ちいいですよ。
最初から気になっていたブッダの悟りをどう描くのかという心配も、好みの差はあれ正面から渾身の記述で満足できました。(作者の別の格闘もので、最後の格闘の山場が、始まる前と終わった後のシーンだけというのもあったので心配していたのですが)。
時々夢枕獏の本を読むという人で、まだ読んでいない人におお薦めかと思います。ぜひこの世界に浸って下さい。気持ちいいですよ。
2013年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
市内のどの古書店でも見つからずネットでやっと見つけました。ただ他の3冊よりも本文のヤケが強かったのが気になりました。その点が残念です。表紙の写真だけでなく、本文の状態の写真もあればいいなと思いました。
2018年2月20日に日本でレビュー済み
不死身の「ザラ王」の存在をめぐって、3巻から延々引っ張り過ぎ。
当初の旅の目的だったヴリトラ像が、最後に取ってつけたように出てくるのも不自然。
でも、シッダールタが悟りを開くシーンは圧倒的な迫力があった。
当初の旅の目的だったヴリトラ像が、最後に取ってつけたように出てくるのも不自然。
でも、シッダールタが悟りを開くシーンは圧倒的な迫力があった。