前作「普通の男」がかなりよかったので、続編が出ると知ったときは本当に嬉しかったです。
前作では、元々ノンケだったはずの二人が互いに魅かれ合い、「普通」や「常識」について思い悩んだあげく恋愛を成就させるまで。プラトニックに終わっていました。
で、今作では、ベッドでの主導権や違和感、相手への独占欲であれやこれや悩むのに、
そのすべてに男のプライドなるものが立ちはだかり、素直になれずに、すれ違って行く二人が描かれています。
なるほど確かに当て馬のような存在が出てくるあたりはご都合主義の香りもするのですが、
それでも王道のストーリーを、「普通」にこだわる男たちの繊細な心情(笑)とあわせて、飽きさせないものにしています。
「大人の恋だからっていつまでもうじうじせんで、ぶつかってこんかー!」と、思わず登場人物の尻をたたきたくなるほど、キャラクターに親近感と愛着をわかせて読みました。
いつまでも子どもっぽいことでぐるぐるして、自己保身に走って素直になれず、
でも一皮むければ10代の若者も真っ赤になるような、情熱的な大人たちの恋物語。
全体的には気恥ずかしくむずがゆく、でもほっこり気持ちがあたたまるような、不器用だけど愛すべき一冊でした。
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普通の恋 (クリスタル文庫 108) 文庫 – 2006/10/1
- 本の長さ233ページ
- 言語日本語
- 出版社成美堂出版
- 発売日2006/10/1
- ISBN-104415088937
- ISBN-13978-4415088938
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登録情報
- 出版社 : 成美堂出版 (2006/10/1)
- 発売日 : 2006/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 233ページ
- ISBN-10 : 4415088937
- ISBN-13 : 978-4415088938
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,118,813位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 10,365位ボーイズラブノベルス (本)
- - 218,684位文庫
- - 293,727位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年10月13日に日本でレビュー済み
これは同著者【普通の男】の続編になります。
榎田著というと魚住君シリーズを挙げる人が多い中、しかし私なら【普通の男】を挙げます。
特別な設定は何もない。主役の2人は安給サラリーマン。特別美形なわけでもない。
出会いが特別でもなければ、情事のシーンがあるわけでもない。(本当に無い)
それなのに作品を読み始めたら一気に引きこまれた。
また最後の締め方は物足りないようでいて、余韻と未来を感じさせるものでありこういうのも良いと感じた。
私はこの作品で文章の奥深さを知りました。
攻受の心情が交互に描かれているため入り込みやすく、続編では2人の関係がかなり進展して色っぽいシーンや当て馬的な人物も登場するので作品としては確かに面白い。
しかし個人的には今作の評価を少し下げています。
その理由は、心情を言葉(心の台詞)で語らせ過ぎていることが気になったため。
お互い「好き」という気持ちを自覚した後の続編、という事だからそれも致し方ないのかもしれないが、好き・愛してる・セックスしたい・可愛い・・・そいういった台詞を使いすぎているように感じた。
これが前作なら直接的なセリフを使わずとも、一見意味のない行動を取らせることで隠れた心情を、泣くという行為で戸惑いを、服から覗く手首や背中に欲望を、そんな風に読者に読み取らせる場面が多かったように思う。
そういった部分を期待させる作品だっただけに個人的に少し残念という気持ちもある。
しかしこれは書ける能力を持つ作者だと思うので、ラインが高いところにあるというだけのコト。
作品は面白かった。機会があるようでしたら2作とも読んでみて欲しい。
榎田著というと魚住君シリーズを挙げる人が多い中、しかし私なら【普通の男】を挙げます。
特別な設定は何もない。主役の2人は安給サラリーマン。特別美形なわけでもない。
出会いが特別でもなければ、情事のシーンがあるわけでもない。(本当に無い)
それなのに作品を読み始めたら一気に引きこまれた。
また最後の締め方は物足りないようでいて、余韻と未来を感じさせるものでありこういうのも良いと感じた。
私はこの作品で文章の奥深さを知りました。
攻受の心情が交互に描かれているため入り込みやすく、続編では2人の関係がかなり進展して色っぽいシーンや当て馬的な人物も登場するので作品としては確かに面白い。
しかし個人的には今作の評価を少し下げています。
その理由は、心情を言葉(心の台詞)で語らせ過ぎていることが気になったため。
お互い「好き」という気持ちを自覚した後の続編、という事だからそれも致し方ないのかもしれないが、好き・愛してる・セックスしたい・可愛い・・・そいういった台詞を使いすぎているように感じた。
これが前作なら直接的なセリフを使わずとも、一見意味のない行動を取らせることで隠れた心情を、泣くという行為で戸惑いを、服から覗く手首や背中に欲望を、そんな風に読者に読み取らせる場面が多かったように思う。
