本書を読む以前、
「資源は有限である。」
こう言われれば、何をそんな当たり前のことを今更、と思っていた。
地球が温暖化?そんなの知ったこっちゃない、温度が数度上がったところで自分の生活に何の影響が?
呑気に毎日生きていた。
読み終わり、見事に絶望を感じた。自分がいかに環境ボケしていたか、世界を見ていなかったか衝撃を受けた。
「経済発展」「社会貢献」こういった言葉・発展は全て「人類」の利益の為だけのものであり、
それを言い訳に私たちは、やりたい放題やっているただの思春期の悪ガキだと愕然とした。
「もっと〜したい、〜ができるようになればいいのに」誰でも思う悪気のない欲求は、限りなく続きどこに行き着くのか。
地球は温暖化しているのかどうか、これは重要な問題であるし、何年にも渡り、数えきれない研究が今も繰り広げられている。
しかし、本質はそこではないと私は思う。
地球の温度が上がっていなければ私たちは何をしてもいいのか?、と。
大量に食料を作り、全てを食べることなく捨て、食べすぎて太り、森を壊し、生態系を壊し、水を大量に使い続ける。
人間の発展にしか目を向けない社会を作ることは、将来人間に破壊と滅亡と餓えと戦いが生まれるのだと、本気で危機感を感じることができた。
人間の活動のせいで地球の温度が上がっているかどうかを議論する前に、もっと大事なことがあると気づかせてくれた。
私の生活は、人間以外の資源で成り立っていることを気づかせてくれた。
世間知らずの22才の若者である私が、解決は口で言うほど簡単ではないことは百も承知で、
「環境問題の解決をもって、平和問題も解決する。」
そんな世の中にしたい。
そして、ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領のスピーチ。
「かつての賢人たち、エピクロスやセネカ、アイマラ人たちは次のように言っています。
”貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人のことだ”と」
最後に、ワールドウォッチ研究所をご退任されたブラウン氏に敬意を込めて。
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地球に残された時間 80億人を希望に導く最終処方箋 単行本(ソフトカバー) – 2012/2/3
私たちが直面している難題ほど複雑で規模が大きく、切迫しているものに対峙したことのある世代は、これまでにない。
だが、希望はある。希望がなければ、本書は存在していなかっただろう。「私たちには、『何をすべきか』も、そして『どのようにすべきか』もわかる」と我々は思っている。
(「序文」より)
■ 1.5個の地球を用意することはできるのだろうか?
2007年の段階ですでに、人間は地球の再生能力をもって持続可能に得られるものを50%も上回った要求をしている、という調査結果(「第一章 行き過ぎた消費が支える経済成長」参照)が示されています。つまり、継続的発展のためには1.5個の地球が必要ということであり、環境的な視点で見ると、現在の方法での発展は事実上不可能であることは明白と言えます。語る語彙さえ見つからない想像を絶する事態を回避し、文明的な生活を続けるためにも、環境問題の解決に向けた歩みを一人ひとりが今すぐに進めなければなりません。
■ 危機に瀕しているのは「人類の未来」ではなく「私たちの未来」
本書で語られている内容は、漠然とした「人類の未来」ではなく、家族、友人、そして私たち自身に問われている課題です。子どもの世代で解消すべきだと思われていた赤字のツケは、もはや我々の世代で解決しなければなりません。地球に残された正確な時間を計ることはできませんが、一刻の猶予もないことは確かであり、希望の未来を選択するのであれば、立ち戻るべきときはまさに今しかないのです。
■ 日本は新しいエネルギーの進路をきめるとき
大変な惨状をもたらした東日本大震災によって、日本の政策にも大きな転換が求められることになりました。本書の第六章では環境難民という新しい難民が定義づけられており、そのなかには「放射能難民」という言葉(「第六章 放射能による難民の出現」参照)が登場しています。レスター氏は、あらゆるコストを考えると原子力発電は経済的でないと以前から指摘していました。日本も、風力、太陽、そして豊富な地熱といった再生可能エネルギー源への移行が迫られているのです。
だが、希望はある。希望がなければ、本書は存在していなかっただろう。「私たちには、『何をすべきか』も、そして『どのようにすべきか』もわかる」と我々は思っている。
(「序文」より)
■ 1.5個の地球を用意することはできるのだろうか?
