この表紙を見るなり、即購入。中原淳一(1913-1983)さんの描く少女達は、お人形の様に美しく魅力的でうっとりします。少女小説界での確固たる位置づけに押し上げたのが中原淳一さんの絵でしょう。今、こうやって挿絵と共に読めるとは思わず大感激です。
もはや、美術本。素晴らしい!ただただ見せびらかしたい!単行本も気になりますが、文庫本でも十分に楽しめました!
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乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション) 文庫 – 2011/10/5
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時代を超えて読み継がれる少女小説の傑作
舞台は昭和初期、横浜のミッションスクール。新入生の三千子に、ふたりの上級生から手紙が届く。
品よく儚げな洋子と、負けず嫌いで勝気な克子。ふたりの間で揺れ動く三千子だが――
昭和12年、伝説の雑誌「少女の友」に連載された本作は、中原淳一の優美な挿絵もあいまって
一大ブームを巻き起こした。少女時代特有の愛と夢、憧れとときめきに満ち満ちた、永遠の名作。
[特別寄稿・瀬戸内寂聴]
舞台は昭和初期、横浜のミッションスクール。新入生の三千子に、ふたりの上級生から手紙が届く。
品よく儚げな洋子と、負けず嫌いで勝気な克子。ふたりの間で揺れ動く三千子だが――
昭和12年、伝説の雑誌「少女の友」に連載された本作は、中原淳一の優美な挿絵もあいまって
一大ブームを巻き起こした。少女時代特有の愛と夢、憧れとときめきに満ち満ちた、永遠の名作。
[特別寄稿・瀬戸内寂聴]
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社実業之日本社
- 発売日2011/10/5
- 寸法10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- ISBN-104408550531
- ISBN-13978-4408550534
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登録情報
- 出版社 : 実業之日本社 (2011/10/5)
- 発売日 : 2011/10/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4408550531
- ISBN-13 : 978-4408550534
- 寸法 : 10.7 x 1.3 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 233,612位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 291位実業之日本社文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1899-1972)1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。
一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行、旅芸人の一行と知り合う。以降約10年間毎年、伊豆湯ヶ島湯本館に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋でガス自殺を遂げた。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年12月1日に日本でレビュー済み
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2018年9月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
可愛いです!そして面白かったです!飾るのにも素敵です!川端康成✖️中原淳一!素晴らしいです
2016年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人形のようにかわいらしく、純真な三千子は横浜のミッションスクールに通う女学生。ある日、二人の上級生から手紙を渡されます。
一人は、しとやかで儚げな印象の洋子。
もう一人は、勝ち気で小悪魔的な魅力を持つ克子。
戸惑う三千子に級友が教えてくれたのは、「エス」と呼ばれる女学生同士の特別な関係でした。
「エスっていうのはね、シスタア、姉妹の略よ。」、エスの関係になれば、「相手の靴下のインチから、お弁当の内身(なかみ)、日曜日の行動まで、すっかり知っているのが当然」───。
男兄弟の中で育った三千子は、「きれいな方は、みんなお姉さまにほしい」と願いますが、雨の日に声をかけてくれた洋子に親しみを感じ、お姉さまと慕うようになります。
