アメリア・アレナス「なぜこれがアートなの?」を読みました。
ゴッホ以降の、抽象絵画、オブジェについての代表的な作品についての解説です。
芸術論は岡本太郎の本くらいしか読んだことはありません。
単純に、芸術は、新しい美の表現で、見る者に新たな感動を与える、くらいにしか思っていません。
美術の展覧会は好きなので、何らかの参考にでもなればと思って読みました。
アメリア・アレナスは、元ニューヨーク近代美術館の学芸員で、今はアート鑑賞教育で有名とのことです。
カラー写真の作品を、解説して、それを作った作者の意図・狙いや世に与えた影響についてを書いています。
それらの作品の見どころ、鑑賞ポイントについては書いていません。
テレビの「何でも鑑定団」で、中島誠之助さんが陶器の鑑定をしています。
小汚い湯のみに数千万円の鑑定価格が付いたりします。骨董という独自のワールドで、出品者の狂喜ぶりや、落胆ぶりで楽しい番組です。
骨董の売手・買手、美術館、展示館、資料館、ギャラリー、ファンなどが綾なす世界は、相当なお金が舞っているのでしょう。
アートの世界も同じようなもんだと分かりました。
美術界は、一般人には縁遠い高額な作品が取引されることの多い、うかがい知れぬワールドです。
市場は世界的なので、その規模はかなり大きく動くお金も巨額なのでしょう。
次から次へと新しいアートが出現するようです。
純粋芸術、オプティカル・アート、アース・ワーク、コンセプテュアル・アート、パフォーマンス・アート、インスタレーション・アートなどなど。
読み進んでいくうちに目まいがしそうです。
アートも政治・経済・文化・伝統など時代によって流行の移り変わりがあります。
1920年代にロシアで盛んだった抽象画は、スターリンによって退廃芸術だと禁止されました。
かっては前衛芸術として異彩を放っていた岡本太郎作品は、すっかり古典的な定番で人気です。
時代の移り変わりで評価が変わった事例です。
この本で紹介されている作品の多くは、見る者に対して、挑戦、侮蔑、からかい、あざけり、、不可解、奇異、無関心を感じさせます。
あらたな美に出会ってうさん臭さや異和感を覚えこそすれ、感動するシロモノであるとは思えません。
美術館の広々とした敷地、ゆったりの展示室、高い天助、ヒンヤリ空気、静寂、落ち着き、ゆったりした時間の流れが好きです。
喧騒から開放され、一人になってのんびりと本物の実感を味わいたい、作品を眺めたいものです。
この本に紹介されているのは、そんな雰囲気をブチ壊すようなヤツばかりです。
幾つかは興味を覚える作品もありましたが、ほとんどはタジタジになりそうなモノでした。
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なぜ、これがアートなの? 単行本 – 1998/2/1
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ニューヨーク近代美術館(MOMA)で長年美術館教育に携わってきた著者が、「美術は好きだけれど、現代アートはどうも・・・」という日本人のために書き下ろした美術鑑賞術の名著。美術愛好家はもとより、全ての教育者にとって必読の一冊です。
- 本の長さ199ページ
- 言語日本語
- 出版社淡交社
- 発売日1998/2/1
- ISBN-104473015785
- ISBN-13978-4473015785
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内容(「MARC」データベースより)
「これは何?」「私にも描けそう」。現代美術をめぐって、世界中どこの美術館でもささやかれている疑問。元ニューヨーク近代美術館の名物講師が日本人のために書き下ろした最新の鑑賞ガイド。
登録情報
- 出版社 : 淡交社 (1998/2/1)
- 発売日 : 1998/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 199ページ
- ISBN-10 : 4473015785
- ISBN-13 : 978-4473015785
- Amazon 売れ筋ランキング: - 75,573位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5位アール・デコの美術史
- - 6位ポップアートの美術史
- - 7位アール・ヌーヴォーの美術史
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
きれいな一冊でした。
大切に読ませていただきます。大変ありがとうございます。
大切に読ませていただきます。大変ありがとうございます。
2017年10月14日に日本でレビュー済み
柔らかいタイトルと、表紙のおさげ髪の少女のイメージから、アートについて優しくお話ししてくれる印象がありますが、中身はハード。
よくある美術入門って、作者の生い立ちとか作品の作られた時代背景とかと一緒に、作者がなにを伝えたくてこういうものを作ったのか、ということが書かれてますが、アメリアさんは違います。
「作品の意味は作者の責任外の問題である」(p.41)
「それより意味は、人々が作品を見るという行為を通じて作品とおこなうコミュニケーションによって、作品に付加されるものなのである」(p.41)
