書かれ方は脚色があったくらいが面白い(音楽も一緒!)ので、この語り口は呑みながら読むには最高。
しかし、これだけの仕事を、その作業自体は淡々とこなしてきたグリン、結果的にやっぱりすごい。ツェッペリンやWHOは、正に歴史の証人になっている訳で、真に偉大なものは稀であり、実はグリンの技とも関係ないのだ。その辺、初期のエンジニアは最初からプロデューサーであったとも逆説的に言える。ホイホイと仕事を受けているが、しかしやはりそこは繋がりがある。しかも、何かしら新しい人間関係に入る前はボケてるのがいい。
感想は他の方と同じ、面白い!な上に、まだまだ聴いてない盤がたくさんあるなと痛感。この本はディスクガイドでもあります。フェアポート・コンベンションの「ライジング」、早速聴かないと!(←モグリですね)
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サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話 単行本(ソフトカバー) – 2016/2/22
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購入オプションとあわせ買い
ビートルズから、ストーンズ、クラプトン、ツェッペリン、イーグルスまで!
ロック黄金時代のレコーディング現場に、あなたも立ち会える!
エリック・クラプトンの新作『I Still Do』を手掛けたプロデューサーの自伝! !
「グリン・ジョンズはそこにいた。ロック史上屈指の重要度を誇るいくつかのセッションの現場にいた。読んでいるうちに、レッド・ツェッペリン、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズといったグループの到着に備えて、スタジオをセッティングしているグリンのすぐそばにいる気になれること請け合いの一冊。僕にとっては、ロック史のページを次々にめくるように進む痛快娯楽作品」──ポール・マッカートニー
モノラル録音の60年代にレコーディング・エンジニアを始め、やがてプロデューサーも兼ねる“サウンドの職人"へ。21世紀の今まで現役を続けるグリン・ジョンズが数々の名仕事(時に迷仕事)や、ミュージシャンたちとの交流を生々しく振り返る、ロック・ファン必読の回顧録。
ロック黄金時代のレコーディング現場に、あなたも立ち会える!
エリック・クラプトンの新作『I Still Do』を手掛けたプロデューサーの自伝! !
「グリン・ジョンズはそこにいた。ロック史上屈指の重要度を誇るいくつかのセッションの現場にいた。読んでいるうちに、レッド・ツェッペリン、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズといったグループの到着に備えて、スタジオをセッティングしているグリンのすぐそばにいる気になれること請け合いの一冊。僕にとっては、ロック史のページを次々にめくるように進む痛快娯楽作品」──ポール・マッカートニー
モノラル録音の60年代にレコーディング・エンジニアを始め、やがてプロデューサーも兼ねる“サウンドの職人"へ。21世紀の今まで現役を続けるグリン・ジョンズが数々の名仕事(時に迷仕事)や、ミュージシャンたちとの交流を生々しく振り返る、ロック・ファン必読の回顧録。
- 本の長さ356ページ
- 言語日本語
- 出版社シンコーミュージック
- 発売日2016/2/22
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104401641957
- ISBN-13978-4401641956
登録情報
- 出版社 : シンコーミュージック; 四六版 (2016/2/22)
- 発売日 : 2016/2/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 356ページ
- ISBN-10 : 4401641957
- ISBN-13 : 978-4401641956
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 38,876位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29位ワールドミュージック
- - 30位海外のロック・ポップス
- - 34位ワールド楽譜・スコア・音楽書
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年2月24日に日本でレビュー済み
どうせ大物プロデューサー・エンジニアの自慢話かホラ話であろうと、本屋の立ち読みで済まそうと思っていたのですが、これはとても立ちっぱなしで流し読みできるエピソードの数々ではないと、本のボリュームにしては高い設定の金額ですが、ついレジへ走って衝動買い。
やはりグリン・ジョーンズと言えば、まずはローリング・ストーンズ!私は長年ストーンズファンをやっていて、彼らのどんな記事も漏らさずに貪るように読んできた口ですが、知らないエピソードがたんまり出てきて本当にビックリ。最近オフィシャルで映像が解禁になった71年のマーキーにしても、看板の件でオーナーともめたとかキースが本番前に居眠りし始めたので撮り直しになったみたいな話は知っていても、遅刻してきたキースが道の真ん中に乗り捨ててきた車のせいで交通渋滞がおこっていたなんて話を一体他に誰が教えてくれるでしょうか!
