出版の経緯(アメリカで英語版出版後に翻訳して日本で出版)からして、すごく力量のあるかただな、と興味を持っていましたが、毎日新聞で「アジア・太平洋賞」受賞を知り、恐る恐る読み始めました。
読み終えるまで時間がかかりましたが、トップの人々(近衛、山本、来栖など)の描写だけでなく、作家や文化人の戦時の状況も各所にちりばめられているため、とても興味深く、近代史素人の私でもぐんぐんひきつけられました。
誰が一体、悪かったのだろうか?
結局、「国民総懺悔」で国民全体に責任が薄められておしまい、なのだろうか?
読み終えてますますわからなくなったこともあるけれど、これからの日本の選択に、こういう過去があったことを忘れてはならないと思います。
著者はまだ40代、これからも「ふつうのおばさんにもわかるように」大事なことを伝えていってほしいと思います。
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1941 決意なき開戦: 現代日本の起源 単行本 – 2016/6/15
堀田 江理
(著)
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アジア・太平洋賞特別賞受賞!
それがほぼ「勝ち目なき戦争」であることは、指導者たちも知っていた。にもかかわらず、政策決定責任は曖昧で、日本はみすみす対米緊張緩和の機会を逃していった。指導者たちが「避戦」と「開戦」の間を揺れながら太平洋戦争の開戦決定に至った過程を克明に辿る、緊迫の歴史ドキュメント。
それがほぼ「勝ち目なき戦争」であることは、指導者たちも知っていた。にもかかわらず、政策決定責任は曖昧で、日本はみすみす対米緊張緩和の機会を逃していった。指導者たちが「避戦」と「開戦」の間を揺れながら太平洋戦争の開戦決定に至った過程を克明に辿る、緊迫の歴史ドキュメント。
- 本の長さ414ページ
- 言語日本語
- 出版社人文書院
- 発売日2016/6/15
- 寸法19.5 x 14 x 3 cm
- ISBN-104409520636
- ISBN-13978-4409520635
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商品の説明
著者について
堀田 江理(ほった・えり) 東京出身。一九九四年、米プリンストン大学歴史学部卒業。二〇〇〇年に英オックスフォード大学より国際関係修士号(M.Phil.)、〇三年に同博士号(D.Phil.)を取得。四年間オックスフォード大学で教鞭をとった後、政策研究大学院大学、イスラエル国立ヘブライ大学などで研究、執筆活動を継続し、本書の原著Japan 1941: Countdown to Infamyを上梓。このほか著書に、アジア主義思想と近代日本の対外政策決定過程に迫るPan-Asianism and Japan's War 1941-1945がある。
登録情報
- 出版社 : 人文書院 (2016/6/15)
- 発売日 : 2016/6/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 414ページ
- ISBN-10 : 4409520636
- ISBN-13 : 978-4409520635
- 寸法 : 19.5 x 14 x 3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 282,064位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 405位日中・太平洋戦争
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み終わって、この本が日本で出版された意味は何だったのであろうかと考えてしまった。元々は英語で出版され、好評であったらしいので、大いに期待して読み始めたが、その分失望は大きかった。
