メキシコ革命前夜として、1910年9月16日のメキシコ独立記念日に行われたディアス政権35年目の式典から本書は始まる。そして、なぜメキシコ革命が行われたのかを紐解き、メキシコ美術界の歴史を植民地とされていた時代を中心に紹介し、その中でなぜ壁画という手法が取られるようになったのかを詳述している。後に、絵画というものの西欧中心主義から抜け出し、植民地以前からのメキシコの先住民の文化を認識し、革命とともに壁画が現れる流れは、メキシコの現実を知る上でとても勉強になった。
また、本書では革命後に壁画運動が衰退していった理由を分析しつつ、米国のチカノたちにアイデンティティとして再び体現されていると、今後の壁画運動の流れに希望を向けている。なぜメキシコで壁画というジャンルの美術が台頭したのか、そしてそれは政治、あるいは時代の流れとどう関係して生まれてきたのか。そのようなことを総合的に知ることのできる貴重な本。いずれメキシコに見に行きたい。
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メキシコ壁画運動: リベラ、オロスコ、シケイロス 単行本 – 2003/11/1
加藤 薫
(著)
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- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社星雲社
- 発売日2003/11/1
- ISBN-104434028030
- ISBN-13978-4434028038
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内容(「MARC」データベースより)
ラテンアメリカ美術のみならず現代美術にとっても避けては通れないテーマであるメキシコ壁画運動。これまで語られることの少なかったその概要を第三世界の近代化の問題等から見る。88年平凡社刊の再刊。
登録情報
- 出版社 : 星雲社 (2003/11/1)
- 発売日 : 2003/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 283ページ
- ISBN-10 : 4434028030
- ISBN-13 : 978-4434028038
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2016年4月5日に日本でレビュー済み
20世紀、メキシコの絵画の魅力。
それは、西欧の芸術にはない、土地に根ざした土俗性とストレートに伝わってくる熱情…であろう。
スペイン による征服後の西欧文化 ―― といっても独特の スペイン文化 だが ―― に感化された面もあり、征服以前のメキシコ土着の文化、マヤ や アステカ などの先住民文化からと思われる面もあり、何とも形容しがたい不思議な印象を抱く。
ほとんどの作品のモチーフやシチュエーションなどに、どこかしらプリミティブな、呪術性、魔術性のような匂いを感じてしまう…。
ほとんどの絵がくすんだような茶色を基調にしている…。
少なくとも、否応なくそれらの作品群に対して、土にまみれたような土俗性を嗅ぎ取ってしまうのは当然なのかもしれない。
言えることは、 ――これらの作品が魅力的に感じられるのは、メキシコという国が持つ複雑な歴史が、一枚の絵のなかに込められているからかもしれない。
それは、歴史の複雑性、すなわち、そこで暮らす民衆が歴史の荒波に幾度となく飲みこまれてきたことからくる、
言わばハイブリッドに「クレオール化」されつつ醸成された特異な民俗性、「エートス」によるものであろう。
スペインによる支配は300年ほど続いたが、近代を迎えると、アメリカ独立戦争やフランス革命などの影響を受け、独立の気運が高まり、民衆が自らのアイデンティティを確立させようと奮闘したことも独自の文化を花開かせる要因となっているようだ。
―― と言っても、中心になったのは土着のクリオーリョたちなのだが…。
そして、メキシコ革命の後、1930年代から、ディエゴ・リベラ ( フリーダ・カーロ の夫)やホセ・クレメンテ・オロスコ、ダビッド・シケイロス らによる ――この著書の表題である――メキシコ壁画運動(「メキシコ・ルネサンス」 と呼ばれた) が始まる。
この運動が転機となり、メキシコの絵画芸術は一気に世界中に知られることとなる。
今回の展覧会もこの運動に深く関わった画家たちの作品が中心となっている。
