村上春樹語辞典
ムラカミハルキゴジテン
村上春樹さんの著作や翻訳作品を中心に、その登場人物、舞台、キーワード、関連する実在の人物、場所etc、あれやこれやを事典として紹介・解説した本。
と、記述すると村上人気に便乗した書籍のようですが、さにあらず。
ページを開いてまず目を奪われるのは、様々な用語に付せられた、タッチも美しいカラーのイラスト群。
その描きかたも、村上ワールドに親しんだ人の手によるものに違いないセンスの良さ(p11の扉絵の羊男が個人的に好きです)。
心ひかれてさらに肝心の用語解説を読み進めると、簡潔にしてツボを押さえ、ネタバレがほどよく抑えられていて夢中になることしばし。本の体裁は、お洒落なレイアウトのソフトな外見ですが、筆者はそうとう村上さんの小説を読みこんだ人物のよう。
一体だれが書いたのだろう、この本?と奥付をみると、なんと毎年秋の 某イベントの話題で必ずその店内の様子がTVに映し出される、あのブックカフェ「6次元」の店主ナカムラクニオさんと運営の道前宏子さんの手に成るものでした。なるほど~。
愛のある書物は心地よいです、とても。
辞典という形式で、村上春樹世界を俯瞰することが出来るこの一冊。
さまざまな語彙とその解説を読みすすむにつれ、自分や多くの読者の方々は村上さんが語る物語のなかで、ここにリストアップされた膨大な、いろんな人たちに巡り合い、さまざまな場所に旅し、心ふるえ、おどらせ、涙し、井戸をくぐり抜けて、そしてまた今ここに帰ってきているのだな、と思わず感慨にふけってしまいました。
村上春樹さんの読者の方なら、あるいは何か読んでみようかなと興味がおありな方ならば、楽しい時間が過ごせる一冊かと思います。おすすめ。
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村上春樹語辞典: 村上春樹にまつわる言葉をイラストと豆知識でやれやれと読み解く 単行本 – 2018/7/13
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村上春樹のファン、ハルキストの聖地と呼ばれるブックカフェ「6次元」のふたりが、
村上春樹にまつわるさまざまな用語をイラストとともに辞典形式で解説。
翻訳を含む全作品から主な登場人物、頻出するキーワード、
作家の名言や学生時代の逸話まで500語以上が収録されている。
村上作品で印象的な料理やカクテル、独特な比喩表現、外国語版の装丁など、
さまざまな角度から楽しめるコラムも充実。
作家ゆかりの地を紹介したマップ付き。
村上ファンはもちろん、これから読みたい人にも楽しめる内容となっている。
村上作品と作家について理解を深められる一冊。
■目次
キーワードで読み解く 村上春樹ワールド
村上春樹クロニクル
村上春樹作品における ファンタジーとリアリズムの年表/長編と短編の相関図
村上春樹語辞典
【コラム】
村上食堂/BAR村上へようこそ/映画化された村上春樹/
装丁をめぐる冒険 世界の村上春樹と翻訳ワンダーランド/村上動物園/
意味がなければ「比喩」はない/ハルキストのデッド・ヒート/村上春樹図書館/
「やれやれ」について語るときに我々の語ること。/「幻の村上作品」を探して
【Book in Book】
村上春樹おさんぽMAP
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村上春樹にまつわるさまざまな用語をイラストとともに辞典形式で解説。
翻訳を含む全作品から主な登場人物、頻出するキーワード、
作家の名言や学生時代の逸話まで500語以上が収録されている。
村上作品で印象的な料理やカクテル、独特な比喩表現、外国語版の装丁など、
さまざまな角度から楽しめるコラムも充実。
作家ゆかりの地を紹介したマップ付き。
村上ファンはもちろん、これから読みたい人にも楽しめる内容となっている。
村上作品と作家について理解を深められる一冊。
■目次
キーワードで読み解く 村上春樹ワールド
村上春樹クロニクル
村上春樹作品における ファンタジーとリアリズムの年表/長編と短編の相関図
村上春樹語辞典
【コラム】
村上食堂/BAR村上へようこそ/映画化された村上春樹/
装丁をめぐる冒険 世界の村上春樹と翻訳ワンダーランド/村上動物園/
意味がなければ「比喩」はない/ハルキストのデッド・ヒート/村上春樹図書館/
「やれやれ」について語るときに我々の語ること。/「幻の村上作品」を探して
【Book in Book】
村上春樹おさんぽMAP
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- 本の長さ191ページ
- 言語日本語
- 出版社誠文堂新光社
- 発売日2018/7/13
- ISBN-104416618530
- ISBN-13978-4416618530
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商品の説明
著者について
ナカムラクニオ:1971年東京都生まれ。映像ディレクター、ブックカフェ「6次元」店主。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方』(CCCメディアハウス)、『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)、『パラレルキャリア』(晶文社)、『金継ぎ手帖』(玄光社)、『猫思考』(ホーム社)などがある。
道前 宏子:1981年神奈川県生まれ。編集者。ブックカフェ「6次元」を運営。絵本雑誌、書籍などの編集に携わる。ナカムラとの共著に村上作品の舞台を案内する『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)がある。
道前 宏子:1981年神奈川県生まれ。編集者。ブックカフェ「6次元」を運営。絵本雑誌、書籍などの編集に携わる。ナカムラとの共著に村上作品の舞台を案内する『さんぽで感じる村上春樹』(ダイヤモンド社)がある。
登録情報
- 出版社 : 誠文堂新光社 (2018/7/13)
- 発売日 : 2018/7/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 191ページ
- ISBN-10 : 4416618530
- ISBN-13 : 978-4416618530
- Amazon 売れ筋ランキング: - 418,000位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 74,603位ノンフィクション (本)
- - 111,732位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年8月11日に日本でレビュー済み
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2024年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
所有欲は満たせると思います。内容はそれなりに村上春樹ファンを満足させる一品ですが、辞書ファンからすると辞書と名乗るのは少しどうかなというのが正直な感想です。これは、村上春樹用語集ですね。
2023年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
参考にはなった。手元に置いときたいほどではないが、あれば便利かも。でも本を読んだ人がめいめいで自由に想像する楽しさを考えたら、蛇足的な本かもしれない。編者には申し訳ないが。
2019年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が大学一年から村上春樹が好きです。でも、お恥ずかしいことは、このようなハンドブックみたいな本もすでに出てきたなと感心しています。とても満足です。
2018年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく読みやすく、重要な言葉をしっかり分かりやすくまとめてあるので、とても良いリズムで読み進められます。懐かしく思う単語や、改めて知ったことや、裏技的な部分や、そして著者の紹介や、本当に良くできた村上春樹辞典でした。この辞書を読んでいると、また過去の作品をもう一度深い視点で読み直せるという利点もありますね。一つ一つに著者オリジナルのイラストが載っていて、僕はそこがとても好きですね。かなりおすすめです!