2007年の段階ですでに、人間は地球の再生能力をもって持続可能に得られるものを50%も上回った要求をしている、という調査結果(「第一章 行き過ぎた消費が支える経済成長」参照)が示されています。つまり、継続的発展のためには1.5個の地球が必要ということであり、環境的な視点で見ると、現在の方法での発展は事実上不可能であることは明白と言えます。語る語彙さえ見つからない想像を絶する事態を回避し、文明的な生活を続けるためにも、環境問題の解決に向けた歩みを一人ひとりが今すぐに進めなければなりません。
■ 危機に瀕しているのは「人類の未来」ではなく「私たちの未来」
本書で語られている内容は、漠然とした「人類の未来」ではなく、家族、友人、そして私たち自身に問われている課題です。子どもの世代で解消すべきだと思われていた赤字のツケは、もはや我々の世代で解決しなければなりません。地球に残された正確な時間を計ることはできませんが、一刻の猶予もないことは確かであり、希望の未来を選択するのであれば、立ち戻るべきときはまさに今しかないのです。
■ 日本は新しいエネルギーの進路をきめるとき
大変な惨状をもたらした東日本大震災によって、日本の政策にも大きな転換が求められることになりました。本書の第六章では環境難民という新しい難民が定義づけられており、そのなかには「放射能難民」という言葉(「第六章 放射能による難民の出現」参照)が登場しています。レスター氏は、あらゆるコストを考えると原子力発電は経済的でないと以前から指摘していました。日本も、風力、太陽、そして豊富な地熱といった再生可能エネルギー源への移行が迫られているのです。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2012/2/3
- 寸法13.3 x 2.6 x 18.8 cm
- ISBN-104478017735
- ISBN-13978-4478017739
商品の説明
著者について
【著者】
レスター・R・ブラウン Lester R. Brown
アース・ポリシー研究所所長。
1934年、ニュージャージー州生まれ。ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学・行政学を修め、米国農務省では国際農業開発局長を務める。およそ30年前から“環境的に持続可能な発展”の概念を生み出す先駆者として活躍し、ワシントン・ポスト紙では「世界で最も影響力のある思想家の一人」と評された。
1974年に「ワールド・ウォッチ研究所」を創立し、最初の26年間は所長を務める。2001年には、学際的な非営利研究機関「アース・ポリシー研究所」を設立。文明を持続させるための計画策定、および達成までのロードマップの提示を目指している。
1987年の国連環境賞、89年の世界自然保護基金(WWF)ゴールド・メダル、94年の旭硝子財団ブループラネット賞などをはじめ、数多くの受賞歴を持ち、また25の名誉学位を授かる。
著者・共著者として多数の書籍を刊行しており、その著作は40カ国語以上に翻訳されている。
【訳者】
枝廣淳子(えだひろ じゅんこ)
環境ジャーナリスト、翻訳家。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、NGOジャパン・フォー・サステナビリティ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長。福田・麻生内閣「地球温暖化問題に関する懇談会」委員、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員などを務める。
講演、執筆、翻訳等の活動を通じて「伝えること、つなげること」でうねりを広げつつ、変化を創り出し広げるしくみづくりを研究。所長を務める「幸せ経済社会研究所」<http://www.ishes.org/>では、本当の幸せを経済や社会との関わりで学び、考え、対話する研究会などを開催している。
主な著訳書に、『エネルギー危機からの脱出』(講談社)、『「エコ」を超えて―幸せな未来のつくり方』(海象社)、『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)、『地球のなおし方』『成長の限界 人類の選択』(以上、ダイヤモンド社)、など多数。
中小路佳代子(なかこうじ かよこ)
津田塾大学学芸学部英文学科卒。ビジネス・経済分野の翻訳から、現在は主に環境分野の翻訳を手がける。
主な訳書に、『グッド・ニュース――持続可能な社会はもう始まっている』(ナチュラルスピリット)、『学習する組織』『ゼロから考える経済学』(以上、英治出版)、『身の回りの有害物質徹底ガイド』『フード・インク ごはんがあぶない』(以上、武田ランダムハウスジャパン)、などがある。
