翻訳が大変読みやすい。訳書を買うとき、一番躊躇するのが翻訳のうまい下手。読みにくかったら、いつも金返せ!と思う。(まあ 自分の脳みそが足らないだけかもしれないが)
男の翻訳は読みにくい、という先入観がなくなりました。これだけ読みやすい翻訳は久しぶり。
本の内容も面白い。3000円は安いです。
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食の終焉 単行本 – 2012/3/9
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購入オプションとあわせ買い
高度な食料経済の構築により、農産物や食肉、加工食品を一年中どこでも買えるようになった。しかし、低コスト・大量生産モデルを世界的規模に拡大することで、私たちはその恩恵だけでなく、負の要素も世界中に広めてしまった。その負の要素とは何か、このシステムは持続可能なのか、膨大な取材をもとに明らかにする。
- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2012/3/9
- ISBN-104478007470
- ISBN-13978-4478007471
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商品の説明
著者について
ポール・ロバーツ
ジャーナリスト。ビジネスおよび環境に関する問題を長年取材。経済、技術、環境の複雑な相互関係を追及している。著書に『石油の終焉』。
神保哲生(じんぼ・てつお)
コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。AP通信などを経て1994年独立。以来、ビデオジャーナリストとして活躍。2000年1月、日本初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を設立。
ジャーナリスト。ビジネスおよび環境に関する問題を長年取材。経済、技術、環境の複雑な相互関係を追及している。著書に『石油の終焉』。
神保哲生(じんぼ・てつお)
コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。AP通信などを経て1994年独立。以来、ビデオジャーナリストとして活躍。2000年1月、日本初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を設立。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2012/3/9)
- 発売日 : 2012/3/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 544ページ
- ISBN-10 : 4478007470
- ISBN-13 : 978-4478007471
- Amazon 売れ筋ランキング: - 294,935位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 88位製造・加工
- - 88位食品産業研究
- - 20,529位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ウィルスについてもずーと以前から科学者はワクチンを作るこの国のシステムを忠告してきたのに、出てきた対策はバンドエイドの安倍のマスクでした。食の危機がきたときにどう日本は対応するのでしょう。また陳腐な対策に終始するんでしょうね。
2020年3月6日に日本でレビュー済み
「食」の現状と、「食システム」の構造や現在の技術、国家と企業の癒着関係などが書かれていて、今まで知らなかったことを知ることができ、何となく知っていたことはより詳しく知ることができました。「食」の問題の深刻さ、複雑さを知り、単純に明るい未来というわけにはいかないなと思いました。
2015年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
我々は知らなければならない、この世界で起きている現実を。世界中で起きている自然災害、テロや戦争などよりも、人類にとって、いや地球全体にとって最も根源的な問題を本書は提示してくれている。しかし、その問いに関する答えまでは明示されていない。だが、私たちが今すぐにでもしなければならないことは、「知る」こと、そしてそれに基づいて「行動する」ことではないだろうか。でも実際に自分は何をしたらいいのか分からない。このままではいけない。変えなければいけない。でもどっから手を付ければいいかわからない。このもどかしさはなんだろうか。
