無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
母国は日本、祖国は台湾―或る日本語族台湾人の告白 (シリーズ日本人の誇り 3) 単行本 – 2005/8/5
- 本の長さ265ページ
- 言語日本語
- 出版社桜の花出版
- 発売日2005/8/5
- 寸法18.2 x 13 x 2.2 cm
- ISBN-104434066544
- ISBN-13978-4434066542
すべての商品はAmazon.co.jpから販売、配送されます。 配送料および配達日はレジでご確認ください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
商品の説明
出版社からのコメント
日本による五十年の当地で見違えるほど立派な文明国になった台湾。当時を生きた台湾人が語る日本統治時代。
そして、「日本精神」とは…。
<本書帯より>日本で生まれ、日本で養われ、25歳まで日本人だった著者が語り継ぐ「日本精神」。そして、アイデンティティを模索し葛藤した日々。 現代日本人が知らない様々な真実を語る!
抜粋
医学部では、昭和十八年(一九四三)頃から、学生課長として配任になった憲兵の予備少尉が、特に台湾人学生に対して目を光らせていました。
卒業前の年、昭和十九(一九四四)年に、医学部在学の台湾人学生の検挙があり、反戦思想の疑いのある数名の学生が憲兵隊に連行されました。
生活改善部とか生活指導部とかいうのがあり、学生課長などが目を光らせているところで、学生大会といって討論会をやるのです。出るように言われて、私も出席したことがありますが、
討論会の題が、「天皇制についてどう思うか」とか「台湾における皇民化運動についてどう考えるか」など難題ばかりで、何も言えないのです。
ですから、私は一回も発言したことはありません。喋りたい心は沢山あります。でも、言えない。言いたい事を言えば、引っ掛かるから、結局、何も言えずに黙ってしまうのです。それ以外に方
法はありませんでした。
私の上のクラスの台湾人で、こんなことを言った人がいました。「皇民化運動というのは、私の考えでは、内地人が台湾人を引っ張って、日本人に同化する運動ではなく、内地人も努力し、台湾人も努力して、お互いに一段上で融和して立派な台湾を作る。これが皇民化運動だ」と。苦し紛れに、そう言ったらしい。私はその場で聞いていました。翌日、憲兵隊が入って連れていかれました。
その人は終戦まで締められて、八月十五日に釈放されたのです。つまり、皇民化運動というのは、一方的に引っ張っていくものなのです。台湾人には、頭から台湾人という意識をなくさせ、完全な日本人にするための運動なのです。つまり、それが軍部の考え方だったのです。
天皇制についての座談会の時は、やはり台湾人の学生が、「天皇は神様みたいで神様じゃないけど、とにかく我々は尊敬しないといけない」とか何とか、適当にお茶を濁すような発言をしました。そうしたら、すぐに憲兵隊が入ったのです。天皇は、神のようだけど神じゃない、と言ったところが恐らくいけなかったのでしょう。あの時は、天皇陛下は神様でしたから。
それから、お目付役がスパイを使って、台湾人学生が日頃どういう行動をして、どういう話をしたか、いちいち報告していました。それで結局、私が三年の時に、四年と三年の学生で、憲兵隊に連れていかれたのが五人ぐらいいました。拷問を食らって、ぶん殴られて、水を飲まされて、エビみたいに吊されて竹刀で叩かれて、八月十五日に釈放になりました。中で拷問で死んだ人も一人います。
死んだ人は、国民党政府が来た時に、忠烈祠に祀られました。反日の義士だとかいうのです。実際には義士でも何でもありません。これは国民党の宣伝に利用されたに過ぎません。
彼らが憲兵隊に連れて行かれた容疑は、重慶政府(国民党政府)と通じたというスパイの容疑。それから反日本政府という容疑でした。あの時、大学で北京語を教えていた支那人の先生の教え子達は、特に狙われました。この先生も重慶政府のスパイという疑いがかけられて、捕まりました。これが、軍隊が幅を利かせていた時の被害です。
私など、何も喋らず、慎ましい態度で小さくなっていましたので、睨まれる方ではありませんでした。
努めて内地人と接触して、「お互いにコミュニケーションをやろう」と、やっていましたから、皆からは「こいつはちょっと異分子だな」と思われていたことでしょう。
著者について
登録情報
- 出版社 : 桜の花出版 (2005/8/5)
- 発売日 : 2005/8/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 265ページ
- ISBN-10 : 4434066544
- ISBN-13 : 978-4434066542
- 寸法 : 18.2 x 13 x 2.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 517,654位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,695位エッセー・随筆 (本)
