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渋沢栄一 近代の創造 (NON SELECT) 単行本(ソフトカバー) – 2009/6/23

4.3 5つ星のうち4.3 9個の評価

日本の急速な近代化はなぜ可能だったのか。それは、徳川時代と明治時代の連続・非連続を統合的に把握してはじめて理解できる、――では、どのような方法を用いればその「統合的把握」が可能なのであろうか。さまざまな方法が考えられるが、私は、それを一身に具現していると思われる一人物を選び、その人の思想と行動を通して把握しようと試みた。その人が、渋沢栄一である。
近代日本資本主義の源流を、その足跡を通して(それも1863年の高崎城乗っ取り計画から、1873年の第一国立銀行頭取就任までの11年間とその前後を中心に)探ろうとしたのが本書である。
私はここで、主として渋沢栄一を通じて、幕末から明治への転換、すなわち、俗にいう「徳川封建性」から「明治的近代国家」への移行、簡単にいえば資本主義的近代国家への移行がどのようにして行われ、またなぜそれが可能であったかを追求してみようと試みているだけである。
現代の日本も変革に直面している。それはもちろん、明治のような大きな変革ではないであろうし、変革の内実も同じではあるまい。だが、明治という一大変革期を乗り越えて大きな成果をもたらした先人の生き方は、われわれにも、よき指針となるであろう。(著者のことば・本文より)
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商品の説明

著者について

1921年、東京生まれ。42年、青山学院高商部卒。戦時中は砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦、マニラで捕虜となる。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携る。同書店から70年に発行した訳書『日本人とユダヤ人』(ベンダサン著)が大ベストセラーになり、世の中に衝撃を与えた。
その後、『私の中の日本軍』『日本教の社会学』『帝王学』『聖書への旅』『論語の読み方』『常識の研究』など多くの著書を刊行。日本の文化と社会を独自の手法で分析していく論考は、「山本学」と称され、いまなお広く読み継がれている。1991年、69歳で没す。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 祥伝社 (2009/6/23)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/6/23
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 658ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4396501005
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4396501006
  • 寸法 ‏ : ‎ 11.7 x 3.1 x 17.5 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 9個の評価

著者について

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山本 七平
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上位レビュー、対象国: 日本

2017年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本近代化の基礎とは何か?
一般的にはそれを明治維新による西欧化に求めるものであるが,本作は「明治以前」と「明治以後」という切り口で整理しようとするもの。
明治維新は「幕末人」が起こしたものであることを捉えれば,その中には江戸末期から一貫する「何か」があるはずと問題提起。
それを,同時代を生きた(作った)尾高藍香と渋沢栄一を通じて,解読しようとする切り口は歴史解説書でも人物伝でもなく面白い。

一農民の出である尾高藍香が,江戸末期にすでに①制度を変えるべし,②幕藩制から郡県制へ,③能力主義の導入を唱えていたという驚きの事実とその背景とは何なのか。
江戸時代の形骸化した制度が被搾取階級であるはずの農民から「豪農ブルジョワジー」を生み,その環境で涵養された人々が自己の熟成と外部からの影響で思想的大転回を果たした状況を丁寧に解説しています。

正直,幕末から明治維新にかけての俗に有名な登場人物とともに,思想的影響を及ぼした知識人の存在(思想の内容まで熟知する必要はありませんが)くらいは知っていたほうが面白く読める。

可能であれば「日本人とは何か」で山本七平による日本史の全体概観してから手にとるとより理解が深まるか。。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近は渋澤栄一の評伝も増えてきて、けっこう書店で見かけるようになりました。

しかし、小職の見るところ、渋澤の洋行体験にフォーカスしている書が多い中、
洋行前の幼少年期をきちんととらえている点が本書を際立たせています。

あれだけの傑物がなぜ生まれたのか、洋行して欧州のバンク制度を知ったからとか、
そんな取ってつけたような評伝が多い中、渋澤の思想のバックボーンとなった
幼年期、少年期の流れをきちんと論じている本書を読み、
さすがは山本七平氏は日本を代表する論者であることを再確認しました。

渋澤栄一に関心のある方は、まず本書を手にとってください。お勧めです。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年7月25日に日本でレビュー済み
歴史好き、幕末好きでありながら、渋沢栄一の生涯が極めて特異なものであることを知ったのは恥ずかしながら最近読んだ城山三郎「雄気堂々」を読んででした。農家の出であり倒幕の志士になりながら故あって一橋家に仕官し、欧州留学中に大政奉還。帰国後は新政府に勤めるも下野し、合本組織(いまでいう株式会社)の発展に尽くす…と。その人生は、これまで知っていたいわゆる「維新の志士」や「明治の元勲」とは全く異なるもので、その変化の激しさと変化を受け入れて乗り切った人物像は、江戸から明治へという日本の大転換期を表現するにふさわしいと感じました。
前置きは長くなりましたが、本書はあの山本七平が渋沢栄一について書いた評論本です。
「徳川時代と明治時代の連続・非連続を統合的に把握するのに…それを一身に具現している一人物を選び、その人の思想と行動を通して把握しようと試みた」その人物こそ渋沢栄一だと。全くもって同感です。
とはいえ人物伝ではなく評論本であるのは明らかで、徳川時代と明治時代の非連続が最も明確にでているわずか11年のあいだに渋沢栄一とその周囲に起きた出来事だけを取り上げ、豊富な資料(しかも一次資料)を検証し、徳川という時代、明治という時代を解説していきます。
幕末明治初期にくにのかたちがかわっていくさまを一人物を通してみるという試みはなかなか読み応えがあります。また、江戸末期における農民のあり姿(意外と自由でいい暮らしをしていたとか)や庶民の感覚(勘当についての認識とか)など、従来の江戸時代に対するステレオタイプな見方を否定してみせたりして、意外な発見もあります。
ボリューム満点の600ページの力作。渋沢栄一について何の予備知識もないとつらいと思いますので、ほかの伝記などでおよその知識を得てからのほうが楽しめると思います。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート