思ったより評価が低めで驚きました。
確かに元々恋愛ものとしては意識せずに読んだのもあるのですが、この小説の価値は恋愛・医療的な面ではなく繊細に描かれた心理描写ではないでしょうか。
過去のトラウマを抱え、常にどこか死を見つめてしまいつつも、しかし自分と他人をうまく誤魔化しながら死ぬまでの日々を送る主人公。
自分に平穏であることを言い聞かせながらも、日常生活の中ふとした事がきっかけで過去の断片が思い返される描写が妙に現実感があり、
過去に何らかの理由で死を望んだ事のある人間であればどこか心理を言い当てられたような気持ちになる表現がチラホラとあるように思います。
彼女の人生に大きな影響を与えた倉橋は、もはや恋愛というよりももっと複雑な心理が絡み合った関係だと個人的には感じるので、恋愛小説というと少し違う気がしています。
倉橋自身も複雑な心理の持ち主で、それが特殊な生い立ちの主人公には心地良い
愛情、友情、同情、依存、共感、どれもしっくりこないですが、どれもあるように思う関係です。
最後にひとつ、彼が約束を守ります。
読後はどこか哀しいような、清々しいような不思議な余韻が残りました。
涼しい顔をしながらも"一人前の正しい大人"として社会の中を生きていく為に必死にもがいている
本当は焦がれるような想いもすり潰して、不器用に、でも力強く、必死に生きている女性の話です。
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モルヒネ (祥伝社文庫 あ 24-1) 文庫 – 2006/7/1
安達 千夏
(著)
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モルヒネ (祥伝社文庫) [文庫] [Jul 01, 2006] 千夏, 安達
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2006/7/1
- ISBN-10439633298X
- ISBN-13978-4396332983
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2006/7/1)
- 発売日 : 2006/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 255ページ
- ISBN-10 : 439633298X
- ISBN-13 : 978-4396332983
- Amazon 売れ筋ランキング: - 285,068位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2024年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みながら病んでいきました。癒しを求めたはずが痛みに変わり、孤独を感じる、深く暗い作品。辛いのに何故か余韻が残って、読み直したくなります。
2020年4月14日に日本でレビュー済み
泣ける小説と言う事と、題名が面白そうだったので、読みました。読み易く引き込まれますが、構成と言うか、展開が少し薄い感じの内容です。文章自体は良く出来ていて飽きは来ないと思うので、サクッと読みたい本と言った感じです。
2018年6月26日に日本でレビュー済み
もひとつ。
この一語につきます。
ただの弱虫で自分勝手なお話でした。
なにも感じませんでした。
頑張って読了した自分に拍手。
この一語につきます。
ただの弱虫で自分勝手なお話でした。
なにも感じませんでした。
頑張って読了した自分に拍手。
2008年6月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幼少期からの継続的なトラウマ、自死念慮、それを抱くに至る残酷な家庭環境を経た読者でなければ、ここに描かれている主人公の死線はとても理解し得ないだろう。家の中で平穏な日を享受し育った大人がこの書を手に取るのは、中国文学のいろはを知らずに中島敦を知ろうとするのに近い。読むことはおろか、感情の推移の根拠がほとんどわからずに終わるかと思う。
あなたがサバイバーなら、つねに彼岸に焦がれながらも、最大の誠意で此岸に向き合う主人公の機微が、痛いくらい胸に飛び込んでくるはずだ。作者の語りは一語一語すべてに無駄がなく、主人公たちの苦悩を的確に描写している。
日本の文壇には存在することすら許されなかった禁忌の経験が語られたことは、すべてのサバイバーへの朗報だと確信する。長い戦争を生き抜き、まだ帰還兵になりきれない負傷兵のあなたは、これを読むことで孤独と絶望から少なからず救済されることだろう。
それにしても帯に「泣ける」だの「涙が止まらない」だのという安っぽい煽り文句を書かせた関係者には、呆れてものがいえない。
少しは読者の種類を考えてマーケティングを行うべきだ。家で殺されかけていない人間は、これをどう読んだって泣けるはずがない。感動するはずがない。自分と違いすぎる環境と過去をもつ人間の痛みに対して、人は自分が刺されるほどに心を痛めつけられるだろうか? ロミオとジュリエットで感動することを強要するほどに横暴な帯だ。惜しむらくは関係者にサバイバーの存在しなかったことだろう。そのために読むべきでない人たちが読み、そしてこの本の評価が必要以上に貶められたことが心底残念でならない。