“Let's Spend the Night Together”のミックがジョイント吹かしながらの歌入れの時に、突然警官が入って来たすったもんだで、警官の下げてる警棒の音をレコーディングしたなんてエピソードの詳細の面白さ、“GIMME SHELTER”のレコーディングで、メリー・クレイトンがふんばりすぎて流産したんじゃない事件、60年代のドイツのライブは大荒れだったのは有名ですが、その機材搬入のいざこざや、アテネでキースがコンサートの警備に当たっている警官にギターで殴りかかる事件、もうその光景が目に浮かんできそうなワクワクする話がてんこ盛り。
まぁ話はかなり盛っているだろうとは思われます。“You Got The Silver”でミックのボーカルをミック不在の時に間違って消してしまったので、急遽キースに歌わせてそれがキースの初メインボーカルになったなんてストーリーが披露されていますが、ブートではミックボーカルバージョンも出回っているわけで、OKテイクを消してしまったのは本当としても、ちょっと脚色が過ぎるかなという感じも・・・。
しかしある程度面白くおかしく綴られているとしても、他のアーティストでも興味深い話がたくさん。ジミヘンがボリューム下げないのでライブレコーディング失敗、アルバム“Let It Be”をめぐってのグリンとジョンの確執と仲直り、レコーディングに遅刻したクラプトンにパティが持たせた言い訳メモ、出来もしない断酒の約束をするキース・ムーン、THE CLASHのラストアルバムでのフロントマン2人のゴタゴタ他、フェイセズ、イーグルスなど本当に盛りだくさん。
やはりストーンズとビートルズがらみの話が面白いんですけどね。Led Zeppelinの録りたてのファーストアルバムを聞かせても、ミックとジョージは全然ピンときてなかったとか、ボブ・ディランがストーンズやビートルズと共演してみたいと発言しても、ミックとポールは絶対にあり得ない!という反応だったとか。そうだろうなぁと、もうニヤニヤしっぱなしになります。
やはりグリン・ジョーンズと言えば、まずはローリング・ストーンズ!私は長年ストーンズファンをやっていて、彼らのどんな記事も漏らさずに貪るように読んできた口ですが、知らないエピソードがたんまり出てきて本当にビックリ。最近オフィシャルで映像が解禁になった71年のマーキーにしても、看板の件でオーナーともめたとかキースが本番前に居眠りし始めたので撮り直しになったみたいな話は知っていても、遅刻してきたキースが道の真ん中に乗り捨ててきた車のせいで交通渋滞がおこっていたなんて話を一体他に誰が教えてくれるでしょうか!