2019年3月25日に日本でレビュー済み
ナカムラクニオさんの温かみのあるイラストが全編を覆い、優しく柔らかい雰囲気を醸し出していました。
「村上春樹語辞典」と書かれると一見、無味乾燥的にまとめられた辞典のように受け取られるかもしれませんが、著者の愛情が詰まっている辞典で、読み物としても優れていました。
勿論、作品や登場人物の検索にも有用です。一つ一つの解説が秀逸で、付加されているイラストが本文の魅力を高めています。
見開きの「村上春樹作品における ファンタジーとリアリズムの年表」を眺めるだけで、本書の読み取りの深さが理解できます。ここまで作品群を整理するのは大変ですから。
次のページの「村上春樹作品における 長編と短編の相関図」もこのような流れが生み出されているのを知りました。個々の作品を読んでいる時に、それぞれ関連性があるのは理解していましたが、全体像が見えると個々の作品の位置づけがはっきりします。
それにしてもこれだけの辞典を創り出すエネルギーと情熱に驚かされました。
春樹愛が凄いのは記載を見れば一目瞭然です。網羅性もあり、かつ読み込みの深さが解説から伝わってくる辞典でした。
労作と言う言葉がありますが、それは本書のような制作物に相応しいのではないでしょうか。
当方も全ての小説を読んでいるわけではありませんし、忘れている事柄も多く、各項目を読み進めながら思い出を反芻しているところです。
素敵な出版物でした。春樹ファンならその価値を理解し、認めることでしょう。
「村上春樹語辞典」と書かれると一見、無味乾燥的にまとめられた辞典のように受け取られるかもしれませんが、著者の愛情が詰まっている辞典で、読み物としても優れていました。
勿論、作品や登場人物の検索にも有用です。一つ一つの解説が秀逸で、付加されているイラストが本文の魅力を高めています。
見開きの「村上春樹作品における ファンタジーとリアリズムの年表」を眺めるだけで、本書の読み取りの深さが理解できます。ここまで作品群を整理するのは大変ですから。
次のページの「村上春樹作品における 長編と短編の相関図」もこのような流れが生み出されているのを知りました。個々の作品を読んでいる時に、それぞれ関連性があるのは理解していましたが、全体像が見えると個々の作品の位置づけがはっきりします。
それにしてもこれだけの辞典を創り出すエネルギーと情熱に驚かされました。
春樹愛が凄いのは記載を見れば一目瞭然です。網羅性もあり、かつ読み込みの深さが解説から伝わってくる辞典でした。
労作と言う言葉がありますが、それは本書のような制作物に相応しいのではないでしょうか。
当方も全ての小説を読んでいるわけではありませんし、忘れている事柄も多く、各項目を読み進めながら思い出を反芻しているところです。
素敵な出版物でした。春樹ファンならその価値を理解し、認めることでしょう。
2018年11月19日に日本でレビュー済み
村上作品はほとんど読みましたが、忘れていることも多いので、これは助かります。あの短編も、あのエッセイも、もう一度読み返したくなりウズウズします。村上作品がエンドレスで楽しめそう。
意外だったのは、「スターウォーズ」の項目。村上さんはチューバッカが好きとか、スターウォーズにまつわるトリビアいろいろ。意外で親しみわいて、ちょっと嬉しくなった。
コラムも面白い。とくに「やれやれ」についての分析と考察。思わずクスリと笑ってしまった。「やれやれ」がどの作品にどれだけあるのか。かゆいところに手が届いてます。
イラストも秀逸。はじめは、失礼ながらなんてことのないイラストと思ったけれど、じいっと見れば見るほど、実に味わい深い! 絵の個性が強過ぎなくて良いですね。
総じて質・量ともに素晴らしく、手もとにおいて折にふれてめくり、村上ワールドを堪能したいです。
意外だったのは、「スターウォーズ」の項目。村上さんはチューバッカが好きとか、スターウォーズにまつわるトリビアいろいろ。意外で親しみわいて、ちょっと嬉しくなった。
コラムも面白い。とくに「やれやれ」についての分析と考察。思わずクスリと笑ってしまった。「やれやれ」がどの作品にどれだけあるのか。かゆいところに手が届いてます。
イラストも秀逸。はじめは、失礼ながらなんてことのないイラストと思ったけれど、じいっと見れば見るほど、実に味わい深い! 絵の個性が強過ぎなくて良いですね。
総じて質・量ともに素晴らしく、手もとにおいて折にふれてめくり、村上ワールドを堪能したいです。