とても素敵な、そして特別な本です。色々なトピックを面白く紹介している、という以上のものがあるからです。
数の話は、こんなに面白く、自分が知らないことばかりだった!と感動しました。例えば循環小数の循環節の長さとFermatの小定理が関係することなど知らなかったです。また一体どうして、Dirichlet や de la Vallee Poussin は Euler-Mascheroni 数を見出したのだろうと考えるとクラクラしてきます。Hamiltonの4元数もイマイチピンと来てなかったのが一挙に面白くなってしまい、河野俊丈さんの「組ひもの数理」などを参照しました。
自分は数論が専門ではないので自信はありませんが、この一冊を読めば一通り数についての「常識」が身につく気がします。数論の専門書で体系的な理論を学ぶのは、このように具体的な数の不思議を知ってからなのだと気付きました。その不思議さを解き明かしたくて理論が作られたのですから。私はこの後に加藤和也さんの「数論への招待」を読んで、その次は山本芳彦さんの「数論1、2」を読もうかなと夢が広がっています。
また、計算しながら読み進め、結果だけを書いているところはできるだけ証明を自分でつけるようにして行ったのでとても力がつきました。いわゆる解説記事を読んで、概略を知り面白さに触れるという読書にはならなかったです。小林昭七先生の「曲線と曲面の微分幾何」をちゃんと計算しながら読んだ時と同じ感覚です。一般論ではないし、高度な話はないけれど、面白さの核心には触れているし、読了した時にはちゃんと計算できるようになっている。
触れられているのは整数論だけではないです。超越数の事も、無限の濃度の話も出てきます。LindemannやBakerなどが超越数についてとても重要な仕事していることも初めて知りました。
ところどころ意味を取りづらい箇所もありましたが、上に挙げた本を参照すると分かりました。
10年以上前に本屋さんでふと目に止まり、憧れのConwayさんの書いた本だからきっと当たりだろうと思って買っておいたのですが、大当たりでした。Conwayさんは「神が与えた真理を知ればそれでよく、証明など人間の気休めにすぎない」という哲学を持っているそうですが、そんな彼だから書けたのかもしれませんね。(ちなみに私は原書を紙の本で読みました。ご参考まで。)
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数の本 単行本 – 2001/12/1
本書は,気鋭の数学者コンウェイとガイが,広く一般の読者を対象として,数についていろいろな話を紹介した本です.素数,円周率π,オイラー数γ,ネイピア数e, フェルマー数,メルセンヌ数,スターリング数,マルコフ数,ベルヌーイ数,ラグランジュ数,... さまざまな数について,どこでどうやって調べたのか,驚きの事実がいっぱい! 数学者でも知らないとっておきの話題もたくさん紹介されています.どこから読んでも面白い,知ることの楽しさを教えてくれる,素敵な「数」の本!
- 本の長さ323ページ
- 言語日本語
- 出版社シュプリンガー・フェアラーク東京
- 発売日2001/12/1
- ISBN-104431707700
- ISBN-13978-4431707707
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
素数、円周率、オイラー数、ネイピア数、フェルマー数、メルセンヌ数…さまざまな数についての驚きの事実、とっておきの話題を紹介。どこから読んでも面白い、知ることの楽しさを教えてくれる一冊。カラー図版多数。
著者について
J.H. コンウェイ(John Horton Conway)
1937年,英国リヴァプールに生まれる.ケンブリッジ大学および同大学院で主に数論と論理学を学び,1964年,同大学にて博士号を取得.ケンブリッジ大学教授を経て,現在,プリンストン大学数学科ジョン・フォン・ノイマン教授職.数学の楽しさを紹介する数多くの本を出版するとともに,「ライフ・ゲーム」の考案者としても知られる.主著として,本書のほかにOn Numbers and Games, 2nd edition(A K Peters),Winning Ways for Your Mathematical Plays, 2nd edition(E.R.Berlekamp, R.K. Guyと共著,A K Peters)などがある.
R.K. ガイ(Richard K. Guy)
1916年,英国ナニータンに生まれる.1938年,ケンブリッジ大学にて学士号を取得.1941年,同大学で修士号を取得.現在,カルガリー大学数学・統計学科教授.専門は,グラフ理論,組合せ幾何学,数論.邦訳された著書に『数論における未解決問題集』(一松信監訳,シュプリンガー・フェアラーク東京,1983),『幾何学における未解決問題集』(H.T. クロフト,K.J. ファルコナーと共著,秋山仁訳,シュプリンガー・フェアラーク東京,1996)などがある.