“Let's Spend the Night Together”のミックがジョイント吹かしながらの歌入れの時に、突然警官が入って来たすったもんだで、警官の下げてる警棒の音をレコーディングしたなんてエピソードの詳細の面白さ、“GIMME SHELTER”のレコーディングで、メリー・クレイトンがふんばりすぎて流産したんじゃない事件、60年代のドイツのライブは大荒れだったのは有名ですが、その機材搬入のいざこざや、アテネでキースがコンサートの警備に当たっている警官にギターで殴りかかる事件、もうその光景が目に浮かんできそうなワクワクする話がてんこ盛り。
まぁ話はかなり盛っているだろうとは思われます。“You Got The Silver”でミックのボーカルをミック不在の時に間違って消してしまったので、急遽キースに歌わせてそれがキースの初メインボーカルになったなんてストーリーが披露されていますが、ブートではミックボーカルバージョンも出回っているわけで、OKテイクを消してしまったのは本当としても、ちょっと脚色が過ぎるかなという感じも・・・。
しかしある程度面白くおかしく綴られているとしても、他のアーティストでも興味深い話がたくさん。ジミヘンがボリューム下げないのでライブレコーディング失敗、アルバム“Let It Be”をめぐってのグリンとジョンの確執と仲直り、レコーディングに遅刻したクラプトンにパティが持たせた言い訳メモ、出来もしない断酒の約束をするキース・ムーン、THE CLASHのラストアルバムでのフロントマン2人のゴタゴタ他、フェイセズ、イーグルスなど本当に盛りだくさん。
やはりストーンズとビートルズがらみの話が面白いんですけどね。Led Zeppelinの録りたてのファーストアルバムを聞かせても、ミックとジョージは全然ピンときてなかったとか、ボブ・ディランがストーンズやビートルズと共演してみたいと発言しても、ミックとポールは絶対にあり得ない!という反応だったとか。そうだろうなぁと、もうニヤニヤしっぱなしになります。
2018年1月3日に日本でレビュー済み
非常に面白かった。何ヵ所も爆笑した。ユーモアのセンスが非常にすぐれている。
マイルス・デイビス自伝を読めばジャズの歴史を総体的に学習できるように、これを読めばロックの歴史がほぼ つかめる。
まったく知らなかったエピソードがどんどん出てくる。「いとしのレイラ」の共作者で、当時西海岸でナンバーワンだったドラマーのジム・ゴードンって人がけっきょく発狂してしまった話とか。
ストーンズの主要作品すべて、ツェッペリン1枚目、ビートルズ「レットイットビー」、クラプトン「スローハンド」、ザ・フーのエンジニア、イーグルスの初期二作品のプロデューサーの自伝。
索引、ディスコグラフィー完備。
貴重な写真も多い。
マイルス・デイビス自伝を読めばジャズの歴史を総体的に学習できるように、これを読めばロックの歴史がほぼ つかめる。
まったく知らなかったエピソードがどんどん出てくる。「いとしのレイラ」の共作者で、当時西海岸でナンバーワンだったドラマーのジム・ゴードンって人がけっきょく発狂してしまった話とか。
ストーンズの主要作品すべて、ツェッペリン1枚目、ビートルズ「レットイットビー」、クラプトン「スローハンド」、ザ・フーのエンジニア、イーグルスの初期二作品のプロデューサーの自伝。
索引、ディスコグラフィー完備。
貴重な写真も多い。
2016年3月15日に日本でレビュー済み
グリン・ジョンズ著『サウンド・マン』の内容を示そうとすると、全てエピソードの羅列になってしまう密度の濃さで、彼からの新たな証言が盛り沢山で興奮しながら読み通せると思います。本書のカバー表紙の写真から、既に中身があまりの情報量の多さを物語っています。本人の姿は見えませんがマリアンヌ・フェイスフルのセッション時のもので、ミック・ジャガーとポール・マッカートニーの間に立つ長髪のグリン・ジョンズと黒いスーツ姿のテリー・ジョンソン。本書の中にも同カットが掲載されてありますが、このハムステッドのデッカ・スタジオにアレンジャーのアーサー・グリーンスレイドや当時の恋人ミックも同席している当セッションはアンドリュー(本書ではアンドルーと表記)・オールダムのプロデュースしたマリアンヌがロネッツ曲をカバーした時の様子を写したもので、それもディック・スウェットナムの設計したレコーディング卓を擁するオリンピック・スタジオでグリン・ジョンズが初めて手掛けた記念すべきセッションになります。