そのことがおもしろくない克子。洋子と離れ、夏の避暑地ですごす三千子に急接近してきて・・・。
昭和初期に少女たちの間で大ブームとなった本作は、現在、一部では「百合小説」として語られることが多いようです。ですが、そんな色眼鏡的な好奇心だけで読むのはためらわれる、繊細な小説です。
時代と考え方が今と違いすぎてついていけない、なんてことはありません。女性であれば誰しもが経験する喜び、戸惑い、時には友とぶつかりながら、悩んで成長してゆく・・・、そんな少女の微妙な心の揺らぎが細やかに描かれています。
昨今のハラハラドキドキ感が目白押しのライトノベルを読みなれた方たちには退屈してしまうかもしれませんが、素朴な野の花のような少女たちの心に、読み手もまた素直な心で接することで得られるものがあるでしょう。
原案者の中里恒子は、自らもミッションスクールに学んだだけに、作中の女学生生活の描写はリアルであり、根底にはキリスト教の教えがあります。
洋子や三千子の貧しき者、弱き者を愛し、慈しむ心。
克子の外国人に対しての偏見のなさ、日本人としての誇り、グローバルなものの見方をする近代的な思考。
同じキリストの教えを胸に、可憐な物語を書きのこした松田瓊子の諸作品(「すみれノオト 松田瓊子コレクション」/河出書房新社刊、他)と読み比べてみるのもいいかもしれません。
ラストも感傷に流されず、希望に満ちたすがすがしさを感じさせ、「ただ甘いだけ」の物語とは一線を画しています。
子供とも大人ともつかない、少女という時代の港から、広い世界へ大人の女性として船出してゆく三千子たちの幸いを願ってやみません。
一人は、しとやかで儚げな印象の洋子。
もう一人は、勝ち気で小悪魔的な魅力を持つ克子。
戸惑う三千子に級友が教えてくれたのは、「エス」と呼ばれる女学生同士の特別な関係でした。
「エスっていうのはね、シスタア、姉妹の略よ。」、エスの関係になれば、「相手の靴下のインチから、お弁当の内身(なかみ)、日曜日の行動まで、すっかり知っているのが当然」───。
男兄弟の中で育った三千子は、「きれいな方は、みんなお姉さまにほしい」と願いますが、雨の日に声をかけてくれた洋子に親しみを感じ、お姉さまと慕うようになります。
そのことがおもしろくない克子。洋子と離れ、夏の避暑地ですごす三千子に急接近してきて・・・。
昭和初期に少女たちの間で大ブームとなった本作は、現在、一部では「百合小説」として語られることが多いようです。ですが、そんな色眼鏡的な好奇心だけで読むのはためらわれる、繊細な小説です。
時代と考え方が今と違いすぎてついていけない、なんてことはありません。女性であれば誰しもが経験する喜び、戸惑い、時には友とぶつかりながら、悩んで成長してゆく・・・、そんな少女の微妙な心の揺らぎが細やかに描かれています。
昨今のハラハラドキドキ感が目白押しのライトノベルを読みなれた方たちには退屈してしまうかもしれませんが、素朴な野の花のような少女たちの心に、読み手もまた素直な心で接することで得られるものがあるでしょう。
原案者の中里恒子は、自らもミッションスクールに学んだだけに、作中の女学生生活の描写はリアルであり、根底にはキリスト教の教えがあります。
洋子や三千子の貧しき者、弱き者を愛し、慈しむ心。
克子の外国人に対しての偏見のなさ、日本人としての誇り、グローバルなものの見方をする近代的な思考。
同じキリストの教えを胸に、可憐な物語を書きのこした松田瓊子の諸作品(「すみれノオト 松田瓊子コレクション」/河出書房新社刊、他)と読み比べてみるのもいいかもしれません。
ラストも感傷に流されず、希望に満ちたすがすがしさを感じさせ、「ただ甘いだけ」の物語とは一線を画しています。
子供とも大人ともつかない、少女という時代の港から、広い世界へ大人の女性として船出してゆく三千子たちの幸いを願ってやみません。
2016年8月8日に日本でレビュー済み
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漫画の『文豪失格』でこの本の存在を知り、割と軽い気持ちで購入しました。高校まででほぼ代表作は読み尽くしていていたのですが、近年私にとって新しい作品がぽつぽつと出てきて、嬉しい限りです。
家庭教師をしていると、いわゆる「ラノベ」や流行のマンガを生徒さんから薦められたりします。世代間のギャップは覆いがたいものもありますが、若い人たちが楽しんでいるものに触れてみると、時代的道具立てや設定を除けば意外に、私たちが触れていたものと通底する部分があります。人気が出る作品には、作り方の丁寧さや、籠められたメッセージの質の高さがあります。
