矢板玄との対面の場面は、こちらまで息を飲むような緊張感が漂う。
最初は分厚さに少しひるんだが、話がテンポよく進むし、抑揚がついているので、
あっという間に読み終わってしまった。
この本に書かれていることが事実かどうか別にして、
読み物として非常に面白いし、優れた本だと思う。
他の下山事件にかんする著書を読んだ後でこの本を読むと、
なぜだか妙に説得力があって、自分の中では下山事件が解決してしまった、
そんな感覚に陥る。
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下山事件: 最後の証言 単行本 – 2005/7/1
柴田 哲孝
(著)
私の祖父は実行犯なのか?
戦後史最大の謎。半世紀を超えてついに核心に迫る親族の生々しい証言。
「約束しろ。おれが死ぬまで書くな!」
祖父の盟友にして某特務機関の総師は言った。真相を知る祖父の弟、妹、そして彼も没した今、私は当事者から取材したすべてを語ろう。
「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない・・・・」
祖父のニ三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和ニ四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体(れきしたい)となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。
陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。
祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総師へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相!
戦後史最大の謎。半世紀を超えてついに核心に迫る親族の生々しい証言。
「約束しろ。おれが死ぬまで書くな!」
祖父の盟友にして某特務機関の総師は言った。真相を知る祖父の弟、妹、そして彼も没した今、私は当事者から取材したすべてを語ろう。
「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない・・・・」
祖父のニ三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和ニ四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体(れきしたい)となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。
陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。
祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総師へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相!
- 本の長さ452ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2005/7/1
- ISBN-104396632525
- ISBN-13978-4396632526
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2005/7/1)
- 発売日 : 2005/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 452ページ
- ISBN-10 : 4396632525
- ISBN-13 : 978-4396632526
- Amazon 売れ筋ランキング: - 392,732位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 381位刑法・訴訟法
- - 69,320位ノンフィクション (本)
- - 95,944位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
他の方のレビューにあるように、よい編集者がついて、もっと力量のある筆者なら、
素材を活かして、さらに確固とした構成で練られた本が出来上がっていたかもしれません。
それはさておいても、本書は本書で昭和20年代の日本を描きだしつつ、
そこに下山事件をおいてみせて、読ませられる本でした。
読み始めて、思いがけず一気に読み切ってしまいました。
最後、断定的に書ききるだけのものが著者には見つけられなかったのだとは思いますが、
やはり著者なりの結論をもっと端的に示して欲しかったなと
最後、ちょっと拍子抜けした面はあります。
