基になっている「NUMB3RS」というドラマが、とても良くできているので虚構の犯罪について
リアルな数学で解析している解説本というのが興味深く読めた。
また「訳者あとがき」で取り上げられている項目の日本においての関連資料が紹介されていて
たすかります。
・「指紋」について 20年間未解決だった事件の遺留品から指紋が採取され一部一致する人
がいたことが分かった。粘着テープから指紋を復元するのは「CSI」の世界だが番組の主人公
チャーリーは「指紋に偶然の一致確率はないのか?」と疑問を持つ。
日本では同一の指紋とするには特徴点が8個一致する必要(この事件では6個一致との報道)
があるがオーストラリアとフランスでは12個。イタリアでは16個必要と本書にある。
実際の事件は他の証拠があるので、また「CSIの世界」に戻ることになる。事件が1時間で終わる
のはドラマ以外では難しい。
・「ギャンブル」について この本にあるのはブラックジャック。主人公チャーリーの助言者ラリーは
イカサマ疑惑でカジノ出入り禁止となっているという設定。実際に数学上は有利になる事が本書
に解説してある。最近のアメリカのTV番組にもう一人カジノ出入り禁止になっているという設定の
人物がいて「Lie To Me」の主人公ライトマン。こちらは「ポーカー」で対戦相手の表情を読むことで
儲け過ぎての話。
後のエピソードでアマチュアのポーカー大会に出場したチャーリーは相手の表情を読むことに苦労
することになるのだが・・・。
数学の楽しさというか不思議な部分を別の角度から教えてくれる変わった本です。
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数学で犯罪を解決する 単行本 – 2008/4/11
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天才数学者が数学を自在に活用して、犯罪を解決する方法を解説する本。幾何、統計、確率などの、各種の数学を使って、どうやって事件を解決するのかを丁寧に解き明かします。アメリカで大人気のテレビドラマ「NUMB3RS:天才数学者の事件ファイル」の解説書ですが、ドラマを見ていなくても楽しめます。
- 本の長さ369ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2008/4/11
- ISBN-10447800420X
- ISBN-13978-4478004203
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登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2008/4/11)
- 発売日 : 2008/4/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 369ページ
- ISBN-10 : 447800420X
- ISBN-13 : 978-4478004203
- Amazon 売れ筋ランキング: - 275,831位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 442位数学一般関連書籍
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2015年2月21日に日本でレビュー済み
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2018年7月16日に日本でレビュー済み
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現実世界で実際に数学を使って問題解決に至った話を実例を交えて紹介している。
ストーリー形式で読みやすい一方、深堀りしたい読書向けに基となる数式まで言及しており、読んで損のない一冊だろう。
ストーリー形式で読みやすい一方、深堀りしたい読書向けに基となる数式まで言及しており、読んで損のない一冊だろう。
2017年9月18日に日本でレビュー済み
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語り口が軽くて読みやすいです
ドラマを見ているだけではよく分からないこともちゃんと解説されていて、おもしろいです!
ドラマを見ているだけではよく分からないこともちゃんと解説されていて、おもしろいです!