1937年,英国リヴァプールに生まれる.ケンブリッジ大学および同大学院で主に数論と論理学を学び,1964年,同大学にて博士号を取得.ケンブリッジ大学教授を経て,現在,プリンストン大学数学科ジョン・フォン・ノイマン教授職.数学の楽しさを紹介する数多くの本を出版するとともに,「ライフ・ゲーム」の考案者としても知られる.主著として,本書のほかにOn Numbers and Games, 2nd edition(A K Peters),Winning Ways for Your Mathematical Plays, 2nd edition(E.R.Berlekamp, R.K. Guyと共著,A K Peters)などがある.
R.K. ガイ(Richard K. Guy)
1916年,英国ナニータンに生まれる.1938年,ケンブリッジ大学にて学士号を取得.1941年,同大学で修士号を取得.現在,カルガリー大学数学・統計学科教授.専門は,グラフ理論,組合せ幾何学,数論.邦訳された著書に『数論における未解決問題集』(一松信監訳,シュプリンガー・フェアラーク東京,1983),『幾何学における未解決問題集』(H.T. クロフト,K.J. ファルコナーと共著,秋山仁訳,シュプリンガー・フェアラーク東京,1996)などがある.
登録情報
- 出版社 : シュプリンガー・フェアラーク東京 (2001/12/1)
- 発売日 : 2001/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 323ページ
- ISBN-10 : 4431707700
- ISBN-13 : 978-4431707707
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,125,837位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,801位数学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年10月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔、岩波書店発刊の書籍に、ラインズ(著)/片山(訳)の「数−その意外な表情」と「数、数、・・・−不思議なふるまい」があって、本書籍はその内容に似ているが、もっと網羅的で、いわゆるXX数(三角数、黄金数、ベルヌーイ数、オイラー数、...、素数、無理数、超越数、等々)の殆どに付いて解説されている。具体例を交えながらの丁寧な初等的説明で、高校生でも理解できるでしょう。まあ、XX数をよくぞ集めたと云う書籍で、これに興味ある人にはお薦めの一冊です。
但し、第1章(特に前半部分)は英語国民でない日本人には判りにくい、第2章はカラー図の色調が悪くて模式図の色・形が判りにくい図も中にはある。このような小欠点はあるものの、「数」に付いての読み物としては良い書籍です。まあ、寝転がってでも読めます。
なお、その他の「数」に関する書籍としては、エビングハウス・他(著)/成木(訳)の「数(上)(下)」があるが、この書籍は数学好きな大学生でないと読みこなせないでしょう。
但し、第1章(特に前半部分)は英語国民でない日本人には判りにくい、第2章はカラー図の色調が悪くて模式図の色・形が判りにくい図も中にはある。このような小欠点はあるものの、「数」に付いての読み物としては良い書籍です。まあ、寝転がってでも読めます。
なお、その他の「数」に関する書籍としては、エビングハウス・他(著)/成木(訳)の「数(上)(下)」があるが、この書籍は数学好きな大学生でないと読みこなせないでしょう。
2009年12月27日に日本でレビュー済み
コンピュータを支える理論の発展が分かりやすく解説されています。
特に、その理論を考え出した学者たちの人間としての苦難、病気、
運命を生き生きと描いているところに特徴があります。
この本に登場する多くの天才たちに興味を持つきっかけになりました。
なかなか熱中できる本に巡り合えずにがっかりしている僕にとって
この本は読書の森のガイドになりました。
昨年、翻訳版が悠書館から出版されました。
しかし、翻訳の間違いがあります。グーグルの広告掲示板に謎の
メッセージが出たとして「連続ディジットのうち首位10ディジット
」訳されているのは、間違いで、対数の基数eの中で初めに出てくる
10ケタの素数を答えなさいということです。ほかにも残念ながら
間違いがありました。
特に、その理論を考え出した学者たちの人間としての苦難、病気、
運命を生き生きと描いているところに特徴があります。
この本に登場する多くの天才たちに興味を持つきっかけになりました。
なかなか熱中できる本に巡り合えずにがっかりしている僕にとって
この本は読書の森のガイドになりました。
昨年、翻訳版が悠書館から出版されました。
しかし、翻訳の間違いがあります。グーグルの広告掲示板に謎の
メッセージが出たとして「連続ディジットのうち首位10ディジット
」訳されているのは、間違いで、対数の基数eの中で初めに出てくる
10ケタの素数を答えなさいということです。ほかにも残念ながら
間違いがありました。
2002年5月17日に日本でレビュー済み
今までに、オイラーの公式 e^i(pi)+1=0 の式を直感的に理解できるような説明、図などには巡り合うことが出来ませんでした。 が、この本には載っていました。この公式の意味がなんとなくわかったようになれると思います。
2008年5月28日に日本でレビュー済み
まず「数の本」は3つの異なる枠組みによって構成されています。
1.数の発展
数字が利用される状況から要求に合わせて、段階的に一般化されていく。
ここが本書の中でも特に力点を置いています。
2.整数の研究や数の理論
数列や幾何学を使いながら数の理論を理解していきます。
3.特殊な意味のある数
πやe(自然対数)、ファイゲンバウム定数などのトピックス。
個人的には第二章の図から見て解かる数の仕組みに知的興奮を
覚えました。
基本的だけど重要な事実を「数式を使わなくても」沢山発見できる。
幾何学的に数字の配列をみて発見できます。
実際読んでみて極めて斬新的、目から鱗が幾らでもあります!