白州次郎や昭和20年代の日本、そこから金と権力を掴みのし上がっていった人々の
本を次によみたくなりました。
素材を活かして、さらに確固とした構成で練られた本が出来上がっていたかもしれません。
それはさておいても、本書は本書で昭和20年代の日本を描きだしつつ、
そこに下山事件をおいてみせて、読ませられる本でした。
読み始めて、思いがけず一気に読み切ってしまいました。
最後、断定的に書ききるだけのものが著者には見つけられなかったのだとは思いますが、
やはり著者なりの結論をもっと端的に示して欲しかったなと
最後、ちょっと拍子抜けした面はあります。
白州次郎や昭和20年代の日本、そこから金と権力を掴みのし上がっていった人々の
本を次によみたくなりました。
2005年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
推理小説などの、どきどきしながら読む類のものは読まないのですが、今回はある週刊誌の書評を見て購入しました。
面白いです。
下山事件は自分が生まれるよりも前に起きた昭和の混乱の中での事件ですが、犯人グループ、下山総裁の周辺で何が起きたのか、なにが起きようとしていたのか、など非常に鮮明に一枚づつ皮をめくっていくように明確にしていきます。
著者の言う通りなのかもしれませんし、真実はそうでないかもしれません。
でも、十分 どきどきする心地を得ることができます。
面白いです。
下山事件は自分が生まれるよりも前に起きた昭和の混乱の中での事件ですが、犯人グループ、下山総裁の周辺で何が起きたのか、なにが起きようとしていたのか、など非常に鮮明に一枚づつ皮をめくっていくように明確にしていきます。
著者の言う通りなのかもしれませんし、真実はそうでないかもしれません。
でも、十分 どきどきする心地を得ることができます。
2021年5月24日に日本でレビュー済み
内容は面白かったが、信憑性には疑問が残るので、「小説」といったほうがいいかもしれない。
なによりも、他のレビュアーさんもすでに書いているが、白洲次郎ではないかとされる写真の人物が明らかに白洲次郎ではない。画像検索して見比べてほしい。別人である。
なによりも、他のレビュアーさんもすでに書いているが、白洲次郎ではないかとされる写真の人物が明らかに白洲次郎ではない。画像検索して見比べてほしい。別人である。
2013年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が生まれる前のことなので、内容としても興味があったので面白かった。ただ、少し難しいかも。
2005年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下山事件についてはおそらくこれが定説となっていくのではないかと思います。
ただ、実行犯のうちの何人かが実名をあかされていないので、いずれ時が来たら公表して欲しいと思います。
ただ、実行犯のうちの何人かが実名をあかされていないので、いずれ時が来たら公表して欲しいと思います。
2005年12月7日に日本でレビュー済み
久々に読み応えがある本だ。
戦後最大の謎とされ、さまざまな憶測が飛び交ったこの事件はけして風化しないミステリーである。
赤狩り、GHQ、満州事変、アヘン、大物右翼、CIA、731部隊、三菱、三越、エリザベスサンダーホーム、昭電疑獄・・・。
出てくる人々も吉田茂をはじめ白州次郎、岸信介、児玉誉志夫、あの人もこの人も一級品であるから下山総裁轢死事件はすべての戦後を吸い込んで肥大したブラックホールといっていい。
これ以上秘められている真実を知ることは返って不幸になるような気がする。むしろ知りたくなかったと思うほど重いミステリーだ。
深く、重く、暗く、陰惨で凄まじい証言ばかりだ。
ただ、惜しいかな、最後の章はいらなかった。
著者の祖父への感傷的な部分がまったく余計だと思った。
彼が祖父や祖母やその一族に寄せる思いは本文中で充分に伝わっているのだから。
だいたい、読み終えて寄せる感傷はさまざまな人間の思惑に嵌められて謀殺された下山氏にある。下山総裁にも家族がいるのだ。
このラストの感傷と、インタビュアーである著者への相手の賛辞が何度か臆面もなく掲載されているのがひっかかった。
自らの家族の証言を天下に晒すという一種過酷な形を取ったのである。その決意は並々ならぬものがあったのだろうと推測できる。だからこそ、ジャーナリストはどんなときにも冷徹な観察眼とスタンスを失ってはならない。そう考えるとき、彼の資質に少しでも疑念が生じるようなまねをしてはならなかったのではないだろうか。
それでもこの本の面白さは一級品。
戦後最大の謎とされ、さまざまな憶測が飛び交ったこの事件はけして風化しないミステリーである。
赤狩り、GHQ、満州事変、アヘン、大物右翼、CIA、731部隊、三菱、三越、エリザベスサンダーホーム、昭電疑獄・・・。
