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近代ヨーロッパの形成:商人と国家の近代世界システム (創元世界史ライブラリー) 単行本 – 2012/8/21
玉木 俊明
(著)
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なぜヨーロッパはいち早く経済成長を遂げられたのか?
近代ヨーロッパ世界は他地域をはるかに上回る経済成長を遂げ、強大化した。
では、その「近代ヨーロッパ」はいつ、どのようにして形成されたのか。
本書では「近代世界システム」論を批判的に摂取、
欧米の最新の研究成果を整理しながら、
アントウェルペンを起点とする商人ネットワークの拡大と、
産業革命、財政軍事国家論を関連づけ、
近代ヨーロッパ形成の過程と理由を多面的かつ具体的に論じる。
経済史家ならではの考察が光る一冊。
------------------------------
【目次】
序 章 近代ヨーロッパ形成を読みとく視点
1 近代ヨーロッパはどのようにして形成されたのか
2 「大分岐」論争――ヨーロッパとアジア、経済成長の分岐点
3 産業革命の発生条件――なぜイギリスだったのか
4 商人と国家の「近代世界システム」
第1章 商人と国家が織りなす世界史
――近代世界システムとグローバルヒストリー
1 歴史研究の新潮流「グローバルヒストリー」
2 「大分岐」をめぐる四つの議論
3 グローバルヒストリーと近代世界システム
4 近代世界システムとヨーロッパ
5 国際的な商人ネットワークと主権国家
第2章 商人ネットワークの拡大
――アントウェルペンからロンドンまで
1 アントウェルペンの役割
2 世界最大の貿易都市アムステルダム
3 ロンドンとアントウェルペン
4 商人のネットワークからみた近代世界システム
第3章 「情報」が変えた世界
――商業活動と国家の関係
1 モノの経済史から情報の経済史へ
2 ディアスポラと情報伝播
3 アムステルダムの役割
4 ヘゲモニーの移行
5 「大分岐」の二つの段階
第4章 主権国家の成立
――財政と商業からの視点
1 主権国家をめぐって
2 肥大化する国家財政
3 国家と商業との関係
第5章 大西洋貿易の勃興とヨーロッパの経済成長
――各国の貿易と帝国間貿易
1 大西洋経済の勃興
2 大西洋貿易の特徴
3 各国の大西洋貿易
4 各国の大西洋貿易をつなぐ
第6章 近代世界の誕生
――フランス革命からウィーン体制期の経済史
1 イギリス産業革命期の経済成長は遅かった
2 ヨーロッパ大陸の経済の変化
3 商人ネットワークの変化
4 ウィーン体制の経済的意味
終 章 近代ヨーロッパの形成
――国家と情報と商人と
1 近代ヨーロッパの形成過程
2 情報が支えたイギリス帝国――「ジェントルマン資本主義」再考
近代ヨーロッパ世界は他地域をはるかに上回る経済成長を遂げ、強大化した。
では、その「近代ヨーロッパ」はいつ、どのようにして形成されたのか。
本書では「近代世界システム」論を批判的に摂取、
欧米の最新の研究成果を整理しながら、
アントウェルペンを起点とする商人ネットワークの拡大と、
産業革命、財政軍事国家論を関連づけ、
近代ヨーロッパ形成の過程と理由を多面的かつ具体的に論じる。
経済史家ならではの考察が光る一冊。
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【目次】
序 章 近代ヨーロッパ形成を読みとく視点
1 近代ヨーロッパはどのようにして形成されたのか
2 「大分岐」論争――ヨーロッパとアジア、経済成長の分岐点
3 産業革命の発生条件――なぜイギリスだったのか
4 商人と国家の「近代世界システム」
第1章 商人と国家が織りなす世界史
――近代世界システムとグローバルヒストリー
1 歴史研究の新潮流「グローバルヒストリー」
2 「大分岐」をめぐる四つの議論
3 グローバルヒストリーと近代世界システム
4 近代世界システムとヨーロッパ
5 国際的な商人ネットワークと主権国家
第2章 商人ネットワークの拡大
――アントウェルペンからロンドンまで
1 アントウェルペンの役割
2 世界最大の貿易都市アムステルダム
3 ロンドンとアントウェルペン
4 商人のネットワークからみた近代世界システム
第3章 「情報」が変えた世界
――商業活動と国家の関係
1 モノの経済史から情報の経済史へ
2 ディアスポラと情報伝播
3 アムステルダムの役割