2015年6月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカの内容ではありますが、日本にも大きく関わっている食に関連する問題がとても丁寧にわかりやすく書かれています。食、グローバル化、農業にご関心のある方は是非一度お読みください。
2012年9月7日に日本でレビュー済み
これから先の未来に、少なくとも食システムについては明るい夢も希望もない
ということを粛々と学ばせてくれました。
冒頭は農業の始まりとそれに伴う人口増、技術革新など近年までの食システムのめざましい発展に
ついて紹介。そこから自由市場主義を掲げ利便性、効率性のみを追い求めるグローバル食品メーカー、
生産者、メーカーから商品を徹底的に買いたたく小売業者、
成功を手にする工業化した大規模農家に対し、満足に肥料や技術を導入出来ない小規模農家。
先進国ではカロリーが有り余り、肥満が深刻な現象と捉えられる反面、いつまでたっても世界から
根絶されることのない飢餓。更には鳥インフルエンザに代表される病原菌の流行を現在の
集中生産型の食システムが拡大する懸念も紹介されている。
食肉は家畜を育てるために穀物を飼料とすることで食料として非常にコストが高いが、世界中の途上国の
人口増、経済発展で更に消費量は伸びていく予想が濃厚で、特に途上国では土壌の保全というような
観点は当然浸透していないため、痩せた土地は捨て、新たに土地を開墾することで地球の限られた土地が
どんどん疲弊していっている。大量消費のアンチテーゼとしてもてはやされるオーガニックも問題を抱えている。
要点だけをまとめたつもりが支離滅裂になってしまいましたが、現代の食システムが生産段階、
供給段階の一部分でなんらかの改善を起こせば良いというような単純な問題ではないことを
示唆していると受け止めてもらえれば幸いです。
私自身、読む前は生産−供給加工−販売−消費くらいの話かと安易に考えていましたが、
物流ひとつとってもエネルギー・環境の問題も孕んでいますし、消費者と一言にいっても
先進国の消費者と途上国の消費者の趣向も人口の伸びも一括りにはできません。
科学的な技術革新を期待するにも、研究資金は収穫量を伸ばすなど経済的な面を重視した
分野に集中して投資されてしまいます。
これらに政治的、地政学的な側面も交わり、全く身動きがとれない状況になっているように感じます。
唯一、日本の地方の農家が持続可能な循環的農業を実践していることが文中で
取り上げられていたことが荒んだ心を癒してくれました。
需要が先にあり、供給がそれに追いつく。この言葉を借りれば私たちが「賢い消費者」に変貌を
遂げれば全てはうまくいく・・・と思いたいですが最早そんな軽症ではないようです。
少なくとも現行の自由市場主義のまま直進することは悲劇を早めているようですが、安易に国が
管理すれば物流が滞り、あっという間に穀物価格が高騰し、途上国では更に飢餓が蔓延・・・という
こともグローバル化の進んだ現代ではあり得るかもしれません。
私は何分弱い人間なので、突然ベジタリアンにはなれませんし、
脱ファストフード脱大量販売の活動を行えるわけでもありません。
しかし、現状を知るということは無意味ではないですし、それこそメーカーから広告費を受け取っている
メディアからはこのような情報は知らされる機会はないでしょう。価格相応の重みを与えてくれる一冊です。
オススメする人
店々に溢れる大量の食品に違和感を感じる方
なんでこんなにものの値段が安いのか不安に思う方
なんとなく世界は先々危ないんじゃないかと心配している方
ということを粛々と学ばせてくれました。
冒頭は農業の始まりとそれに伴う人口増、技術革新など近年までの食システムのめざましい発展に
ついて紹介。そこから自由市場主義を掲げ利便性、効率性のみを追い求めるグローバル食品メーカー、
生産者、メーカーから商品を徹底的に買いたたく小売業者、
成功を手にする工業化した大規模農家に対し、満足に肥料や技術を導入出来ない小規模農家。
先進国ではカロリーが有り余り、肥満が深刻な現象と捉えられる反面、いつまでたっても世界から
根絶されることのない飢餓。更には鳥インフルエンザに代表される病原菌の流行を現在の
集中生産型の食システムが拡大する懸念も紹介されている。
食肉は家畜を育てるために穀物を飼料とすることで食料として非常にコストが高いが、世界中の途上国の
人口増、経済発展で更に消費量は伸びていく予想が濃厚で、特に途上国では土壌の保全というような
