1993年から97年にかけて「Xi」「homme」などに掲載されたBL作品です。「GAME」で検索すると異なった出版社からの同名タイトルが出てきますが、内容は同じです。
不良のような外見の青年たちに男子高校生、誠一が誘拐されるところから始まります。いきなり緊迫したシーンが続きサスペンスものか?とはらはらしたあたりで真相が判明、彼らは誠一の兄の同級生で友人たちでした。兄の貢一は生徒会長で行いも超優等生。友人たちも、そして弟の誠一も何かコンプレックスと反発する気持ちを持っています。結局、誘拐犯2人は貢一の親友でもあったのですが・・・。
あとがきで今先生が書いておられますが、この単行本出版時の2006年に読み返してみたら「なんでこの人たちこんなに乱暴なの??」と感じたそうですが、確かに登場人物たちはみんなエネルギーを持て余しているようにひんぱんに殴る、蹴る、物を壊すなどの行為を繰り返します。ふと映画「パッチギ」を思い出しましたが、そういうのが嫌いな方はダメかもしれません。
もっともそれらは、青春特有の”自分がどうしたいのかわからない”というもやもやに加えて、もしかして自分は同性が好きなんだろうかという戸惑いや葛藤のせいもあるのでしょう。
大学生になった貢一とその悪友2人にいじられ続ける受験勉強真っ最中の誠一、悪友2人が実はあこがれていたクラスの美少女、就活中だがうまくいかない姉、優しくたくましい母、担当の大学教授夫妻なども巻き込んで、今先生いつもの人間模様が繰り広げられます。
BLものではありますが、青春ものの色彩の方が濃いような。若くてなんでも一生懸命でハチャメチャなこんな時代、あったよなあ・・と遠い目になってしまいました(苦笑)。フレッシュな印象の初期作品です。
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GAME (ボーイズラブコレクション) コミック – 2006/8/25
今 市子
(著)
優等生の兄の“想い人”は、なんと男だった!
「しょうがないだろ好きなもんは!」
少年が大人になってゆく…
ビルドゥングスロマンの傑作、待望復刊!!
高校1年、佐藤誠一(さとうせいいち)のコンプレックスの原因は、生徒会長で優等生の兄・貢一(こういち)。その兄の想(おも)い人(びと)は、なんと男だった!
兄の大親友で生徒会トリオの柴田(しばた)・南(みなみ)にかまわれていた誠一は、兄の片想いの相手が柴田だと知り、彼にキスされたり抱きしめられたりするたびに、からかわれてるだけだ…と思いつつ、自分も次第に惹(ひ)かれていくことに戸惑(とまど)う。一方、友情と愛情の境界線で揺れ動き、いらだつ柴田に対し、貢一は「しょうがないだろ、好きなもんは!」と、面と向かって気持ちをぶつけるのだった。受験戦争まっただなか、兄達の“問題”と自らの不可解な恋心に悩まされながら、誠一は、このアンバランスな『ゲーム』に巻き込まれてゆく———。
*本書は1997年に一水社から同タイトルで発売されたものと同じ内容です。
「しょうがないだろ好きなもんは!」
少年が大人になってゆく…
ビルドゥングスロマンの傑作、待望復刊!!
高校1年、佐藤誠一(さとうせいいち)のコンプレックスの原因は、生徒会長で優等生の兄・貢一(こういち)。その兄の想(おも)い人(びと)は、なんと男だった!
兄の大親友で生徒会トリオの柴田(しばた)・南(みなみ)にかまわれていた誠一は、兄の片想いの相手が柴田だと知り、彼にキスされたり抱きしめられたりするたびに、からかわれてるだけだ…と思いつつ、自分も次第に惹(ひ)かれていくことに戸惑(とまど)う。一方、友情と愛情の境界線で揺れ動き、いらだつ柴田に対し、貢一は「しょうがないだろ、好きなもんは!」と、面と向かって気持ちをぶつけるのだった。受験戦争まっただなか、兄達の“問題”と自らの不可解な恋心に悩まされながら、誠一は、このアンバランスな『ゲーム』に巻き込まれてゆく———。
*本書は1997年に一水社から同タイトルで発売されたものと同じ内容です。
- 本の長さ150ページ
- 言語日本語
- 出版社祥伝社
- 発売日2006/8/25
- ISBN-104396780206
- ISBN-13978-4396780203
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登録情報
- 出版社 : 祥伝社 (2006/8/25)
- 発売日 : 2006/8/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 150ページ
- ISBN-10 : 4396780206
- ISBN-13 : 978-4396780203
- Amazon 売れ筋ランキング: - 535,350位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年1月31日に日本でレビュー済み
すがたのいい兄、大まじめでちょっとずれてる。けっこういい話。今作品の女の人はどの人も
おもしろい。素敵で頓狂。だからどの作品も後味が良くて繰り返し読みたくなる。
この若者たちがしでかす出来事に飛躍があって気持ちいい。理に落ちる感じがなくて。
笑いの塩梅がとてもいい。間合いが心地よい。声に出して読むとうつくしい文章があるように、
目を遊ばせるにたのしい画面構成と台詞である。
おもしろい。素敵で頓狂。だからどの作品も後味が良くて繰り返し読みたくなる。
この若者たちがしでかす出来事に飛躍があって気持ちいい。理に落ちる感じがなくて。
笑いの塩梅がとてもいい。間合いが心地よい。声に出して読むとうつくしい文章があるように、
目を遊ばせるにたのしい画面構成と台詞である。
2009年6月24日に日本でレビュー済み
新高校生の佐藤誠一のコンプレックスは優等生の兄・貢一。そのおもい人は同じ生徒会トリオの柴田だった。ある日弟の誠一は入学早々いきなり「誘拐」と称して、この柴田とトリオのもう一人、南に拉致された。ハーフと自己主張する柴田に誠一は目隠しをされ、南のいない間にキスされそうになる。困惑する誠一だが「誘拐」の目当ては兄の貢一を呼び出す為だった。高校生活に不満を持つ柴田と南が向けた矛先は何も学校側を動かすことのできなかった生徒会長の貢一であると指摘するが、貢一は学校生活は「ハンデの多いゲーム」であると言い切る。弟の誠一は元に戻ったものの、ある日柴田と南たちが家にやってきた時、柴田の髪がやはり染めているというと「成績良けりゃ髪形も不純異性交遊も自由だから勉強するんの」と、からかいながらまたもや誠一にキスをしようとする。何故こんなにも誠一に愛を求めているのかが鍵である。トリオは誠一を弄びながら様々なゲーム(戯れ)を展開していく。大学に入ったトリオたちは、酒に酔うとキス魔になる柴田に南、誠一ともにキス三昧の迷惑を受けるが、なぜか貢一だけは避ける。その代わり弟誠一にキスをして紛らす柴田の心情は意外なところにあった。柴田のことを好きでしょうがない貢一としてはものすごい嫉妬であるが、実際のところ柴田はいつも一歩先を歩いていて欲しいという羨望と悔しさの部分を「コイツは嫌い」という言葉でごまかしていたのだ。大学に入ってガラッとキャラの面立ちが変わるので驚くが、清々しく気の抜けないBOYたちの切ないLOVEと危険行為(?)が織り成すキラキラしい秀作である。扉絵の2Pの4人が素敵だ。