- - 33,063位歴史・地理 (本)
- - 88,760位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
著者の育った時代は台湾は日本領だったのですが、台湾人の中産階級は企業家、官吏にはなれず、弁護士、医者を目指すよりなかったそうです。
大東亜戦争で著者は帝国海軍軍医となりますが、「戦争は三年半で終結したが、日本はその後七年間にも亘って占領され、二度と欧米白人国家に対して牙を剥けないように徹底的に洗脳され骨抜きにされていったのである。(中略)これらのWGIP= War Guilt Information Program にまんまとはまっているのが今日の日本の姿であるのだ(p.201)。
日本は、国体といって日本という国を守るために多くの人が命を投げ出しました。(中略)それに引き替え、今の日本人は戦後骨抜きにされています。国のためになにかしようなどとは考えもせず、自分さえ良ければいい、自分がすべて、という人間が多すぎます(p.205) と著者は語ります。
著者にとって、日本は「懐かしく」日本語を使わないと自身の考えを表現できぬそうです。そして、日本人の良さは風呂場で裸の付き合いが出来ること、と言います。ところが、戦後の日本は、段々人間同士の心の交流が無くなってきた、とも書きます。
日本は戦後何十年も周囲の国々に謝罪してきましたが、それは間違いで、本来なら東アジアのリーダーとなるべきであった、と期待観を滲ませます。
日本人が深く考えるべき事柄を率直に淡々と語る著者の言述は日本人の心の芯に響きます。台湾については二.二八事件など辛いことも多かったのですが、それは本書をお読み下さい。多くの日本人に読んで頂きたい書です。
昨今は親日台湾とメディアに頻出するので、大東亜戦争時のときの日台関係の理解も進んできていると思うが、占領美化への賛否意見のどちらに偏ることもなく、実際に過去にどういうことが有ったのかを当時経験された方の目線で良かったところ悪かったところをしっかり記述しており、日本人として正しく知ることが出来た。
柯 徳三さんはすでに鬼籍に入られたが、こうした著作を残していただき大いに感謝する。
学校で、「日清戦争に日本が勝って、台湾が清国から日本に割譲された」ということは学びましたが、単なる知識だけに止まっていて、当時の日本と台湾の人々にとってどのような感情をひき起したのか、両国にとってどういう意味をもつものだったのか、その後両国はどのような歴史を刻んだのかなど、思いを寄せることはありませんでした。
この本を読んでいると、著者とともに、自分も清朝末期の弁髪をしていた時代にまで遡り、当時の情景の中にどんどん入り込んでいきます。
戦前の日本をすべて否定しようとする人々は、まず「イデオロギーありき」で、それに縛られて、こういった歴史の証言に、虚心に耳を傾けようという姿勢が見られないように思います。
一度イデオロギーから離れて、歴史の証言に耳を傾けてみませんか?当時を生きた人々の感情、感覚、感性に共感して、歴史を、自分の頭と感性で捉え直してみませんか?
親に対しては、身近すぎる存在であるが故に、様々な感情を抱くことがあると思いますが、それでもやはり自分を育ててくれた親は自分にとってかけがえのない存在であるように、著者にとっての日本は育ての親で、日本に対しては特別な感情を抱いていると語っています。
いまの日本人のために、もっともっとこういった歴史の証言を残していただきたいと願っています。また、日本統治時代に満州や朝鮮半島に生きた人々の証言も本になるといいなと願っています。生きた証言を通して、歴史認識を再構築していきたいと思っていますので、今後もこのシリーズに期待しています。
台湾人である著者は、戦前の日本の統治と日本精神が現在の台湾発
展に寄与したと高く評価します。そして、著者は胸を張って言います。
自分の母国は日本だと。一方で著者は、母国の日本ではGHQによる
戦争贖罪植付け政策である、"War Guilty Imformation Program"
により、日本の精神を骨抜きにされてしまったと嘆きます。この2つの言
葉に本当に涙が出ました。現在、正式な国交がない台湾に、日本にこ
れだけの親しみを抱いてくれている人が居ることを一人でも多くの日本
人に知ってほしいと願っています。
著者は
「私の出版した本はね、いいことわるいことたくさんあってね、あの時は私がしゃべった悪い事、今まで日本がこうしたこうした差別待遇とかたくさん書いたけど、本の中では全部削られた。」
後半では、チャンネル桜側の確認で
「全部削られた」は間違い。「一部が削られた」だけ。
と著者は語っている。
どちらが本当か? 気になって本書を読んでみた。
私の印象では、極めてバランスのとれた著書と思われる。
NHKの「JAPANデビュー」番組内で語られていた日本に対する批判、うらみごとはすべて本書でも記されている。
そういったマイナスポイントを差し引いても、
著者の日本に対する思い想いがにじみ、あふれ出ている良書である。
はたして、この著者以上に日本を愛し、憂いている日本人がどれほどいるのだろうか。