通常群論の本といえば、群の定義を最初に紹介し「Z/8が乗法に対して群になる」などの例を通して群論を学んでいくだろう。しかし、この本は最初に正四面体の回転対称性から話が始まり、自然に群の定義が導入される。これがこの本の特色で、常に幾何的要素と代数的要素の対応関係が示されながら群の種々の概念が紹介されていく。やはり、幾何的イメージングというのは我々になじみやすく直感にも働きかけるから、雪江先生の「群論入門」もいい本であるが、初学者にはむしろこのアームストロングの本の方がいいのではないだろうか。ただ、定義が通常の文章中に出てくるなどすこし数学書としての体裁がとられていないところもあり、数学書や論文を読みなれている読者にとってそこは気になるかもしれない。
現代幾何学の巨人ミハイル・グロモフは「数学は対称性の学問である」というような発言をしていたが、この本を読むと、彼の発言がどのような意味を持っているのか、ほんの少しだがわかるような気がする。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
対称性からの群論入門 単行本 – 2007/11/9
M.A. アームストロング (Mark Anthony Armstrong)
(著),
佐藤 信哉
(翻訳)
本書は対称性の観点からみた群論への入門書である.
群は,様々な対象の対称性を考える上で欠かせない概念である.本書では,数学専攻の学部学生向けに専門用語や群論の入門コースにおける主要な定理を,とても丁寧に,しかも平易な言葉で解説している.
本書で著者は,最初から最後まで,立体の対称性に重点を置きながら,「例」のわかりやすさを特に大切にしている.題材は28の短い章に分けられているが,全体として読者が群論を自然な流れで学べるよう配慮された構成となっている.
内容を理解するための章末の演習問題も充実しており,独習用のテキストとしても格好の書である.
英語原著は Springer の Undergraduate Texts in Mathematics シリーズの1冊として1988年に出版されて以来,世界各地の大学で教科書採用され,現在も版を重ね続けている.
群は,様々な対象の対称性を考える上で欠かせない概念である.本書では,数学専攻の学部学生向けに専門用語や群論の入門コースにおける主要な定理を,とても丁寧に,しかも平易な言葉で解説している.
本書で著者は,最初から最後まで,立体の対称性に重点を置きながら,「例」のわかりやすさを特に大切にしている.題材は28の短い章に分けられているが,全体として読者が群論を自然な流れで学べるよう配慮された構成となっている.
内容を理解するための章末の演習問題も充実しており,独習用のテキストとしても格好の書である.
英語原著は Springer の Undergraduate Texts in Mathematics シリーズの1冊として1988年に出版されて以来,世界各地の大学で教科書採用され,現在も版を重ね続けている.
- ISBN-104431100075
- ISBN-13978-4431100072
- 出版社シュプリンガー・ジャパン株式会社
- 発売日2007/11/9
- 言語日本語
- 本の長さ215ページ
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : シュプリンガー・ジャパン株式会社 (2007/11/9)
- 発売日 : 2007/11/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 215ページ
- ISBN-10 : 4431100075
- ISBN-13 : 978-4431100072
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,348,724位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,574位代数・幾何
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
8グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
送料別なので合計はそれなりでしたが、お得に購入できたのでよかったです
2009年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ群論は始めてから半年くらいで色々な本を漁りながら貪り読んでいる最中なのですが、
「雑学家」さんのレビューの通りにとても分かりやすい本ですね。
素人としては、群論って定義ばかり書いてあっても退屈してしまい、面白いページまで行き着かずに
熟睡して撃沈というパターンが多いと思うのです。
その点、概念を図で表現してくれる本書は分かりやすくていいです。
(稲葉 栄次氏の「 群論入門 (新数学シリーズ 7) 」、W.マグナス氏の「 群とグラフ (1970年) (SMSG新数学双書〈4〉) 」も好きです)
「2面体群」という概念は、私が不勉強のせいかもしれませんが初めて見ました。なるほど...
「群とは対称性を測るものである」という、まえがきの言葉には頭が痺れます!凄い!
これで、人に「群論って何?」と聞かれても説明出来ます(滅多に聞かれる事なんて無いですが...)。
「雑学家」さんのレビューの通りにとても分かりやすい本ですね。
素人としては、群論って定義ばかり書いてあっても退屈してしまい、面白いページまで行き着かずに
熟睡して撃沈というパターンが多いと思うのです。
その点、概念を図で表現してくれる本書は分かりやすくていいです。
(稲葉 栄次氏の「 群論入門 (新数学シリーズ 7) 」、W.マグナス氏の「 群とグラフ (1970年) (SMSG新数学双書〈4〉) 」も好きです)
「2面体群」という概念は、私が不勉強のせいかもしれませんが初めて見ました。なるほど...
「群とは対称性を測るものである」という、まえがきの言葉には頭が痺れます!凄い!
これで、人に「群論って何?」と聞かれても説明出来ます(滅多に聞かれる事なんて無いですが...)。
2010年2月1日に日本でレビュー済み
現代制御理論で、群論を使っていたはずなのですが、結果は納得できても、経過を納得していませんでした。
群論が対称性という視点で理解しようとすると、分かりやすいことがなんとなくつかめるかもしれません。
そのきっかけになるかもしれない本です。
群論が対称性という視点で理解しようとすると、分かりやすいことがなんとなくつかめるかもしれません。
そのきっかけになるかもしれない本です。