出てくる人々も吉田茂をはじめ白州次郎、岸信介、児玉誉志夫、あの人もこの人も一級品であるから下山総裁轢死事件はすべての戦後を吸い込んで肥大したブラックホールといっていい。
これ以上秘められている真実を知ることは返って不幸になるような気がする。むしろ知りたくなかったと思うほど重いミステリーだ。
深く、重く、暗く、陰惨で凄まじい証言ばかりだ。
ただ、惜しいかな、最後の章はいらなかった。
著者の祖父への感傷的な部分がまったく余計だと思った。
彼が祖父や祖母やその一族に寄せる思いは本文中で充分に伝わっているのだから。
だいたい、読み終えて寄せる感傷はさまざまな人間の思惑に嵌められて謀殺された下山氏にある。下山総裁にも家族がいるのだ。
このラストの感傷と、インタビュアーである著者への相手の賛辞が何度か臆面もなく掲載されているのがひっかかった。
自らの家族の証言を天下に晒すという一種過酷な形を取ったのである。その決意は並々ならぬものがあったのだろうと推測できる。だからこそ、ジャーナリストはどんなときにも冷徹な観察眼とスタンスを失ってはならない。そう考えるとき、彼の資質に少しでも疑念が生じるようなまねをしてはならなかったのではないだろうか。
それでもこの本の面白さは一級品。
2014年2月15日に日本でレビュー済み
事件に取り組むきっかけになった出来事から十年以上の時間をかけて、膨大な資料や、新しい証言を基に、これ程の大著を書き上げた著者の胆力には頭が下がる。
自分を持ち上げるような描写が散見され若干鼻につくし、構成があまり上手くなく、当時の社会情勢、事件の検証、証言等がランダムに書かれていて読者を混乱させるきらいはあるものの、これまで定説とされてきた「GHQ主謀説」とは違う観点の仮説を打ち出したという点も、素直に評価したい。
占領下の日本で、権力者や支配者たちがどのような思惑で行動していたのかを知り、時代の雰囲気を感じる事が出来るという意味でも、大変興味深い作品になっている。
吉田茂主謀説や三菱の関与などは、なるほどと思わされる。ただ、GHQが仲の良い下山総裁を殺すはずがないとしているが、政財界にも知人の多い有名人を同じ日本人である吉田茂が殺す事を自然に受け入れている部分は、少し首肯しかねるか。
しかし本書で最も納得出来ないのは、他の方も書かれているが、事件の結論をはっきりと示していない点。
ハードカバーで400頁以上読まされて最後の最後、随所で見られるやや気取った体の文章で書かれた結論は、曖昧で分かりにくく(少なくとも下山事件初級者の自分には)、これには軽い憤りを覚えた。
事件の性質上「真実は分からない」でも仕方がないとは思うが、著者は「ほぼその全容を解明できたと確信している」(p.430)と書いている。それなのにだ。
ここに関しては、同じく推論ながらも結論を明確に述べている松本清張の「日本の黒い霧」の方が遥かに潔い。
殺害の実行犯や、下山総裁の替え玉の名前を知りながらもそれを明かさないという姿勢も、釈然としない。
部品のひとつひとつは精巧なのだが、それらを組み上げるための設計図が無いため未完成に終わっているのに、製作者は完成品だと自負している。
情報量の多さと密度の濃さは頭抜けているだけに、そのような読後感を拭い去れなかった事が、残念でならない。
自分を持ち上げるような描写が散見され若干鼻につくし、構成があまり上手くなく、当時の社会情勢、事件の検証、証言等がランダムに書かれていて読者を混乱させるきらいはあるものの、これまで定説とされてきた「GHQ主謀説」とは違う観点の仮説を打ち出したという点も、素直に評価したい。
占領下の日本で、権力者や支配者たちがどのような思惑で行動していたのかを知り、時代の雰囲気を感じる事が出来るという意味でも、大変興味深い作品になっている。
吉田茂主謀説や三菱の関与などは、なるほどと思わされる。ただ、GHQが仲の良い下山総裁を殺すはずがないとしているが、政財界にも知人の多い有名人を同じ日本人である吉田茂が殺す事を自然に受け入れている部分は、少し首肯しかねるか。
しかし本書で最も納得出来ないのは、他の方も書かれているが、事件の結論をはっきりと示していない点。
ハードカバーで400頁以上読まされて最後の最後、随所で見られるやや気取った体の文章で書かれた結論は、曖昧で分かりにくく(少なくとも下山事件初級者の自分には)、これには軽い憤りを覚えた。
事件の性質上「真実は分からない」でも仕方がないとは思うが、著者は「ほぼその全容を解明できたと確信している」(p.430)と書いている。それなのにだ。
ここに関しては、同じく推論ながらも結論を明確に述べている松本清張の「日本の黒い霧」の方が遥かに潔い。
殺害の実行犯や、下山総裁の替え玉の名前を知りながらもそれを明かさないという姿勢も、釈然としない。
部品のひとつひとつは精巧なのだが、それらを組み上げるための設計図が無いため未完成に終わっているのに、製作者は完成品だと自負している。
情報量の多さと密度の濃さは頭抜けているだけに、そのような読後感を拭い去れなかった事が、残念でならない。