さて、面白いことだが、この運動が知れ渡ると続々と近代芸術の名だたる巨匠たちが、この国に注目し渡航し、滞在するようになる。
殊に、アンドレ・ブルトン や アントナン・アルトー など シュルレアリスム にかかわった芸術家が多い。
当時の ソ連 からはあの エイゼンシュタイン も訪れ、映画制作を手がけている。
また、芸術とは直接かかわりはないが、この時期、世界革命論 を展開した、かの トロツキー も亡命し、スターリン の謀略によってこの地で暗殺されている。
日本人では、岡本太郎 が、 メキシコ壁画運動 や革命後の美術の流れに影響を強く受けており、60年代末、同国で壁画の大作「明日の神話」を描いている。
西洋絵画の、(あくまでも「西洋」流の)洗練された色彩や表現形式、技法に「毒されてしまった(洗脳されてしまった)」者(現代日本人も含む)は、あまり魅力を感じないかもしれない…。惜しいことである。
ただ、少なくとも言えるのは ――
これらの絵を見ることによって、歴史と向きあう画家の精神と自分自身の姿とを照らし合わせることができるのではなかろうか。
どん詰まってしまったこの時代にとっては、見かなり強力な 「カンフル剤」 になるように思える…。
ぜひとも、現地に赴いて、実際にこの目で見てみたいものである。
それは、西欧の芸術にはない、土地に根ざした土俗性とストレートに伝わってくる熱情…であろう。
スペイン による征服後の西欧文化 ―― といっても独特の スペイン文化 だが ―― に感化された面もあり、征服以前のメキシコ土着の文化、マヤ や アステカ などの先住民文化からと思われる面もあり、何とも形容しがたい不思議な印象を抱く。
ほとんどの作品のモチーフやシチュエーションなどに、どこかしらプリミティブな、呪術性、魔術性のような匂いを感じてしまう…。
ほとんどの絵がくすんだような茶色を基調にしている…。
少なくとも、否応なくそれらの作品群に対して、土にまみれたような土俗性を嗅ぎ取ってしまうのは当然なのかもしれない。
言えることは、 ――これらの作品が魅力的に感じられるのは、メキシコという国が持つ複雑な歴史が、一枚の絵のなかに込められているからかもしれない。
それは、歴史の複雑性、すなわち、そこで暮らす民衆が歴史の荒波に幾度となく飲みこまれてきたことからくる、
言わばハイブリッドに「クレオール化」されつつ醸成された特異な民俗性、「エートス」によるものであろう。
スペインによる支配は300年ほど続いたが、近代を迎えると、アメリカ独立戦争やフランス革命などの影響を受け、独立の気運が高まり、民衆が自らのアイデンティティを確立させようと奮闘したことも独自の文化を花開かせる要因となっているようだ。
―― と言っても、中心になったのは土着のクリオーリョたちなのだが…。
そして、メキシコ革命の後、1930年代から、ディエゴ・リベラ ( フリーダ・カーロ の夫)やホセ・クレメンテ・オロスコ、ダビッド・シケイロス らによる ――この著書の表題である――メキシコ壁画運動(「メキシコ・ルネサンス」 と呼ばれた) が始まる。
この運動が転機となり、メキシコの絵画芸術は一気に世界中に知られることとなる。
今回の展覧会もこの運動に深く関わった画家たちの作品が中心となっている。
さて、面白いことだが、この運動が知れ渡ると続々と近代芸術の名だたる巨匠たちが、この国に注目し渡航し、滞在するようになる。
殊に、アンドレ・ブルトン や アントナン・アルトー など シュルレアリスム にかかわった芸術家が多い。
当時の ソ連 からはあの エイゼンシュタイン も訪れ、映画制作を手がけている。
また、芸術とは直接かかわりはないが、この時期、世界革命論 を展開した、かの トロツキー も亡命し、スターリン の謀略によってこの地で暗殺されている。
日本人では、岡本太郎 が、 メキシコ壁画運動 や革命後の美術の流れに影響を強く受けており、60年代末、同国で壁画の大作「明日の神話」を描いている。
西洋絵画の、(あくまでも「西洋」流の)洗練された色彩や表現形式、技法に「毒されてしまった(洗脳されてしまった)」者(現代日本人も含む)は、あまり魅力を感じないかもしれない…。惜しいことである。
ただ、少なくとも言えるのは ――
これらの絵を見ることによって、歴史と向きあう画家の精神と自分自身の姿とを照らし合わせることができるのではなかろうか。
どん詰まってしまったこの時代にとっては、見かなり強力な 「カンフル剤」 になるように思える…。
ぜひとも、現地に赴いて、実際にこの目で見てみたいものである。