4 ヘゲモニーの移行
5 「大分岐」の二つの段階
第4章 主権国家の成立
――財政と商業からの視点
1 主権国家をめぐって
2 肥大化する国家財政
3 国家と商業との関係
第5章 大西洋貿易の勃興とヨーロッパの経済成長
――各国の貿易と帝国間貿易
1 大西洋経済の勃興
2 大西洋貿易の特徴
3 各国の大西洋貿易
4 各国の大西洋貿易をつなぐ
第6章 近代世界の誕生
――フランス革命からウィーン体制期の経済史
1 イギリス産業革命期の経済成長は遅かった
2 ヨーロッパ大陸の経済の変化
3 商人ネットワークの変化
4 ウィーン体制の経済的意味
終 章 近代ヨーロッパの形成
――国家と情報と商人と
1 近代ヨーロッパの形成過程
2 情報が支えたイギリス帝国――「ジェントルマン資本主義」再考
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社創元社
- 発売日2012/8/21
- 寸法13 x 1.9 x 18.8 cm
- ISBN-104422203363
- ISBN-13978-4422203362
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出版社より
商品の説明
著者について
玉木俊明(たまき・としあき)
1964年大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科(文化史学専攻)
博士後期課程単位取得退学。現在、京都産業大学経済学部教授(西洋経済史)。著書:『北
方ヨーロッパの商業と経済』(知泉書館)、『近代ヨーロッパの誕生』(講談社選書メチエ)、
The Rise of the Atlantic Economy and the North Sea / Baltic Trades, 1500–1800, 2011.
(編著、Stuttgart)、『近代ヨーロッパの探究 国際商業』(共著、ミネルヴァ書房)、『ヘゲ
モニー国家と世界システム』(共著、山川出版社)、『私と西洋史研究』(共著、創元社)な
ど。
1964年大阪市生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科(文化史学専攻)
博士後期課程単位取得退学。現在、京都産業大学経済学部教授(西洋経済史)。著書:『北
方ヨーロッパの商業と経済』(知泉書館)、『近代ヨーロッパの誕生』(講談社選書メチエ)、
The Rise of the Atlantic Economy and the North Sea / Baltic Trades, 1500–1800, 2011.
(編著、Stuttgart)、『近代ヨーロッパの探究 国際商業』(共著、ミネルヴァ書房)、『ヘゲ
モニー国家と世界システム』(共著、山川出版社)、『私と西洋史研究』(共著、創元社)な
ど。
登録情報
- 出版社 : 創元社 (2012/8/21)
- 発売日 : 2012/8/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4422203363
- ISBN-13 : 978-4422203362
- 寸法 : 13 x 1.9 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 698,680位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 189位イギリス・アイルランド史
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年7月3日に日本でレビュー済み
ポメランツの「大分岐」を読んでもいまひとつピンとこなかった私のような素人には、本書にあるようなメタな解説というか整理がわかりやすくてありがたかった。ただそれは本書においては前菜であって、メインディッシュである著者自身の主張は(少なくとも読み物としては)必ずしも面白いストーリーではなかった。情報や商人ネットワークといった無形財を扱う難しさなのかもしれない。それでも「なぜヨーロッパが先んじたのか?」「なぜイギリスがヘゲモニーを握ったのか?」に興味を持つアマチュアにとって読んで損はないと思う。他書にはあまり見られない、一つの視座を与えてくれるから。
2012年11月25日に日本でレビュー済み
同著者の「
近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ
