所謂保守系の書籍を数多く読んできました。
伝統・歴史・文化・思想・哲学など様々な分野に渡って読んできたと思います。
これら多読により、東京裁判史観やルーズベルト史観また階級闘争史観など、
教育・メディアなどが垂れ流して来たことに起因する洗脳からは抜け出せたと思います。
一方で、日本の保守系の情報をかなり自身に浴びせ続けてきましたので、
自身の視野や思考回路が狭まって来ているのではないか、
変幻自在の物の見方や考え方に自ら制約を課して来ているのではないか、
日本人であることにこだわることが本当に良いことなのか、
といった不安も生じて来たのも確かでした。
しかし、本書を読むことで、上記の不安を一蹴することができました。
西郷遺訓で訴えていることは、まさしく王道であり、
洋の東西やイデオロギーや時代の違いを超越し、
かつ日本が世界に誇ることができるものだと言えるでしょう。
また林房雄氏の解説も秀逸で、
大西郷遺訓をより深く理解するために非常に参考になります。
氏の解説がなければ、大西郷遺訓を正しく理解することは困難だと思います。
氏によれば、
大西郷遺訓に基づいて日本が動いているときは日本も日本人も順風満帆ですが、
大西郷遺訓を見失って日本が動いているときは日本も日本人も艱難辛苦とのことです。
現在の日本がまさに国難を抱えており、艱難辛苦の状態と言えるでしょう。
立法・司法・行政の三権のいずれも国難に対処できているとは到底思えません。
日本はどうあるべきか、日本人はどうあるべきか、を見失っているからでしょう。
利権に溺れ、浅薄なイデオロギーに執着している政官財の体たらくは、
日本を滅ぼしかねませんし、日本人を確実に不幸にするでしょう。
本書と現在の日本を照らし合わせると、そうとしか思えません。
内容が多岐に渡りますので、
詳しくは本書を読んでいただいた方が良いと思いますが、
有名な「敬天愛人」が全ての根本であり、全てを貫いています。
2018年は西郷ブームですので、様々な書籍が出版されていますが、
本書と比べると薄っぺらいものに感じてしまいます。
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現代語訳 大西郷遺訓 (新人物往来社文庫) 文庫 – 2010/9/7
林 房雄
(著)
今から三十数年前に「大西郷遺訓」という南洲の遺訓についての丁寧な解説と遺訓の一つ一つに入念な解釈をつけた本を出されたことに心から敬意を表したい。(渡部昇一 解説より)
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社新人物往来社
- 発売日2010/9/7
- 寸法10.6 x 1 x 15 cm
- ISBN-104404039077
- ISBN-13978-4404039071
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登録情報
- 出版社 : 新人物往来社 (2010/9/7)
- 発売日 : 2010/9/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 208ページ
- ISBN-10 : 4404039077
- ISBN-13 : 978-4404039071
- 寸法 : 10.6 x 1 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 295,895位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年8月23日に日本でレビュー済み
さすが西郷さん。熱狂的ファンがたくさん居て、星になっただけある。大人物であり大見識人だ。一貫しているのは、人情と覚悟。ああ、直接話を聞いてみたかった。同好の士を見つけて語り合いたい。
2015年4月3日に日本でレビュー済み
西郷隆盛について知りたくて手に取ったが、彼の外面的説明は
ほとんどなく、精神面のみを掘り下げた本だった。
端的に言うと、彼は「無私の人」である。いかに私心を捨て、世の
ため人のために生きるかが彼のモットーだったらしい。とすれば、
彼が政治家としてうまくいかなかったのもうなずける。坂本龍馬や