観点は当然浸透していないため、痩せた土地は捨て、新たに土地を開墾することで地球の限られた土地が
どんどん疲弊していっている。大量消費のアンチテーゼとしてもてはやされるオーガニックも問題を抱えている。
要点だけをまとめたつもりが支離滅裂になってしまいましたが、現代の食システムが生産段階、
供給段階の一部分でなんらかの改善を起こせば良いというような単純な問題ではないことを
示唆していると受け止めてもらえれば幸いです。
私自身、読む前は生産−供給加工−販売−消費くらいの話かと安易に考えていましたが、
物流ひとつとってもエネルギー・環境の問題も孕んでいますし、消費者と一言にいっても
先進国の消費者と途上国の消費者の趣向も人口の伸びも一括りにはできません。
科学的な技術革新を期待するにも、研究資金は収穫量を伸ばすなど経済的な面を重視した
分野に集中して投資されてしまいます。
これらに政治的、地政学的な側面も交わり、全く身動きがとれない状況になっているように感じます。
唯一、日本の地方の農家が持続可能な循環的農業を実践していることが文中で
取り上げられていたことが荒んだ心を癒してくれました。
需要が先にあり、供給がそれに追いつく。この言葉を借りれば私たちが「賢い消費者」に変貌を
遂げれば全てはうまくいく・・・と思いたいですが最早そんな軽症ではないようです。
少なくとも現行の自由市場主義のまま直進することは悲劇を早めているようですが、安易に国が
管理すれば物流が滞り、あっという間に穀物価格が高騰し、途上国では更に飢餓が蔓延・・・という
こともグローバル化の進んだ現代ではあり得るかもしれません。
私は何分弱い人間なので、突然ベジタリアンにはなれませんし、
脱ファストフード脱大量販売の活動を行えるわけでもありません。
しかし、現状を知るということは無意味ではないですし、それこそメーカーから広告費を受け取っている
メディアからはこのような情報は知らされる機会はないでしょう。価格相応の重みを与えてくれる一冊です。
オススメする人
店々に溢れる大量の食品に違和感を感じる方
なんでこんなにものの値段が安いのか不安に思う方
なんとなく世界は先々危ないんじゃないかと心配している方
2012年10月27日に日本でレビュー済み
現在の食糧にまつわる危機的な問題を様々な観点から
分析した画期的な論考です。
現在の社会は飢えを忘れました。
街中には食料品店や食堂がたくさんあり
店に入ればおいしそうな食べ物で溢れかえっています。
真夜中であってもコンビニやファミリーレストランにいけば
暖かい食事をすぐに食べることが出来ます。
生産から小売に至るまで、
高度で効率的なシステム(食システム)が張り巡らされていますから
食欲を満たせない状況が起きることなど考えられません。
しかしそのシステムが、いつ破綻してもおかしくない
ものであったとしたらどうでしょう。
筆者は食システムが綱渡りの状態で
なんとか成り立っている
脆弱なものであることを指摘しています。
家畜や作物は生産の効率化のため、温度や栄養分を徹底的に管理されて
育てられ病気に対する抵抗力をもちません
そのため少しの異変が起きただけで
たちどころに全滅の危険性に晒されることになります。
ところが農家や酪農家は小売店や食料品メーカーに圧力をかけられ、
原価ギリギリのところまで値下げを迫られているため
疫病対策などにお金を割くことができません。
いつどこの農場や牧場で感染症の大発生が起こっても不思議ではないことが
示されています。
また留まる所を知らないメーカーのロビイング活動も記述されています。
政治家に金を握らせ、食中毒、また食料品にひそむ
危険な細菌の情報の公開を止めさせたり、
食料品メーカーにとって不利な法律の成立を中止させるなど、
更には都合の悪いことを研究する学者の活動を妨害したりとやりたい放題です。
しかし食システムなぜこのような破滅的な事態に陥ってるかというと
原因は我々消費者に帰結してしまうのです。
「良い食べ物を少しでも安く買いたい」という素朴な欲望が
生産、流通体制に度を越した効率化を強いさせて
破綻寸前にまで追い詰めてしまったのです。
食システムの壊滅を避けるには消費者が危機感を持たなければいけません。
過剰な安売り品の購入を減らし、
出来るだけ付加価値の高い食料品を購入するようにすれば
最終的に農家の利益に還元されます。
加工食品を避け、なるべく自分で調理をするようにすれば
食品添加物の危険性を抑えることができますし
調理技術も上達します。
現在の食糧供給には多くの犠牲を伴っていることを
一人一人が意識し、それぞれが自分で考え
出来ることを地道に行っていけば
やがて食システムの改善に繋がるかもしれません。
