ブラックスワンというのは、
・予測困難で
・現状を一変させ
・事後的にもっともらしい説明ができる
という現象のことらしい。
個人的にわかりづらかった部分である、ブノワ・マンデルブロを扱ったくだりだけ触れておきたい。
15章では、まずベルカーブが引き合いに出される。そしてそれに続く16章で、マンデルブロのフラクタルと対比される。
ベルカーブというものは、標準偏差を示し、サイコロの目だとか人間の身長、体重などのように、標準値の周辺にデータが集まる世界(=月並みの国)で有効な方法とされている。
というのも、そこでは突発的なデータ(100メートルを超える身長や10トンを超える体重など)はまず観測されないからで、ひとつのデータが標準値を大きく変えてしまう可能性はとても低い。
一方、金融などの世界(=果ての国)では、測定不能な「外れ値」=「ブラックスワン」がたびたび観測される。
タレブが問題にしているのは、ブラックスワンのいる「果ての国」で、標準偏差を使って事象を把握しようとする行為である。
たとえばそのような行為は、「測定不能なもの(不確実性)」を「測定可能なもの(リスク)」として理解させ、もともとあった不確実性は、単純化されたモデルによって覆い隠されてしまう。
本書で繰り返し扱われているように(というかその習性は本書のテーマであるが)人間は誰でもそういったモデルを簡単に受け入れてしまうようにできている。つまり、測定不能な事象を無理やり単純化することで、世界を把握した気にさせる罠(本書がいう「プラトン性」)は日常的にひそんでいる。
最近では、リスク分散された証券化住宅ローンに資金が集中することで起きたリーマンショックがそれである。
また、タレブや、あるいは僕たち自身も、資本主義社会の寵児である銀行家やMBAをこき下ろすのが大好きで、興味深いのは、そういった金融エリートのゴシップには、喜劇性というか、絶妙なカタルシスがあるところだ。そこには「資本家と労働者」みたいな、いかにもという構図はないにしても、かつての階級闘争的カタルシスをなぞるような、ポストモダンな文脈がある気がする。
ところでマンデルブロが提示したのは、そういった「果ての国」を理解する手がかりとしての「フラクタル」という概念である。
「フラクタル」というのは、幾何的に同じパターンがさまざまに異なる尺度(スケールフリー)で繰り返し現れることで、こういうパターンは自己アフィン性を持つとされる。
それはたとえば、「親と子」や「葉脈と樹木の形」が似ているという類似性であり、金融商品の価格変動においても、測定する尺度を変えたとき見出されるパターン(データの増減と超過件数の増減における「べき乗」の関係)に自己アフィン性が見出される。
哲学者が「プラトン性」を打ち砕き、ようやく真理に到達したところ、今度はそれが「プラトン性」の楔となってしまう皮肉なサイクルは、おそらく哲学に限った話ではない。
この「フラクタル」という幾何的概念が、芸術など他の分野に派生し、現代の「プラトン性」に影響を与える。その資本主義の色濃い流れを、自分なりに感じられたようにも思う。
たいへん勉強になった。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質 単行本 – 2009/6/19
ナシーム・ニコラス・タレブ
(著),
望月 衛
(翻訳)
この商品はセット買いができます
ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質 上下巻セット こちらをチェック
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,980","priceAmount":1980.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,980","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"v9Y9rpnN91PI5Mkbb2rQcSOw5%2FSzSn7p36l%2BwITbCSrqy0KvWKahQqs8NZpM7H%2Bq2ErmclOcKIhuIOosdL94cLlC56Hhmr%2FMC4uryj0p0IT%2Btj77jqqyrMySyDQ5ZyWg","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
■人間には不確実性を扱えない根本的欠陥があることを解明!