この2016年にもエリック・クラプトンのアルバム『アイ・スティル・ドゥ』のプロデュースを手掛けたことで話題のグリン・ジョンズ、彼がこの世界で活動を始めたのは1959年の17歳の夏から。姉の紹介で運よく潜り込んだIBCスタジオで、50年代イギリスのスキッフルブームの立役者である彼憧れのロニー・ドネガンのセッションが初仕事となる幸先の良いスタート。時にはジョー・ミークが利用していたこのスタジオでの下積み時代に音楽業界のノウハウを学んでいく彼はエンジニアの重要性をいち早く理解し、エリック・トムリンソンやレイ・プリケット、テリー・ジョンソン等の仕事ぶりからレコーディング技術を吸収していきます。当時はアメリカの最新型のサウンドから遅れをとるイギリスにあって、その再現に向けて挑戦する日々が続きます。ジョンズのアイディアで仕事が暇な日曜にはスタジオを無料で開放して同じ地元の友人ジミー・ペイジやニッキー・ホプキンス等がやって来ては研鑽を重ねて、やがて彼らはセッションに不可欠なミュージシャンとして頭角を現します。良い人脈に恵まれていたジョンズの仕事は順風満帆で、業界入りから八年後の26歳にして当時はまだ前代未聞だった、エンジニアがプロデュースも兼ねる願ってもないチャンスが訪れます。
以降は怒濤の快進撃で俄然ロックが面白くなってくる1968年辺りから1970年代にかけてのジョンズは、あるバンドのアルバム制作中に別のバンドから緊急で呼ばれたりする最も多忙な時期で、彼のスケジュール帳からそのまま行ったことを読者が辿っていく流れになっているので、ジョンズの殺人的な慌ただしくも充実した日々が体感できます。これらを読むにつけ、分業や重ね録りが当たり前の現代の録音に対して「ミュージシャン同士が演奏する際の相互作用の重要性」を説くジョンズの見解も決して蔑ろにできない事柄です。
ジョンズの交遊関係のうち最も記憶すべき人物は、当時の彼が一緒に住んでいたイアン・スチュアート、ローリングストーンズ結成の重要人物にしてデビュー後は裏方に徹してバンドを支えたファンにはお馴染みの通称スチュ、彼と最も仲の良かったジョンズでデビュー前から知るストーンズの出来事には事欠きませんが、とにかく話題が豊富で同時進行で様々な出来事が紙面を飾っています。その一部を簡単に紹介すると、代役で関わったジョー・ブラウンのセッション後に大迷惑だったトニー・ハッチ、ジョンズが先に目をつけセッションを行うもオールダムにストーンズのマネジメントを奪われてしまった話、ジョージィ・フェイムのセッションで面会したシェル・タルミーとの関係、イミディエイト・レコードを手伝うことになった経緯、ビル・ワイマンとジ・エンド絡みのスペインでの出来事、スモール・フェイセスのロニー・レインとの仲、悪名高いドン・アーデンとのトラブル、ヘリオス卓のベイシング・ストリート~コンパス・ポイントとの関わり、ジミー・ミラーをミック・ジャガーに紹介した話、レッド・ツェッペリンのセッションで偶然に発見したドラム録音の手法、ジミ・ヘンドリックスのアルバートホール録音の大失敗、ジ・オザーク・マウンテン・デアデヴィルズとの録音、ニューヨークのラガーディア空港で出会ったボブ・ディランの語ったビートルズやストーンズとのアルバム構想、ストーンズのセッションに乱入してきた警官を手玉にとったオールダムの機知、デラニー&ボニーのテストプレス盤に感動して勢い余ったジョージ・ハリスン、エレクトラ・スタジオでのドラム奏者ジム・ゴードンとの想い出、「ギミー・シェルター」でのメリー・クレイトンの驚愕のテイク、『レット・イット・ブリード』でジョンズが無能だったと話す二点、高齢のハウリン・ウルフから直々に若きエリック・クラプトンがギターの弾き方を教わる神々しいロンドン・セッション、ジョンズに託された『レット・イット・ビー』のミックス済みマスターについて、ピート・タウンゼントの驚愕のデモ内容と『フーズ・ネクスト』のレコーディング、デヴィッド・ゲフィンの熱心さに折れたイーグルスのプロデュース、ジョン・レノンとの最後に交わした言葉、ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』の私家版ラフミックスの出来、キース・ムーンのユニークかつ突飛な行動、 