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たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する 単行本 – 2009/9/17
レナード・ムロディナウ
(著),
田中 三彦
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
●なぜヒトは、「偶然(たまたま)」を「必然(やっぱり)」と勘違いしてしまうのか?
「我々の日常が、いかに偶然の働きに影響されているか」、これが本書の主題。
たとえば、
・空前の大ヒット映画が誕生する
・ひいきのチームが20連敗する
・宝くじで連続当選する
……などなど、「偶然」が支配するこのランダムな世界では、こんなことは当たり前。
でも、われわれ人間は、こういう出来事に出会うと、
・すごい映画を作った人は、すごい才能を持っている
・監督が悪いから20連敗なんてするのだ
・連続で当たるなんて、今私はツイている!
……ついついこう考えてしまう。
でも確率などの力を借りてよく考えると、
監督の力に関係なく20連敗することは、十分起こりうることなのだ。
では、こんな不確かな世界で、まっとうに生きていくためには何が必要なのか?
本書では、行動経済学、心理学、確率、統計学、物理学……と、
「ランダムネス」や「偶然」にかかわる知識なら何でも扱って、
この世の根底にある「偶然」の働きを明らかにし、
それを認識できない人間のためにツール(確率・統計的な考え方)を提供してくれる。
知的興奮必至の1冊だ。
●著者ムロディナウ、その数奇な人生
このランダムネスへの旅を導いてくれるのは、
あのファインマンさんから教えを受けた物理学者でありながら
「スタートレック」等のTVドラマ脚本を書いたり、
ワールドトレードセンターの倒壊から生還したりと、
自身の生い立ちにも「偶然」の影響を強く感じている物理学者、ムロディナウ。
科学書でありながら人生のあり方まで論じきった本書は、
このムロディナウだからこそなせた傑作と言える。
●全米で賞賛の嵐!
「理論家たちの人間像をちりばめながら、
眼からウロコの確率の話をムロディナウが軽やかなタッチで書く
……これはランダムネスのわかりやすい特別授業である」
――ニューヨークタイムズ紙・ブックレビュー
「たとえこの『たまたま』をうさんくさい思いで読み始めるとしても、
最後の頁にくるころには、確率がこの世の不確かさの成り行きに影響を与える、
という直観的には信じられない話を――たとえ受け入れがたくとも――理解しているだろう」
――バロンズ誌
「あるときはヒストリカル(歴史的)、あるときはヒステリカル(笑いが止まらない)、とことん軽妙で滑稽。
この世はこんなものと思っているあなたの常識一つひとつを、本書が問い直す」
――ダニエル・ギルバート(ハーバード大学心理学教授)
「確率理論についての歴史、解説、そして「大興奮」が、ここにはある」
――フォーチュン誌
「我々の日常が、いかに偶然の働きに影響されているか」、これが本書の主題。
たとえば、
・空前の大ヒット映画が誕生する
・ひいきのチームが20連敗する
・宝くじで連続当選する
……などなど、「偶然」が支配するこのランダムな世界では、こんなことは当たり前。
でも、われわれ人間は、こういう出来事に出会うと、
・すごい映画を作った人は、すごい才能を持っている
・監督が悪いから20連敗なんてするのだ
・連続で当たるなんて、今私はツイている!
……ついついこう考えてしまう。
でも確率などの力を借りてよく考えると、
監督の力に関係なく20連敗することは、十分起こりうることなのだ。
では、こんな不確かな世界で、まっとうに生きていくためには何が必要なのか?
本書では、行動経済学、心理学、確率、統計学、物理学……と、
「ランダムネス」や「偶然」にかかわる知識なら何でも扱って、
この世の根底にある「偶然」の働きを明らかにし、
それを認識できない人間のためにツール(確率・統計的な考え方)を提供してくれる。
知的興奮必至の1冊だ。
●著者ムロディナウ、その数奇な人生
このランダムネスへの旅を導いてくれるのは、
あのファインマンさんから教えを受けた物理学者でありながら
「スタートレック」等のTVドラマ脚本を書いたり、
ワールドトレードセンターの倒壊から生還したりと、
自身の生い立ちにも「偶然」の影響を強く感じている物理学者、ムロディナウ。
科学書でありながら人生のあり方まで論じきった本書は、
このムロディナウだからこそなせた傑作と言える。
●全米で賞賛の嵐!
