いい本です。
今書いたら……小難しい人々から……の批判が殺到しそうな本ですけど、
こういうのをまじめに書ける時代があったという歴史的意味で良い本。
日本人にとってはあまりなじみのない教養を要求するのは古い本だから仕方ない。
本文なんてとばしていいんでまずは巻末を読もう!
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馬鹿について―人間-この愚かなるもの 単行本 – 1958/12/10
人間は愚かなるが故に救われている、という逆説的批評を根底にすえて、
博引傍証、人間の知性現象のあらゆる問題を痛烈に批判し、学界・教育
界・政界など各界へ爆弾を投ずる。
<目次>
第一部 知能が低すぎる馬鹿
一 知能の欠如の本質について
二 馬鹿とは何か、また馬鹿には何がしてやれるか
三 予防か民族の愚化か
第二部 知能が正常な馬鹿
四 生命人
五 感動による知能の乱れ
六 人類の愚行
第三部 知能が高すぎる馬鹿
七 愚者礼賛
八 馬鹿と性格
九 馬鹿の効能
結び これだけは心得おくべし
博引傍証、人間の知性現象のあらゆる問題を痛烈に批判し、学界・教育
界・政界など各界へ爆弾を投ずる。
<目次>
第一部 知能が低すぎる馬鹿
一 知能の欠如の本質について
二 馬鹿とは何か、また馬鹿には何がしてやれるか
三 予防か民族の愚化か
第二部 知能が正常な馬鹿
四 生命人
五 感動による知能の乱れ
六 人類の愚行
第三部 知能が高すぎる馬鹿
七 愚者礼賛
八 馬鹿と性格
九 馬鹿の効能
結び これだけは心得おくべし
- 本の長さ399ページ
- 言語日本語
- 出版社創元社
- 発売日1958/12/10
- ISBN-104422930036
- ISBN-13978-4422930039
登録情報
- 出版社 : 創元社 (1958/12/10)
- 発売日 : 1958/12/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 399ページ
- ISBN-10 : 4422930036
- ISBN-13 : 978-4422930039
- Amazon 売れ筋ランキング: - 416,661位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 16,737位心理学 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
"馬鹿のことを書くよりも、天才のことを書く方が、よほど割のいい仕事に違いない(中略)天才を描いてみせる学者は、そこに描かれていた天才の栄光のおすそ分けにあずかるものだが、本書の著者にはこういう余得はありそうにもない"1955年発刊、本書は"人間は人間なる限り愚かである"と教えてくれる刺激的名著。
個人的には、いとうせいこうのトーク集『今夜、笑いの数を数えましょう』でゲストの誰かが紹介していたので手にとりました。
さて、そんな本書はかっては(そして本書内では)『Mongolism』今は【ダウン症候群】と呼ばれる遺伝子疾患の研究で学位を得たドイツ人精神医学者である著者が"何故頭が悪くなるか、知恵が廻らぬとどうなるか"という『エッセイ』として、永遠に変わらざる人間の愚行のあらゆる様相を【正常の精神活動の範囲を出ない欠陥】として病的な精神状態から区別。三部構成『知能が低すぎる馬鹿』『知能が正常な馬鹿』『知能が高すぎる馬鹿』で風刺やユーモアをまじえながら【すべからく人類の馬鹿さ加減を暴露している】わけですが。
ドイツでは通俗的な悪口として『あいつは馬鹿だ=あいつは麦わらだ』(とされるらしい)からイメージをえて【潰れた麦わら】がカバーである本書。著者も前述した引用で自覚して述べているように【本を読む=賢くなる】事を先入観にして読み進めてしまうと、じわじわとボディーブローを受け続けるように【削られていくような読後感】がありました。
そんなわけで、これから本書を手にとる方には『先人からのアドバイス』としてラスト、結びの『人生の愚かさについての格言集』をおすすめしたい。こちらは例えば【愚と賢は、知能という上位の状態の下での、相隣る二つの概念である】とか、思わず名言集として引用したくなるテキストが収録されていて。ためになります、なるかも?
普遍的な名著として、また賢さマウンティングが横行する現代社会に疲れた方にブラックな癒し的にオススメ。
個人的には、いとうせいこうのトーク集『今夜、笑いの数を数えましょう』でゲストの誰かが紹介していたので手にとりました。
さて、そんな本書はかっては(そして本書内では)『Mongolism』今は【ダウン症候群】と呼ばれる遺伝子疾患の研究で学位を得たドイツ人精神医学者である著者が"何故頭が悪くなるか、知恵が廻らぬとどうなるか"という『エッセイ』として、永遠に変わらざる人間の愚行のあらゆる様相を【正常の精神活動の範囲を出ない欠陥】として病的な精神状態から区別。三部構成『知能が低すぎる馬鹿』『知能が正常な馬鹿』『知能が高すぎる馬鹿』で風刺やユーモアをまじえながら【すべからく人類の馬鹿さ加減を暴露している】わけですが。
ドイツでは通俗的な悪口として『あいつは馬鹿だ=あいつは麦わらだ』(とされるらしい)からイメージをえて【潰れた麦わら】がカバーである本書。著者も前述した引用で自覚して述べているように【本を読む=賢くなる】事を先入観にして読み進めてしまうと、じわじわとボディーブローを受け続けるように【削られていくような読後感】がありました。
そんなわけで、これから本書を手にとる方には『先人からのアドバイス』としてラスト、結びの『人生の愚かさについての格言集』をおすすめしたい。こちらは例えば【愚と賢は、知能という上位の状態の下での、相隣る二つの概念である】とか、思わず名言集として引用したくなるテキストが収録されていて。ためになります、なるかも?
普遍的な名著として、また賢さマウンティングが横行する現代社会に疲れた方にブラックな癒し的にオススメ。
2006年11月18日に日本でレビュー済み
訳者のあとがきによると、精神医学者であるホルスト・ガイヤー(1907-1958)は、カイザー・ウィルヘルム人類学研究所の所員であり、人類遺伝学を専門として研究していたとのことです。筆者は古今至る所にはびこる人間の愚行を「正常の精神活動の範囲を出ない欠陥」として病的な精神状態から区別し、知能(上位概念)と賢愚(下位概念)の二つの概念によって人間の行動を分析する。論述の中には当時のドイツの世相を反映した筆者の体験から発せられる主張も見受けられますが、一方で語られる人間の愚かさについては独自の風刺やユーモアによって学問的成果をくだけた形で伝えています。その誰もが持つ独特な人間性については、結びの「これだけは心得ておくべし(人生の愚かさについての格言集)」に多くが含まれているので、この部分だけを読んでも、あるいはこの部分を読んでから全てを読むべきか判断しても良いかもしれません。ちなみにこの『馬鹿について』(1954)に続いて刊行された『狂気の文学』(1955)がガイヤー絶筆の書に当たります。