レスター・R・ブラウン Lester R. Brown
アース・ポリシー研究所所長。
1934年、ニュージャージー州生まれ。ラトガーズ大学、ハーバード大学で農学・行政学を修め、米国農務省では国際農業開発局長を務める。およそ30年前から“環境的に持続可能な発展”の概念を生み出す先駆者として活躍し、ワシントン・ポスト紙では「世界で最も影響力のある思想家の一人」と評された。
1974年に「ワールド・ウォッチ研究所」を創立し、最初の26年間は所長を務める。2001年には、学際的な非営利研究機関「アース・ポリシー研究所」を設立。文明を持続させるための計画策定、および達成までのロードマップの提示を目指している。
1987年の国連環境賞、89年の世界自然保護基金(WWF)ゴールド・メダル、94年の旭硝子財団ブループラネット賞などをはじめ、数多くの受賞歴を持ち、また25の名誉学位を授かる。
著者・共著者として多数の書籍を刊行しており、その著作は40カ国語以上に翻訳されている。
【訳者】
枝廣淳子(えだひろ じゅんこ)
環境ジャーナリスト、翻訳家。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。
幸せ経済社会研究所所長、有限会社イーズ代表、NGOジャパン・フォー・サステナビリティ代表、有限会社チェンジ・エージェント会長。福田・麻生内閣「地球温暖化問題に関する懇談会」委員、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員などを務める。
講演、執筆、翻訳等の活動を通じて「伝えること、つなげること」でうねりを広げつつ、変化を創り出し広げるしくみづくりを研究。所長を務める「幸せ経済社会研究所」<http://www.ishes.org/>では、本当の幸せを経済や社会との関わりで学び、考え、対話する研究会などを開催している。
主な著訳書に、『エネルギー危機からの脱出』(講談社)、『「エコ」を超えて―幸せな未来のつくり方』(海象社)、『不都合な真実』(武田ランダムハウスジャパン)、『地球のなおし方』『成長の限界 人類の選択』(以上、ダイヤモンド社)、など多数。
中小路佳代子(なかこうじ かよこ)
津田塾大学学芸学部英文学科卒。ビジネス・経済分野の翻訳から、現在は主に環境分野の翻訳を手がける。
主な訳書に、『グッド・ニュース――持続可能な社会はもう始まっている』(ナチュラルスピリット)、『学習する組織』『ゼロから考える経済学』(以上、英治出版)、『身の回りの有害物質徹底ガイド』『フード・インク ごはんがあぶない』(以上、武田ランダムハウスジャパン)、などがある。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2012/2/3)
- 発売日 : 2012/2/3
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 320ページ
- ISBN-10 : 4478017735
- ISBN-13 : 978-4478017739
- 寸法 : 13.3 x 2.6 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 831,683位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,356位都市開発・都市問題 (本)
- - 1,409位環境・エコロジー (本)
- - 77,953位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月21日に日本でレビュー済み
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哲人グラムシは、「認識においては悲観主義者であれ、意志においては楽観主義者であれ!」と述べたことがある。全く、その通りであると思った。
2013年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本政府もマスコミも「人類の危機が迫っている」という極めて重要な問題を国民に知らせない。私が環境ボランティアで地球温暖化について勉強していた頃(2006~2008年)、「人類の危機が迫っている」ということをレスター・R・ブラウンに教えてもらいました。それが現在どうなっているかと思っていたら『地球に残された時間』が出版されたのでさっそく読んでみたら6年前よりはるかに深刻な事態になっていました。ただ、6年前には危機は避けられないと思っていたのが危機を避ける可能性があるということが理解できたのが収穫でした。しかし、そのためには人類全員が一丸となって真剣に努力しなければならないのが難しいと思います。特に日本政府のように危機の実態を国民に知らせないのはけしからぬことで、どうしたらいいか悩んでいます。私は6年前に老化現象が極端にひどくなり現在は一切の社会的活動を引退しているので、できるだけ多くの人にレスター・R・ブラウンの本を読むように勧めるのと、本の概略メモをMailで送ることをしています。
