予備校講師で「論理エンジン」の開発で有名な出口氏の読書術です。読んだ本をすぐに忘れてしまう、結局何も残らなかった・・という悩みを抱える人をメインターゲットにしています。「論理」を意識しながら読み解かないと、何も残らないという持論は、単にスピードをあげる速読・読書術とは一線を画するものです。この出口氏の方法を用いることができれば、ある程度のスピードを保ちながらも、読んだことを、自分のものにしていくことができます。
ぜひやってみたいのは、線を引きながら読み著者の考え方の筋道を理解する、という技術。
「もしあなたが、論理力を身につけたいなら、あるいは読んだ内容を記憶に留め、吸収したいなら、筆者の立てた筋道を追い、大切だと思った箇所に線を引けば良い。この場合、あなたが大切だと思った箇所ではなく、筆者が主張したいことに線を引くのだ。
次に線を引っ張ったところだけ読んでみる。おそらく1つの小見出し段落で数箇所線を引いていることだろう。その箇所だけを読んで、全体を思い浮かべるのである。・・・線を引いたところだけ読めば良い。それをたどって、内容が理解できたなら、その文章を論理的に理解できた証拠だ。理解できたからこそ、それを消化し、自分のものとすることが可能になる。」（P124-125)
以前から、齋藤孝氏の3色ボールペン読みはやっていましたが、最近は、読み終わった本を売ることも多く、あまり本にラインを引くことがありませんでした。しかし、自分の血肉にすることを考えると、改めて本を「汚す」ことは大事かな？と感じました。付箋をつけて読んでいるのですが、やはり、書き込みつつ読む時との理解度（特に再読した際の思い返し度）が違います。
「うまく線が引けたなら、再読する時、傍線箇所を読むだけで、内容がありありと浮かんでくる。それが論理的に理解できたということだ」（P125)
この基本的な読み方の後に、図式化⇒人に説明（アウトプット）と進みます。このようにして、呼んだ内容を完全に消化していきます。このようにして読むべき本は、あまり多くないかもしれませんが、ファーストフードのようにビジネス書を濫読するだけでは、結局、自分に何も残らないのではないか・・と改めて反省させられました。
内容はそれほど濃くはありませんが、今一度大切な点を思い起こさせられました。
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