美術が好きな人にも、美術に興味を持った人にも、ともに手にとってほしい本。
西洋美術の概説書というのは、扱う年代の広大さと紙数の制約から、
各時代の様式の説明と個々の芸術家、作品のカタログ的な紹介にとどまっていることが多いように感じます。
ところが、本書はなかなかどうして、そこから一歩、二歩と踏み込んで、
そもそも美術とは何か?芸術家と作品、および鑑賞者との関係とは?線vs色彩、
等々、美術の本質に迫る設問にたいして、抽象的な言葉を使わずにそれでいて明快で歯切れよく解説されています。
たとえば、ルネッサンスについて著者は、人間性が宗教から解放されたバラ色の時代などと単純にとらえません。
『ルネッサンスは強烈な刺激に富むが、住みにくい時代であったに違いない。
しかし振り返ってみれば、そうした緊張こそが、世界がかって経験したことのない想像力の横溢を呼んだのであった。
中世否定の上に立った古典時代への復帰の情熱が、
古代の再生ではなく、近代文明の誕生としての新しい時代をもたらしたことは、一つの大きな逆説であった。』
こうした視点を持つことによってはじめて、
ボッティチェッリの≪ヴィーナスの誕生≫が、異教の女神を描きながら、キリスト教と対立することなく、官能性をたもって受肉している理由、
また、誰よりも古典彫刻を愛したミケランジェロの嵐のような制作の人生、を理解することができるのではないでしょうか。
現代美術の解説もすばらしい。
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西洋美術の歴史 単行本 – 2001/5/20
美術史の世界的権威ジャンソン博士父子による最も定評のある西洋美術通史。
世界的ベストセラー。
美術史の権威ジャンソン父子の世界的ベストセラー。
カラー219点、白黒300点をオフセット印刷、アート紙で再現。
圧倒的ボリュームの本を低価格で提供。
古代から現代までの通史で、建築や写真芸術まで幅広く目配りし、
各時代の概説や、地図、年表など親切な編集。
翻訳には大阪大学名誉教授木村重信、大阪大学教授藤田治彦があたった。
推薦者は美術史の高階秀爾、建築の安藤忠雄、版画の山本容子の各氏。
〔目次〕
序論
第1部 古代世界
呪術と儀式:先史美術と民族美術
死者のための芸術:エジプト
古代近東の美術
エーゲ美術
ギリシア美術
エトルスク美術
ローマ美術
初期キリスト教とビザンティン美術
第2部 中世
中世初期の美術
ロマネスク美術
ゴシック美術
第3部 ルネサンス マニエリスム バロック
「後期ゴシック」の絵画、彫刻、版画
イタリアの初期ルネサンス
イタリアの盛期ルネサンス
マニエリスムとその他の傾向
北方ルネサンス
イタリアとスペインにおけるバロック
フランドルとオランダのバロック
フランスのバロック:ヴェルサイユの時代
ロココ
第4部 近代世界
新古典主義
ロマン主義
リアリズムと印象主義
ポスト印象主義
20世紀の絵画
20世紀の彫刻
20世紀の建築
20世紀の写真
世界的ベストセラー。
美術史の権威ジャンソン父子の世界的ベストセラー。
カラー219点、白黒300点をオフセット印刷、アート紙で再現。
圧倒的ボリュームの本を低価格で提供。
古代から現代までの通史で、建築や写真芸術まで幅広く目配りし、
各時代の概説や、地図、年表など親切な編集。
翻訳には大阪大学名誉教授木村重信、大阪大学教授藤田治彦があたった。
推薦者は美術史の高階秀爾、建築の安藤忠雄、版画の山本容子の各氏。
〔目次〕
序論
第1部 古代世界
呪術と儀式:先史美術と民族美術
死者のための芸術:エジプト
古代近東の美術
エーゲ美術
ギリシア美術
エトルスク美術
ローマ美術
初期キリスト教とビザンティン美術
第2部 中世
中世初期の美術
ロマネスク美術
ゴシック美術
第3部 ルネサンス マニエリスム バロック
「後期ゴシック」の絵画、彫刻、版画
イタリアの初期ルネサンス
イタリアの盛期ルネサンス
マニエリスムとその他の傾向
北方ルネサンス
イタリアとスペインにおけるバロック
フランドルとオランダのバロック
フランスのバロック:ヴェルサイユの時代
ロココ
第4部 近代世界
新古典主義
ロマン主義
リアリズムと印象主義
ポスト印象主義
20世紀の絵画
20世紀の彫刻
20世紀の建築
20世紀の写真
- ISBN-104422700073
- ISBN-13978-4422700076
- 出版社創元社
- 発売日2001/5/20
- 言語日本語
- 本の長さ527ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
古代世界、中世、ルネサンス・マニエリスム・バロック、近代世界の4部から成り、絵画、彫刻、工芸、写真、建築について、歴史的文脈の中で考察する最も標準的な西洋美術通史。カラー219葉を含む図版519葉を収録する。
著者について
H・W・ジャンソン