あなたがサバイバーなら、つねに彼岸に焦がれながらも、最大の誠意で此岸に向き合う主人公の機微が、痛いくらい胸に飛び込んでくるはずだ。作者の語りは一語一語すべてに無駄がなく、主人公たちの苦悩を的確に描写している。
日本の文壇には存在することすら許されなかった禁忌の経験が語られたことは、すべてのサバイバーへの朗報だと確信する。長い戦争を生き抜き、まだ帰還兵になりきれない負傷兵のあなたは、これを読むことで孤独と絶望から少なからず救済されることだろう。
それにしても帯に「泣ける」だの「涙が止まらない」だのという安っぽい煽り文句を書かせた関係者には、呆れてものがいえない。
少しは読者の種類を考えてマーケティングを行うべきだ。家で殺されかけていない人間は、これをどう読んだって泣けるはずがない。感動するはずがない。自分と違いすぎる環境と過去をもつ人間の痛みに対して、人は自分が刺されるほどに心を痛めつけられるだろうか? ロミオとジュリエットで感動することを強要するほどに横暴な帯だ。惜しむらくは関係者にサバイバーの存在しなかったことだろう。そのために読むべきでない人たちが読み、そしてこの本の評価が必要以上に貶められたことが心底残念でならない。
2011年4月17日に日本でレビュー済み
病に冒されたピアニストの元カレと、今は別に婚約者がいる女医の主人公という設定。さらに海外の都市に舞台を移すというのは、難病物の設定としてはちょっとずるい感じがするぐらいドラマティックだ。
手を尽くしても限りある。逆に手を尽くして貰いたくない、いっそモルヒネで楽にして欲しいという状況で、二人をどんどん追い込んでいく感じは切なさが募る。この先の二人の行く末に暗い物を感じるが、彼が去った後の異国のホテルの部屋で鏡に映る自分を見て、「こうして部屋に置き去りにされたのだから、やはり、私は彼の物ではなかったのだろう」と主人公は思い知らされる。このシーンがすごく良かった。
その後、自問自答しながら現実に回帰していく主人公の姿には、生物としての女性のたくましさを感じた。男性の自分としてはこういう状況からは立ち直り難いと思えたからだ。
男性が過去の彼女を忘れずにこだわって停滞してしまうところ、逆に女性は現実を見据えて前に進んでいこうとするところがはっきりと描かれているのは印象的だ。男女の恋愛観の違いは、こういうところに顕著だと思うからだ。
手を尽くしても限りある。逆に手を尽くして貰いたくない、いっそモルヒネで楽にして欲しいという状況で、二人をどんどん追い込んでいく感じは切なさが募る。この先の二人の行く末に暗い物を感じるが、彼が去った後の異国のホテルの部屋で鏡に映る自分を見て、「こうして部屋に置き去りにされたのだから、やはり、私は彼の物ではなかったのだろう」と主人公は思い知らされる。このシーンがすごく良かった。
その後、自問自答しながら現実に回帰していく主人公の姿には、生物としての女性のたくましさを感じた。男性の自分としてはこういう状況からは立ち直り難いと思えたからだ。
男性が過去の彼女を忘れずにこだわって停滞してしまうところ、逆に女性は現実を見据えて前に進んでいこうとするところがはっきりと描かれているのは印象的だ。男女の恋愛観の違いは、こういうところに顕著だと思うからだ。
2017年10月8日に日本でレビュー済み
作家や藝術家としての想像力で果たしてここにたどり着くのだろうか.取材を重ねれば,たどり着けるのだろうか.リアルさや生々しさを感じずにはいられなかった.作者の実体験に拠るものではなく,作者の力量ゆえたどり着いた優れたフィクションと願うばかりである.読み手を選ぶ小説ではあろうが,本作品に共感少なく,低評価をされる方々のおおむね幸福であろう人生には,それはそれで安心させられる.
2007年10月29日に日本でレビュー済み
緩和ケア、在宅医療の現実などの背景もしっかり描きつつ
生きること、思いやることの意味を問う骨太な純文学。
主人公・真紀の独白調で進むところが多く、いっけん難解だが
慣れてくると心地よく物語りに引き込まれる。ただし、
センチメンタルな恋愛小説を期待して読むと転ける。
主人公以外の登場人物の心境は、純文学らしく推測にゆだねられる
部分も多いが、行間ににじむそれぞれの人物像は個性豊か。
最終章、作者は読者に暖かな結末のヒントを伝えるが、
主人公・真紀は元カレ・ヒデがなぜ戻ってきたか理解しない。
それでも、真紀はヒデが意図したものを無意識のうちに掴んでいる。
この描き方のうまさに感心してしまいました。
そして、ヒデの気持ちを知った時、真紀の人生の過去と未来に
思いを馳せて、読者は「うずくまって泣く」のかも。
印象的で、素敵な小説でした。
生きること、思いやることの意味を問う骨太な純文学。
主人公・真紀の独白調で進むところが多く、いっけん難解だが
慣れてくると心地よく物語りに引き込まれる。ただし、
センチメンタルな恋愛小説を期待して読むと転ける。
主人公以外の登場人物の心境は、純文学らしく推測にゆだねられる
部分も多いが、行間ににじむそれぞれの人物像は個性豊か。
最終章、作者は読者に暖かな結末のヒントを伝えるが、
主人公・真紀は元カレ・ヒデがなぜ戻ってきたか理解しない。
それでも、真紀はヒデが意図したものを無意識のうちに掴んでいる。
この描き方のうまさに感心してしまいました。
そして、ヒデの気持ちを知った時、真紀の人生の過去と未来に
思いを馳せて、読者は「うずくまって泣く」のかも。
印象的で、素敵な小説でした。