2015年1月7日に日本でレビュー済み
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算数レベルでへこたれている自分でもドラマを見たことがあればおもしろく読めます。
地理的プロファイリングの本を探していましたが、その点ではあまり詳しくは書かれていません。本当に数学が実社会の問題解決の道具として有効であることが読みやすく書かれている本です。
地理的プロファイリングの本を探していましたが、その点ではあまり詳しくは書かれていません。本当に数学が実社会の問題解決の道具として有効であることが読みやすく書かれている本です。
2008年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『NUMB3RS』は数学応用して犯罪解決に利用する米国刑事ドラマである。本書は、ドラマでは簡素な説明に留まっている数学的論理について紹介し、実際の犯罪捜査や社会における位置づけを述べている書の邦訳版。DNA鑑定と統計学的な手法で真犯人確率を推定したり、確率的に犯人を絞り込んでいくベイズ推定や、テロリストとの交渉術としての囚人のジレンマなどを紹介している。やや難解な部分は読み飛ばしても論旨は理解でき、数日で読破可能。
現代社会は数学による理論で成り立っていると行っても過言ではない。GPSや信号の制御、携帯電話など全てが数学を元に合理的に構築されているが、一般市民にとってはそれがどのように利用されているかはわかっていても、具体的な理論についてはほとんど知られていない。犯罪捜査においても、実際の証拠から合理的に容疑者を犯人と示すには数学が必要であるが、これも一般市民にはイメージしづらいことと予想される。そう言った意味で、本書はその意外性を紹介する目的を十分に果たしている。とくに、ジョン・ナッシュらによって構築されたゲーム理論などが犯罪捜査に応用できることや、目撃証言の信憑性についての検証を、ベイズ推定を用いると印象とは異なった数値となることなども非常に面白い。
一方、難点として、著者の一名は数学者ではあるが、統計学を専門としているために、ニューラルネットワークなどでは具体性がない説明となっていたり、指紋捜査やDNA鑑定については単純な統計手法を冗長に説明したりと、著者の得手不得手がばれるような、一貫性のない紹介となっていることが挙げられる。同様に訳者も数学の専門家ではないため、説明があやしくなっている部分も見られる。したがって、数学に詳しい者には物足りなく、知らない者にとってはわかりづらい部分ありと、やや中途半端な内容に感じた。
数学の意外性を紹介するだけであれば面白いが、前期問題点から原著を直訳しただけであれば星3つだった可能性もある。しかし、最終章はドラマの各エピソードや訳者が推奨する関連図書について、原著にはない捕捉を独自に行っている。文章は雑ながらも、面白い内容を広い読者に紹介しようとする良心的な努力が表れており、訳者の努力によって総合的に星4つの評価。
現代社会は数学による理論で成り立っていると行っても過言ではない。GPSや信号の制御、携帯電話など全てが数学を元に合理的に構築されているが、一般市民にとってはそれがどのように利用されているかはわかっていても、具体的な理論についてはほとんど知られていない。犯罪捜査においても、実際の証拠から合理的に容疑者を犯人と示すには数学が必要であるが、これも一般市民にはイメージしづらいことと予想される。そう言った意味で、本書はその意外性を紹介する目的を十分に果たしている。とくに、ジョン・ナッシュらによって構築されたゲーム理論などが犯罪捜査に応用できることや、目撃証言の信憑性についての検証を、ベイズ推定を用いると印象とは異なった数値となることなども非常に面白い。
一方、難点として、著者の一名は数学者ではあるが、統計学を専門としているために、ニューラルネットワークなどでは具体性がない説明となっていたり、指紋捜査やDNA鑑定については単純な統計手法を冗長に説明したりと、著者の得手不得手がばれるような、一貫性のない紹介となっていることが挙げられる。同様に訳者も数学の専門家ではないため、説明があやしくなっている部分も見られる。したがって、数学に詳しい者には物足りなく、知らない者にとってはわかりづらい部分ありと、やや中途半端な内容に感じた。
数学の意外性を紹介するだけであれば面白いが、前期問題点から原著を直訳しただけであれば星3つだった可能性もある。しかし、最終章はドラマの各エピソードや訳者が推奨する関連図書について、原著にはない捕捉を独自に行っている。文章は雑ながらも、面白い内容を広い読者に紹介しようとする良心的な努力が表れており、訳者の努力によって総合的に星4つの評価。
2009年4月4日に日本でレビュー済み
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本書は、犯罪捜査・テロ対策などに数学がどのように活用されているかを概観した本である。連続犯罪の場所の分布から犯人の居場所を絞り込む、統計学を使って看護師の犯罪の可能性を推定する、等豊富な事例が平易に解説されている。