2012年3月18日に日本でレビュー済み
人類が直面している危機(地球温暖化、穀物危機、貧困の増加、人口の増加等)を具体的に解明し、その処方箋が書かれている。アメリカの軍事予算の20数パーセントをその処方箋の実施に使えば問題は解決できる。一読の価値があるいい本だ。
2012年7月27日に日本でレビュー済み
パリ市内では、市がレンタル自転車のシステムを提供している。市内に約1750箇所ある駐輪ステーションで、2万4000台の自転車が利用できる。レンタル料金は1日で1ドル程度で、年間契約だと40ドル程度である。しかし、30分未満の使用なら無料になっている。
アメリカの大学では、駐車場の維持管理コスト削減のため、学生に自転車の使用をうながす制度を導入しているところもある。シカゴのセント・ザビエル大学では、2008年秋から、学生同士で自転車をシェアする制度を導入した。アトランタにあるエモリー大学では、無料の自転車シェア制度を始めた。ウィスコンシン州のリポン大学やメイン州のニューイングランド大学では、自宅に車を置いてくることに同意した新入生に、自転車を1台プレゼントする制度がある。
トウモロコシなどの作物からエタノール燃料を抽出するのは効率的ではない。トウモロコシ由来のエタノールでも、太陽エネルギーのうち利用可能な形に変換できる割合は0.5%に過ぎない。一方、太陽光発電や太陽熱発電は、太陽光の約15%を電力に変換できる。また、単位面積あたりの電力生産額で比較すると、トウモロコシは風力発電の300分の1以下である。
現在、世界各国が化石燃料の使用に対して拠出している補助金の総額は、年間約5000億ドルである。一方で、再生可能エネルギーへの補助金は年間460億ドルに過ぎない。
現在、世界で約5000の海洋保護区が設けられているが、その面積は世界の海洋の1%にも満たない。さらに、その保護区のうち、漁業が禁止されているのは12.8%しかない。このような海洋保護区ができれば、海洋生物の数はすぐに回復する。アメリカ東部のニューイングランド沖では、漁業者は保護区の設置に反対だったが、現在では保護区を大いに支持している。保護区を設置して以降、ここで捕れるフエダイの個体数が40倍に増加したからである。また、同じく東部のメイン湾で保護区を設置して漁業を禁止したところ、5年後にはホタテの個体数が14倍にも増えた。
1974年、メキシコの全国ネットのテレビ局であるテレビザで、読み書きのできない主人公を描いたドラマが放送された。このドラマの中で、この主人公は識字教育が受けられる学校を訪れるシーンがあった。すると、この放送の翌日、首都メキシコシティにある識字教育のオフィスに25万人の市民が押しかけた。このドラマの影響で、最終的には84万人ものメキシコ人が読み書きを勉強するため講座を受講した。この啓蒙手法にヒントを得た同テレビ局では、その後に「ついておいで」という名の連続ドラマを放送して、避妊をテーマにした。その結果、その後10年間でメキシコの出生率は34%も低下した。
米アイオワ州で消費されている農作物を調査したところ、ここで消費される農作物は平均で原産地から2400キロメートル離れていることが判明した。これには輸入品は含まれていない。一方で、地元産の農作物は、平均で約90キロしか運ばれていないことが判明した。また、カナダのオンタリオ州では、58品目の農作物の平均移動距離は約4500キロだった。
ハーバード大学の経済学部教授のN・グレゴリー・マンキューが提唱する課税方法。所得税を減税してガソリン税を引き上げれば、経済成長を加速させ、交通渋滞を緩和し、道路の安全性が向上でき、地球温暖化のリスクを軽減できる。これらの全てが長期的な政府の支出削減を実現できる。これこそ、経済学で言う「フリーランチ」に最も近い形である。
国際技術評価センターの試算によれば、ガソリンにかかる間接的なコスト(気候変動、石油業界への優遇税制、軍隊による石油供給の防衛、補助金、原油流出、自動車の排気ガスによる健康疾患など)を全て足すと、ガソリン1リットル当たり約3.2ドルになる。これがガソリンの本当の社会的コストである。