原書が刊行されたのは2007年4月。前著『まぐれ』同様、発売直後から、人間の思考プロセスに潜む根本的な欠陥を、不確実性やリスクとの関係から明らかにして、経済・金融関係者の話題をさらった。さらに、「サブプライムローン危機」が発生すると、「誰一人予想もしなかったインパクトのある事象」が起こる原因を原理的に明らかにした書として爆発的に読まれ、全米で150万部超の大ヒットを記録している。
■「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。
「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。
■世界の見方を変える書
私たちは自分で思っているほど実際には物事をよくわかっていない、とタレブは言う。彼はそんな現象を長年研究してきた。私たちはどうでもよくて取るに足らないことにばかり気をとられてしまう。そして相変わらず重大な事件に虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく。
本書でタレブは、私たちにはわかっていないとわかっていることのすべてを語る。「ブラック・スワン」に立ち向かい、それを利用できる驚くほど簡単な方法を提示する。本書の衝撃的な内容を読めば、世界の見方は一変するだろう。
■下巻の内容
第2部「私たちには先が見えない」では、将来を扱うときの間違いと一部の「科学」のよく知られていない限界、さらにそうした限界をどう扱うのがいいかを説明する。第3部「果ての国に棲む灰色の白鳥」では極端な現象をさらに深く追究し、ベル型カーブ(壮大な知的サギ)がどんなふうにできているかを説明する。また、自然科学と社会科学の分野で「複雑性」と呼ばれて乱暴にひとくくりにされているアイディアを見ていく。第4部「おしまい」はとても短い。下巻には「用語集」、きわめて詳細な「注解」ならびに「参考文献」を付す。
原書が刊行されたのは2007年4月。前著『まぐれ』同様、発売直後から、人間の思考プロセスに潜む根本的な欠陥を、不確実性やリスクとの関係から明らかにして、経済・金融関係者の話題をさらった。さらに、「サブプライムローン危機」が発生すると、「誰一人予想もしなかったインパクトのある事象」が起こる原因を原理的に明らかにした書として爆発的に読まれ、全米で150万部超の大ヒットを記録している。
■「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。
「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。
■世界の見方を変える書
私たちは自分で思っているほど実際には物事をよくわかっていない、とタレブは言う。彼はそんな現象を長年研究してきた。私たちはどうでもよくて取るに足らないことにばかり気をとられてしまう。そして相変わらず重大な事件に虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく。
本書でタレブは、私たちにはわかっていないとわかっていることのすべてを語る。「ブラック・スワン」に立ち向かい、それを利用できる驚くほど簡単な方法を提示する。本書の衝撃的な内容を読めば、世界の見方は一変するだろう。
■下巻の内容
第2部「私たちには先が見えない」では、将来を扱うときの間違いと一部の「科学」のよく知られていない限界、さらにそうした限界をどう扱うのがいいかを説明する。第3部「果ての国に棲む灰色の白鳥」では極端な現象をさらに深く追究し、ベル型カーブ(壮大な知的サギ)がどんなふうにできているかを説明する。また、自然科学と社会科学の分野で「複雑性」と呼ばれて乱暴にひとくくりにされているアイディアを見ていく。第4部「おしまい」はとても短い。下巻には「用語集」、きわめて詳細な「注解」ならびに「参考文献」を付す。
- ISBN-104478008884
- ISBN-13978-4478008881
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2009/6/19
- 言語日本語
- 寸法13.8 x 2.6 x 19.7 cm
- 本の長さ352ページ
よく一緒に購入されている商品
対象商品: ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
¥1,980¥1,980
最短で6月12日 水曜日のお届け予定です
残り12点(入荷予定あり)
¥1,980¥1,980
最短で6月12日 水曜日のお届け予定です
残り17点(入荷予定あり)
¥2,200¥2,200
最短で6月12日 水曜日のお届け予定です
残り15点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)
文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。トレーディングを行うかたわら、ニューヨーク大学クーラン数理科学研究所で7年にわたり確率論のリスク管理への応用を(客員教授の立場で)教えた。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授として不確実性科学を研究している。前著『まぐれ』は世界30ヵ国語に翻訳されたベストセラーである。主にニューヨーク在住。
訳者:望月衛(もちづき まもる)
大和投資信託(株)審査部。京都大学経済学部卒業、コロンビア大学ビジネススクール修了。CFA、CIIA。投資信託等のリスク管理や金融商品の評価・分析に従事。訳書に『まぐれ』(ダイヤモンド社)、『ヤバい社会学』、『ヤバい経済学』(東洋経済新報社)、『ヘッジホッグ』(日本経済新聞出版社)等がある。
文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。トレーディングを行うかたわら、ニューヨーク大学クーラン数理科学研究所で7年にわたり確率論のリスク管理への応用を(客員教授の立場で)教えた。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授として不確実性科学を研究している。前著『まぐれ』は世界30ヵ国語に翻訳されたベストセラーである。主にニューヨーク在住。
訳者:望月衛(もちづき まもる)
大和投資信託(株)審査部。京都大学経済学部卒業、コロンビア大学ビジネススクール修了。CFA、CIIA。投資信託等のリスク管理や金融商品の評価・分析に従事。訳書に『まぐれ』(ダイヤモンド社)、『ヤバい社会学』、『ヤバい経済学』(東洋経済新報社)、『ヘッジホッグ』(日本経済新聞出版社)等がある。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2009/6/19)
- 発売日 : 2009/6/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 352ページ
- ISBN-10 : 4478008884
