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中央・墨田両区を結ぶ両国橋の名は「隅田川が国境になっていた当時の名残」。
江戸時代の「瀬替え」により嘗て江戸湾(現東京湾)に注いでいた利根川が
鬼怒川や渡良瀬川を合せて銚子で太平洋に注ぐようになる一方
「同一水系だった荒川が別の水系として独立し、直接東京湾に注ぐようになった」。
常武両州に挟まれた下総西部の細長い地域・葛飾郡は
「近世になって、江戸川を境に葛西郡と葛東郡に分割された。
だが利根川の瀬替えで武蔵と下総の国境が隅田川から江戸川に変更されたのに伴い、
葛西郡は武蔵国葛飾郡に、葛東郡は下総国葛飾郡に」。
前者は明治期に三分割を経て南北2郡に統合、後者も東西に分割されるも
南葛飾(現葛飾・江戸川区等)・東葛飾(現千葉北西部)・西葛飾(現茨城南西部)の各郡は現存せず
北葛飾郡も埼玉の東縁に2町を擁するのみである。
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「二〇〇〇メートル以上ある高い山のすべてが中部地方より東」。
静岡県はNTT西の管轄。
四国の高裁が最大都市松山でなく香川の高松にあるのは
裁判所法制定(1947)当時「四国の玄関口として最も発展していた」から。
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「谷」の読み方も東西で異なる。
「新潟、長野、愛知から東が「ヤ」の文化圏、富山、岐阜、三重から西が「タニ」の文化圏」。
「また、東日本には谷とほぼ同義語の「沢」のつく地名が多いのに対し、西日本では「沢」は極めて少ない」。
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雑煮は「福井、滋賀、奈良から西の地域が丸餅の文化圏、
新潟、岐阜、愛知から東の地域が角餅の文化圏、
その中間に位置する富山、石川、三重が丸餅と角餅の混在地域」。
「東日本は西日本に比べは豚肉の消費量が多いが、
牛肉の消費量は西日本の方がはるかに多い。
またサケは東日本、ブリは西日本で多く消費する。
東日本の蕎麦に対し西日本のうどん、
東日本の赤身のマグロに対し西日本の白身のタイ、
東日本のホタテに対し西日本のエビ、
東日本のリンゴに対し西日本のミカンなどなど」。
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自治体名の「町」を「東日本では「マチ」、
西日本は「チョウ」と読む自治体が主流になっているが、
北海道も西日本と同じように百三十町ある自治体のうち百二十九町までが、
町を「チョウ」と読む(二〇〇五年末現在)」。
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なんだこりゃ?!まだまだあるぞ 県境&境界線の謎 (じっぴコンパクト 47) 新書 – 2009/9/11
浅井 建爾
(著)
ベストセラー『知らなかった!驚いた!日本全国「県境」の謎』によって、俄然注目を集めるようになった「県境」には、まだまだ多くの謎があります。さらに「市町村境」まで範囲を広げれば、日本列島の至るところに疑問と謎に満ちた「境界線」が存在することに、皆さんもお気付きになるでしょう。全長わずか18キロを走るあいだに4県の県境を6回も越える不思議な県道や、合併もしないのに突然面積が2倍になった市、地図を見ても判別できないほど複雑な市町村境など、県境や境界線を巡るドラマを第一人者が紹介します。「なんだこりゃ?!」と驚くような実例と地図を満載した、面白くてためになる地理雑学本の決定版です!
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社実業之日本社
- 発売日2009/9/11
- ISBN-104408107808
- ISBN-13978-4408107806
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登録情報
- 出版社 : 実業之日本社 (2009/9/11)
- 発売日 : 2009/9/11
- 言語 : 日本語
- 新書 : 200ページ
- ISBN-10 : 4408107808
- ISBN-13 : 978-4408107806
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,232,325位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 462位じっぴコンパクト新書
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年9月6日に日本でレビュー済み
2014年6月14日に日本でレビュー済み
筆者の前著でベストセラーになった「県境の謎」についての書籍には、いたく感動して読ませて貰った事が思ひ出されて来ます。それを本書と比較してしまふのは少し酷かなと思ひましたが、率直な思ひを漏らせば二匹目の泥鰌(どじょう)の感を覚えてしまったといふ事です。筆者としては、県境・境界線の謎となるやうな事例を丁寧に掘り起こしをされたのでせうが、やや明確さに欠ける説明とやや歯切れの悪い、推測のニュアンスの濃い詰めの甘い作品になってしまったと感じました。それでも、江戸川を挟んで存在する「葛飾」地名の紹介や利根川の瀬替へ(流路の太平洋への変更)を転機に下総と武蔵の境界が隅田川から江戸川に変更になった事等の指摘は、とても興味深くありました。また、歴史に起源を持つ境界線エピソードの蘊蓄紹介は面白かったです。川崎市の飛び地である岡上地区が出来たわけや京都府の南部にある井手町にある細長い臍の緒のやうに延びる町境の理由等、歴史エピソードの謎解きはどれも成程と思はせます。前著が素晴し過ぎたたので、コメントがやや厳しめになってしまひました。それでも、今回もそれなりの輝きがあり、私としては楽しく読ませて貰ひました。
2009年11月16日に日本でレビュー済み
* 日本の県境や境界線をめぐる様々な、お話。
* 有名な電気の東西(Hz)の切り替えから、すぐにはピンとこないような日本列島を走る水分嶺の話まで幅広く扱っており、Google earthで遊んでいるだけでは分からない事が満載。
* とは言え、扱っている題材は、とても興味深いのに書き方が勿体なく魅力が半減しているように感じられたのが残念。
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