フェアポート・コンヴェンションから得たこと、アンディ・フェアウェザー・ロウとの友情、ジョニ・ミッチェルやサンディー・デニー、ジョーン・アーマトレイディングといった女性ミュージシャン達との仕事、一時期の婚約者だったエミルー・ハリス絡みで知られるポール・ケナリーの素晴しさ、クラッシュのジョー・ストラマーへの賛辞、ロニー・レインのために開いたアームズやフレッド・ウォレキのためのコンサートのこと、ジョン・ハイアットのアルバム録音で呼んだマック・ゲイデンのスライドギターを蘇らせた起死回生の音色、といったトピックが印象的で、身内にして同じ才能に恵まれた8つ下の弟アンディや息子のイーサンのことにも触れられています。
全編に貴重なエピソードが犇めいていて、ロックがとにかく好きな方には様々な関係者が点と線で繋がっていく愉しさがあります。それも音楽環境がどんどん変化していく激動の時代を駆け抜けた重要人物の著作物なのですから、面白くない訳がありません。どこを取ってもジョンズの並外れた記憶力には驚嘆するばかりですが、特に彼は相手の応対や人間性に大変に着目して各場面での最初の性格的な描写に傾注するので、同じ人間がその時々で別の表情を見せることも細かに読者に伝えてきます。時おり覗かせる英国的な冗談や毒舌をアクセントに、登場するシーンや関係者こそ多彩ですが、その忌憚ない意見を広く語っている大変に読みやすい一冊です。日本では意味の通じない比喩にも但書きの添えられた新井崇嗣さんによる翻訳も非常に素晴らしい、まさに音楽ファン必読の書です。
この2016年にもエリック・クラプトンのアルバム『アイ・スティル・ドゥ』のプロデュースを手掛けたことで話題のグリン・ジョンズ、彼がこの世界で活動を始めたのは1959年の17歳の夏から。姉の紹介で運よく潜り込んだIBCスタジオで、50年代イギリスのスキッフルブームの立役者である彼憧れのロニー・ドネガンのセッションが初仕事となる幸先の良いスタート。時にはジョー・ミークが利用していたこのスタジオでの下積み時代に音楽業界のノウハウを学んでいく彼はエンジニアの重要性をいち早く理解し、エリック・トムリンソンやレイ・プリケット、テリー・ジョンソン等の仕事ぶりからレコーディング技術を吸収していきます。当時はアメリカの最新型のサウンドから遅れをとるイギリスにあって、その再現に向けて挑戦する日々が続きます。ジョンズのアイディアで仕事が暇な日曜にはスタジオを無料で開放して同じ地元の友人ジミー・ペイジやニッキー・ホプキンス等がやって来ては研鑽を重ねて、やがて彼らはセッションに不可欠なミュージシャンとして頭角を現します。良い人脈に恵まれていたジョンズの仕事は順風満帆で、業界入りから八年後の26歳にして当時はまだ前代未聞だった、エンジニアがプロデュースも兼ねる願ってもないチャンスが訪れます。
以降は怒濤の快進撃で俄然ロックが面白くなってくる1968年辺りから1970年代にかけてのジョンズは、あるバンドのアルバム制作中に別のバンドから緊急で呼ばれたりする最も多忙な時期で、彼のスケジュール帳からそのまま行ったことを読者が辿っていく流れになっているので、ジョンズの殺人的な慌ただしくも充実した日々が体感できます。これらを読むにつけ、分業や重ね録りが当たり前の現代の録音に対して「ミュージシャン同士が演奏する際の相互作用の重要性」を説くジョンズの見解も決して蔑ろにできない事柄です。
