米国4年制大学を卒業し、外資系企業で働く者です。
本書は日本人英語学習者が、初学者の段階から中級者、上級者と変わる各段階で何度も繰り返して読みたい本です。
とかく学習というと、大量インプット、あるいは、アウトプットというように、がむしゃらに量をこなすことに陥りがちですが、果たしてその方法の費用対効果を熟慮したことがあるでしょうか?
たとえ学習を始めるのが10代であっても、時間は有限です。本書の素晴らしい点は、日本人学習者が陥りやすい点を考慮してその改善点を上げている点、さらに、どのレベルの学習者でもすぐに始められる内容である点です。英語発信力を高めるには、一生のうちにどれだけ遭遇するかわからないような会話のパターンを大量に暗記するよりも、自分の中にフレームワークをつくり、実際に遭遇する場面場面で主体的に考え発信していくことです。本書はそのようなフレームワークを構築する手助けをしてくれます。
例として、意味のかたまりを文節として捉えて、スピーキングの際に、カンマでは1秒、ピリオドで2秒、間を入れる(ポーズを取る)メソッドです。文節の取り方はいわゆるスラッシュリーディングの考え方でおなじみとなっていると思いますが、英文を音読の際にこの習慣を意識せずともできるようになれば、それだけで伝わりやすいスピーキングになります。
音のリンキングは学校では教えてくれないかもしれませんが、英語を書き言葉としてではなく、音声(話し言葉)としてとらえることの大事さを示唆しています。リンキングやリエゾンについては別書でさらに深く学習する必要があります。
英語による雑談についても、専門的な話題はまだできるが、いわゆる雑談(スモールトーク)に苦手意識がある人に対して、簡潔に、そして具体的にアドバイスされています。
さらに、日本人の思考特性を考慮して、スピーキングのロジックをどのように構成するかを説明しています。この点は、ライティング本やコンサルティング本によく出て来るトピックですが、すぐに開始できる具体的な方法が書かれています。
従って、本書は幅広いトピックを扱っていますが、エッセンスを簡潔に説明し、さらに具体的に開始できるメソッドが書かれています。章末にはエッセンスを確認するには十分な量のエクササイズも用意されています。
がむしゃらに学習するのではなく、本書で紹介されたメソッドを念頭に置きながら、他書の学習や実践の場で血肉化する。そのような英語学習のガイダンス(指南書)として利用するのがよろしいでしょう。ガイダンスであるゆえに、他書などで実践が必要です。
尚、手元にある本書は7年前に初版発行されて以来、現在既に10刷です。それだけ堅実に支持されてきたことの証しと言えるでしょう。
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ドクター・ヴァンスの 英語で考えるスピーキング―すらすら話すための7つの思考法 単行本 – 2009/2/16
ウィリアム A. ヴァンス
(著),
神田 房枝
(監修, 読み手)
「英語で考えればスピーキングはうまくなる」
当たり前のことなのに、今まで誰もその方法を具体的に教えてくれなかった!
イェール大学ビジネススクールでコミュニケーションを教えるドクターヴァンスが、それを簡単に実践できる7つの思考法を言語的立場から明らかにしているのが本書。
英語学習の土台となる思考法に注目してそれを変換させていくメソッドなので、スピーキング対する感覚そのものをまず変えてしまう。そして英語のレベルに関係なく、今ある語彙、文法知識が活性化されてスピーキングが向上していく仕組みである。
即効性のある日本語英語から脱出する方法もたくさん紹介されていて、読むだけで面白く、自分の英語コミュニケーションに即座に自信が湧いてきて、洗練された気がするほど説得力がある。学校の英語教育では教えてもらえない英語上達の秘訣が詰まった、まさにスピーキングがうまくなりたい人の必読書。
当たり前のことなのに、今まで誰もその方法を具体的に教えてくれなかった!