」(以下「誕生」)とセットで読みました。著者初めての一般向け啓蒙だったからか、または同著が
北方ヨーロッパの商業と経済―1550‐1815年
のダイジェスト版だったからか、著者の思いが随所に出すぎ、まとまりもいまひとつな感がありました(とはいえ著者の主張は明快に理解できます)。「誕生」と比べると、本書は格段に進化し、バランスの取れたこなれた構成となっている印象があります。「誕生」では、矛盾や疑問・裏を取らないと納得できない点が頻発し、書籍は付箋紙と傍線だらけになってしまったのですが、本書では200頁以降以外は殆どありませんでした。200頁以降は著者専門の時代以降となる為、少し詰めの甘い記載が出てきているように思えます。例えば、フランス革命・ナポレオン戦争中のオランダ資金のイギリスへの流入について、
p189では「1795年にフランス軍がイギリスに進撃すると、イギリスとオランダの関係は弱まり、オランダ資金はアメリカ合衆国とフランスに流れた」「オランダ資金流入の不足は、イギリス経済にとって大きなマイナス要因となった」
p202「そもそもナポレオン戦争中にヨーロッパ大陸からイギリスへの投資があったとすれば」(ここの文脈では「あった」という文脈である)
p214「ナポレオン戦争では(中略)島国であるイギリスはもっとも安全な投資先であった。(中略)イギリスに他国から資金が提供され、産業革命が可能になった」
途中でオランダ投資の有無についての議論も紹介(p190)もされているのですが定説は無いとされているにも関わらず、上の記載を見ると、オランダは投資を引き上げオランダ以外のヨーロッパの投資資金がイギリスに流入し、産業革命に大きく寄与した、と読めてしまいます。定説でないにも関わらず、いつの間にか定説のような印象与える書き方が気になりました。更に、オランダ以外のヨーロッパの投資総額はいかほどだったのか?と疑問に思うのですが、特に数値に言及はなされず、「イギリスに他国から資金が提供され、産業革命が可能になった」という結論になって終わりな点がいまひとつな感じがしました。
p215では、「ロンドンとオーストラリアのシドニーの貿易データの伝達は、1876年に完成した海底ケーブル網によって、それ以前の60日から4日まで短縮された」とありますが、*完成した*のに4日もかかるのは何故?
などなど、うっかり読んでいると、アレ?と思ったり、「おそらく」とあった記載が後出では既定の事実となって論が進んでしまっているところなど、「誕生」と比べると激減したとはいえ、筆のすさびな文章はなくなっているわけでは無いので、この点慎重に読む必要があると思います。
とはいえ、冒頭でグローバルヒストリーと世界システム論の学説整理が割りと厚くなされてから本論に入る所は「誕生」と比べると非常に充実し有用であり、アマゾンの目次に小見出しレベルの非常に詳細な目次が掲載されているとおりの堅実な構成で論旨が展開されます(「誕生」のアマゾン掲載の目次が章題だけなのと比べると、本書のアマゾン目次の詳細度は、内容の堅実さのアピールという印象さえ受けてしまいました)。
本書は「誕生」と比べると本文中で著者が「吹いている」部分が抑制され、本論は良かったのですが、本文で抑制された分がそっくりあとがきで一気に噴出した感じです。本文に混ぜて書かれるよりは、著者の姿勢・信条はあとがきに分けて頂いた方がいいのですが、ひとつ気になる点がありました。それは、「歴史家の存在理由は歴史叙述」にあり「グローバルヒストリー研究でしばしばみられる、研究対象の極度の単純化」が行き過ぎると、現実味の無い、読者の心に響かないものとなり、グローバルヒストリー研究には「そのような危険性があることを、忘れてはならない」と「グローバルヒストリー」を批判している点です。この部分を読んで、前著「誕生」と本書にて、付箋紙を貼った多数の疑問箇所が、「歴史叙述」の名の元に、著者が意図して「吹いている」のではないかと疑うようになってしまいました。
著者は、「歴史叙述とは虹を描く行為に似ている」と記載されていますが、私は更に、歴史家は建築家でもあって欲しいと思っています。どんなに美しい建築物を建てても、物理的に成り立たず、少しの嵐や地震で崩壊してしまうものであってはならない、ということです。歴史叙述は、地道で職人的な基礎研究の膨大な集積の上に成り立つのであって、虹を美しく描く為に、一部のデータを無視したり、故意に矮小化したりする”プロクラステスの寝台”であってはならず、地道な細部の研究はピラミッドの底辺の如く、または海面下に隠れる氷山の本体の如く、軽視されてはならないと思う次第です。