1.数の発展
数字が利用される状況から要求に合わせて、段階的に一般化されていく。
ここが本書の中でも特に力点を置いています。
2.整数の研究や数の理論
数列や幾何学を使いながら数の理論を理解していきます。
3.特殊な意味のある数
πやe(自然対数)、ファイゲンバウム定数などのトピックス。
個人的には第二章の図から見て解かる数の仕組みに知的興奮を
覚えました。
基本的だけど重要な事実を「数式を使わなくても」沢山発見できる。
幾何学的に数字の配列をみて発見できます。
実際読んでみて極めて斬新的、目から鱗が幾らでもあります!
他の国からのトップレビュー
doug hone
5つ星のうち5.0
Count On This For Enjoyment
2023年11月14日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
I have no problem writing this 5 star recommend after only reading 2 chapters. The enjoyment is the attention to detail - detail I haven't found in any of the many general interest math books in my collection. This book is for all levels of math ability. Those at the low end like myself will find enjoyment reading this with a pencil in hand to help follow the logic. This book pairs well with a hot tea or coffee. Enjoy.
joe
5つ星のうち5.0
Excellent
2021年5月29日にインドでレビュー済みAmazonで購入
The quality of the book was in top condition and the content is unparallel. Every budding mathematician should own this one, this book is a rare gem brought about by two of finest mathematician of their time.
Roberto Rigolin F Lopes
5つ星のうち5.0
Imaginary, transcendental, surreal, infinite, fun!
2018年4月14日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
We are in 1995, Conway is showing off numbers. Many of them. He warms us up pointing out that civilization has been using numbers everywhere and there are a bunch of composed words out there. And it took a great intellectual leap to see numbers as abstract entities. Then the numbers zoo broke loose. Many clever people started to create recipes for sequences of numbers. The fun here comes from the relations among numbers and geometric forms. Conway very often explains these relations using geometric isomorphisms making this book imaginary, transcendental, surreal, infinite, fun!
Carlos
5つ星のうち5.0
Fascinating for the mathematically curious
2019年12月27日に英国でレビュー済みAmazonで購入
This book is written at a level someone with a high school- / secondary school-level education in mathematics would find extremely accessible, but touches on topics that go beyond that or fill out gaps that the reader might not even know existed in their mathematical knowledge. From precisely where the mouse was as it ran up the clock to how cannonballs stack or how there are more infinities than you can count, there's something in here for almost anyone who is mathematically inclined.
Cliente Amazon
5つ星のうち5.0
Un ottimo libro per chi ama i numeri
2016年7月30日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Il libro ha pienamente soddisfatto le mie aspettative. La trattazione è progressiva, a partire da argomenti semplici a quelli più complessi e ciascun capitolo conclude stimolando approfondimenti individuali. È un'ottima base per affrontare testi più complessi. La maggior parte dei capitoli può essere affrontata con una preparazione di scuola media superiore, conoscenze a livello universitario possono essere utili per comprendere meglio alcuni argomenti ad esempio i numeri complessi. Peccato non sia più disponibile in lingua italiana, ma una conoscenza scolastica dell'inglese può essere sufficiente per la sua lettura