ニューヨーク大学美術史学科および同大学美術研究所教授。同大学ワシントン・スクエア・カレッジ美術史学科の学科長、グッゲンハイム・フェロウ(2期)、学術誌 Art Bulletin編集長(3年間)。本書は博士の代表作で、世界12カ国以上で翻訳された世界的ベストセラー。1982年没。
ニューヨーク大学美術史学科および同大学美術研究所教授。同大学ワシントン・スクエア・カレッジ美術史学科の学科長、グッゲンハイム・フェロウ(2期)、学術誌 Art Bulletin編集長(3年間)。本書は博士の代表作で、世界12カ国以上で翻訳された世界的ベストセラー。1982年没。
アンソニー・F・ジャンソン
ノース・カロライナ大学ウィルミントン校美術演劇学科長。インディアナポリス美術館、ジョン・アンド・マーブル・リングリング美術館、ノース・カロライナ美術館のキュレーター。博士は本書で父H・W・ジャンソンを補佐しのち責任者となる。
登録情報
- 出版社 : 創元社 (2001/5/20)
- 発売日 : 2001/5/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 527ページ
- ISBN-10 : 4422700073
- ISBN-13 : 978-4422700076
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,997位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 60位一般西洋美術史の本
- - 2,363位アート・建築・デザインの絵画 (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2005年5月21日に日本でレビュー済み
入門書としてはやや高度な内容の本ですが、作者の書く文章の、キレがとにかく素晴らしい。美術史全体を概観した本のため個々の画家に当てられる行数には限界があるにもかかわらず、簡潔で率直、これ以上はないというくらい絵や画家の質を的確に捉えた文章で、非常に説得力があります。説明が「底をついている」ので、何度読み返しても勉強になる、とても質の高い美術書です。
ただし、一見非常に綺麗に見える図版には要注意です。この本は見た目は高級そうな紙を使用していますが、よく見ると絵によっては若干変色していたり、重要な人物が暗く塗りつぶされているものもあり、印刷の状態は決してよくありません。絵を参考にする場合は、他の本を利用した方がいいでしょう。
ただし、一見非常に綺麗に見える図版には要注意です。この本は見た目は高級そうな紙を使用していますが、よく見ると絵によっては若干変色していたり、重要な人物が暗く塗りつぶされているものもあり、印刷の状態は決してよくありません。絵を参考にする場合は、他の本を利用した方がいいでしょう。
2021年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全西洋美術史が必要最小限にまとめられている。芸大の必須科目で、過去から新しい芸術のヒントが得られる。
2003年9月21日に日本でレビュー済み
西洋の美術史を概観するための最良の書である。記述は要を得ており、豊富な図版も適切に配置されている。価格も手ごろだし、ページをめくるだけで楽しい本に仕上がっている。
2006年4月25日に日本でレビュー済み
惜しむらくは日本語の翻訳がまずく、ひどく読みづらい。
ほとんど直訳のような文が多く、修飾語と被修飾語の関係が一度読んだだけでは、すんなり頭に入ってこない。美術の本なのに半分以上が白黒の図版なので文章で理解する必要があるし、小項目の字体が場所によって画家の名前であったりそれ以外だったりなどの編集の不手際も手伝って、読み続けるには忍耐が要る。
確かに美術以外の古典などの知識も必要な、学生向けのちょっと難しい本ではあるが、だからこそ翻訳はプロに任せて美学の先生方には監修に徹して頂きたかった。ほとんどキリスト教世界の美術しか扱っていないにもかかわらず、原題でhistory of art for young peopleと言ってのけるアメリカ人らしさが鼻につくとはいえ、いい本だとは思うのでもったいないと思う。
ほとんど直訳のような文が多く、修飾語と被修飾語の関係が一度読んだだけでは、すんなり頭に入ってこない。美術の本なのに半分以上が白黒の図版なので文章で理解する必要があるし、小項目の字体が場所によって画家の名前であったりそれ以外だったりなどの編集の不手際も手伝って、読み続けるには忍耐が要る。
確かに美術以外の古典などの知識も必要な、学生向けのちょっと難しい本ではあるが、だからこそ翻訳はプロに任せて美学の先生方には監修に徹して頂きたかった。ほとんどキリスト教世界の美術しか扱っていないにもかかわらず、原題でhistory of art for young peopleと言ってのけるアメリカ人らしさが鼻につくとはいえ、いい本だとは思うのでもったいないと思う。