この人の力量は痛いほど解っていたつもりですが
この作品にきて潔いまでのラストの切り取り方で
今後のよしながふみの進みたい方向を垣間見た気がします。
「バーチャルでは人生は生きられない」という強いメッセージとそれに続くエール!
漫画の世界がバーチャルを基本としていることを思えば
このよしながの姿勢は矛盾ともシニカルとも取られるものではあるけれど
それでも敢えてバーチャルの世界を描きながら
生身の人間にメッセージを発信しようと試みています。
レビューにもあるように3巻あるいは4巻の途中まですごく楽しめた
という意見はこれまでのハッピーほのぼの幸せな後味を期待する読者の正直な気持ちではあるでしょう。
事実、4巻途中までのまさに「花咲く時期」とも言えるハッピーな学園生活の描写は文句なく楽しめました。
高校生を描きながらどう見ても27歳以上くらいの感覚で登場する彼らは
漫画家を志していた作者が当時まさに『描きたかった』高校生活であり生き方だったのだと思います。
その思いは翔太の口から語られています。
「フラワー・オブ・ライフ」の本当の意味が語られるとき、
裏切られた気分になるのだとしたらバーチャルには不似合いな重いメッセージが送られたと感じたからでしょう。
「愛すべき娘たち」で見た片鱗はこの「フラワー・オブ・ライフ 」でさらにはっきりとした形として示されています。
「大奥」を重いとする意見も目にしますがが今後のよしながは
「西洋骨董洋菓子店」のような明白なハッピーエンドに終わる(とても好きな作品ではありますが)
作品は書かないような気もします。
また、お約束のようなBLラブシーンもたぶん少なくなるでしょう。
作者にとってBLを手掛けたことは一つの手段に過ぎず(生き辛い思いを持つ人たちに暖かいまなざしを注ぐという)
その目的がある程度確立された今、あえてBLだけにこだわる必要もないからです。
この作品で斎藤滋が限りなく男にちかい女という設定で登場するのは作品の分岐点を感じます。
よしながの登場人物とともに読者も引き上げられ成長してゆけるならこんなに素晴らしいことはありません。
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フラワー・オブ・ライフ (4) (ウィングス・コミックス) コミック – 2007/5/25
よしなが ふみ
(著)
一年間。春太郎は宣言してきた。「俺、隠しごととかキライだから!」そのポリシーのままに、高一ライフを過ごした彼に、事件が起こる。それは——。
ささいな毎日、ちいさな悩み、平凡な学校行事、手が届きそうな夢。ごく普通の高校一年生を、ドラマチックに体験してきた、春太郎とクラスメートの一年間がここにある。
名手よしながふみが描く、最高の高校生日記、完結!!
ささいな毎日、ちいさな悩み、平凡な学校行事、手が届きそうな夢。ごく普通の高校一年生を、ドラマチックに体験してきた、春太郎とクラスメートの一年間がここにある。
名手よしながふみが描く、最高の高校生日記、完結!!
