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孤宿の人 (上) (新人物ノベルス) 新書 – 2008/5/22
宮部 みゆき
(著)
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それは海うさぎとともにやってきた。
江戸から金比羅代参で讃岐を訪れた九歳の少女ほうは、丸海の港で置き去りにされ、たった一人見知らぬ土地に取り残される。幸い、丸海藩の藩医・井上舷洲宅に奉公人として住み込むことになった。それから半年……、この丸海の地に幕府の罪人・加賀殿が流されてくること……。海うさぎが飛ぶ夏の嵐の日、加賀殿の所業をなぞるかのように不可解な毒死事件や怪異現象が井上家と丸海藩に次々と起こっていく……。
宮部みゆきが紡ぎ出す時代ミステリーの最高傑作! 装いも新たにノベルスで登場。
江戸から金比羅代参で讃岐を訪れた九歳の少女ほうは、丸海の港で置き去りにされ、たった一人見知らぬ土地に取り残される。幸い、丸海藩の藩医・井上舷洲宅に奉公人として住み込むことになった。それから半年……、この丸海の地に幕府の罪人・加賀殿が流されてくること……。海うさぎが飛ぶ夏の嵐の日、加賀殿の所業をなぞるかのように不可解な毒死事件や怪異現象が井上家と丸海藩に次々と起こっていく……。
宮部みゆきが紡ぎ出す時代ミステリーの最高傑作! 装いも新たにノベルスで登場。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社新人物往来社
- 発売日2008/5/22
- ISBN-104404035586
- ISBN-13978-4404035585
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商品の説明
著者からのコメント
宮部みゆきからの言葉
「自分を阿呆だと思っていた子が名前をもらい、生きる目的をもらい、生きていく技術をもらい、言葉を得ることで世間に居場所をつくっていく。
この物語は、幕府からの命令をなんとか遂行しなければならない小藩の苦渋も、藩のお家騒動も描いていますが、ほう(主人公)という一人の少女の成長小説にしたかったのです。
「自分を阿呆だと思っていた子が名前をもらい、生きる目的をもらい、生きていく技術をもらい、言葉を得ることで世間に居場所をつくっていく。
この物語は、幕府からの命令をなんとか遂行しなければならない小藩の苦渋も、藩のお家騒動も描いていますが、ほう(主人公)という一人の少女の成長小説にしたかったのです。
出版社からのコメント
孤宿の人』はこれまでの宮部さんの時代物とは違い、江戸を離れ讃岐国の小藩を舞台にしたものです。作中の丸海藩は、架空の藩であり、登場人物ももちろん実在の人物ではありません。ただ加賀殿のモデルは、幕末期、実際に讃岐の丸亀藩に預けられた"妖怪"の異名で知られた鳥居耀蔵その人であり、また著者は物語の舞台とした丸亀を実際に訪れて、鳥居耀蔵の幽閉屋敷などへ取材にも行かれました。こうして著者の新境地を拓く時代ミステリーの傑作『孤宿の人』は書き上げられたのです。是非とも清冽な感動を残す結末までお読みになって新たな宮部ワールドを実際に味わってください。(N・M)
レビュー
『孤宿の人』はこれまでの宮部さんの時代物とは違い、江戸を離れ讃岐国の小藩を舞台にしたものです。作中の丸海藩はあくまでも架空の藩であり、登場人物ももちろん実在の人物ではありません。ただイメージは実在の讃岐国丸亀藩であり、加賀殿のモデルは、幕末期、実際に丸亀藩に預けられた"妖怪"の異名で知られる鳥居耀蔵その人であり、また著者は物語の舞台とした丸亀を実際に訪れて、鳥居耀蔵の幽閉屋敷跡などの取材にも行かれました。こうして著者の新境地を拓く時代ミステリーの傑作『孤宿の人』は書き上げられたのです。是非とも清冽な感動を残す結末までお読みになって新たな宮部ワールドを実際に味わってください。(N・M) --出版社からのコメント
著者について
宮部みゆき(みやべ・みゆき)
東京都江東区生まれ。昭和62年、「我らが隣人の犯罪」で第26回オール読物推理小説新人賞受賞。同年「かまいたち」で第12回歴史文学賞佳作受賞。平成元年、「魔術はささやく」で第2回日本推理サスペンス大賞受賞。平成4年、「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞受賞。平成5年、「火車」で第6回山本周五郎賞受賞。平成10年、「理由」で第120回直木賞受賞。平成13年、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、平成14年、第6回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。平成19年、「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。
東京都江東区生まれ。昭和62年、「我らが隣人の犯罪」で第26回オール読物推理小説新人賞受賞。同年「かまいたち」で第12回歴史文学賞佳作受賞。平成元年、「魔術はささやく」で第2回日本推理サスペンス大賞受賞。平成4年、「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞、「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞受賞。平成5年、「火車」で第6回山本周五郎賞受賞。平成10年、「理由」で第120回直木賞受賞。平成13年、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、平成14年、第6回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。平成19年、「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 新人物往来社; 初版 (2008/5/22)
- 発売日 : 2008/5/22
- 言語 : 日本語
- 新書 : 352ページ
- ISBN-10 : 4404035586
- ISBN-13 : 978-4404035585
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,014,692位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。
法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。
1992年 「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、 同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞。1993年 「火車」で第6回山本周五郎賞。1997年 「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞。1999年 「理由」で第120回直木賞。2001年 「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、 第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。2007年 「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。2008年 英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞。2022年 第70回菊池寛賞受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年3月29日に日本でレビュー済み
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大変高品質、良い本で、すぐに読破してしまいました。感謝しています!