イェール大学ビジネススクールでコミュニケーションを教えるドクターヴァンスが、それを簡単に実践できる7つの思考法を言語的立場から明らかにしているのが本書。
英語学習の土台となる思考法に注目してそれを変換させていくメソッドなので、スピーキング対する感覚そのものをまず変えてしまう。そして英語のレベルに関係なく、今ある語彙、文法知識が活性化されてスピーキングが向上していく仕組みである。
即効性のある日本語英語から脱出する方法もたくさん紹介されていて、読むだけで面白く、自分の英語コミュニケーションに即座に自信が湧いてきて、洗練された気がするほど説得力がある。学校の英語教育では教えてもらえない英語上達の秘訣が詰まった、まさにスピーキングがうまくなりたい人の必読書。
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2009/2/16
- ISBN-104478006903
- ISBN-13978-4478006900
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商品の説明
著者について
言語学博士。シカゴ大学卒業後、イェール大学大学院にて言語学博士号取得。現在イェール大学ビジネススクールコミュニケーションセンターディレクターとして、ビジネスコミュニケーション、比較言語学等の教鞭をとる他、フォーチュン500社、研究機関、国際機関のクライアントに成功に導く英語コミュニケーションを指導している。また政治家のメディアインタビューに備えたコーチングには定評がある。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社; 第1版 (2009/2/16)
- 発売日 : 2009/2/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 222ページ
- ISBN-10 : 4478006903
- ISBN-13 : 978-4478006900
- Amazon 売れ筋ランキング: - 162,382位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 120位ビジネス英文レター・Eメール
- - 1,148位英語よみもの
- カスタマーレビュー:
著者について
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言語学博士。イェール大学ビジネススクールコミュニケーションの設立者であり、元ディレクター。同校エグゼクティブMBAコースや世界のエリートが集うワールドフェロープログラムで教鞭を執る他、フォーチュン500社、研究機関、国際機関のクライアントに成功に導くビジネスコミュニケーションを指導している。また政治家のメディアインタビューに備えたコーチングには定評がある。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年4月20日に日本でレビュー済み
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2017年7月25日に日本でレビュー済み
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ドクター・ヴァンスの指摘は、どれも的確に思える。しかも、素直に聞き入れたいと思える記述に、自然になっているような気がする。
英語の発信に関する本は、彼の著書に絞って読むのが自分には合っているようだ。
P156からの「文頭で標識となる15種類のパワフルな言語」が特に秀逸。これにより英語とそれを話す人の論理性を再認識した。
英語の発信に関する本は、彼の著書に絞って読むのが自分には合っているようだ。
P156からの「文頭で標識となる15種類のパワフルな言語」が特に秀逸。これにより英語とそれを話す人の論理性を再認識した。
2015年7月26日に日本でレビュー済み
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英語の練習をする本ではありません。英語を勉強しつつ、何度か読み返してだんだん英語に対する理解が深まるような本でしょうか。
2018年3月18日に日本でレビュー済み
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全く読む価値なし。何を言いたいのか分からない。無理して内容を理解しても、何の意味もないつまらないどこにでも書いてあることばかり。この本読むぐらいならネットをみたり、Youtubeを参考にしたほうがまし。それなりの価格なのにお金の無駄。
2010年11月24日に日本でレビュー済み
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評価が高かったので、期待して購入しましたが、思ったほどの内容ではなかったです。
日本人とネイティブ・スピーカとの思考法の違いとか、日本人がうまく英語を話すために提示された著者独自の理論や公式は、確かによくまとめられているとは思いましたが、ある程度の英語学習者であれば、言葉で系統立てて説明することはできなくても、直感的にわかっていることだと思います。
例えば、発音する際のリンキングの法則は、説明されれば「なるほど」とは思うが、わざわざ説明されなくても、ほとんどの英語学習者は、無意識的にしていること、あるいは、そうしようと努力していることではないでしょうか?
samll talkの展開の仕方などは面白かったので、個人的には、このような章をもっと膨らませてほしかったです。
著者は、プロローグで「英語脳を鍛える、だとか、英語を聞き続ける、だとかまるで奇跡が起こるかのようなアプローチが英語学習者を誘惑している」という主旨のことを述べていますが、私にすれば、この本に書かれてある情報や知識を活用して流暢な英語を話すようになることの方が奇跡のような気がします。
理論や法則を知ったところで、それは知識として蓄積されるだけです。
学問に王道なし。繰り返し英語を聞き、英語のイントネーションに慣れ、繰り返し英語を音読し、ネイティブ・スピーカとの会話の機会を最大限に利用する。通常の学習者レベルであれば、これに尽きるのではないのでしょうか。
日本人とネイティブ・スピーカとの思考法の違いとか、日本人がうまく英語を話すために提示された著者独自の理論や公式は、確かによくまとめられているとは思いましたが、ある程度の英語学習者であれば、言葉で系統立てて説明することはできなくても、直感的にわかっていることだと思います。
例えば、発音する際のリンキングの法則は、説明されれば「なるほど」とは思うが、わざわざ説明されなくても、ほとんどの英語学習者は、無意識的にしていること、あるいは、そうしようと努力していることではないでしょうか?