著者があとがきで記すように、この本のテーマは、「誰が、どのような理由で、いわゆる「捨て鉢の戦争」、「勝ち目のない戦争」に、日本を導いたのか」、ということである。二国間の外交は当たり前ながら、双方の思惑のぶつかり合いであるので、日本側の動きと考え方が、米国側の動きと考え方と、どのようにぶつかり合い、または食い違って、あのような戦争に導かれたのか、ということが分かるのではと期待をして読み始めた。しかし、この本で書かれていることは、専ら日本における開戦前の御前会議を中心に、このテーマに関心があり少し勉強をした日本人なら(即ち、この本が想定する読者なら)当然知っていることを淡々と記しているだけである。米国の陰謀論を取るつもりは全くないが、譲って、米国は日本が卑劣な真珠湾攻撃を仕掛けてきたから戦争せざるを得なかったと考えても(最後の瞬間だけを切り取ればそれは事実だ!)、結局そのようにして日本と戦争をするような外交を米国側が取ったことについての考察も聞きたい。米国は、それで勝つべくして勝ったのだから、と著者は言うかもしれないが、その外交の為に多くの米国民が戦死し、結果として中国の共産化をその後許す結果になったことからして、当時の米国の外交を検証しなければいけないとするプロの米国歴史家も多い。
また、日本の指導者に対する見方は厳しいが、ではそのような日和見的態度で戦争に導かれるのを許した当時の日本という国の統治上のガバナンスのあり方、ひいては大日本帝国憲法のあり方についての考察があるかと言えば全くない。そもそも二進も三進も行かなくなってからの状況に焦点を当てて書いているが、遠因はもっと前にあったはず。チャーチルの第二次世界大戦の著作も、第一次世界大戦の終戦から話は始まっている。著者には、では開戦直前の日本の指導者はどうすべきだったと考えているんですか、と聞いてみたいが、もの凄くナイーブな回答がされそうで怖い気もする。
要は、一面的で皮相的な分析に止まり学部生の卒論みたいで、テーマ負けしてしまっていると言われても仕方がないのではないか。軍部にしても、軍政と軍令を司る組織の機能役割の違いが分かっているのかなと思われる記述もあるし、米国が日本の暗号を解読していたことについても、明示的な記述はなく、それをほのめかすように(「解読された文書は既に午前10時までにルーズヴェルトに届いていた」)記すのみで、これでは知らない人には何のことか分からないだろう。このテーマを扱った本では、日本では数段優れた本が山ほど既にある。この本の意義は、日本人が常識として知っていることを米国人と共有することかな、と思ったりもしたが、こうした書き方では、勝者の歴史観に偏見を上塗りするだけで、とても歴史についての理解を深めることには繋がらないだろう。
厳しいことを書いてきたが、著者はもっと良い本が書けるはず。次の作品に期待したい。
著者があとがきで記すように、この本のテーマは、「誰が、どのような理由で、いわゆる「捨て鉢の戦争」、「勝ち目のない戦争」に、日本を導いたのか」、ということである。二国間の外交は当たり前ながら、双方の思惑のぶつかり合いであるので、日本側の動きと考え方が、米国側の動きと考え方と、どのようにぶつかり合い、または食い違って、あのような戦争に導かれたのか、ということが分かるのではと期待をして読み始めた。しかし、この本で書かれていることは、専ら日本における開戦前の御前会議を中心に、このテーマに関心があり少し勉強をした日本人なら(即ち、この本が想定する読者なら)当然知っていることを淡々と記しているだけである。米国の陰謀論を取るつもりは全くないが、譲って、米国は日本が卑劣な真珠湾攻撃を仕掛けてきたから戦争せざるを得なかったと考えても(最後の瞬間だけを切り取ればそれは事実だ!)、結局そのようにして日本と戦争をするような外交を米国側が取ったことについての考察も聞きたい。米国は、それで勝つべくして勝ったのだから、と著者は言うかもしれないが、その外交の為に多くの米国民が戦死し、結果として中国の共産化をその後許す結果になったことからして、当時の米国の外交を検証しなければいけないとするプロの米国歴史家も多い。
また、日本の指導者に対する見方は厳しいが、ではそのような日和見的態度で戦争に導かれるのを許した当時の日本という国の統治上のガバナンスのあり方、ひいては大日本帝国憲法のあり方についての考察があるかと言えば全くない。そもそも二進も三進も行かなくなってからの状況に焦点を当てて書いているが、遠因はもっと前にあったはず。チャーチルの第二次世界大戦の著作も、第一次世界大戦の終戦から話は始まっている。著者には、では開戦直前の日本の指導者はどうすべきだったと考えているんですか、と聞いてみたいが、もの凄くナイーブな回答がされそうで怖い気もする。