吉田松陰などと同じく、純粋な魂の主は若くして亡くなり、伝説とな
る。この本で私は西郷のファンになった。
しかし、筆者である林氏が、平田篤胤や三島由紀夫など、右寄り
の人物と無理に結びつけようとしている点が気になった。少なくとも
この二人は、「無私」とは正反対の人間である。せっかくの西郷像に
歪みが生じたのが残念だ。
ほとんどなく、精神面のみを掘り下げた本だった。
端的に言うと、彼は「無私の人」である。いかに私心を捨て、世の
ため人のために生きるかが彼のモットーだったらしい。とすれば、
彼が政治家としてうまくいかなかったのもうなずける。坂本龍馬や
吉田松陰などと同じく、純粋な魂の主は若くして亡くなり、伝説とな
る。この本で私は西郷のファンになった。
しかし、筆者である林氏が、平田篤胤や三島由紀夫など、右寄り
の人物と無理に結びつけようとしている点が気になった。少なくとも
この二人は、「無私」とは正反対の人間である。せっかくの西郷像に
歪みが生じたのが残念だ。
2011年8月6日に日本でレビュー済み
初め岩波文庫版を買うつもりでしたが、写植の字も小さく現代語訳も無いのでこちらにしました。
こちらを買って大正解でした。
一節につき、原文と現代語訳と解説の三つが載せられています。
非常に分かりやすく、良識的かつ常識的な解説の内容にも敬服しました。
難を言えば、カバーのデザインが少し安っぽいところでしょうか。下の三行のコピーは帯にするべきだと思います。
第三十二 外交
「相手の強大さに縮みあがり、その場の円満解決のみをはかり、相手の要求に従う時は、かえって軽蔑され、好親はかえって破れ、ついには相手の意のままに制御される結果になる」
この一節などはまさに、対米・対中関係において慄くことしかできない日本政府の過ちを、100年前の西郷が見事に斬り捨てています。
現代の政治家は、大西郷の爪の垢を煎じて飲む資格すら無いように思います。
また、最終章に付された著者(林房雄)の言葉は、これが書かれた三十数年前よりもむしろ今こそ意識されるべきものでしょう。
多くの若い日本人に読まれるべき書です。
こちらを買って大正解でした。
一節につき、原文と現代語訳と解説の三つが載せられています。
非常に分かりやすく、良識的かつ常識的な解説の内容にも敬服しました。
難を言えば、カバーのデザインが少し安っぽいところでしょうか。下の三行のコピーは帯にするべきだと思います。
第三十二 外交
「相手の強大さに縮みあがり、その場の円満解決のみをはかり、相手の要求に従う時は、かえって軽蔑され、好親はかえって破れ、ついには相手の意のままに制御される結果になる」
この一節などはまさに、対米・対中関係において慄くことしかできない日本政府の過ちを、100年前の西郷が見事に斬り捨てています。
現代の政治家は、大西郷の爪の垢を煎じて飲む資格すら無いように思います。
また、最終章に付された著者(林房雄)の言葉は、これが書かれた三十数年前よりもむしろ今こそ意識されるべきものでしょう。
多くの若い日本人に読まれるべき書です。
2010年9月21日に日本でレビュー済み
林房雄は小説家であるが、なにより『大東亜戦争肯定論』の著者として知られている。その人がこんな本を出していた。内容は『南洲翁遺訓』で知られる本文テキストを41編に分けて原文・訳・解釈と1編ごとに解説している。この本の特徴は単なる現代語訳でなく、一つ一つについている解釈の部分である。林房雄は『大東亜戦争肯定論』で当時の左傾化した言論界に挑戦した人である。しかし、本書を読むと普通の歴史観の持ち主で、その人による「西郷遺訓」の丁寧な解説はかえって新鮮味があり、一気に読むことができた。ここ何年かブームのように西郷遺訓の本が出ているが、この本が一番読みやすく、なにより面白かった。
2010年10月20日に日本でレビュー済み
「大東亜戦争肯定論」の著者林房雄の手による「南洲翁遺訓」の現代語訳。多くある「南洲翁遺訓」の現代語訳の中では非常に分かりやすい部類に入る。本書は現代語訳のみならず訳者による解説もあるので遺訓の言葉を理解する一助となる。また訳者は「西郷隆盛」という小説も執筆しているのでその解説も読者に分かりやすく的を得たものとなっている。この本をきっかけに訳者の「西郷隆盛」を読むのも良いだろう。