特に公開鍵暗号の原理の説明はわかりやすかった。
著者の一人ゲーリー・ローデンはカリフォルニア工科大学教授で米国のテレビドラマ「ナンバーズ」(日本ではスカパーのFOXテレビで放映)の数学コンサルタントでもある。本書には「ナンバーズ」のシーズン3までに使われた数学とそれに対する評価も書かれている。
数学を適用するまでのデータ整理の大変さについても触れてある。
オペレーションズ・リサーチを典型として、数学はもともと問題解決の学問としての性格があり、本書を読むことにより実学としての数学の面白さを味わうことが出来る。
特に公開鍵暗号の原理の説明はわかりやすかった。
著者の一人ゲーリー・ローデンはカリフォルニア工科大学教授で米国のテレビドラマ「ナンバーズ」(日本ではスカパーのFOXテレビで放映)の数学コンサルタントでもある。本書には「ナンバーズ」のシーズン3までに使われた数学とそれに対する評価も書かれている。
数学を適用するまでのデータ整理の大変さについても触れてある。
オペレーションズ・リサーチを典型として、数学はもともと問題解決の学問としての性格があり、本書を読むことにより実学としての数学の面白さを味わうことが出来る。
2008年4月27日に日本でレビュー済み
FBI捜査官の兄に助力する天才数学者が様々な数学を駆使して犯罪を解決するドラマの
スピンオフ的な解説本ながら、ドラマで扱われたものが基本的に実際そのとおりである
ことを解説しています。
犯罪捜査やテロ対策から交通安全や治安維持といった社会政策にまで、あちこちで
実際に高度な数学が駆使され私たちの日常を維持している様は、うっすら「そうかな」
と思わないではなかったものの、やはり圧巻。
紹介される数学も、グラフ理論によるネットワーク分析などゴリゴリの理論から、
画像エンハンスといった高度な応用にいたるまで非常に多岐にわたっています。
数学の説明は、実はほとんどなく、その現実の応用場面を読者に理解してもらうのに
最低限必要な範囲に止められていて、数学のお勉強にはなりません。
でも、もっと大きな主張が隠れているのではないかと疑い中。
ドラマでは、犯罪は弟の天才数学者が駆使する数学だけでは解決しません(いや本書の
力点は、数学を駆使するところにこそあるわけですが)。駆使される当の数式を計算する
ために必要不可欠な変数は、地道なFBI捜査官の足や他の捜査機関に蓄積されていた
過去の履歴から得られます。あるいは、数学の指し示す範囲を限定するための追加的な
情報や数式から有意な解を導出するために挿入される決定的な定数は、FBI捜査官の非
数学的(かどうか微妙ながら)な専門知からもたらされます。
数学が様々な場面で実務に応用されて、すばらしい威力を発揮している、というのがこの
本の眼目であり主たる内容でありますが、読了して印象に残っているのは、その伏流として
の、数学的ならざる専門知や、現場の当事者の前向きさといった、いかにも従来的な努力・
営為と十分にタッグを組んでこそ、数学の威力が現実で活きる、ということだったりします。
スピンオフ的な解説本ながら、ドラマで扱われたものが基本的に実際そのとおりである
ことを解説しています。
犯罪捜査やテロ対策から交通安全や治安維持といった社会政策にまで、あちこちで
実際に高度な数学が駆使され私たちの日常を維持している様は、うっすら「そうかな」
と思わないではなかったものの、やはり圧巻。
紹介される数学も、グラフ理論によるネットワーク分析などゴリゴリの理論から、
画像エンハンスといった高度な応用にいたるまで非常に多岐にわたっています。
数学の説明は、実はほとんどなく、その現実の応用場面を読者に理解してもらうのに
最低限必要な範囲に止められていて、数学のお勉強にはなりません。
でも、もっと大きな主張が隠れているのではないかと疑い中。
ドラマでは、犯罪は弟の天才数学者が駆使する数学だけでは解決しません(いや本書の
力点は、数学を駆使するところにこそあるわけですが)。駆使される当の数式を計算する
ために必要不可欠な変数は、地道なFBI捜査官の足や他の捜査機関に蓄積されていた
過去の履歴から得られます。あるいは、数学の指し示す範囲を限定するための追加的な
情報や数式から有意な解を導出するために挿入される決定的な定数は、FBI捜査官の非
数学的(かどうか微妙ながら)な専門知からもたらされます。
数学が様々な場面で実務に応用されて、すばらしい威力を発揮している、というのがこの
本の眼目であり主たる内容でありますが、読了して印象に残っているのは、その伏流として
の、数学的ならざる専門知や、現場の当事者の前向きさといった、いかにも従来的な努力・
営為と十分にタッグを組んでこそ、数学の威力が現実で活きる、ということだったりします。
2014年10月22日に日本でレビュー済み
数学と犯罪捜査。意外な組み合わせだがドラマが非常に面白かったので購入。ドラマのストーリーの中でいかにして数学が事件を解決に導いたのかが平易かつ軽快に語られていて一気に読了した。