「理論家たちの人間像をちりばめながら、
眼からウロコの確率の話をムロディナウが軽やかなタッチで書く
……これはランダムネスのわかりやすい特別授業である」
――ニューヨークタイムズ紙・ブックレビュー
「たとえこの『たまたま』をうさんくさい思いで読み始めるとしても、
最後の頁にくるころには、確率がこの世の不確かさの成り行きに影響を与える、
という直観的には信じられない話を――たとえ受け入れがたくとも――理解しているだろう」
――バロンズ誌
「あるときはヒストリカル(歴史的)、あるときはヒステリカル(笑いが止まらない)、とことん軽妙で滑稽。
この世はこんなものと思っているあなたの常識一つひとつを、本書が問い直す」
――ダニエル・ギルバート(ハーバード大学心理学教授)
「確率理論についての歴史、解説、そして「大興奮」が、ここにはある」
――フォーチュン誌
- ISBN-104478004528
- ISBN-13978-4478004524
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2009/9/17
- 言語日本語
- 寸法14 x 2.5 x 19.5 cm
- 本の長さ368ページ
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商品の説明
著者について
[著者]
レナード・ムロディナウ(Leonard Mlodinow)
カリフォルニア大学にて、物理学の学位を取得後、マックスプランク研究所にてフンボルトフェローを経て、現在はカリフォルニア工科大学(カルテック)にて未来の物理学者たちに「ランダムネス」について講義している。現在はカリフォルニア州パサデナ在住。
著書に『ユ-クリッドの窓』 (日本放送出版協会)、『ファインマンさん最後の授業』(メディアファクトリ-)、ホ-キング、宇宙のすべてを語る』(ランダムハウス講談社)などがある。
「スタートレック ネクストジェネレーション」や「冒険野郎マクガイバー」といったテレビドラマの脚本を手がけたこともある。
[訳者]
訳者:田中 三彦(たなか みつひこ)
1943年栃木県生まれ。翻訳家であり、科学評論家でもある。東京工業大学生産機械工学科を卒業後、企業のエンジニアを経てサイエンスライターになる。
著書には『科学という考え方』(晶文社刊)『原発はなぜ危険か』(岩波新書刊)『空中鬼を討て』『複雑系の選択』(以上小社刊)などがある。主な訳書には『複雑系』(M・M・ワールドロップ、共訳・新潮社)、『スピリチュアル・マシーン』(R・カーツワイル、翔泳社刊)、『生存する脳』『無意識の脳 自己意識の脳』(共にA・R・ダマシオ、講談社刊)『感じる脳』(同、小社刊)などがある。
レナード・ムロディナウ(Leonard Mlodinow)
カリフォルニア大学にて、物理学の学位を取得後、マックスプランク研究所にてフンボルトフェローを経て、現在はカリフォルニア工科大学(カルテック)にて未来の物理学者たちに「ランダムネス」について講義している。現在はカリフォルニア州パサデナ在住。
著書に『ユ-クリッドの窓』 (日本放送出版協会)、『ファインマンさん最後の授業』(メディアファクトリ-)、ホ-キング、宇宙のすべてを語る』(ランダムハウス講談社)などがある。
「スタートレック ネクストジェネレーション」や「冒険野郎マクガイバー」といったテレビドラマの脚本を手がけたこともある。
[訳者]
訳者:田中 三彦(たなか みつひこ)
1943年栃木県生まれ。翻訳家であり、科学評論家でもある。東京工業大学生産機械工学科を卒業後、企業のエンジニアを経てサイエンスライターになる。
著書には『科学という考え方』(晶文社刊)『原発はなぜ危険か』(岩波新書刊)『空中鬼を討て』『複雑系の選択』(以上小社刊)などがある。主な訳書には『複雑系』(M・M・ワールドロップ、共訳・新潮社)、『スピリチュアル・マシーン』(R・カーツワイル、翔泳社刊)、『生存する脳』『無意識の脳 自己意識の脳』(共にA・R・ダマシオ、講談社刊)『感じる脳』(同、小社刊)などがある。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2009/9/17)
- 発売日 : 2009/9/17
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 368ページ
- ISBN-10 : 4478004528
- ISBN-13 : 978-4478004524
- 寸法 : 14 x 2.5 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 35,659位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,277位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ランダムネスの本質をわかりやすく解説。