- ISBN-13 : 978-4478008881
- 寸法 : 13.8 x 2.6 x 19.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 15,684位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20位経済思想・経済学説 (本)
- - 24位世界の経済事情
- - 27位近代西洋哲学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
116グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
下巻ではタレブの言うところの『ランダム』に関して数学的な説明もされていて面白い。
2016年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
以下のような不確実性の本質を、幾つもの事例を交えて語られており
筆者が不確実性への対策として考えるバーベル戦略が面白いです。
・稀な事象(ブラックスワン)の起こる確率なんて誰にも分かりはしない。
・意思決定は確率よりも影響で考えるべき。
筆者が不確実性への対策として考えるバーベル戦略が面白いです。
・稀な事象(ブラックスワン)の起こる確率なんて誰にも分かりはしない。
・意思決定は確率よりも影響で考えるべき。
2016年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなり否定的なことを書く方が多いのですが。
自分が正しいことを証明するための証拠や状況を自分で勝手に作り出す、いわゆる著者のいう、追認バイアスや後付け講釈を発動しているのだろうと思います。
なぜ、ブラックスワンの現象が起こるのかが理解できましたし、本人が哲学書というのも理解できました。
著者の主観なのでしょうが、たぶん正論だと思います
自分が正しいことを証明するための証拠や状況を自分で勝手に作り出す、いわゆる著者のいう、追認バイアスや後付け講釈を発動しているのだろうと思います。
なぜ、ブラックスワンの現象が起こるのかが理解できましたし、本人が哲学書というのも理解できました。
著者の主観なのでしょうが、たぶん正論だと思います
2019年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブラックスワン上が面白く、引き続き下巻も読みました。
こちらも、上巻と同様に勉強になりました。
今までは『確率分布』のみを学んできた僕にとって、この考え方は
新鮮な感じがしました。
特に、現代において先を読み切ることは不可能、チャレンジが失敗
したときに、どれだけの被害が出るかを予測し、それに対応すること
が必要だと理解しました。
とはいえ、チャレンジ(少なくとも何かをはじめる)はしないと、先に
進まないので、
「出来るだけ数を試す」
「失敗を最小限に抑える」
は心構えにしたいと思います。
こちらも、上巻と同様に勉強になりました。
今までは『確率分布』のみを学んできた僕にとって、この考え方は
新鮮な感じがしました。
特に、現代において先を読み切ることは不可能、チャレンジが失敗
したときに、どれだけの被害が出るかを予測し、それに対応すること
が必要だと理解しました。
とはいえ、チャレンジ(少なくとも何かをはじめる)はしないと、先に
進まないので、
「出来るだけ数を試す」
「失敗を最小限に抑える」
は心構えにしたいと思います。
2015年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブラック・スワンとは何だったのか?
理詰めと皮肉が延々と語られた後の最後のフレーズが心に残りました。
理詰めと皮肉が延々と語られた後の最後のフレーズが心に残りました。
2023年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Pro: 英語で読み始めて難しかったので日本語で読んでいる。分かった範囲では内容も翻訳も驚くほど秀逸。
Con: それでも経済学を勉強してこなかったバーバには難しい。多分3回ほど熟読しないと77歳の頭には理解できないだろう。80歳までにわかるようになると嬉しいが、、、
Con: それでも経済学を勉強してこなかったバーバには難しい。多分3回ほど熟読しないと77歳の頭には理解できないだろう。80歳までにわかるようになると嬉しいが、、、
2010年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は「まぐれ」を書き、全米でベストセラーになった著者、ナシーム・ニコラス・タレブ氏(NNT)によって書かれています。
内容をすべて自分なりにうまく解釈できたわけではないので、あまりここで紹介するのも気が引けるのですが、大学時代の哲学の授業を思い出すような、私個人にとっては哲学書に近い内容のものでした。
ありえないことを黒い白鳥という言葉で表現しているわけですが、本書では月並みの国と果ての国という言葉を利用することにより、不確実性に対して彼の理論を展開していきます。
特に著者がプロのオプショントレーダーであり、そういう意味では実践家であるということもあり、机上の理論とそれを超える予想外の出来事に関して、現在の標準偏差的考えや大きな意味での統計学に至るまでを徹底的に粉砕していくところが豪快でした。
そういう果ての国での出来事を理解し、ありえないことが特に昨今の時代では起こる可能性が増幅しているということを改めて教えられたような気がします。デイトレーダーをしているとたまにグサッと心に突き刺さる時もありますので、リスクを過小評価しているトレーダーには良い説教本になるのではないかと思います。(自分も含めて)
個人的にもっとも印象に残ったのは、七面鳥のお話でした。
どんなお話か?
それは是非読んでみてください。
内容をすべて自分なりにうまく解釈できたわけではないので、あまりここで紹介するのも気が引けるのですが、大学時代の哲学の授業を思い出すような、私個人にとっては哲学書に近い内容のものでした。
ありえないことを黒い白鳥という言葉で表現しているわけですが、本書では月並みの国と果ての国という言葉を利用することにより、不確実性に対して彼の理論を展開していきます。
特に著者がプロのオプショントレーダーであり、そういう意味では実践家であるということもあり、机上の理論とそれを超える予想外の出来事に関して、現在の標準偏差的考えや大きな意味での統計学に至るまでを徹底的に粉砕していくところが豪快でした。
そういう果ての国での出来事を理解し、ありえないことが特に昨今の時代では起こる可能性が増幅しているということを改めて教えられたような気がします。デイトレーダーをしているとたまにグサッと心に突き刺さる時もありますので、リスクを過小評価しているトレーダーには良い説教本になるのではないかと思います。(自分も含めて)
個人的にもっとも印象に残ったのは、七面鳥のお話でした。
どんなお話か?
それは是非読んでみてください。