2008年7月21日に日本でレビュー済み
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四国の小藩(モデルは丸亀藩)を舞台に、江戸から放逐された天涯孤独の少女"ほう"、女だてらに岡っ引き(引手)見習いの宇佐を中心に、小藩に暮らす人々の悲喜こもごもの世界を描いた作品。江戸からこの小藩に流罪になった元勘定奉行が巻き起こす悪霊騒動、毒殺事件が物語を貫く糸となる。
正直言って上巻はかなり退屈である。漁師町の風情が木目細かく描かれているとは言え、読む者を惹き付けるモノがない。"ほう"の境遇も取り立てて珍しいものではないし、第一"ほう"の描写が少な過ぎる。流罪人の加賀に関する情報が無さ過ぎるのも退屈さの要因。「悪霊に取り憑かれたモノ」と京極夏彦氏ばりの言辞を弄する割には物語に妖異性がある訳でもない。宇佐の気丈さだけが頼りなのだが上巻の最後で見習いをクビになる。
加賀の留置所はかつて謎の疫病が流行った屋敷。その屋敷で下働きをする"ほう"。"ほう"を襲う黒い影。悪霊が憑いた屋敷に鬼が棲む、などと人々は噂する。疫病の風評も立つ。京極堂なら"憑き物落し"をする所だ。一方、加賀に目通しを許され教育を受ける無垢な"ほう"。"ほう"との交流で凪ぎの表情を見せる鬼ならぬ人の加賀。悪霊や鬼は人の心の中に棲むと言うテーマだが目新しさに欠ける。作者が四国に取材に出掛けた事で、却って小宇宙での閉塞感に満ちた物語が出来てしまった。悲劇の人、加賀の最後は予定調和。題名の「孤宿の人」は加賀を指していたのだ。最後に"宝"の字を貰う、作者が意図したと言う"ほう"の成長物語が唯一の救い。
正直言って上巻はかなり退屈である。漁師町の風情が木目細かく描かれているとは言え、読む者を惹き付けるモノがない。"ほう"の境遇も取り立てて珍しいものではないし、第一"ほう"の描写が少な過ぎる。流罪人の加賀に関する情報が無さ過ぎるのも退屈さの要因。「悪霊に取り憑かれたモノ」と京極夏彦氏ばりの言辞を弄する割には物語に妖異性がある訳でもない。宇佐の気丈さだけが頼りなのだが上巻の最後で見習いをクビになる。
加賀の留置所はかつて謎の疫病が流行った屋敷。その屋敷で下働きをする"ほう"。"ほう"を襲う黒い影。悪霊が憑いた屋敷に鬼が棲む、などと人々は噂する。疫病の風評も立つ。京極堂なら"憑き物落し"をする所だ。一方、加賀に目通しを許され教育を受ける無垢な"ほう"。"ほう"との交流で凪ぎの表情を見せる鬼ならぬ人の加賀。悪霊や鬼は人の心の中に棲むと言うテーマだが目新しさに欠ける。作者が四国に取材に出掛けた事で、却って小宇宙での閉塞感に満ちた物語が出来てしまった。悲劇の人、加賀の最後は予定調和。題名の「孤宿の人」は加賀を指していたのだ。最後に"宝"の字を貰う、作者が意図したと言う"ほう"の成長物語が唯一の救い。
2008年12月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯紙に「懇親の力をこめて…」とあるが、残念ながら、まったくそうは感じられない。明らかに、少し書いてはまた書きたして、筆を休め、また思いついたら筆で書き続けていく。そんな、ゾンザイさが明らかに漂ってくる。多忙で依頼された原稿が詰まっているのだろうが…このような作者の添削直しが不充分とあられば、先がみえている。残念な失敗作と感じるのは小生だけではないであろう。
2008年8月19日に日本でレビュー済み
江戸に生まれながら、誰からも顧みられず金比羅参りで棄てられたほうと、彼女を姉妹のように優しく見守る宇佐と言う二人の純真な少女と、国や藩などを先ず考える「大人の世界」の考え方との対立を、丸海藩と言う四国の小藩を舞台に描いてゆきます。
物語は、ほうが慕う医者の娘の毒殺事件から始まります。