確率の概念を深く考えさせられる。ただ、一箇所、確率の問題の解答として、恐らく間違いがある。
確率の概念を深く考えさせられる。ただ、一箇所、確率の問題の解答として、恐らく間違いがある。
2010年10月25日に日本でレビュー済み
本書の原題は“
The Drunkard's Walk: How Randomness Rules Our Lives
”。
「人間の頭は出来事一つひとつに対して一個の明確な原因を特定するように作られて
いるから、無関係な、あるいはランダムな要素の影響を受け入れることは容易ではない。
そこで第一歩は成功や失敗は優れた才能やひどい無能からではなく、……『偶然の状況』
から生じていることがままあることを理解することだ。……本書の目的は、身のまわりの
世界における偶然の役割を例をあげて説明し、またどうすれば人間の営みの中でそれが
作用していることがわかるかを示すことである」。
この手の一般向けの概説書におけるキモは、ベルカーヴや条件付き確率などの理論的な
説明の分かりやすさもさることながら、それ以上に具体例の面白さやバックグラウンドの
ストーリーテリングの巧みさにある、と私は思う。その上で、同ジャンルの確率論、統計学の
テキスト、例えば『 ヤバい経済学 』や『 その数学が戦略を決める 』などと比べた時に
本書が優位に立っているか、と問われれば個人的には疑問符がつく。お約束のごとく、
既存の書籍と同様の展開を辿っていることもあって、その描写はスピード感に乏しく、
散漫であるように見えてならない(この印象が単に私に固有のデジャヴュに由来するものに
過ぎない可能性も決して否定はしない)。
むしろ本書は科学系のテキストというよりは自己啓発系に分類されるべきものなのかも
しれない。
「能力は偉業を約束してはいないし、偉業は能力に比例するわけでもない。だから重要な
ことはその方程式の中の別の言葉――偶然の役割――を忘れないようにすることだ。
ある分野でもっとも成功した人間をスーパーヒーローと考えることは悲劇ではない。
しかし、自分自身を信じるのではなく専門家や市場の判断を信じ、そのために諦めて
しまうのは悲劇である」。
本書を読めば、このフレーズの説得力はもはや自明のものとなる。
従って、偶然性に関心があり、それでありつつも類書を読んだことはなく、なおかつ
非‐オレの成功秘話型の啓発書がお好みの方には薦められる一冊、とは思う。
「人間の頭は出来事一つひとつに対して一個の明確な原因を特定するように作られて
いるから、無関係な、あるいはランダムな要素の影響を受け入れることは容易ではない。
そこで第一歩は成功や失敗は優れた才能やひどい無能からではなく、……『偶然の状況』
から生じていることがままあることを理解することだ。……本書の目的は、身のまわりの
世界における偶然の役割を例をあげて説明し、またどうすれば人間の営みの中でそれが
作用していることがわかるかを示すことである」。
この手の一般向けの概説書におけるキモは、ベルカーヴや条件付き確率などの理論的な
説明の分かりやすさもさることながら、それ以上に具体例の面白さやバックグラウンドの
ストーリーテリングの巧みさにある、と私は思う。その上で、同ジャンルの確率論、統計学の
テキスト、例えば『 ヤバい経済学 』や『 その数学が戦略を決める 』などと比べた時に
本書が優位に立っているか、と問われれば個人的には疑問符がつく。お約束のごとく、
既存の書籍と同様の展開を辿っていることもあって、その描写はスピード感に乏しく、
散漫であるように見えてならない(この印象が単に私に固有のデジャヴュに由来するものに
過ぎない可能性も決して否定はしない)。
むしろ本書は科学系のテキストというよりは自己啓発系に分類されるべきものなのかも
しれない。
「能力は偉業を約束してはいないし、偉業は能力に比例するわけでもない。だから重要な
ことはその方程式の中の別の言葉――偶然の役割――を忘れないようにすることだ。
ある分野でもっとも成功した人間をスーパーヒーローと考えることは悲劇ではない。
しかし、自分自身を信じるのではなく専門家や市場の判断を信じ、そのために諦めて
しまうのは悲劇である」。
本書を読めば、このフレーズの説得力はもはや自明のものとなる。
従って、偶然性に関心があり、それでありつつも類書を読んだことはなく、なおかつ
非‐オレの成功秘話型の啓発書がお好みの方には薦められる一冊、とは思う。
2020年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日常に置き換えてみると、自身が思い込みで判断してるのがよくわかる。
2014年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多才な方のようである.