- 本の長さ201ページ
- 言語日本語
- 出版社新書館
- 発売日2007/5/25
- ISBN-104403618677
- ISBN-13978-4403618673
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登録情報
- 出版社 : 新書館 (2007/5/25)
- 発売日 : 2007/5/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 201ページ
- ISBN-10 : 4403618677
- ISBN-13 : 978-4403618673
- Amazon 売れ筋ランキング: - 345,246位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年10月8日に日本でレビュー済み
なんでそんなに急いでラストに向かってるの〜。
そんな感じでした。
学年末でみんなにいろんなことがあって
一人だけ悩んでるわけじゃないのはわかるんだけど
詰め込み過ぎじゃー。
もっとじっくり読みたい人達もあったのに。
翔太たちの七転び八起きも、もっと過程を見たかったのに〜。
まあそんな感想でした。
ストーリーは文句ないんだと思う。自分の気持ちは。
そんな感じでした。
学年末でみんなにいろんなことがあって
一人だけ悩んでるわけじゃないのはわかるんだけど
詰め込み過ぎじゃー。
もっとじっくり読みたい人達もあったのに。
翔太たちの七転び八起きも、もっと過程を見たかったのに〜。
まあそんな感想でした。
ストーリーは文句ないんだと思う。自分の気持ちは。
2007年6月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まずは、この素晴らしき、愛すべき作品を書き上げてくれたよしながふみさんに感謝を。
このなーんにも起こらない、けど怒涛のドラマを世に送り出してくれて本当にありがとう。
学校生活から遠ざかって久しく、最近の若い世代に眉をひそめることも多々ある私ですが、
この作品を読んでいると高校生の彼らがこんなにも大人で、そしてこんなにも子供なのだ
(あの山根さんですら!)と愛おしくてたまらなくなります。
そして自分も含め大人たちがこんなにも弱いものだということも。
社会的にも後輩を指導する立場となり、人を導くことの恐ろしさが身に沁みるこのごろ、
ハル君や将太君たちのしなやかさと逞しさが熱く胸に迫ります。
傷つくことを怖れずに次のステージに進もうとする彼らの姿に、月並みですが、「頑張れ!」
声を掛けずにはいられません。もちろん、その他の花盛りの少年少女たちにも。
そして、私自身、きちんと物事に向かっていく力を貰えた気がします。私も、頑張ろう。
このなーんにも起こらない、けど怒涛のドラマを世に送り出してくれて本当にありがとう。
学校生活から遠ざかって久しく、最近の若い世代に眉をひそめることも多々ある私ですが、
この作品を読んでいると高校生の彼らがこんなにも大人で、そしてこんなにも子供なのだ
(あの山根さんですら!)と愛おしくてたまらなくなります。
そして自分も含め大人たちがこんなにも弱いものだということも。
社会的にも後輩を指導する立場となり、人を導くことの恐ろしさが身に沁みるこのごろ、
ハル君や将太君たちのしなやかさと逞しさが熱く胸に迫ります。
傷つくことを怖れずに次のステージに進もうとする彼らの姿に、月並みですが、「頑張れ!」
声を掛けずにはいられません。もちろん、その他の花盛りの少年少女たちにも。
そして、私自身、きちんと物事に向かっていく力を貰えた気がします。私も、頑張ろう。
2007年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
乙女も青年も、その若く美しい時間が短いのは同じ。
ましてや主人公は急性白血病を克服したとはいえ、
再発の可能性がある。
それを知った(知らされた)時の慟哭に
涙しました。
人は死を意識せず生きている。意識すると怖いから。
でもほんと?明日死ぬかもしれないけれど、彼には
夢を持った友達が居て、ユニークな知人が居て、
素敵な家族が居て、とりあえず今を歩いていけている。
涙の後見えてくるのは素晴らしいものばかり。
死なんてどんなものかわからない。わからないから
恐れなくていい。花の時を進もう。
感動しました。
でも2度目読むまでに時間かかったな。
お姉さんのえぴそーどがかわいそうなんだよ。
アパレル業界きっついからね。
ましてや主人公は急性白血病を克服したとはいえ、
再発の可能性がある。
それを知った(知らされた)時の慟哭に
涙しました。
人は死を意識せず生きている。意識すると怖いから。
でもほんと?明日死ぬかもしれないけれど、彼には