アメリカの大学では、駐車場の維持管理コスト削減のため、学生に自転車の使用をうながす制度を導入しているところもある。シカゴのセント・ザビエル大学では、2008年秋から、学生同士で自転車をシェアする制度を導入した。アトランタにあるエモリー大学では、無料の自転車シェア制度を始めた。ウィスコンシン州のリポン大学やメイン州のニューイングランド大学では、自宅に車を置いてくることに同意した新入生に、自転車を1台プレゼントする制度がある。
トウモロコシなどの作物からエタノール燃料を抽出するのは効率的ではない。トウモロコシ由来のエタノールでも、太陽エネルギーのうち利用可能な形に変換できる割合は0.5%に過ぎない。一方、太陽光発電や太陽熱発電は、太陽光の約15%を電力に変換できる。また、単位面積あたりの電力生産額で比較すると、トウモロコシは風力発電の300分の1以下である。
現在、世界各国が化石燃料の使用に対して拠出している補助金の総額は、年間約5000億ドルである。一方で、再生可能エネルギーへの補助金は年間460億ドルに過ぎない。
現在、世界で約5000の海洋保護区が設けられているが、その面積は世界の海洋の1%にも満たない。さらに、その保護区のうち、漁業が禁止されているのは12.8%しかない。このような海洋保護区ができれば、海洋生物の数はすぐに回復する。アメリカ東部のニューイングランド沖では、漁業者は保護区の設置に反対だったが、現在では保護区を大いに支持している。保護区を設置して以降、ここで捕れるフエダイの個体数が40倍に増加したからである。また、同じく東部のメイン湾で保護区を設置して漁業を禁止したところ、5年後にはホタテの個体数が14倍にも増えた。
1974年、メキシコの全国ネットのテレビ局であるテレビザで、読み書きのできない主人公を描いたドラマが放送された。このドラマの中で、この主人公は識字教育が受けられる学校を訪れるシーンがあった。すると、この放送の翌日、首都メキシコシティにある識字教育のオフィスに25万人の市民が押しかけた。このドラマの影響で、最終的には84万人ものメキシコ人が読み書きを勉強するため講座を受講した。この啓蒙手法にヒントを得た同テレビ局では、その後に「ついておいで」という名の連続ドラマを放送して、避妊をテーマにした。その結果、その後10年間でメキシコの出生率は34%も低下した。
米アイオワ州で消費されている農作物を調査したところ、ここで消費される農作物は平均で原産地から2400キロメートル離れていることが判明した。これには輸入品は含まれていない。一方で、地元産の農作物は、平均で約90キロしか運ばれていないことが判明した。また、カナダのオンタリオ州では、58品目の農作物の平均移動距離は約4500キロだった。
ハーバード大学の経済学部教授のN・グレゴリー・マンキューが提唱する課税方法。所得税を減税してガソリン税を引き上げれば、経済成長を加速させ、交通渋滞を緩和し、道路の安全性が向上でき、地球温暖化のリスクを軽減できる。これらの全てが長期的な政府の支出削減を実現できる。これこそ、経済学で言う「フリーランチ」に最も近い形である。
国際技術評価センターの試算によれば、ガソリンにかかる間接的なコスト(気候変動、石油業界への優遇税制、軍隊による石油供給の防衛、補助金、原油流出、自動車の排気ガスによる健康疾患など)を全て足すと、ガソリン1リットル当たり約3.2ドルになる。これがガソリンの本当の社会的コストである。
2012年9月13日に日本でレビュー済み
気候変動、食糧、水、燃料などなど、問題山積みの世界。
どんな環境にして、どんな生活をおくればよいのか。
そんなことが、つらつらと書かれている。
いずれにしても、戦時下のように迅速に動けとのこと。
ちょっと驚いたのは、サウジアラビアの穀物収穫量の話。
補充されることのない地下の化石帯水層の水を使いすぎて、枯渇させてしまったために、300万トンあった穀物の収穫量がゼロに近づいているという。
人口が多く、食糧を大量に消費する国で同じようなことがあったらと考えるとぞっとする。
笑ってしまった話がひとつ。
公共の交通機関を活用するという話で、日本の高速鉄道が、到着時刻の遅延は平均6秒だと紹介されていた。
そして、現代世界の7不思議の一つだとも・・・
そんなに不思議なのか?
エコに関する本はいろいろあるけれど、いろんな人が様々な切り口で話をしているので、どれを読んでも面白い。
「世界が日本のことを考えている」もあわせて読んでみると良いかも。
京都議定書から始まって、昨年の原発事故、今日は首相が「2030年代に原発ゼロ」なんて事を言い始めた。
日本でも、環境への意識が少しづつ高まっていると感じるけれど、俺自身『環境は気をつけなきゃいけないもの』と気付いたのはいつからだろう。
オヤジの本棚にあった「成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート」を読んだ時からだろうか?