その人生もご家族がナチス収容所の生き残りであり
ご本人自体も9.11に貿易センタービル内にいたとの事である.
そこまで劇的でなくとも人生は小さな偶然の積み重ねと言える.
人は、偶然に起きた事に対してあるパターンを見つけ、
それを信じようとする性質があるようである.いわゆる後知恵である.
判断を間違えないようにするにはどうしたら良いか?
確率・統計からヒューリスティクスの話など面白い話が続く.
株価の動き、バスケットボールのシュートの確率などなど
人の判断過程に興味のある方、お勧めである.
その人生もご家族がナチス収容所の生き残りであり
ご本人自体も9.11に貿易センタービル内にいたとの事である.
そこまで劇的でなくとも人生は小さな偶然の積み重ねと言える.
人は、偶然に起きた事に対してあるパターンを見つけ、
それを信じようとする性質があるようである.いわゆる後知恵である.
判断を間違えないようにするにはどうしたら良いか?
確率・統計からヒューリスティクスの話など面白い話が続く.
株価の動き、バスケットボールのシュートの確率などなど
人の判断過程に興味のある方、お勧めである.
2011年10月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は啓蒙書です。論題も型にはまらず幅広く、印象的なトピックも多彩です。
その分、突っ込んだ学術的な考察については物足りないかもしれません。
帯での絶賛はちょっと褒めすぎです。
1章・10章で著者の来歴として親がナチスの迫害で渡米したことなどに触れられて
います。著者は理論物理学の学位を得て科学評論家としてファインマンやホーキング
の著書もあり、私の大好きだった「冒険野郎マクガイバー」の脚本も手がけていた
という多才な人物です。
1章では能力よりも偶然性に支配される象徴として『ハリー・ポッター』の最初の
原稿が9社にはねられた話などが出てきます。10章ではブルース・ウィルスの
成功の偶然に触れています。著者は多くの例から成功が偶然に左右されると強調し
ますが、それは一定以上の質と準備がある上での話です。
2章の題材は、認知科学でヒューリスティックを扱う部分で頻出の事例ですが、
認知科学、ヒューリスティックの語が出てこないのはいただけません。
9章ではホットハンド誤謬に触れています。フランシス・ベーコンが確証バイアスに
ついて、非常に的確な指摘をしていたことを知りました。
3章は、ガルダーノの生涯とモンティ・ホール問題です。後者については、
論理パラドクス―論証力を磨く99問 、 運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ))
リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで (ハヤカワ文庫 NF 363 〈数理を愉しむ〉シリーズ ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
などでも取り上げられています。
4章はパスカルの三角形、5章は大数の法則、ギャンブラーの誤謬、6章は事前確率の
問題に言及しています。ただし、シンプソン事件は決定的とされた証拠のほぼ全部が
証拠価値を否定されるという杜撰な捜査のため、なるべくして無罪になったというのが
法律的な評釈で、弁護人の用いた確率論の結果ではないと思います。
7章は、測定誤差、ワインの格付け、8章では平均回帰について触れています。
統計の部分は統計学の入門書の方が分かりやすいのですが、本書の肝は象徴的な
実例の面白さにあると思います。
その分、突っ込んだ学術的な考察については物足りないかもしれません。
帯での絶賛はちょっと褒めすぎです。
1章・10章で著者の来歴として親がナチスの迫害で渡米したことなどに触れられて
います。著者は理論物理学の学位を得て科学評論家としてファインマンやホーキング
の著書もあり、私の大好きだった「冒険野郎マクガイバー」の脚本も手がけていた
という多才な人物です。
1章では能力よりも偶然性に支配される象徴として『ハリー・ポッター』の最初の
原稿が9社にはねられた話などが出てきます。10章ではブルース・ウィルスの