犯人もはっきりしているのに不問に付してしまう「大人の世界」に対して、疑問を持つほうと宇佐。
その後もこうした子供の目には不可思議なことが続きます。
その裏には、丸海藩が幕府から押しつけられた元勘定奉行の罪人加賀の受け入れがあります。
彼を“悪霊”として恐れる民意を利用して行われる藩の内紛も蠢いています。
そうした様々な事件を通して、成長してゆく二人の慕いあう少女たちですが、ほうは大人たちに利用されてゆくことになります。
宇佐は、そんなほうを影ながら心配しています。
そんな純真な魂の触れあいは、心温まるものがあります。
切ないラストですが、なかなか楽しめる一冊です。
物語は、ほうが慕う医者の娘の毒殺事件から始まります。
犯人もはっきりしているのに不問に付してしまう「大人の世界」に対して、疑問を持つほうと宇佐。
その後もこうした子供の目には不可思議なことが続きます。
その裏には、丸海藩が幕府から押しつけられた元勘定奉行の罪人加賀の受け入れがあります。
彼を“悪霊”として恐れる民意を利用して行われる藩の内紛も蠢いています。
そうした様々な事件を通して、成長してゆく二人の慕いあう少女たちですが、ほうは大人たちに利用されてゆくことになります。
宇佐は、そんなほうを影ながら心配しています。
そんな純真な魂の触れあいは、心温まるものがあります。
切ないラストですが、なかなか楽しめる一冊です。
2009年12月5日に日本でレビュー済み
「理由」以降、ひたすらに作品が長くなっていっている宮部みゆきに限らず、ミステリ系では長い作品が増えていますが、そこまでの長さの割に作品全体の密度が低いというのも共通しており、この作品もその一つ。
他のレビューにもありますが、登場人物へのそれぞれの力点の置き方が最後まで収束しきれていませんし、エピソードも完結していない小道具が多い。さらに、ここまで大掛かりな道具立てをした割りには、藩の中の相剋も加賀殿の罪の真実もイマイチ明瞭でない。
「ほう」の造形は、宮部みゆきが初めて「少女」で「無垢」を作り出せた成功例でしょう。宮部みゆきはもともと「少年」を使って「無垢」や「純真」を、作品の中で動かすのを得意としてきましたが、どうしても少年に比べて「おませな」印象を持ってしまう「少女」の場合は、「知恵がたりない」という小道具を用いることで生み出すことに成功したのだと思います。
ラストはやはり涙しましたが、その感動と作品の完成度への評価とは別。
「火車」「返事はいらない」「龍は眠る」「蒲生邸事件」といった時代が、懐かしい。あれらの緊張感ある完成度ではなく、「レベル7」に見られるような、気を持たせておきながら、結局はなんとなくまとまりに欠ける、という傾向の方が最近強く出てきているようです。
「理由」も「模倣犯」も一般の評価は高いですが、初期〜中期の作品の緊密度の高さは、年齢的にもはや望めないのかもしれない…。話を発散させずに手元でぐっと引き締めておくには心身の体力が必要ですから。非常に寂しいです。
他のレビューにもありますが、登場人物へのそれぞれの力点の置き方が最後まで収束しきれていませんし、エピソードも完結していない小道具が多い。さらに、ここまで大掛かりな道具立てをした割りには、藩の中の相剋も加賀殿の罪の真実もイマイチ明瞭でない。
「ほう」の造形は、宮部みゆきが初めて「少女」で「無垢」を作り出せた成功例でしょう。宮部みゆきはもともと「少年」を使って「無垢」や「純真」を、作品の中で動かすのを得意としてきましたが、どうしても少年に比べて「おませな」印象を持ってしまう「少女」の場合は、「知恵がたりない」という小道具を用いることで生み出すことに成功したのだと思います。
ラストはやはり涙しましたが、その感動と作品の完成度への評価とは別。