もちろん、作者がなにを伝えようとしているか、というのは大事ですが、それ以上に、作品そのものがどれだけ魅力を持ち、それを見た人にどんな感情を抱かせるのか?それが大事だということです。本書の記述は基本的にこういう態度に貫かれていて、一つ一つの作品と向き合い、作品そのもののもつ魅力の意味を考えようとしています。
すべての作品にカラー図録がついているので便利ですが、図録だけだと作品の質感とか大きさとか、作者が大切と思っていることがなかなか伝わりません。国内に収蔵されている作品も多いので、本書を読んで気になる作品があれば、見に行きましょう。
よくある美術入門って、作者の生い立ちとか作品の作られた時代背景とかと一緒に、作者がなにを伝えたくてこういうものを作ったのか、ということが書かれてますが、アメリアさんは違います。
「作品の意味は作者の責任外の問題である」(p.41)
「それより意味は、人々が作品を見るという行為を通じて作品とおこなうコミュニケーションによって、作品に付加されるものなのである」(p.41)
もちろん、作者がなにを伝えようとしているか、というのは大事ですが、それ以上に、作品そのものがどれだけ魅力を持ち、それを見た人にどんな感情を抱かせるのか?それが大事だということです。本書の記述は基本的にこういう態度に貫かれていて、一つ一つの作品と向き合い、作品そのもののもつ魅力の意味を考えようとしています。
すべての作品にカラー図録がついているので便利ですが、図録だけだと作品の質感とか大きさとか、作者が大切と思っていることがなかなか伝わりません。国内に収蔵されている作品も多いので、本書を読んで気になる作品があれば、見に行きましょう。
2005年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代美術に対して、「こんなもののどこが面白い?」「どうして美術として評価するの?」と思う人は少なくないと思います。これはそんな現代美術を楽しんでいる人がどんな風に楽しんでいるのか、その一端が垣間見えるビデオです。語り手は巧みで、集められた聞き手を上手に巻き込み、自分の鑑賞法を追体験させます。ただ、ビデオ中にも「哲学的」と表されるくだりがある通り、日常目にする壁のしみや身にまとうドレスも美術と見るというスタンスは、結局現代美術作品そのものの価値や魅力が何ほどの物かということをも明らかにしています。
2007年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なるほどなぁ〜。と思える本でした。美術もファッション、家電製品も作り手の根っこの部分では同じ発想なんだと思いました。現代アートの入門書として購入しましたが、満足しました。
2008年2月8日に日本でレビュー済み
もし、現代アートの突飛な発想に戸惑い、なぜこれらがアートと呼ばれるのか、
その明快な「美術史的観点」からの回答を求めるなら、それはこの本の中には
書いてありません。
合計69の図版を元に解説が展開されますが、それは解説を読んで分かった気になる
質のものではありません。作者アメリア・アレナスは対話を通しての鑑賞という手法
を提唱した人物であり、一方的な「だから、これはアート」といった論評ではなく、
まずは自分で作品に向き合うことの大切さを教えてくれています。
タイトルの答は自分で考えるしかない、という良い意味で放任主義の本といえます。
少なくともそのきっかけは与えてくれる、アート好きにとってもアートに縁が無い人に
とっても良書だと思います。
その明快な「美術史的観点」からの回答を求めるなら、それはこの本の中には
書いてありません。
合計69の図版を元に解説が展開されますが、それは解説を読んで分かった気になる
質のものではありません。作者アメリア・アレナスは対話を通しての鑑賞という手法
を提唱した人物であり、一方的な「だから、これはアート」といった論評ではなく、
まずは自分で作品に向き合うことの大切さを教えてくれています。
タイトルの答は自分で考えるしかない、という良い意味で放任主義の本といえます。
少なくともそのきっかけは与えてくれる、アート好きにとってもアートに縁が無い人に
とっても良書だと思います。
2009年4月12日に日本でレビュー済み
装丁の印象とは裏腹に、文章は読みごたえのあるものでした。
哲学や形而上学にも似た難解さがあるものの、書いてあることが深くて、読むのに集中力を要します。
その分、読み終えたときには達成感があります。
インテリ向けの文章でありますが、解釈や翻訳の美しさは、読むアートといえます。
作品の写真を見てから読むと、解説が意外と自分のイメージと合っていたり、逆に予想外の発見があって、アートを通じて自分の内面についても考えさせられました。
アート自体のあり方や、疑問を感じている人におすすめしたいです。
哲学や形而上学にも似た難解さがあるものの、書いてあることが深くて、読むのに集中力を要します。
その分、読み終えたときには達成感があります。
インテリ向けの文章でありますが、解釈や翻訳の美しさは、読むアートといえます。
作品の写真を見てから読むと、解説が意外と自分のイメージと合っていたり、逆に予想外の発見があって、アートを通じて自分の内面についても考えさせられました。
アート自体のあり方や、疑問を感じている人におすすめしたいです。