美しいものの前で人は正直にならざるを得ません。それはダイレクトに人の感覚に訴えかけるものだから。。。
千住さんは、美しいと思う人の心に国境は無い。美は時空を超え、人は(時間と空間を超えて)恐ろしい程同じ生き物なのだと改めて気づかせてくれると言われます。
本書では、1983年から2003年までの千住さんの作品の一部が前半に紹介され、その詳細な解説が千住さん自身の手で書き下ろされています。
村上春樹が好きなだけあってか、文章構成がとても上手く、ある時、日本の文化を深く知る必要性を感じ平安の詩歌等を勉強されたこともあり、引用される言葉にも力があります。
そして絵を描く情熱と謙虚な心、その絵に取り掛かるまでの人・自然との出会い等の時間の経過が織り交ぜられて文章が紡がれ、とても興味深く解説を読み進めることができます。
余談ですが、羽田ターミナル(ANA側)では、弟の千住明さんが作曲した楽曲が、妹の千住真理子さんのヴァイオリンの演奏で奏でられ、到着ロビーやレストランのフロア近辺では、千住さんの日本画(湖畔・滝・星夜)が24時間出迎えてくれます。
本書がきっかけで、それらの音楽・画に触れて頂ければと思いますし、偶然それらが気になった方がいらっしゃれば、ぜひ本書を手に取っていただき、画家・千住博さんがどのような思いで絵を描き続けてきたのか、その歴史を紐解いてみて頂ければと思います。
きっと美・知的な好奇心が刺激される濃い時間を過ごすことができるでしょう。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
絵の心 単行本 – 2003/8/1
千住 博
(著)
- 本の長さ187ページ
- 言語日本語
- 出版社世界文化社
- 発売日2003/8/1
- ISBN-104418035206
- ISBN-13978-4418035205
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
作品は見る人の心の鏡となり、思い出や生死観などをスクリーンのように映し出しているのだ-。新作「Mの森」3点を収録した、画業20年の集大成一挙公開。世界の日本画家、千住博による書き下ろし画文集。
登録情報
- 出版社 : 世界文化社 (2003/8/1)
- 発売日 : 2003/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 187ページ
- ISBN-10 : 4418035206
- ISBN-13 : 978-4418035205
- Amazon 売れ筋ランキング: - 759,780位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
4グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今読み終え非常に感動を得ました。この画家の建設的な思考、宇宙空間、美意識、人生観等の様々な事が文面からあふれ出ていて、とても真意にもとずいて迫力感を感じました。何よりもひとつのテーマに向かうまでの探究心、心の葛藤、卓越した決断、人間の内なる空間の存在、大自然に対するの慈しむまでのプロセスが手にとるように伝わってきます。加えて画家としての「使命」「本質」に気づいていく美意識の気高さ、崇高さを感じます。読み終えて、どんな人の心にも感動する心、感じる心、美の原点があるはずだと思いました。描きはしませんが、とても必然的な画集に感じるほどで、千住氏に感謝したいと思います。この
画家がどんな人なのか何を見つめているのかを少しでも知りたい方には、うってつけだと思います。勇気が沸きました。
画家がどんな人なのか何を見つめているのかを少しでも知りたい方には、うってつけだと思います。勇気が沸きました。
2004年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「画文集」というだけあって、絵よりも文章のほうが多いが、芸術家がどのような思いで、その絵を描いたのか、とても具体的な状況を分かりやすく書いているので大変興味深く面白かった。美というものの認識を新たにさせてくれるエッセイ、これから絵を見ることが楽しくなりそうだ。