「火車」「返事はいらない」「龍は眠る」「蒲生邸事件」といった時代が、懐かしい。あれらの緊張感ある完成度ではなく、「レベル7」に見られるような、気を持たせておきながら、結局はなんとなくまとまりに欠ける、という傾向の方が最近強く出てきているようです。
「理由」も「模倣犯」も一般の評価は高いですが、初期〜中期の作品の緊密度の高さは、年齢的にもはや望めないのかもしれない…。話を発散させずに手元でぐっと引き締めておくには心身の体力が必要ですから。非常に寂しいです。
2008年10月20日に日本でレビュー済み
最近の宮部みゆきの中では、個人的にベストである。
宮部作品は、いつも人の「業」をテーマにしていると感じるのだが、今回はとくに無垢な存在である「ほう」を中心にすえることで、善人(宇佐・井上親子・泉医師・加賀など)である人ですら、みずから「正しい」と感じることを為すことが難しいのだという、人が生きることの苦しさが描かれていた。
これらの人々を取り囲む背景の書き方も見事である。
私にも、丸海藩からのぞむ海が見えるような気がした。
宮部作品は、いつも人の「業」をテーマにしていると感じるのだが、今回はとくに無垢な存在である「ほう」を中心にすえることで、善人(宇佐・井上親子・泉医師・加賀など)である人ですら、みずから「正しい」と感じることを為すことが難しいのだという、人が生きることの苦しさが描かれていた。
これらの人々を取り囲む背景の書き方も見事である。
私にも、丸海藩からのぞむ海が見えるような気がした。
2008年11月22日に日本でレビュー済み
私自身、宮部氏の現代小説時代小説を読むのはまだ2作目であるが、正直、作者のファンでなくては、この上下巻あわせて800ページ以上を読破するのは骨が折れると思う。
淡々としながらもハートウォーミングな語り口で作品が進行するのであるが、とにかく、この作品には「抑揚」がない。なにしろ、「孤宿の人」本人が登場するのが、下巻の前半である。そして、作品のテンポがはやまり、面白くなってきたのは下巻の半分過ぎからであった。私自身、作者の作品であるからこそ、「いつか面白くなるはず」と信じて読むことができたが、他の作者の作品だったら、途中で挫折していたと思う。
また、この作品には数人の主要な登場人物が描かれているのだが、結局誰が主人公であるのかがはっきりしなかった。このへんが作品の「抑揚」のなさにつながるのかもしれない。
淡々としながらもハートウォーミングな語り口で作品が進行するのであるが、とにかく、この作品には「抑揚」がない。なにしろ、「孤宿の人」本人が登場するのが、下巻の前半である。そして、作品のテンポがはやまり、面白くなってきたのは下巻の半分過ぎからであった。私自身、作者の作品であるからこそ、「いつか面白くなるはず」と信じて読むことができたが、他の作者の作品だったら、途中で挫折していたと思う。
また、この作品には数人の主要な登場人物が描かれているのだが、結局誰が主人公であるのかがはっきりしなかった。このへんが作品の「抑揚」のなさにつながるのかもしれない。
2009年5月8日に日本でレビュー済み
前半から中盤にかけてのもったり感は山本周五郎の作品にも共通する「臭いものにはフタ」のようなその時代の(特徴と思われる)ことなかれ主義だと思うとあまり気にはならない。
宮部みゆきは子供、特に少女の成長を描く事に非常に巧みな作家だと思う。
この少女の悲しみに共鳴するところがあるせいかラストの哀切な「ほう」が「おあんさま」に語りかける場面ではやっぱり、わかっていながら作者の術中にはまって泣いてしまう・・しかし、心地よく心洗われる涙なのでよしとします。
宮部みゆきは子供、特に少女の成長を描く事に非常に巧みな作家だと思う。
この少女の悲しみに共鳴するところがあるせいかラストの哀切な「ほう」が「おあんさま」に語りかける場面ではやっぱり、わかっていながら作者の術中にはまって泣いてしまう・・しかし、心地よく心洗われる涙なのでよしとします。