食糧問題の深刻さ、そして根源的な「食べ物の尊さ」に
気づかせてくれる良書です、ぜひ御覧ください。
分析した画期的な論考です。
現在の社会は飢えを忘れました。
街中には食料品店や食堂がたくさんあり
店に入ればおいしそうな食べ物で溢れかえっています。
真夜中であってもコンビニやファミリーレストランにいけば
暖かい食事をすぐに食べることが出来ます。
生産から小売に至るまで、
高度で効率的なシステム(食システム)が張り巡らされていますから
食欲を満たせない状況が起きることなど考えられません。
しかしそのシステムが、いつ破綻してもおかしくない
ものであったとしたらどうでしょう。
筆者は食システムが綱渡りの状態で
なんとか成り立っている
脆弱なものであることを指摘しています。
家畜や作物は生産の効率化のため、温度や栄養分を徹底的に管理されて
育てられ病気に対する抵抗力をもちません
そのため少しの異変が起きただけで
たちどころに全滅の危険性に晒されることになります。
ところが農家や酪農家は小売店や食料品メーカーに圧力をかけられ、
原価ギリギリのところまで値下げを迫られているため
疫病対策などにお金を割くことができません。
いつどこの農場や牧場で感染症の大発生が起こっても不思議ではないことが
示されています。
また留まる所を知らないメーカーのロビイング活動も記述されています。
政治家に金を握らせ、食中毒、また食料品にひそむ
危険な細菌の情報の公開を止めさせたり、
食料品メーカーにとって不利な法律の成立を中止させるなど、
更には都合の悪いことを研究する学者の活動を妨害したりとやりたい放題です。
しかし食システムなぜこのような破滅的な事態に陥ってるかというと
原因は我々消費者に帰結してしまうのです。
「良い食べ物を少しでも安く買いたい」という素朴な欲望が
生産、流通体制に度を越した効率化を強いさせて
破綻寸前にまで追い詰めてしまったのです。
食システムの壊滅を避けるには消費者が危機感を持たなければいけません。
過剰な安売り品の購入を減らし、
出来るだけ付加価値の高い食料品を購入するようにすれば
最終的に農家の利益に還元されます。
加工食品を避け、なるべく自分で調理をするようにすれば
食品添加物の危険性を抑えることができますし
調理技術も上達します。
現在の食糧供給には多くの犠牲を伴っていることを
一人一人が意識し、それぞれが自分で考え
出来ることを地道に行っていけば
やがて食システムの改善に繋がるかもしれません。
食糧問題の深刻さ、そして根源的な「食べ物の尊さ」に
気づかせてくれる良書です、ぜひ御覧ください。
2015年12月12日に日本でレビュー済み
食システムの破綻が間近に迫っていると警告する本。
先進国のスーパーマーケットには安価な食材が溢れ、肥満も大きな問題になっている。一方で、世界には未だ多くの飢餓状態にある人たちが存在し、農業には持続可能性を疑わせる数々の懸案が存在する。例えば、過剰施肥、土壌の流亡、地下水の過剰な汲み上げ、大規模単一栽培によって病害虫被害に脆弱になっていること、モンサントやウォルマートなどの巨大企業による支配、などなど。
本書は、こうした問題を取り上げて、食システムの破綻は間近であると畳み掛ける。なお、ここでいう「食システムの破綻」とは、本書中では明確な定義がないが、サプライチェーンのどこかに問題が起こって、需要を満たすだけの生産ができなくなること、といった意味のようだ。しかし、問題がたくさんあるからといって破綻は間近だと結論づけるのも短絡的であり、これは食システム全体を俯瞰して考えなければならないテーマであるにも関わらず、現在のシステムがうまくやっている点については全く触れず、延々と問題だけを取り上げているのはやや誠実さに欠ける。
しかも、その問題の取り上げ方も、専門家の誰それがこういっている、というような断片的なことがたくさん書かれているだけで、本書中には一つのグラフも表も出てこない。将来を見通すには全体の趨勢を理解するのが大事なのに、事実を経年的に把握するグラフの一つも出さないというのは信頼性に欠ける。要するに、取材の態度が科学的ではなく、ゴシップ的なものと言わざるを得ない。
もちろん、ここで提示されたような問題は、それぞれ事実大きな問題であろうと思う。しかし、食糧危機が間近に迫っているという警告は、それこそ何十年も前から出されているが、これまでのところその予言が外れているところを見ると、ここで挙げられている問題も破綻が不可避なものとは思えない。