この作品は筋立てのやや不自然なところを除けば、思春期の感傷を上品に繊細に表現している、文学的価値の高いものです。川端康成と中里恒子という、優れた作家の共作は、現在の著作権の観点では確かに違和感があるものの、二人が心を合わせて少女たちのための良い糧を提供しようしている姿勢が伺えます。ネット上で検索してみると、この作品の制作過程の情報が得られます。そこから判断すると、今でいう「ゴーストライター」的な感覚、つまり自分の利益のために他人を利用するような感覚は、少なくともこの作品には皆無と言っていいと思います。
新進作家に名義を貸して創作を指導するという目的とともに、依頼された仕事の性質に忠実であろうとする川端康成の態度に、人としての器量の大きさを見る、と言ってしまえば贔屓のし過ぎと思われる方もおられるかも知れませんが……。
もちろん、平成生まれの人たちには、時代の隔てが大きすぎて強いて薦めるべきではないかもしれませんが、いわゆる「ラノベ」というジャンルが注目されている今だからこそ再び日の目を見たこの作品に、今の若い人たちがどう感じるか、知りたい気もします。
家庭教師をしていると、いわゆる「ラノベ」や流行のマンガを生徒さんから薦められたりします。世代間のギャップは覆いがたいものもありますが、若い人たちが楽しんでいるものに触れてみると、時代的道具立てや設定を除けば意外に、私たちが触れていたものと通底する部分があります。人気が出る作品には、作り方の丁寧さや、籠められたメッセージの質の高さがあります。
この作品は筋立てのやや不自然なところを除けば、思春期の感傷を上品に繊細に表現している、文学的価値の高いものです。川端康成と中里恒子という、優れた作家の共作は、現在の著作権の観点では確かに違和感があるものの、二人が心を合わせて少女たちのための良い糧を提供しようしている姿勢が伺えます。ネット上で検索してみると、この作品の制作過程の情報が得られます。そこから判断すると、今でいう「ゴーストライター」的な感覚、つまり自分の利益のために他人を利用するような感覚は、少なくともこの作品には皆無と言っていいと思います。
新進作家に名義を貸して創作を指導するという目的とともに、依頼された仕事の性質に忠実であろうとする川端康成の態度に、人としての器量の大きさを見る、と言ってしまえば贔屓のし過ぎと思われる方もおられるかも知れませんが……。
もちろん、平成生まれの人たちには、時代の隔てが大きすぎて強いて薦めるべきではないかもしれませんが、いわゆる「ラノベ」というジャンルが注目されている今だからこそ再び日の目を見たこの作品に、今の若い人たちがどう感じるか、知りたい気もします。
2016年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
川端康成といえば、もっと他の作品を思い浮かべてしまうけど、こんな内容の作品も作っていたんだなぁと思いました。なかなかこんな内容も好きです。
2021年3月11日に日本でレビュー済み
わがシスター、木蓮の洋子のつつましく透き通るような美しさ。夏の軽井沢で邂逅したアクティブな菫の花、克子の強い美しさ。彼女たち二人とも仲良くなりたい。そんな三千子の気持ちはゆらゆらと揺れて、運命に流されそうになる秋。そこに事件は起こる。
本書は、戦前日本のベル・エポック期、昭和12年の横浜・山の手のミッション・スクールを舞台に、高等女学校1年生(中一)、4年生(高一)、5年生(高二、最終学年)の交流と確執、心の葛藤が、後年ノーベル文学賞を受賞する川端康成の繊細な筆と、当時絶大な人気を誇った絵師、中原淳一のコラボレーションによって華やかに彩られる少女小説だ。
・入学したばかりの新入生を見定める上級生たち。そっと洋子から手渡されるポエム入りの手紙に、机上にささげられた克子の花束。春の出会いは乙女の期待を大きく膨らませる。それにしても外国語の授業光景は容赦なく、ほほえましいな。(1章 花選び)
・お嬢様たちの清く正しい学園生活。小学校から上がったばかりの千代子にとって、新しい生活は何もかも輝かしい。一方で母親へ甘える姿もほほえましい。
・牧場主の娘、洋子との邂逅は千代子にとって心の安らぎ。当時「エス」と呼ばれた関係も悪くはない。(2章 牧場と赤屋敷)
・浅間山の噴火、その煙を眺めてフランス人牧師は述べる。「朝の火山、緑の林、黒い髪、大変よろしい」これくらい心の余裕を持たないといけないな。そして軽井沢での克子の絡みは、千代子を徐々に変えてゆく。(6章 秋風)
・陰湿ないじめはいつの時代もあるんだな。だが克子の洋子への確執も、秋の事件で一変する。このあたりの描写は実に良い。(9章 赤十字)
・洋子が三千子に贈るクリスマス・プレゼント。それは……。洋子の心の底のきらめきがとてもまぶしいぞ。(10章 船出の春)
昭和13年に初版、それからわずか4年で47もの版を重ねた戦前の大ベストセラー。当時の少女が熱狂したのもうなずける。その源は、やはり美しき絆。本当に良い作品は時代を超えて永遠に受け継がれるのだな。
