最高です!
英文学を通してクイア理論、批評とは何なのかが明快に論じられています。クイア関係は全くの門外漢で、関連書籍も本書が最初だったのですが、非常に楽しく読めました。まず「「クイア」とは変であるということで、それが説明可能な「変」になったときそれはクイアでなくなる」といった趣旨が明確で痺れます。例えるなら、おそらく、同性愛に名前が与えられていない時代には同性愛はクイアであり、ホモやゲイなどの名前を得ると同性愛はクイアではなくなるのでしょう。
さらに批評家は自分の批評するジャンルを高く売りつけようという傾向があるのですが、「これこれの正典(もうこの概念が古いことはちゃんと本文中で指摘があります)を読めば会話に加われる」という英文学批評は、要するに「これこれの服を着れば入れるディスコ」や、「これこれのアニメ、漫画を知っていれば会話に入れるオタク」と同じだと、自分のジャンルを平然と客観視できる著者の軽やかなセンスは尊敬に値します。
すでに若くして亡くなられているようですが惜しいことです、ご冥福をお祈りします。
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(見えない)欲望へ向けて: クィア批評との対話 単行本 – 2005/7/1
村山 敏勝
(著)
本書は文学を読むことの快楽と、狭い意味での性的快楽との区別を、意図的に混線させる試みである。それは、密やかであるべき性(と読書)喜びを公衆の目の前にさらけだす、あられもない自己露出の試みであるかもしれない。批評とは、プライヴェートな体験をパブリックな場に開く作業だからだ。クィア批評がいそしむのは、こうした営みである。(本書「序章」より)
- 本の長さ241ページ
- 言語日本語
- 出版社人文書院
- 発売日2005/7/1
- ISBN-104409040758
- ISBN-13978-4409040751
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商品の説明
出版社からのコメント
〈読む〉ことは快楽である。
他人を感じたいという性的な欲望がなければ、
そもそもなぜ書物など読むのか。
めんどうな理論を学ぶのも、
他社の思考を追体験したいという欲望のため以外、
なにがあるのか。
登録情報
- 出版社 : 人文書院 (2005/7/1)
- 発売日 : 2005/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 241ページ
- ISBN-10 : 4409040758
- ISBN-13 : 978-4409040751
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,672,456位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,703位論文集・講演集・対談集
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