最後に。本書で引用される学者は、後半、著者専門の時代以降となるほど、「著名な」という形容詞が多くなり、「どのように著名なのか」との、その学者の位置づけの説明の不足を感じた次第です(どのように著名なのか、の説明が無いのであれば、「著名な」という形容詞は不要だと思いました)。
p189では「1795年にフランス軍がイギリスに進撃すると、イギリスとオランダの関係は弱まり、オランダ資金はアメリカ合衆国とフランスに流れた」「オランダ資金流入の不足は、イギリス経済にとって大きなマイナス要因となった」
p202「そもそもナポレオン戦争中にヨーロッパ大陸からイギリスへの投資があったとすれば」(ここの文脈では「あった」という文脈である)
p214「ナポレオン戦争では(中略)島国であるイギリスはもっとも安全な投資先であった。(中略)イギリスに他国から資金が提供され、産業革命が可能になった」
途中でオランダ投資の有無についての議論も紹介(p190)もされているのですが定説は無いとされているにも関わらず、上の記載を見ると、オランダは投資を引き上げオランダ以外のヨーロッパの投資資金がイギリスに流入し、産業革命に大きく寄与した、と読めてしまいます。定説でないにも関わらず、いつの間にか定説のような印象与える書き方が気になりました。更に、オランダ以外のヨーロッパの投資総額はいかほどだったのか?と疑問に思うのですが、特に数値に言及はなされず、「イギリスに他国から資金が提供され、産業革命が可能になった」という結論になって終わりな点がいまひとつな感じがしました。
p215では、「ロンドンとオーストラリアのシドニーの貿易データの伝達は、1876年に完成した海底ケーブル網によって、それ以前の60日から4日まで短縮された」とありますが、*完成した*のに4日もかかるのは何故?
などなど、うっかり読んでいると、アレ?と思ったり、「おそらく」とあった記載が後出では既定の事実となって論が進んでしまっているところなど、「誕生」と比べると激減したとはいえ、筆のすさびな文章はなくなっているわけでは無いので、この点慎重に読む必要があると思います。
とはいえ、冒頭でグローバルヒストリーと世界システム論の学説整理が割りと厚くなされてから本論に入る所は「誕生」と比べると非常に充実し有用であり、アマゾンの目次に小見出しレベルの非常に詳細な目次が掲載されているとおりの堅実な構成で論旨が展開されます(「誕生」のアマゾン掲載の目次が章題だけなのと比べると、本書のアマゾン目次の詳細度は、内容の堅実さのアピールという印象さえ受けてしまいました)。
本書は「誕生」と比べると本文中で著者が「吹いている」部分が抑制され、本論は良かったのですが、本文で抑制された分がそっくりあとがきで一気に噴出した感じです。本文に混ぜて書かれるよりは、著者の姿勢・信条はあとがきに分けて頂いた方がいいのですが、ひとつ気になる点がありました。それは、「歴史家の存在理由は歴史叙述」にあり「グローバルヒストリー研究でしばしばみられる、研究対象の極度の単純化」が行き過ぎると、現実味の無い、読者の心に響かないものとなり、グローバルヒストリー研究には「そのような危険性があることを、忘れてはならない」と「グローバルヒストリー」を批判している点です。この部分を読んで、前著「誕生」と本書にて、付箋紙を貼った多数の疑問箇所が、「歴史叙述」の名の元に、著者が意図して「吹いている」のではないかと疑うようになってしまいました。
著者は、「歴史叙述とは虹を描く行為に似ている」と記載されていますが、私は更に、歴史家は建築家でもあって欲しいと思っています。どんなに美しい建築物を建てても、物理的に成り立たず、少しの嵐や地震で崩壊してしまうものであってはならない、ということです。歴史叙述は、地道で職人的な基礎研究の膨大な集積の上に成り立つのであって、虹を美しく描く為に、一部のデータを無視したり、故意に矮小化したりする”プロクラステスの寝台”であってはならず、地道な細部の研究はピラミッドの底辺の如く、または海面下に隠れる氷山の本体の如く、軽視されてはならないと思う次第です。
最後に。本書で引用される学者は、後半、著者専門の時代以降となるほど、「著名な」という形容詞が多くなり、「どのように著名なのか」との、その学者の位置づけの説明の不足を感じた次第です(どのように著名なのか、の説明が無いのであれば、「著名な」という形容詞は不要だと思いました)。