例えば、現在は安い価格で大量の食肉が生産されており、これは安価な穀物と補助金に支えられているが、今後新興国の生活水準が上がってきてさらに食肉需要が増大した時、現在の食システムはその需要に応えられないかもしれないと本書は予言する。でもそれが何の問題なんだろうか? 食肉需要が高まって、でも供給がそれに追いつかなかったら、食肉価格が上がるだけのことだろう。要するに価格調整によって需給は調整されるのだから、そこに「破綻」と呼べるほどの問題は起こらない。
もちろん、これまでの先進国はたくさん肉を食べられたのに、これからの先進国はそれほど多くの肉を食べられないというのは不平等ではある。しかし、これは19世紀の先進国は植民地を持てたのに、21世紀の先進国は植民地を持てない、 というのと同じことで、不平等かもしれないがそれを受け入れて社会を構築していけばいいだけのことだし、これは食システムの問題というより、国際的な不均衡の問題、つまり国際政治の話だと思う。
ただし、人口が90億人に達したとき、十分な量の穀物が生産できるのかという点だけは、シンプルなだけに重大深刻な問題で、ここだけは真面目に考究する価値があると思った。ただ、本書においては「既に利用しやすい農地は利用しているし、灌漑用の水も限界まで使っているし、これ以上生産量を増やそうとすれば森林を切り拓くしかないがそれは環境破壊になるし、どうする」みたいなことが定性的に書いてあるだけで、真面目な(定量的・科学的な)考察がない。もう少しデータに裏付けられた分析が必要だと思った。
先進国のスーパーマーケットには安価な食材が溢れ、肥満も大きな問題になっている。一方で、世界には未だ多くの飢餓状態にある人たちが存在し、農業には持続可能性を疑わせる数々の懸案が存在する。例えば、過剰施肥、土壌の流亡、地下水の過剰な汲み上げ、大規模単一栽培によって病害虫被害に脆弱になっていること、モンサントやウォルマートなどの巨大企業による支配、などなど。
本書は、こうした問題を取り上げて、食システムの破綻は間近であると畳み掛ける。なお、ここでいう「食システムの破綻」とは、本書中では明確な定義がないが、サプライチェーンのどこかに問題が起こって、需要を満たすだけの生産ができなくなること、といった意味のようだ。しかし、問題がたくさんあるからといって破綻は間近だと結論づけるのも短絡的であり、これは食システム全体を俯瞰して考えなければならないテーマであるにも関わらず、現在のシステムがうまくやっている点については全く触れず、延々と問題だけを取り上げているのはやや誠実さに欠ける。
しかも、その問題の取り上げ方も、専門家の誰それがこういっている、というような断片的なことがたくさん書かれているだけで、本書中には一つのグラフも表も出てこない。将来を見通すには全体の趨勢を理解するのが大事なのに、事実を経年的に把握するグラフの一つも出さないというのは信頼性に欠ける。要するに、取材の態度が科学的ではなく、ゴシップ的なものと言わざるを得ない。
もちろん、ここで提示されたような問題は、それぞれ事実大きな問題であろうと思う。しかし、食糧危機が間近に迫っているという警告は、それこそ何十年も前から出されているが、これまでのところその予言が外れているところを見ると、ここで挙げられている問題も破綻が不可避なものとは思えない。
例えば、現在は安い価格で大量の食肉が生産されており、これは安価な穀物と補助金に支えられているが、今後新興国の生活水準が上がってきてさらに食肉需要が増大した時、現在の食システムはその需要に応えられないかもしれないと本書は予言する。でもそれが何の問題なんだろうか? 食肉需要が高まって、でも供給がそれに追いつかなかったら、食肉価格が上がるだけのことだろう。要するに価格調整によって需給は調整されるのだから、そこに「破綻」と呼べるほどの問題は起こらない。
もちろん、これまでの先進国はたくさん肉を食べられたのに、これからの先進国はそれほど多くの肉を食べられないというのは不平等ではある。しかし、これは19世紀の先進国は植民地を持てたのに、21世紀の先進国は植民地を持てない、 というのと同じことで、不平等かもしれないがそれを受け入れて社会を構築していけばいいだけのことだし、これは食システムの問題というより、国際的な不均衡の問題、つまり国際政治の話だと思う。
ただし、人口が90億人に達したとき、十分な量の穀物が生産できるのかという点だけは、シンプルなだけに重大深刻な問題で、ここだけは真面目に考究する価値があると思った。ただ、本書においては「既に利用しやすい農地は利用しているし、灌漑用の水も限界まで使っているし、これ以上生産量を増やそうとすれば森林を切り拓くしかないがそれは環境破壊になるし、どうする」みたいなことが定性的に書いてあるだけで、真面目な(定量的・科学的な)考察がない。もう少しデータに裏付けられた分析が必要だと思った。