そういった本。
時の権力者たちの覇権争い、その顛末が巧妙に隠匿されている『古事記』、『日本書紀』。
神話の神々や、その話の中に断片的に散りばめられている痕跡を追って、著者は『史実はこうではなかったのだろうか？』という自説を書き綴っている。
確かに日本神話の神々の行動や言動、ストーリーには、どこか唐突で疑問の残る場面が多いのだ。
そういった疑問を埋める『真実』が、各地に残る文献や、当時の呪術的思想などに照らし合わされて明かされていく。
実際、真実がどうであったかなど、誰にも分からないが、充分ありうる話で興味深く面白かった。
単に読み物としても面白く読めるが、神話に幻想や神秘を抱いていたいなら、あまりお勧めしない。
それから、ある程度当時の政治や文化を頭に入れておかないと、話が理解できないと思われるので注意。
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