今思えば、先見の明があったんだね、ローマクラブってとこは。
本に書かれている状態から、いくらかでも良いほうへ進んでいるのだろうかねぇ。
どんな環境にして、どんな生活をおくればよいのか。
そんなことが、つらつらと書かれている。
いずれにしても、戦時下のように迅速に動けとのこと。
ちょっと驚いたのは、サウジアラビアの穀物収穫量の話。
補充されることのない地下の化石帯水層の水を使いすぎて、枯渇させてしまったために、300万トンあった穀物の収穫量がゼロに近づいているという。
人口が多く、食糧を大量に消費する国で同じようなことがあったらと考えるとぞっとする。
笑ってしまった話がひとつ。
公共の交通機関を活用するという話で、日本の高速鉄道が、到着時刻の遅延は平均6秒だと紹介されていた。
そして、現代世界の7不思議の一つだとも・・・
そんなに不思議なのか?
エコに関する本はいろいろあるけれど、いろんな人が様々な切り口で話をしているので、どれを読んでも面白い。
「世界が日本のことを考えている」もあわせて読んでみると良いかも。
京都議定書から始まって、昨年の原発事故、今日は首相が「2030年代に原発ゼロ」なんて事を言い始めた。
日本でも、環境への意識が少しづつ高まっていると感じるけれど、俺自身『環境は気をつけなきゃいけないもの』と気付いたのはいつからだろう。
オヤジの本棚にあった「成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート」を読んだ時からだろうか?
今思えば、先見の明があったんだね、ローマクラブってとこは。
本に書かれている状態から、いくらかでも良いほうへ進んでいるのだろうかねぇ。
2012年4月21日に日本でレビュー済み
文明の持続可能性について多くの警鐘を鳴らし続けてきた著者による最後の処方箋とも言うべき本。
表題(原題はWorld on the edge)にその思いが強く表れており、世界はもはや崖っぷちに立たされているとして、大きな懸念を表明している。
前半では、帯水層までも消費しつくすことによる水資源の枯渇、過放牧による土壌の侵食と砂漠化、地球温暖化に伴う穀物収穫の減少、環境難民の出現、破綻国家の台頭などいま進行しつつある多くの問題を指摘する。
そして、後半ではこれら持続不可能な資源の過消費によって破滅への道を突き進む現代社会へのプランBである処方箋を提示する。
その中でも印象深いのは、日本が多く登場するところである。
家電製品の省エネ技術を推し進める日本のトップランナー方式。都市間移動を超高速鉄道で多くの人々を正確に運ぶ新幹線。プラグインハイブリッド車や電気自動車の開発。LED電球、コメの単位あたり収穫量の極大化、そして古くから地熱発電を開発してきた国。
などなど、著者によれば、日本はプランBに最も近い国という位置づけになりそうである。
最後に著者が紹介するエクソン社の副社長の言葉が印象深い。
「社会主義は崩壊した。市場に経済の真実を語らせないためだ。資本主義は崩壊するかもしれない。市場に生態系の真実を語らせないためだ。」
そして著者は言う。
「エンロンは費用を簿外処理する巧妙なやり方を編み出していた。私たちは今、まさに同じ事をしている。ただし、地球全体でそうしているのだ。」
表題(原題はWorld on the edge)にその思いが強く表れており、世界はもはや崖っぷちに立たされているとして、大きな懸念を表明している。
前半では、帯水層までも消費しつくすことによる水資源の枯渇、過放牧による土壌の侵食と砂漠化、地球温暖化に伴う穀物収穫の減少、環境難民の出現、破綻国家の台頭などいま進行しつつある多くの問題を指摘する。
そして、後半ではこれら持続不可能な資源の過消費によって破滅への道を突き進む現代社会へのプランBである処方箋を提示する。
その中でも印象深いのは、日本が多く登場するところである。
家電製品の省エネ技術を推し進める日本のトップランナー方式。都市間移動を超高速鉄道で多くの人々を正確に運ぶ新幹線。プラグインハイブリッド車や電気自動車の開発。LED電球、コメの単位あたり収穫量の極大化、そして古くから地熱発電を開発してきた国。
などなど、著者によれば、日本はプランBに最も近い国という位置づけになりそうである。
最後に著者が紹介するエクソン社の副社長の言葉が印象深い。
「社会主義は崩壊した。市場に経済の真実を語らせないためだ。資本主義は崩壊するかもしれない。市場に生態系の真実を語らせないためだ。」
そして著者は言う。
「エンロンは費用を簿外処理する巧妙なやり方を編み出していた。私たちは今、まさに同じ事をしている。ただし、地球全体でそうしているのだ。」