成功の偶然に触れています。著者は多くの例から成功が偶然に左右されると強調し
ますが、それは一定以上の質と準備がある上での話です。
2章の題材は、認知科学でヒューリスティックを扱う部分で頻出の事例ですが、
認知科学、ヒューリスティックの語が出てこないのはいただけません。
9章ではホットハンド誤謬に触れています。フランシス・ベーコンが確証バイアスに
ついて、非常に的確な指摘をしていたことを知りました。
3章は、ガルダーノの生涯とモンティ・ホール問題です。後者については、
論理パラドクス―論証力を磨く99問 、 運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ))
リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで (ハヤカワ文庫 NF 363 〈数理を愉しむ〉シリーズ ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
などでも取り上げられています。
4章はパスカルの三角形、5章は大数の法則、ギャンブラーの誤謬、6章は事前確率の
問題に言及しています。ただし、シンプソン事件は決定的とされた証拠のほぼ全部が
証拠価値を否定されるという杜撰な捜査のため、なるべくして無罪になったというのが
法律的な評釈で、弁護人の用いた確率論の結果ではないと思います。
7章は、測定誤差、ワインの格付け、8章では平均回帰について触れています。
統計の部分は統計学の入門書の方が分かりやすいのですが、本書の肝は象徴的な
実例の面白さにあると思います。
2016年6月27日に日本でレビュー済み
この本『「たまたま」-日常に潜む「偶然」を科学する-』の原題は『「The drunkard’s Walk」-How Randomness Rules Our Lives-』です。原題のままか、その直訳『「ドランカーズ・ウォーク」 ランダムネスは我々の人生をどう左右するのか』の方が余程わかり易いと思うのですが、それでは売れないと出版社で考えたのかも知れない。
著者レナード・ムロディナウは、どういう心持でこの本を書いたのだろう。題名の「たまたま」につられて読み始めたところ、無類の面白さに頭の中を掻き回されたような感じですが、冷静になって整理してみます。全10章、以下目次の主なものの抜き書きです。
第1章 ランダムネスという不思議な世界-ベストセラーは「たまたま」生まれる-
・私が生まれたのはヒトラーのおかげ
・並外れた事象に並外れた原因はいらない--- スポーツにおける偉業について
第4章 「たまたま」成功する確率を知る ----- パスカルの三角形
第8章 ランダムネスを逆手に取る - カオスのなかの秩序 -
第9章 パターンの錯覚と錯覚のパターン -偶然の出来事に勝手に意味を見いだす
第10章 ドランカーズ・ウォーク ‐偶然とうまく付き合っていくために-
第10章は、書名(原題)「ドランカーズ・ウォーク」と同じもので、全体の要約といっていいと思いますので、時間のないときはここだけよむといい。第9章までの確立や統計の基本的知識の解説は(それだけでも十分面白いのですが)前置きのように見えます。
第10章の中身は、以下のとおり。項目をざっと見るだけで興味津々。
・未来は予測できないのか?/・蝶のはばたきが嵐を呼ぶ
・「真珠湾攻撃を予測できた」証拠/・「あと知恵」という錯覚
・未来は起こってからしか理解できないもどかしさ
・ブルース・ウィリスのサクセス・ストーリー/・ビル・ゲイツの富は才能の結果なのか
・偏見はいとも簡単につくられる
・偶然の働きに惑わされずに生きること/・必然性という幻想をこえて
「すべての中でもっとも重要なシステム ‐ われわれの個人的運命 ‐において、偶然の役割はどれほど大きいのか?答えは明らかだ。それはドランカーズ・ウォークである。馬鹿げているように思えるかも知れないが、例えば残業をしたかどうかで、将来の連れ合いと駅でばったり出くわしたりすることは周知のことである。」なんていうのは、私のこれまでの経験からも全然同意。人との出会いに運命的なものを感じ、何らかの意味付けをしたいところですが、著者にはあっさりと排除されてしまう。それはランダムネスの振る舞いだと。
