軍艦島の成り立ちや最盛期の様子も知ることができますが、本書の良さは138頁の「軍艦島へ行くために」でしょうか。軍艦島の観光が可能なのが嬉しいですね。
2013年現在、5社が上陸ツアーを行っているようです。
軍艦島観光の現状に詳しく記載してありますが、145ページにその詳細が記してありますので、実際申し込む時に、本書は利用価値大でした。
「軍艦島の最大のウリである住宅棟に近づけない」ようですが、「明治時代の壮麗な擁壁や炭鉱施設」を目の前で見ることができるようでより一層関心は高まりました。
「上陸ツアー 見学コース」が続いて紹介してありました。遠目にアパート30号棟を眺められるようで、それだけでも満足でしょう。
冒頭から軍艦島の朽ち果て、廃墟と化した住宅棟の姿が広がっています。今後も何らかの措置で保存されていくでしょうが、朽ち果てていく運命にあるものです。この歴史の生き証人のような産業遺産の保護と保存の大切さが軍艦島からも伝わってきます。
オールカラーの各頁の至る所から、「滅びの美」ともいえる不思議な雰囲気が漂っています。特に、往時の繁栄の後に捨てられた住居棟の朽ち果て方は壮絶でした。
人間が作り出したものが、うち捨てられ、廃墟となり、自然へと還る時間を切り取ったような軍艦島の写真を畏敬の念で眺めていました。
端島炭鉱で働き、賑わい、多くの生活が営まれたであろう痕跡がいろいろな写真から伝わってきます。58頁の「世界最大の人口密度」の項目で示されている写真は石炭で栄えた当時を知る資料でもありました。
石炭が持て囃された往時の活気を知る由もない我々はただただその人気の無い荒廃した街の姿を唖然と眺めるだけです。
今、軍艦島には誰もいませんが、最盛期には多くの人々が働いていた生活の痕跡は確かにありました。戦後の復興期も含めて、ずっと日本産業の基盤として、基幹産業であった炭鉱たちは忘れられていく存在かもしれません。軍艦島を扱った本書の刊行により多くの人の記憶に残り、記録として後世に伝えられる意義は大きいものだと考えます。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