samll talkの展開の仕方などは面白かったので、個人的には、このような章をもっと膨らませてほしかったです。
著者は、プロローグで「英語脳を鍛える、だとか、英語を聞き続ける、だとかまるで奇跡が起こるかのようなアプローチが英語学習者を誘惑している」という主旨のことを述べていますが、私にすれば、この本に書かれてある情報や知識を活用して流暢な英語を話すようになることの方が奇跡のような気がします。
理論や法則を知ったところで、それは知識として蓄積されるだけです。
学問に王道なし。繰り返し英語を聞き、英語のイントネーションに慣れ、繰り返し英語を音読し、ネイティブ・スピーカとの会話の機会を最大限に利用する。通常の学習者レベルであれば、これに尽きるのではないのでしょうか。
2010年9月21日に日本でレビュー済み
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今まで英語の勉強本はたくさん読んできたが、基本的にすべてに共通するのは「インプットと
アウトプットを増やせば、英語は身に付く」という考え方である。
ところが、この本の良いところは、言語学的な見地から、通じるスピーキングとは何か、という
ことを理論的に体系立てて説明している。
断片的には知っていた内容もあるが、トータルで考えるとすごく新鮮で目新しい内容、非常に
示唆に富んでいる。詳しくは、、やはり一読をお勧めする。
また、読者の英語のレベルに関わらず、誰が読んでも、参考になる内容なので、これを読むと、
どんどん英語でスピーキングしようというモチベーションアップにもなる。
アウトプットを増やせば、英語は身に付く」という考え方である。
ところが、この本の良いところは、言語学的な見地から、通じるスピーキングとは何か、という
ことを理論的に体系立てて説明している。
断片的には知っていた内容もあるが、トータルで考えるとすごく新鮮で目新しい内容、非常に
示唆に富んでいる。詳しくは、、やはり一読をお勧めする。
また、読者の英語のレベルに関わらず、誰が読んでも、参考になる内容なので、これを読むと、
どんどん英語でスピーキングしようというモチベーションアップにもなる。
2017年2月23日に日本でレビュー済み
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この本のタイトルからすると、さぞ難しい専門用語が並んでいそうで取っつきにくいのかと思ったら、全然そんなことはなくて、少しコミカルなイラストもあり、とても親しみやすい内容でした。個人的には第1章~第3章と第6章~第7章がとても参考になりました。第4章の雑談と第5章のメロディーについては一般の英語学習者にはあまり関係なく思われたので飛ばしました。
第1章では英語を読む際の文節の正しい区切り方が説明され、第2章ではわかりやすい英文とわかりにくい英文の比較を通してなぜ違いがあるのかという理由として、ネイティブスピーカーは、主語(実行者)ー動詞(アクション)ー目的語(ゴール)という思考テンプレートを無意識のうちに使っているのだということが述べられていて、目から鱗が落ちる思いでした。
第3章では英語の音のリンキングについて、日常会話で自然に発生するリンキング、つまり英語の単語の前と後の音がつながって一つの単語のように聴こえることを具体例を示しながら説明してある点が面白かったです(例えばShe sedate=She said eightやIt's a gray day=It's a grade Aなど)。
第6章と第7章はライティングにも非常に有用ではないかと思いました。①まず意見を述べ、②その理由を説明し、③具体例を挙げ、④補足し、⑤結論を述べるという、ネイティブスピーカーにとってはごく当たり前のことが日本人にはなかなかできないのでそれが上達の壁になっているのではないかと感じました。第7章ではメッセージデザインの方法として、メッセージを一つの家に見立てて、主張を屋根、理由を柱、具体例を土台としてイラストでわかりやすく示していました。
この他にも細かいことはいろいろありますが、英検準1級以上やTOEIC高得点を目指す人、また壁にぶつかっている人には有効だと思いました。
第1章では英語を読む際の文節の正しい区切り方が説明され、第2章ではわかりやすい英文とわかりにくい英文の比較を通してなぜ違いがあるのかという理由として、ネイティブスピーカーは、主語(実行者)ー動詞(アクション)ー目的語(ゴール)という思考テンプレートを無意識のうちに使っているのだということが述べられていて、目から鱗が落ちる思いでした。
第3章では英語の音のリンキングについて、日常会話で自然に発生するリンキング、つまり英語の単語の前と後の音がつながって一つの単語のように聴こえることを具体例を示しながら説明してある点が面白かったです(例えばShe sedate=She said eightやIt's a gray day=It's a grade Aなど)。
第6章と第7章はライティングにも非常に有用ではないかと思いました。①まず意見を述べ、②その理由を説明し、③具体例を挙げ、④補足し、⑤結論を述べるという、ネイティブスピーカーにとってはごく当たり前のことが日本人にはなかなかできないのでそれが上達の壁になっているのではないかと感じました。第7章ではメッセージデザインの方法として、メッセージを一つの家に見立てて、主張を屋根、理由を柱、具体例を土台としてイラストでわかりやすく示していました。
この他にも細かいことはいろいろありますが、英検準1級以上やTOEIC高得点を目指す人、また壁にぶつかっている人には有効だと思いました。