第1章の冒頭を真似れば、私が生まれたのは蒋介石(「以徳報怨」の)のおかげ。支那派遣軍で終戦、抑留された父が帰国、復員できたから、空襲を生き延びた母と出会って…。その後の人生の節目節目でも、偶然の連続。進学、就職も目的意識をもって進んで来たのではなく、行き当たりバッタリだなぁと常々思っていたので、当初は「我が意を得たり」と勝手な読み方をしていましたが、読み進み、読了して、そうではないことにやっと気づきました。人生についてムロディナウはもっと醒めていて且つ同時にふところの深いとらえ方をしている。
「目にすることが出来るのは結果だけだが、我々はしばしば結果が人格を反映するものと考えて人々を間違えて評価する。能力は偉業を約束していないし、偉業は能力に比例するわけでもない。大事なことはその方程式の中に別の言葉-偶然の役割-を忘れないようにすることだ。」さらに
「前向きに歩き続けること。なぜなら幸いなことに偶然が必ず役回りを演じるので、成功のひとつの重要な要素たとえば、打席に立つ数、危険を冒す数、チャンスを捉える数が我々のコントロール下にあるからだ。IBMのトーマス・ワトソンが言ったように----- もし成功したければ失敗の割合を倍にしろ-----ということだ。」 そして最後に
「偶然の働きに惑わされないように。手にしている幸運を識別し評価し、また自分の成功にかかわっているランダムな出来事を認識すべきである。そしてまた我々に深い悲しみをもたらすかも知れない偶然の出来事を受け入れるようにも(すべきである)。」
------- これは実に完璧な「仮説」(ということは「真理」)だと思わざるを得ない。
とにかく、この世はこんなものと思っていた常識に、疑問符を突き付けられた「快感」。私自身のものの見方、認識の仕方について勉強させられたような気がします。その辺をウロウロしているオッサンたちのなかに、無名のブルース・ウィリスがいるかも知れないなどと想像するだけで楽しいし、人生の希望と絶望をないまぜにしたようなクールな気分になるのも悪くない。
著者レナード・ムロディナウは、どういう心持でこの本を書いたのだろう。題名の「たまたま」につられて読み始めたところ、無類の面白さに頭の中を掻き回されたような感じですが、冷静になって整理してみます。全10章、以下目次の主なものの抜き書きです。
第1章 ランダムネスという不思議な世界-ベストセラーは「たまたま」生まれる-
・私が生まれたのはヒトラーのおかげ
・並外れた事象に並外れた原因はいらない--- スポーツにおける偉業について
第4章 「たまたま」成功する確率を知る ----- パスカルの三角形
第8章 ランダムネスを逆手に取る - カオスのなかの秩序 -
第9章 パターンの錯覚と錯覚のパターン -偶然の出来事に勝手に意味を見いだす
第10章 ドランカーズ・ウォーク ‐偶然とうまく付き合っていくために-
第10章は、書名(原題)「ドランカーズ・ウォーク」と同じもので、全体の要約といっていいと思いますので、時間のないときはここだけよむといい。第9章までの確立や統計の基本的知識の解説は(それだけでも十分面白いのですが)前置きのように見えます。
第10章の中身は、以下のとおり。項目をざっと見るだけで興味津々。
・未来は予測できないのか?/・蝶のはばたきが嵐を呼ぶ
・「真珠湾攻撃を予測できた」証拠/・「あと知恵」という錯覚
・未来は起こってからしか理解できないもどかしさ
・ブルース・ウィリスのサクセス・ストーリー/・ビル・ゲイツの富は才能の結果なのか
・偏見はいとも簡単につくられる
・偶然の働きに惑わされずに生きること/・必然性という幻想をこえて
「すべての中でもっとも重要なシステム ‐ われわれの個人的運命 ‐において、偶然の役割はどれほど大きいのか?答えは明らかだ。それはドランカーズ・ウォークである。馬鹿げているように思えるかも知れないが、例えば残業をしたかどうかで、将来の連れ合いと駅でばったり出くわしたりすることは周知のことである。」なんていうのは、私のこれまでの経験からも全然同意。人との出会いに運命的なものを感じ、何らかの意味付けをしたいところですが、著者にはあっさりと排除されてしまう。それはランダムネスの振る舞いだと。