そういった部分を期待させる作品だっただけに個人的に少し残念という気持ちもある。
しかしこれは書ける能力を持つ作者だと思うので、ラインが高いところにあるというだけのコト。
作品は面白かった。機会があるようでしたら2作とも読んでみて欲しい。
2006年10月13日に日本でレビュー済み
続編が出るまで三年かかりましたが、ストーリー上は二日しか経っていません(笑)
前編「普通の男(ひと)」では、的場が花島に告白するところで終わっていますね。
その後二人はコンビニでビールを買い、花島のアパートに帰って無事チューまでいきますが、そこから先に進むのがさあ大変。
38歳にもなってこんなことでグルグル悩む的場が気の毒でもあり、失恋した(と思い込む)ショックで携帯電話をぶっ壊す花島が可愛くもあり。
それもこれも、すべては「普通の男」が「普通の恋」に落ちたから。
あらすじだけを言えば、当て馬登場ですったもんだの挙句またラブラブになるという、
ありふれたBL話にも関わらず、この作者の魔法にかかるとなんて素敵で愛おしい話になるのでしょうか。
新宿二丁目では本当に「トワイライト」が営業していて、「ビジネス新報社」も実在し、的場も花島も、コーちゃんも若宮も朋香も、
みんなみんなこの空の下本当に泣いたり笑ったりしているのではないだろうか。
まるでページ全体がじんわりと発光しているかのような、温もりと明るさ。
子どもの頃からそれなりに読書体験を重ねてきてもなお、こんなに優しく愛おしい気持ちにさせてくれるエダ作品は貴重です。
「すべての恋はひとりひとりに特別なのだから、普通の恋とは、つまり特別な恋なのである」
いいこと言うなあ、当て馬青野!にくいぜ、チキショー。
他作品から意外なカップルがゲスト出演しているのも、キャー嬉しい。
今恋をしている人もそうでない人も、心からお勧めできる一冊です。
前編「普通の男(ひと)」では、的場が花島に告白するところで終わっていますね。
その後二人はコンビニでビールを買い、花島のアパートに帰って無事チューまでいきますが、そこから先に進むのがさあ大変。
38歳にもなってこんなことでグルグル悩む的場が気の毒でもあり、失恋した(と思い込む)ショックで携帯電話をぶっ壊す花島が可愛くもあり。
それもこれも、すべては「普通の男」が「普通の恋」に落ちたから。
あらすじだけを言えば、当て馬登場ですったもんだの挙句またラブラブになるという、
ありふれたBL話にも関わらず、この作者の魔法にかかるとなんて素敵で愛おしい話になるのでしょうか。
新宿二丁目では本当に「トワイライト」が営業していて、「ビジネス新報社」も実在し、的場も花島も、コーちゃんも若宮も朋香も、
みんなみんなこの空の下本当に泣いたり笑ったりしているのではないだろうか。
まるでページ全体がじんわりと発光しているかのような、温もりと明るさ。
子どもの頃からそれなりに読書体験を重ねてきてもなお、こんなに優しく愛おしい気持ちにさせてくれるエダ作品は貴重です。
「すべての恋はひとりひとりに特別なのだから、普通の恋とは、つまり特別な恋なのである」
いいこと言うなあ、当て馬青野!にくいぜ、チキショー。
他作品から意外なカップルがゲスト出演しているのも、キャー嬉しい。
今恋をしている人もそうでない人も、心からお勧めできる一冊です。
2006年10月15日に日本でレビュー済み
「普通の男(ひと)」の続編です。
38歳×32歳の普通のひとたちの恋愛。
普通の親父がぐるぐる悩み、葛藤する前作はすごい萌えて切なかったので
とても期待してたのですが…。
的場の親父だったり男前だったり意地っ張りなところも
花島の一途で仕事も一生懸命でたまに異様に可愛いところも健在で
萌えも、思わず泣きそうになる切なさもありました。
けれど話の展開が安っぽい印象が拭えません。
すれ違いな展開は大好物なのですが、誤解の仕方が安易です。
片思い中ならまだしも付き合ってるのにそれはないかな、と。
新しい登場人物にしても少し都合がいい気がしてあまりはまれませんでした。
念願の初Hがあったりと続編は嬉しいはずなのですが
前作のままキレイに終わっていてもよかったかなあ、と思ってしまうのが残念です。
38歳×32歳の普通のひとたちの恋愛。
普通の親父がぐるぐる悩み、葛藤する前作はすごい萌えて切なかったので
とても期待してたのですが…。
的場の親父だったり男前だったり意地っ張りなところも
花島の一途で仕事も一生懸命でたまに異様に可愛いところも健在で
萌えも、思わず泣きそうになる切なさもありました。
けれど話の展開が安っぽい印象が拭えません。
すれ違いな展開は大好物なのですが、誤解の仕方が安易です。
片思い中ならまだしも付き合ってるのにそれはないかな、と。
新しい登場人物にしても少し都合がいい気がしてあまりはまれませんでした。
念願の初Hがあったりと続編は嬉しいはずなのですが
前作のままキレイに終わっていてもよかったかなあ、と思ってしまうのが残念です。
2006年12月11日に日本でレビュー済み
30過ぎのサラリーマン、おまけにもとノンケの、でもかわいそうなほどぐるぐる悩む、ふつーーの恋のお話。うまくいきそうで、でも誤解が元で一度あきらめて、誤解が解けてハッピーエンド。振り返ってみるとベタと言うか、けっこう王道ですね。ふけてる王道…。なんせかたや38歳ですから。いやみなく、すらすら読めます。普通って、大事だよね、という、けっこう奥の深いメッセージを受け取った気がします。恋愛って、かっこいいことばかりじゃないですね、ほんと。大人の書いた、リアルな普通の恋、でした。