夢を持った友達が居て、ユニークな知人が居て、
素敵な家族が居て、とりあえず今を歩いていけている。
涙の後見えてくるのは素晴らしいものばかり。
死なんてどんなものかわからない。わからないから
恐れなくていい。花の時を進もう。
感動しました。
でも2度目読むまでに時間かかったな。
お姉さんのえぴそーどがかわいそうなんだよ。
アパレル業界きっついからね。
2007年10月18日に日本でレビュー済み
他の方も書かれてるように、3巻までは、すごく面白かった。
楽しめた。
最後で…。
…台無し_| ̄|○
「西洋骨董洋菓子店」のラストのような感動はなかった。
むしろ、完結した時点で、まとめて古本に出したくらい、
ラストが台無しだった。
何もかもいきなりで「はあ?」って感じしか残らない。
ラスト何話目かで急転直下して、そのまま後味の悪いまま、
終結。
もうちょっと長いスパンでの話にすべきだったかと…。
3巻までの出来を考えると、尚更悔しい。
楽しめた。
最後で…。
…台無し_| ̄|○
「西洋骨董洋菓子店」のラストのような感動はなかった。
むしろ、完結した時点で、まとめて古本に出したくらい、
ラストが台無しだった。
何もかもいきなりで「はあ?」って感じしか残らない。
ラスト何話目かで急転直下して、そのまま後味の悪いまま、
終結。
もうちょっと長いスパンでの話にすべきだったかと…。
3巻までの出来を考えると、尚更悔しい。
2007年9月4日に日本でレビュー済み
3巻までは確実に面白くて、4巻の途中までも確実に素敵なんですが・・・・
終わり方が随分アッサリ・・・・(涙)
ううん。これはこれで完結って感じなんですが、
なんともスゴク物足りないです。
なんだか残念。
終わり方が随分アッサリ・・・・(涙)
ううん。これはこれで完結って感じなんですが、
なんともスゴク物足りないです。
なんだか残念。
2010年2月2日に日本でレビュー済み
なんとも、「らしい」最終巻。
胸がいっぱいになりました。
漫画なんだから、スッキリ爽快な展開が待っていて、
漫画化への夢も人間関係も不倫・二股問題も、主人公の白血病も、
ぜ〜んぶラストには前向きに解決するに違いない!、、って下敷きをエンタメに求める人には、
正直あんまりおすすめできません。
因果応報でもなく、ハッピーエンドでもなく。
このお話は、どうしようもなく「日常」の物語です。
けど、読み終わった後、「ああ、しっかり生きなくっちゃ」と思わせるような作品です。
自分がちょっと将来について行き詰ってる時に、
みちしるべみたいなものになってくれるかもしれない。
ただ、最後の見開き2ページは「??」
どういう意図だったのでしょうか。
二人が一人になり、誰もいなくなり、って。
二人三脚の漫画家の夢の終わりを暗示してるのでしょうか。
それとも、春太郎の死をちらつかせているのでしょうか。
気になるところですね。
胸がいっぱいになりました。
漫画なんだから、スッキリ爽快な展開が待っていて、
漫画化への夢も人間関係も不倫・二股問題も、主人公の白血病も、
ぜ〜んぶラストには前向きに解決するに違いない!、、って下敷きをエンタメに求める人には、
正直あんまりおすすめできません。
因果応報でもなく、ハッピーエンドでもなく。
このお話は、どうしようもなく「日常」の物語です。
けど、読み終わった後、「ああ、しっかり生きなくっちゃ」と思わせるような作品です。
自分がちょっと将来について行き詰ってる時に、
みちしるべみたいなものになってくれるかもしれない。
ただ、最後の見開き2ページは「??」
どういう意図だったのでしょうか。
二人が一人になり、誰もいなくなり、って。
二人三脚の漫画家の夢の終わりを暗示してるのでしょうか。
それとも、春太郎の死をちらつかせているのでしょうか。
気になるところですね。
2008年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほんわりあったかい高校生活。登場人物がみんな好きです。
何度も何度も読み返しました。この世界にひたりたくて。
出てくる人がみんなみんな好きです。
4巻には衝撃のシーンもあったけど、春の心の成長を感じました。
絶望するのではなく、生き続ける決意をするハルが大きく見えました。
最後があっさりしているのは、未来が続いていく暗示のような気がします。
今でもハルは、どこかで生きています。私の心に中では。
何度も何度も読み返しました。この世界にひたりたくて。
出てくる人がみんなみんな好きです。
4巻には衝撃のシーンもあったけど、春の心の成長を感じました。
絶望するのではなく、生き続ける決意をするハルが大きく見えました。
最後があっさりしているのは、未来が続いていく暗示のような気がします。
今でもハルは、どこかで生きています。私の心に中では。