第1章の冒頭を真似れば、私が生まれたのは蒋介石(「以徳報怨」の)のおかげ。支那派遣軍で終戦、抑留された父が帰国、復員できたから、空襲を生き延びた母と出会って…。その後の人生の節目節目でも、偶然の連続。進学、就職も目的意識をもって進んで来たのではなく、行き当たりバッタリだなぁと常々思っていたので、当初は「我が意を得たり」と勝手な読み方をしていましたが、読み進み、読了して、そうではないことにやっと気づきました。人生についてムロディナウはもっと醒めていて且つ同時にふところの深いとらえ方をしている。
「目にすることが出来るのは結果だけだが、我々はしばしば結果が人格を反映するものと考えて人々を間違えて評価する。能力は偉業を約束していないし、偉業は能力に比例するわけでもない。大事なことはその方程式の中に別の言葉-偶然の役割-を忘れないようにすることだ。」さらに
「前向きに歩き続けること。なぜなら幸いなことに偶然が必ず役回りを演じるので、成功のひとつの重要な要素たとえば、打席に立つ数、危険を冒す数、チャンスを捉える数が我々のコントロール下にあるからだ。IBMのトーマス・ワトソンが言ったように----- もし成功したければ失敗の割合を倍にしろ-----ということだ。」 そして最後に
「偶然の働きに惑わされないように。手にしている幸運を識別し評価し、また自分の成功にかかわっているランダムな出来事を認識すべきである。そしてまた我々に深い悲しみをもたらすかも知れない偶然の出来事を受け入れるようにも(すべきである)。」
------- これは実に完璧な「仮説」(ということは「真理」)だと思わざるを得ない。
とにかく、この世はこんなものと思っていた常識に、疑問符を突き付けられた「快感」。私自身のものの見方、認識の仕方について勉強させられたような気がします。その辺をウロウロしているオッサンたちのなかに、無名のブルース・ウィリスがいるかも知れないなどと想像するだけで楽しいし、人生の希望と絶望をないまぜにしたようなクールな気分になるのも悪くない。
2010年5月16日に日本でレビュー済み
モンティ・ホール問題とは、こんな問題です。
テレビのクイズショーであなたに賞品が与えられます。ただし、3つのドアのうち
ひとつを選ばなければなりません。もちろんひとつだけが「当たり」で、残りは「はずれ」です。
まず、あなたが、ひとつのドアを選択したあと、司会者は、残りの2つのドアのうち
ひとつを開けて、はずれを見せます。そしてあなたに尋ねるのです。
「ファイナル・アンサー?(最初の選択を変更しますか?)」と。
誰もが、変更してもしなくても、確率は同じ、と答えるでしょう。
でも、残念ながら、変更する方が、当たる確率が2倍になるのです。(本当です)
この本は、人の判断が、いかに偶然に左右され、かつ、それを人は
必然だと勘違いしてしまうのか、など、偶然に関して科学的な
分析をしている本です。いかに人間の判断がいいかげんなものか、
思い知らされます。
読みやすい本ですが、学術的な内容で、
ビジネスに直結している内容とはやや違うので、
途中、ちょっとつらいかも知れません。
テレビのクイズショーであなたに賞品が与えられます。ただし、3つのドアのうち
ひとつを選ばなければなりません。もちろんひとつだけが「当たり」で、残りは「はずれ」です。
まず、あなたが、ひとつのドアを選択したあと、司会者は、残りの2つのドアのうち
ひとつを開けて、はずれを見せます。そしてあなたに尋ねるのです。
「ファイナル・アンサー?(最初の選択を変更しますか?)」と。
誰もが、変更してもしなくても、確率は同じ、と答えるでしょう。
でも、残念ながら、変更する方が、当たる確率が2倍になるのです。(本当です)
この本は、人の判断が、いかに偶然に左右され、かつ、それを人は
必然だと勘違いしてしまうのか、など、偶然に関して科学的な
分析をしている本です。いかに人間の判断がいいかげんなものか、
思い知らされます。
読みやすい本ですが、学術的な内容で、
ビジネスに直結している内容とはやや違うので、
途中、ちょっとつらいかも知れません。