ジョンズの交遊関係のうち最も記憶すべき人物は、当時の彼が一緒に住んでいたイアン・スチュアート、ローリングストーンズ結成の重要人物にしてデビュー後は裏方に徹してバンドを支えたファンにはお馴染みの通称スチュ、彼と最も仲の良かったジョンズでデビュー前から知るストーンズの出来事には事欠きませんが、とにかく話題が豊富で同時進行で様々な出来事が紙面を飾っています。その一部を簡単に紹介すると、代役で関わったジョー・ブラウンのセッション後に大迷惑だったトニー・ハッチ、ジョンズが先に目をつけセッションを行うもオールダムにストーンズのマネジメントを奪われてしまった話、ジョージィ・フェイムのセッションで面会したシェル・タルミーとの関係、イミディエイト・レコードを手伝うことになった経緯、ビル・ワイマンとジ・エンド絡みのスペインでの出来事、スモール・フェイセスのロニー・レインとの仲、悪名高いドン・アーデンとのトラブル、ヘリオス卓のベイシング・ストリート~コンパス・ポイントとの関わり、ジミー・ミラーをミック・ジャガーに紹介した話、レッド・ツェッペリンのセッションで偶然に発見したドラム録音の手法、ジミ・ヘンドリックスのアルバートホール録音の大失敗、ジ・オザーク・マウンテン・デアデヴィルズとの録音、ニューヨークのラガーディア空港で出会ったボブ・ディランの語ったビートルズやストーンズとのアルバム構想、ストーンズのセッションに乱入してきた警官を手玉にとったオールダムの機知、デラニー&ボニーのテストプレス盤に感動して勢い余ったジョージ・ハリスン、エレクトラ・スタジオでのドラム奏者ジム・ゴードンとの想い出、「ギミー・シェルター」でのメリー・クレイトンの驚愕のテイク、『レット・イット・ブリード』でジョンズが無能だったと話す二点、高齢のハウリン・ウルフから直々に若きエリック・クラプトンがギターの弾き方を教わる神々しいロンドン・セッション、ジョンズに託された『レット・イット・ビー』のミックス済みマスターについて、ピート・タウンゼントの驚愕のデモ内容と『フーズ・ネクスト』のレコーディング、デヴィッド・ゲフィンの熱心さに折れたイーグルスのプロデュース、ジョン・レノンとの最後に交わした言葉、ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』の私家版ラフミックスの出来、キース・ムーンのユニークかつ突飛な行動、 フェアポート・コンヴェンションから得たこと、アンディ・フェアウェザー・ロウとの友情、ジョニ・ミッチェルやサンディー・デニー、ジョーン・アーマトレイディングといった女性ミュージシャン達との仕事、一時期の婚約者だったエミルー・ハリス絡みで知られるポール・ケナリーの素晴しさ、クラッシュのジョー・ストラマーへの賛辞、ロニー・レインのために開いたアームズやフレッド・ウォレキのためのコンサートのこと、ジョン・ハイアットのアルバム録音で呼んだマック・ゲイデンのスライドギターを蘇らせた起死回生の音色、といったトピックが印象的で、身内にして同じ才能に恵まれた8つ下の弟アンディや息子のイーサンのことにも触れられています。
全編に貴重なエピソードが犇めいていて、ロックがとにかく好きな方には様々な関係者が点と線で繋がっていく愉しさがあります。それも音楽環境がどんどん変化していく激動の時代を駆け抜けた重要人物の著作物なのですから、面白くない訳がありません。どこを取ってもジョンズの並外れた記憶力には驚嘆するばかりですが、特に彼は相手の応対や人間性に大変に着目して各場面での最初の性格的な描写に傾注するので、同じ人間がその時々で別の表情を見せることも細かに読者に伝えてきます。時おり覗かせる英国的な冗談や毒舌をアクセントに、登場するシーンや関係者こそ多彩ですが、その忌憚ない意見を広く語っている大変に読みやすい一冊です。日本では意味の通じない比喩にも但書きの添えられた新井崇嗣さんによる翻訳も非常に素晴らしい、まさに音楽ファン必読の書です。
2016年7月28日に日本でレビュー済み
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購入して読もうと思ったら、いきなり誤字、脱字、訂正の紙が入っていて読む気が失せて返品した。その後原書を入手したら、私でも理解できる英語だったのでこれで十分でした。英語版の内容は5つ星です。
出版社がいい加減な仕事をするから読書離れが進んで自分の首を絞めることになっているのではないですか?
出版社がいい加減な仕事をするから読書離れが進んで自分の首を絞めることになっているのではないですか?