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アラマタ美術誌 単行本 – 2010/2/25
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- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社新書館
- 発売日2010/2/25
- 寸法15.1 x 1.8 x 21.1 cm
- ISBN-104403120229
- ISBN-13978-4403120220
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商品の説明
レビュー
博覧強記の著者が読み解く美術講義
鬼才が人類の起源にまでさかのぼってつづった美術史講義。
まずは、ヒトがなぜ絵を描けるようになったかという根源的なテーマに迫る。
絵を描くという「発明」は、言語の獲得に匹敵するほどの重大な影響を
人類に与えた出来事だった。3次元(立体)の現実の眺めを2次元(平面)に変換する
という課題を克服した人類は、2万年前にはすでに遠近法を用いて絵を描いていたという。
ニューヨークの自然史博物館のホールに展示された壁画を描く
ホモ・サピエンスの図を取り上げ、なぜ彼らが暗黒の洞窟の中で
わざわざ火をともして絵を描いたかに注目する。
マンモスをはじめとする生身の生物を2次元に正しく変換するためには、
火によって洞窟内の岩壁に映し出される影が必要だったのだという。
そんな絵画発明の起源を描いた18世紀のデイビツド・アランの作品をはじめ、
ムンクやダリ、そして歌川国芳の浮世絵が江戸小牧の紙型までを教材にしながら、
西洋と東洋の影に対する考え方の違いや、影から絵の描き方を学んでいった
西洋の画家たちの軌跡など、影と美術の関係を論じていく。
その他、幕末から明治にかけて左官職人によって始まった日本固有の
壁装飾「鏝絵(こてえ)」を手掛かりに「うわべを飾る芸術の発生とその意義」を
考察した装飾芸術論や、戦国から江戸のアートシーンをリードしたバサラ大名や、
ナチスドイツが実行した「退廃芸術」排除運動、そのシンボルである「退廃芸術展」などから、
ヒトはなぜ悪趣味を求めるのかを論じる一方で美醜の起源とその消滅にまで触れる。
古今東西の美術品はもちろん、思想哲学から文学までを俎上に載せ、
博覧強記の著者ならではの視点で美の迷宮を案内してくれる読み応え十分のアート本。
もう一つの奇想の系譜 美術の枠も超えた、あらゆる図像の世界
評:布施英利(芸術学者)
荒俣宏といえば博覧強記の人だが、今回は、その博識ぶりを「美術」の世界で展開している。
「影」をテーマにした話からはじまり、「濃いアート」、悪趣味へと話題は展開していく。
「濃いアート」の章では、日本の鏝絵が紹介される。荒俣氏は、伊豆や新潟や、各地の鏝絵を訪ねる。
伊豆の松崎町に、鏝絵の美術館、伊豆の長八美術館がある。鏝絵の名人、入江長八の作品が集められている。
美術館の設計は、建築家の石山修武の手になり、南伊豆を訪れる際には外せないポイントだ。
近くには、鏝絵やナマコ壁の家も多い。ナマコ壁というと、壁にナマコがべたべた張り付いているイメージがあり、
グロテスクだと思いかねないが、じっさいは黒い壁に白い斜め格子模様のモダンなデザインだ。
そしてナマコ壁と同じく、漆喰で盛り上げられたレリーフ状の装飾が「鏝絵」である。
その色彩の氾濫する様や、ぼてっと盛り上がった質感は、たしかに「濃いアート」である。
悪趣味の美術も、いろいろ紹介される。
私は学生のとき、美学の授業で「醜の美学」という講義を聞いたことがあるが、そういうことではない。
「醜の美学」は、あくまで美の分類の一つだが、荒俣氏は、そういう「醜い」ではなく、
ひたすら卑下されるべき「劣等美学」というものがあり、それが「悪趣味」だという。
もちろん、この本は、悪趣味を遠ざけるのではなく、その魅力伝えてくれる。
ちょっとアブナイ本である。なにしろ、悪趣味の魅力にはまる人間になりかねないのだ。
承前
「アラマタ美術誌」には、そんな「濃い」かつ悪趣味で、「影」のある美術が満載だ。
アラマタ的な美学に浸りたい人には堪らない。こういうアラマタ好みのアートの対極には、
日本なら枯山水やわび・さび、西洋ならクラシックやロマネスクや、そういう静謐な美術があるといえばいいのだろうか。
日本の近世美術を論じた、いまや定番となった美術書に、辻惟雄の『奇想の系譜』ある。
伊藤若冲や歌川国芳ら、こちらも「濃い」絵画を論じたものだが、『アラマタ美術誌』を、
「もう一つの奇想の系譜」と評してもいいだろう。
アラマタ好みの美術には、江戸の絵画だけでなく、美術の枠も超えた、あらゆる図像の世界がある。
個人的な趣味をいえば、私はクラシックな芸術が好きで、ふつうならこのような本を手にする機会はなかったかもしれない。
しかし書評をする機会を得て、じっくりと読んでみた。読めば面白いもので、自分の目が開かれていくのが分かる。
ほんらい「読書」とはそういうもので、自分の好きなタイプの本ばかりを読んでいれば、少しも世界は広がらない。
その枠を超える、殼を壊すから読書する価値がある。
えっ? 布施が静謐なクラシック好きだって? 布施って、死体の本とか書いていた奴だろう。そんな声も聞こえてきそうだ。
しかし私は、死体に「悪趣味」を見ていたわけではない。カント的な言い方をすれば、私は死体に「崇高」を見ていた。
もちろん、「それがアラマタ的な悪趣味、そのものではないか」と言われれば、そうかもしれない。
いうまでもないが、『アラマタ美術誌』で説かれているのも、ただの悪趣味、ではない。
荒俣氏ならではの美学である。
アラマタ・ファンは、その世界にたっぷり浸る。やや「趣味がちがう」と感じている人は、自分の殼を破る。
誰にもお勧めの本である。
登録情報
- 出版社 : 新書館 (2010/2/25)
- 発売日 : 2010/2/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 294ページ
- ISBN-10 : 4403120229
- ISBN-13 : 978-4403120220
- 寸法 : 15.1 x 1.8 x 21.1 cm
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- - 2,859位アート・建築・デザイン (本)
- - 11,437位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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例えば、「影」。
そもそも人類の絵は、洞窟の壁に投射した影をなぞることから始まったという。このことはNYの自然史博物館の入口ホールに絵が掲げてあるし、ギリシアの学者も書いた話しという。しかも黒い影は、立体感や遠近、すなわち3次元画像の表現として西洋では古くから描かれたが、日本では決定的に無視されてきた。なぜか? …という具合。
「人種差別」「悪趣味」「バッドテイスト」というのもあからさまで、面白いテーマだった。学校の美術史では絶対に教えてくれないだろう。何といっても、ナチス・ドイツの「模範」絵画にヌード画があるというのも驚いた。しかも「ヘア」ヌード!!
いったい「模範」と「退廃」「反モラル」を分けるものは何なのか。
その他にも、伊豆長八らの「鏝絵」の実例とその系譜を追った「濃いアート」論など、いかにもアラマタらしい一論もあって、片時も退屈することがない。