要は、一面的で皮相的な分析に止まり学部生の卒論みたいで、テーマ負けしてしまっていると言われても仕方がないのではないか。軍部にしても、軍政と軍令を司る組織の機能役割の違いが分かっているのかなと思われる記述もあるし、米国が日本の暗号を解読していたことについても、明示的な記述はなく、それをほのめかすように(「解読された文書は既に午前10時までにルーズヴェルトに届いていた」)記すのみで、これでは知らない人には何のことか分からないだろう。このテーマを扱った本では、日本では数段優れた本が山ほど既にある。この本の意義は、日本人が常識として知っていることを米国人と共有することかな、と思ったりもしたが、こうした書き方では、勝者の歴史観に偏見を上塗りするだけで、とても歴史についての理解を深めることには繋がらないだろう。
厳しいことを書いてきたが、著者はもっと良い本が書けるはず。次の作品に期待したい。
2018年4月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者言うように物語(作り話ということではない)に一連の経過を語り、ミステリー風に謎を解いていくような作品です。結果は分かっているのですが、膨大な資料を使いながら、謎を解き、また謎を設定し謎を解くという風な形式で書かれています。したがって、読みやすいということと、どうしてそうなったのかを探っていく本書は、読んでいて、日本はなぜああいう無謀な戦争に突入していったのかを、批判的に検証することが出来ます。おすすめの、一品です。
2017年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
開戦に至る歴史的事実に関する説明がやや過多かなと思うが、全般的に日本帝国・現在の日本国に共通する意思決定の過程における致命的な欠陥に対して鋭い考察をしていると思います。著者が最も言いたかったこと(私の勝手な妄想ですが)を引用して、最近威勢の良い中身がない愛国者を気取った、薄っぺらい歴史理解を助長する日本社会へ一言「・・・・一千九百四十一年開戦前夜における政策決定のまつわる諸問題は、我々にとって他人事ではなく、敗戦を経ても克服することができなかった、この国が継承し続ける負の遺産とだともいえるだろう。そのことは、ごく最近では、福島原発事故や新国立競技場建設問題までに至る道のり、及びその事後処理における一連の経緯が明確にしている。より多くの人々に影響を及ぼす決断を下す立場の指導者層で、当事者意識や責任意識が著しく欠如する様相は、あまりにも、七十五年以上前のそれと酷似している。・・・」
2016年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
でも読んでいると切ない。むづかしい時代であったな。
若い著者にみちを教えられた感がする。
若い著者にみちを教えられた感がする。
2017年7月17日に日本でレビュー済み
プロローグとエピローグを挟んだ第1章から16章にわたる本文の前に
なんとも示唆的な戯曲の一節が掲げられている。
世の中なんにでも、潮時がある。
人生の航海、うまく満潮に乗れば成功するし、
タイミングを間違えれば、すべておじゃんだ。
浅瀬に乗り上げて、座礁してしまうのが落ちなんだよ。
我々は今、満潮の海に浮かんでいる。
はやく潮流に乗らなければならない。
乗り損ねたら、負けは必死だから。
ウィリアム・シェィクスピア
「ジュリアス・シーザー」
(四幕、三場、ブルータス)
堀田江理氏の「1941決意なき開戦」
副題「現代日本の起源」
常々、あの太平洋戦争を引き起こしてしまった原因はなんだったのだろうか?と関連本を読み漁っている私には大変示唆に富む本であった。
当時の「最良にして最も聡明」だと見なされていた軍人や政治家指導者たちが、かくも愚かな、負けるとわかっていた無謀な対米戦争を引き起こしてしまったのか?当時の日本の政治や軍に係わる主なキープレーヤ達の考え方や行動が丹念に描かれている。
この本を読むうちに、ベトナム戦争という泥沼に引きずり込んでしまった過程を克明に描いたデイヴィド・ハルバースタムの名著「ベスト&ブライテスト」を思い起こす。
そして、私が本書を読み、何よりハッとさせられた箇所はp.397の「あとがき」である。抜粋
『副題 現代日本の起源』が示唆するように、、、
一九四一年開戦前夜における政策決定にまつわる諸問題は、我々にとって