本書は、戦前日本のベル・エポック期、昭和12年の横浜・山の手のミッション・スクールを舞台に、高等女学校1年生(中一)、4年生(高一)、5年生(高二、最終学年)の交流と確執、心の葛藤が、後年ノーベル文学賞を受賞する川端康成の繊細な筆と、当時絶大な人気を誇った絵師、中原淳一のコラボレーションによって華やかに彩られる少女小説だ。
・入学したばかりの新入生を見定める上級生たち。そっと洋子から手渡されるポエム入りの手紙に、机上にささげられた克子の花束。春の出会いは乙女の期待を大きく膨らませる。それにしても外国語の授業光景は容赦なく、ほほえましいな。(1章 花選び)
・お嬢様たちの清く正しい学園生活。小学校から上がったばかりの千代子にとって、新しい生活は何もかも輝かしい。一方で母親へ甘える姿もほほえましい。
・牧場主の娘、洋子との邂逅は千代子にとって心の安らぎ。当時「エス」と呼ばれた関係も悪くはない。(2章 牧場と赤屋敷)
・浅間山の噴火、その煙を眺めてフランス人牧師は述べる。「朝の火山、緑の林、黒い髪、大変よろしい」これくらい心の余裕を持たないといけないな。そして軽井沢での克子の絡みは、千代子を徐々に変えてゆく。(6章 秋風)
・陰湿ないじめはいつの時代もあるんだな。だが克子の洋子への確執も、秋の事件で一変する。このあたりの描写は実に良い。(9章 赤十字)
・洋子が三千子に贈るクリスマス・プレゼント。それは……。洋子の心の底のきらめきがとてもまぶしいぞ。(10章 船出の春)
昭和13年に初版、それからわずか4年で47もの版を重ねた戦前の大ベストセラー。当時の少女が熱狂したのもうなずける。その源は、やはり美しき絆。本当に良い作品は時代を超えて永遠に受け継がれるのだな。
2016年5月28日に日本でレビュー済み
本当の著者が誰であるかとか、その辺のことはこの際置いておいて、本書に関する率直な感想は、
耽美的、文学的な要素は確かにあるものの、心理描写が現在のラノベと大して変わらない。
誤解のないよう書いておきますが、読み物としては大変面白いです。
(エンターテイメント性は大)
ただ、
資産を失い壮絶な境遇に見舞われている洋子を差し置いて、避暑地で(しかも洋子の恋敵の)克子と呑気に遊んでいる三千子に、自分はちょっと興醒めしたとうか。
引きました。(笑)
三千子も洋子のエスなら、お姉さまの苦しんでいる時こそ、彼女をひとりにしたりせず、何もできなくとも、せめて心寄り添っていてあげるのが、エスである彼女の努めではないのか、と…
まあ、そんなことをいちいち突っ込んでいたら面白い展開にはならないので、そこのところは目をつぶって最後まで読みましたが…汗)
ただ、中原淳一の挿し絵は大変素晴らしく、あらためて美しいな、と惚れ惚れしました。
言葉使いも当時の言い回し独特で、雰囲気に浸れますし。
その点では購入してよかったと思っています。
耽美的、文学的な要素は確かにあるものの、心理描写が現在のラノベと大して変わらない。
誤解のないよう書いておきますが、読み物としては大変面白いです。
(エンターテイメント性は大)
ただ、
資産を失い壮絶な境遇に見舞われている洋子を差し置いて、避暑地で(しかも洋子の恋敵の)克子と呑気に遊んでいる三千子に、自分はちょっと興醒めしたとうか。
引きました。(笑)
三千子も洋子のエスなら、お姉さまの苦しんでいる時こそ、彼女をひとりにしたりせず、何もできなくとも、せめて心寄り添っていてあげるのが、エスである彼女の努めではないのか、と…
まあ、そんなことをいちいち突っ込んでいたら面白い展開にはならないので、そこのところは目をつぶって最後まで読みましたが…汗)
ただ、中原淳一の挿し絵は大変素晴らしく、あらためて美しいな、と惚れ惚れしました。
言葉使いも当時の言い回し独特で、雰囲気に浸れますし。
その点では購入してよかったと思っています。
2011年11月2日に日本でレビュー済み
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この作品は『少女の友』という少女雑誌に1937年6月号から1938年3月号まで連載された、川端康成の作品です。ゴーストライター中里恒子の作品とも言えるものです。少女三人の三角関係を描いた、美しい描写の物語でした。中原純一さんの挿絵も魅力的で、文体も読みにくいかと思っていましたがあまり時代を感じさせないというか、読み始めたら一気に読めるものでした。お勧めです!またこの作品が執筆された時代は学校制度が確立し女子の就業期間が長くなり、国家が「少女」という存在を位置づけようとした時代でした。作中では女子は卒業後就職、という道もあるように書かれていますが、実際の女学生たちは結婚という選択肢しかない者が多く、就職は夢のまた夢だったようです。結婚という道を進むため、純潔を逸脱せず愛情を形成しようとした社会背景あっての、<エス>なのです。学生の間が卒業後の就職につながる男子と異なって、未来につながらない卒業と同時に終わる学生期間。そのはかなさが魅力的でした。とても深い物語だったと思います!!!!