周りで起こっている現象自体が、人間に感情を与えているのではない。
古くはマルクス・アウレリウスさんが。近年で言えば、アルバート・エリス
さんや国分康孝先生がおっしゃっている。人間が抱いている考え方や物事の
捉え方によって、周囲の現象はプラスにもマイナスにも解釈できるのである。
かつて私はうつ病を患った。これによって、５０人以上はいた友人や知り合いは
次々と疎遠になった。それに対する解釈は少なくとも二つ存在した。
１、私は多くの友人知人を失った。もうだめだ…
２、利益を全く得ないにも関わらず友人関係をしてくれる真の友人が５人も残った。
私は労せずして真の親友を手に入れたのだ。
正直な所、若いころは１を強く感じた。しかし、人間は成長によって２のような解釈
を自然に行えるようになった。成長が、自分の解釈の変化をもたらしたのだ。
その成長の一助となるのが本書である。この技術を体系的に学びたいなら、国分先生の
一般向けの著作が有効だろう。（戦略レベルで学ぶことができる）役に立つ実践解釈
集（すなわち戦術レベルでの学習）で活用するならば、本書でも十分であろう。
ただし、一つ注意点がある。なんでも解釈を変えたら万事が解決することはない。それは
単なる現実逃避である。但し、解釈の変更が多くの利益をもたらすこともまた事実である。
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