他人事ではなく、敗戦を経ても克服することのできなかった、この国が継承し続ける負の遺産だとも言えるだろう。そのことは、ごく最近では、福島原発事故や新国立競技場建設問題までに至る道のり、及びその事後処理における一連の経緯が、明確にしている。より多くの人々に影響を及ぼす決断を下す立場の指導層で、当事者意識や責任意識が著しく欠如する様相は、あまりにも、七十五年以上前のそれと酷似している。しかし忘れてはならないのは、現代に生きる日本人には、信条にしろ表現にしろ、比べものにならないほどの自由が許されている点だ。そしてその様々な自由に付随する責任は、なにも指導する立場にある者だけでなく、我々ひとりひとりが享受すべきものであるということを、胸に留めておく必要がある。「一億総懺悔」ならぬ「一億総活躍」といった標語に踊らされず、その突き詰めたところに潜む危険性、ならびに可能性を十分に理解した上でのみ、様々な、時には大きく対立する意見やイニシアチブがオープンに検討、尊重され、より多くの人々が活躍できる社会が、訪れるのではないだろうか。』
加計学園獣医学部新設に伴う不透明な決定過程や2020年東京オリンピック経費問題などを考えてみると、
筆者が望んでいるような社会が訪れる、とはほど遠いと思ってしまう。
しかし、これから日本社会が陥ってしまう諸問題の解決の一助として本書は一つのヒントを与えてくれるかもしれない。
なんとも示唆的な戯曲の一節が掲げられている。
世の中なんにでも、潮時がある。
人生の航海、うまく満潮に乗れば成功するし、
タイミングを間違えれば、すべておじゃんだ。
浅瀬に乗り上げて、座礁してしまうのが落ちなんだよ。
我々は今、満潮の海に浮かんでいる。
はやく潮流に乗らなければならない。
乗り損ねたら、負けは必死だから。
ウィリアム・シェィクスピア
「ジュリアス・シーザー」
(四幕、三場、ブルータス)
堀田江理氏の「1941決意なき開戦」
副題「現代日本の起源」
常々、あの太平洋戦争を引き起こしてしまった原因はなんだったのだろうか?と関連本を読み漁っている私には大変示唆に富む本であった。
当時の「最良にして最も聡明」だと見なされていた軍人や政治家指導者たちが、かくも愚かな、負けるとわかっていた無謀な対米戦争を引き起こしてしまったのか?当時の日本の政治や軍に係わる主なキープレーヤ達の考え方や行動が丹念に描かれている。
この本を読むうちに、ベトナム戦争という泥沼に引きずり込んでしまった過程を克明に描いたデイヴィド・ハルバースタムの名著「ベスト&ブライテスト」を思い起こす。
そして、私が本書を読み、何よりハッとさせられた箇所はp.397の「あとがき」である。抜粋
『副題 現代日本の起源』が示唆するように、、、
一九四一年開戦前夜における政策決定にまつわる諸問題は、我々にとって
他人事ではなく、敗戦を経ても克服することのできなかった、この国が継承し続ける負の遺産だとも言えるだろう。そのことは、ごく最近では、福島原発事故や新国立競技場建設問題までに至る道のり、及びその事後処理における一連の経緯が、明確にしている。より多くの人々に影響を及ぼす決断を下す立場の指導層で、当事者意識や責任意識が著しく欠如する様相は、あまりにも、七十五年以上前のそれと酷似している。しかし忘れてはならないのは、現代に生きる日本人には、信条にしろ表現にしろ、比べものにならないほどの自由が許されている点だ。そしてその様々な自由に付随する責任は、なにも指導する立場にある者だけでなく、我々ひとりひとりが享受すべきものであるということを、胸に留めておく必要がある。「一億総懺悔」ならぬ「一億総活躍」といった標語に踊らされず、その突き詰めたところに潜む危険性、ならびに可能性を十分に理解した上でのみ、様々な、時には大きく対立する意見やイニシアチブがオープンに検討、尊重され、より多くの人々が活躍できる社会が、訪れるのではないだろうか。』
加計学園獣医学部新設に伴う不透明な決定過程や2020年東京オリンピック経費問題などを考えてみると、
筆者が望んでいるような社会が訪れる、とはほど遠いと思ってしまう。
しかし、これから日本社会が陥ってしまう諸問題の解決の一助として本書は一つのヒントを与えてくれるかもしれない。
2017年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
決意なき開戦、戦争へのプロセスは、最近続く企業倒産のトップマネジメントに通ずるものを感じますね!!!