赤坂英一『最後のクジラ大洋ホエールズ 田代富雄の野球人生』(講談社)で紹介されていたので読んでみました。
昭和54年、横浜大洋ホエールズにやって来た新人・田中一郎。その成績たるや、打率474本塁打56打点170の堂々たるモノで、とりわけ巨人戦では、打率821本塁打21打点57と鬼神の如く打ちまくりますが、当人は何と盲目。そんな田中を支える盲導犬チビが案内役となって物語は進んでいきます。
読売新聞&報知新聞&日本テレビとその傀儡組織である協会、巨人お抱えの下品な評論家連中による幼稚かつ陰険な妨害工作もなんのその、田中とチビは屈する事なく戦います。特に面白かったのが、盲導犬育成の為の寄付を集める為にホームランで一件100万円でスポンサーを集めるのですが、そのスポンサーに、笹○良一・田中○栄の大人物や創○学会がフィクションとはいえ名前を連ねていたり、江川事件を痛烈に皮肉る為か田中が江川からホームランを打つと予告するのがケッサクでした。
作者がアカ系の人なので、プロレタリア文学的というか左翼労働闘争史観的な部分も多々見られますが、野球小説また盲人を主人公とした社会は小説として十分に面白く読み応えがありました。当時の大洋の選手、松原・高木由一(当時は嘉一)・中塚・田代・長崎・基・門田・遠藤・斉藤等が登場しファンとしてはひたすら懐かしさを感じました。是非とも復刊orキンドル化をリメイク版の出版を熱望します。映画化ドラマ化もお願いします。
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野球盲導犬チビの告白 単行本 – 1986/10/1
井上 ひさし
(著)
- 本の長さ407ページ
- 言語日本語
- 出版社実業之日本社
- 発売日1986/10/1
- ISBN-104408530743
- ISBN-13978-4408530741
登録情報
- 出版社 : 実業之日本社 (1986/10/1)
- 発売日 : 1986/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 407ページ
- ISBN-10 : 4408530743
- ISBN-13 : 978-4408530741
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,564,907位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 393,037位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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昭和9年(1934)、山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲「日本人のへそ」、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。47年「手鎖心中」で直木賞受賞、54年「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞、翌年読売文学賞戯曲賞を受賞。56年「吉里吉里人」で日本SF大賞、翌年読売文学賞小説賞を受賞。平成11年、菊池寛賞受賞。平成16年、文化功労者。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ボローニャ紀行 (文春文庫) (ISBN-13:978-4167111281 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年10月17日に日本でレビュー済み
本書は、野球通の犬が一人称の文章で構成されている。
驚異的な打撃力を持つ盲目の天才打者・田中一郎。彼がプロ野球界に打って出るには、守備や走塁時に彼の目となってくれる誰かが必要だった。そんなときに現われたのが、ひょんなことから野球通となった野良犬のチビ。運命の出会いをしたチビと田中一郎。そのときから、野良犬だったチビは野球盲導犬として田中一郎の相棒に昇格する。
巨人入りを熱望する田中一郎だったが、盲目を理由に一蹴されてしまう。しかし、大洋ホエールズのテストに合格し、幾多の問題を乗り越え入団が決まる。そこから、田中一郎と野球盲導犬チビのサクセスストーリーがスタート。そして、世間は盲目の天才打者に興奮し、その人気はプロ野球界に止まらず社会現象にまで発展する。だが、彼らを快く思わない某球団連中がついに妨害行動に。そこから、田中一郎人気は思わぬ方向へと傾き始める…。盲目の天才打者・田中一郎と野球盲導犬チビの運命や如何に!
驚異的な打撃力を持つ盲目の天才打者・田中一郎。彼がプロ野球界に打って出るには、守備や走塁時に彼の目となってくれる誰かが必要だった。そんなときに現われたのが、ひょんなことから野球通となった野良犬のチビ。運命の出会いをしたチビと田中一郎。そのときから、野良犬だったチビは野球盲導犬として田中一郎の相棒に昇格する。
巨人入りを熱望する田中一郎だったが、盲目を理由に一蹴されてしまう。しかし、大洋ホエールズのテストに合格し、幾多の問題を乗り越え入団が決まる。そこから、田中一郎と野球盲導犬チビのサクセスストーリーがスタート。そして、世間は盲目の天才打者に興奮し、その人気はプロ野球界に止まらず社会現象にまで発展する。だが、彼らを快く思わない某球団連中がついに妨害行動に。そこから、田中一郎人気は思わぬ方向へと傾き始める…。盲目の天才打者・田中一郎と野球盲導犬チビの運命や如何に!
2017年4月5日に日本でレビュー済み
ずいぶん古い小説ですが、著者の恐るべき資料マニアぶりがよくわかる怪作です。
戦後野球史から、残るスコアカード、週刊誌の雑記まで、集めに集めた資料から紡ぎだされたファンタジー小説は、
ありえない盲目の打撃王がありえるかもしれないと読者を納得させ、楽しませます。
戦後不世出の天才の仕事ぶりに圧倒されるユーモア小説です。
戦後野球史から、残るスコアカード、週刊誌の雑記まで、集めに集めた資料から紡ぎだされたファンタジー小説は、
ありえない盲目の打撃王がありえるかもしれないと読者を納得させ、楽しませます。
戦後不世出の天才の仕事ぶりに圧倒されるユーモア小説です。