第一幕は女性陣のおはなし。
ですが、主人公的立場は恭介です。
彼の楽しい事に対するこだわりが見られるのはいい感じです。
作家が野球好きを公言しているだけはあり、試合描写はなかなか詳しいです。
ただ、姉妹和解前の状態で佳奈多が理樹を「直枝」と呼んでいたのには違和感。
また、葉留佳がいたから一時的に協力をやめようとする場面があるのですが、結局まったく姉妹の絡みがないというのは…。
美魚が普通に野球してしまっているのも非常に疑問。
影や日傘の問題はどうなったの？という感じです。
第二幕は恭介の話。
第一幕も実質恭介の話ですから、連続で主人公的立場という事になります。
恭介の子供っぽい部分、理樹の恭介の依存ぶりが結構描写されており、なかなか原作設定を使っています。
途中、人に迷惑をかけておきながらBLネタを話し続ける美魚は少し嫌でした。
BL好きという設定は原作準拠ですが、どうして二次創作の美魚はこういう風にされがちなのか、と頭が痛くなりました。
理樹と恭介の話が好きなら楽しめると思います。
第三幕は小毬の絵本の話。
なかなか面白いのですが、来ヶ谷が発端で小毬が苦しんでいるのに、本人に反省の色がほとんど見えないというのが受け付けませんでした。
さすがに倒れてしまったときは心配していますが、その一言の台詞くらいです。
その割に乱入者の葉留佳には怒ったり、変な脚本を放送してしまった恭介は理樹からも「自業自得」と言われてしまうなど、キャラの扱いの差に首をかしげます。
ただ、そういった点を除けば小毬の良さが出ており、最初に書いた通り結構面白い話です。
全体的には普通レベルといったところです。
恭介が目立っているので、恭介ファンにおすすめ。
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