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音羽幼女殺害事件: 山田みつ子の心の闇 単行本 – 2001/12/1
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社青春出版社
- 発売日2001/12/1
- ISBN-10441303306X
- ISBN-13978-4413033060
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 青春出版社 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 441303306X
- ISBN-13 : 978-4413033060
- Amazon 売れ筋ランキング: - 153,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1937年広島県から旧朝鮮咸鏡北道に渡った両親のもとに生まれる。1941年広島へ帰国、終戦後八幡市に移住。
1956年福岡県立八幡中央高校卒業後、八幡製鐵に就職し文筆活動を開始。1963年「ジャンケンポン協定」で新日本文学賞受賞。1964年に八幡製鐵を退社後、文筆業に専念。
1976年「復讐するは我にあり」で第74回直木賞を受賞。1991年「身分帳」で第2回伊藤整文学賞を受賞。
法廷ルポルタージュを多く執筆し、「裁判傍聴業」を自称する。
1999年北九州市門司区へ帰郷。2006年に北九州市立文学館館長へ就任(2012年より名誉館長)。 風師山の中腹で愛猫の「ふーちゃん」と二人暮らし。
2015年10月31日 下咽頭がんのため78歳で死去。
2016年4月 遺言により関門海峡に遺骨を散骨
2021年2月 『身分帳』を原案とする映画『すばらしき世界』が主演役所広司、監督西川美和で公開
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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人間関係、深層心理を考えさせられました。
犯人が被害者の母親と知り合いで同じ幼稚園に子供を通わせていた事や
幼児教育に熱心な土地柄であった事などから
「お受験殺人事件」などと、連日センセーショナルに報道された。
本書は犯人山田みつ子の事件前後の行動や生い立ち
事件の公判の証言などが丁寧に書かれている。
山田みつ子はあまりに真面目で人の目を気にしすぎた。
妊娠中、出産後も関係なく、夫の勤める寺へ朝6時から雑用をしに行き
檀家からの評判も良かった。
「子育て」を理由に他の事に対し手を抜くという事が出来なかった。
考え方の違う被害者の母親に対し嫌悪感を抱く自分を責めた。
「善人であろう」と努めた。
しかし、それは自分の度量をはるかに超えていたのだろう。
本書を読みながら、犯人、山田みつ子に、共感、同情を
禁じえない自分がいた。
「2歳の幼い子供を手にかけた、残酷な犯人に弁解の余地はない。」
と、何度も自分に言い聞かせながら読んだ。
淡々と裁判の様子と被告人・被害者遺族・司法側などの意見を綴るスタイルで、かえって助かった。
筆者の変な推測が入ったり、読者を煽るノンフィクションは読んで疲れるので。
読者に思考させる余地を与える書き方は、さすがである。
夫婦のあり方やママ友関係など複数の要素が絡み合う事件を、丹念に解している。
加害者について。
昔から周囲の大人の顔色を伺い、自分の本心を押し殺す生き方だったことが伺える。
自分の本心が分からないから、他人の気持ちも分からない。
また彼女の生き方が「こうすればいいんでしょ?」「周囲の要望に沿ったのだから褒めてほしい」と他者中心の生き方をしていたことも分かった。
乱暴な言い方をすれば、ネットスラングの「真面目系クズ」に近い。
被害者少女を埋めるとき、「ごめんねごめんね」と涙を流しながらも、容赦なく衣服を脱がしている。
他人を思いやる「フリ」は出来ても、本当に他人を思いやることができない。
彼女が本当の意味で反省することは無いと思われる。
加害者夫について。
読む前は、「冷たい夫」という印象を持っていたが、本当は「宗教家」としての良心に従って妻に接していたと見た。
(それがかえって悪影響になったという面もあるが)
被害者、被害者遺族と同等に加害者夫にも同情の念を禁じえない。
現在は子供共々行方知れずという。
「タラレバ」を言っても仕方無いが、現在は広く膾炙している「マウンティング」「アドラー心理学」を加害者が早くに知っていたら、犯行に及ばなかったかも、と思ってしまう。
「良い子でいられる」方法を追求し続けていたことが彼女の最大の過ちだったのだろう。
ただ受刑者が、家庭内で酷い抑圧を受けていたこと。それをはじまりに精神薬による薬物依存から受刑者が精神薬の副作用である幻覚幻想に苦しめられていったこと。最近、頻発するようになった家族内で発生する猟奇的殺人事件の要因には必ずといっていいほど、容疑者と精神科医との関わりが存在している。しかし、精神医学は社会的隠れ蓑によって、様々な事件を発生させる問題の根本である精神薬を社会にばら撒き続け、製薬会社と癒着することで莫大な利益を社会から吸い上げている。精神薬は覚せい剤を含め危険薬物の種であり、医師の指導の元に処方されようがされまいが危険な副作用を伴った劇薬なのである。この薬物によって起こる悲惨な殺人事件を、無知な人々は人間の深層心理に分け入ってその心の内部に入り込み、論理だて解明理解に努めようと試みるが、そもそも、その発端が精神薬という危険ドラックによる要因と認識もせず推理してしまうと、結果はおめでたい想像の副産物をしか生み出さないだろう。例えば、覚せい剤で思考が崩壊した人間が街頭で刃物を振り回し人を殺したとする。犯人の心を探ったところでどんな結論が出るというのか?覚せい剤の恐ろしさしかそこにはないのではないか?薬物が社会に万延させる医学信奉の闇の中に『精神科医』という癌が増殖する限り、毎年数十万の自殺者、何千、何万という軽犯罪を含めた理解に苦しむ犯罪動機は世間を不安に陥れていくことだろう。
大学で心理学なぞに興味をそそられたような人たちにとって、こうした事実を知らずに犯人の深層心理を筋道立てて文学的解釈を駆使しながら社会の闇をドラマティックに作り上げる楽しみは、ある種の娯楽的な楽しみやスリルを味合わせてくれるが、事実を知るものにとっては、ナンセンスの極みである。そんな社会問題の深層を改めて考えさせられた。
それが妙に現実味を帯び、一見、何処にでもいそうな主婦の姿が浮き彫りになってくる。
客観的に他人を見るとき、そうではなくなるとき、
そうではいられなくなってしまうとき。
都会に住む人間が他者との距離感に悩み、自身を見失う姿がよく表現されていたと思う!。他人を恐れながらも完全にひとりでは生きていけない人間の弱さ。