作者の故郷はかつて炭鉱地帯として有名だった北海道美唄市、
大戦中、そこでは強制連行されてきた朝鮮や中国の人々が
過酷な労働を強いられていたそうです。
本書は、作者のりんご畑を持つお父様が、
1945年の秋のりんごの収穫期に、
やせこけた朝鮮や中国の人々が、
りんごを食い荒らしている現場をみて、乗り込んで、
命懸けで、やめてほしいと訴えたというお話です。
立ち去る人々の後姿に、悲しみは隠せません。
同じく大戦中、日本軍に強制連行された中国人・
劉連仁（りゅうりぇんれん）の北海道での逃亡生活をつづった
茨木のり子さんの叙事詩「りゅうりぇんれんの物語」
（『
女がひとり頬杖をついて
』に収録）がよみがえってきました。
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