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ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる 単行本 – 2002/5/24
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時代の変化をいち早く見抜き、鋭い洞察力で描く、待望の書き下ろし最新作。
『断絶の時代』から三五年。ふたたび世界は大きく変貌を遂げようとしている。これまでは経済が社会を動かす原動力だったが、これからは社会の変化が経済を大きく変える。本書は、そうした変化によってどんな時代がやってくるのか、その様相を描いたものである。
ビジネス界にとって最も大きい変化とは、「若年人口の減少」「労働力人口の多様化」「製造業の地位の変化」の三つの変化がもたらす構造変化である。
「若年人口の減少」は、たんに労働力人口の不足を招くだけでなく、旧来の「市場」「マーケティング」の意味を根本から変える。正社員が減り、それ以外の雇用形態が大幅に増える「労働力人口の多様化」によって、企業の形そのものが大きく変わる。あるいは、富と雇用の生み手としての製造業は、その地位の変化によって、もはや経済の唯一の主役ではなくなる。さらに、ドラッカーが説いてやまない知識労働者の台頭が明らかになってきた。
これらの変化が織り成す次の社会は、いったいどのようなものになるのか。世界は、いまなお混沌と急激な変化の中にあるが、大きな流れは見えてきた。
経済とともに社会のイノベーションを必要としている日本にとって、本書が投げかけるメッセージの意義は大きい。ビジネスに携わるすべての人に読んでもらいたい書である。
- ISBN-104478190453
- ISBN-13978-4478190456
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2002/5/24
- 言語日本語
- 本の長さ320ページ
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商品の説明
商品説明
本書の中でドラッカーは、今日の先進国に共通する問題である少子高齢化のインパクトと、それに応じた雇用・マネジメントの変化について論じている。来るべき未来に対応するために、企業の雇用はどうあればいいのか、さまざまな雇用形態が入り乱れるなかで、マネジメントはどのようになされるべきなのか、個人はどのようにキャリアを磨いていけばよいのか、興味深い議論が展開されている。過去の人口ピラミッドの変化に触れながらこれからの社会を予見したり、また産業革命当時のヨーロッパを振り返りながらIT革命の本質について論じたりする部分には、ドラッカーの歴史観が表れていて読みごたえがある。
本書はまた、トップマネジメントやビジネスパーソンへの啓蒙という意味でも価値がある。トップを含む知識労働者の資質や教育、雇用、評価の方法など、知識社会で働くすべての人に欠かせない視点が提供されており、さらに、資本主義の原則では実現できない個人の豊かさについても言及している。本書で示されているドラッカーの歴史的視点からは、多くのヒントを学び取ることができる。(土井英司)
メディア掲載レビューほか
社会と経済の行く末を鋭い視点で問い続けるドラッカー教授の最新著作。変化する雇用構造、少子高齢化、情報技術(IT)の浸透、斬新な起業家精神の勃興などを軸に、今後出現する「異質なる社会」について解説する。
新たな社会では、トップマネジメントが変わるという。組織には経済機関、人的機関、社会機関の3つの側面があり、米国の「株主主権モデル」は経済的側面を、日本の「会社主義モデル」は人的側面を重視しすぎていたと指摘。また、ドイツに象徴された「社会市場経済モデル」も、社会を安定させられなかったと分析する。
新たな社会においては、それら3つの側面をバランスよく制御することで社会的な正統性を勝ち得た組織だけが生き残るという。そうした意思決定を行うトップマネジメントこそが優れた企業の条件であり、他の経済活動はすべてアウトソーシング可能だとまで言い切る。雇用の変化では、知識労働者を「(知識を売買する)新種の資本家」と位置づけ、特徴を詳しく説く。
日本社会の劇的な改革を望む機運に関しては注意を促す。官僚機構が腐敗の象徴とされているが、先送り主義や天下りは、「悪」どころか有効な場合も多いとする。次の社会でも官僚に代わるリーダーはいないと結ぶ。
(日経ビジネス 2002/06/10 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
著者について
米クレアモント大学院大学教授。ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家として知られる。九二歳の現在も、大学教授、コンサルタント、執筆活動に活躍している。
訳者 上田惇生
ものつくり大学教授。ドラッカー著作のほとんどを翻訳
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2002/5/24)
- 発売日 : 2002/5/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4478190453
- ISBN-13 : 978-4478190456
- Amazon 売れ筋ランキング: - 138,044位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 826位経済学 (本)
- - 835位その他の経営理論関連書籍
- - 4,956位ビジネス実用本
- カスタマーレビュー:
著者について
ピーター・F・ドラッカー
Peter F. Drucker
1909年11月19日-2005年11月11日
1909年、オーストリア・ウィーン生まれ。フランクフルト大学卒業後、経済記者、論説委員をつとめる。1933年ナチス・ドイツの不興を買うことを承知の論文を発表して、ロンドンへ移住。マーチャントバンクでアナリストをつとめた後、37年渡米。ニューヨーク大学教授などを経て、71年、ロサンゼルス近郊のクレアモント大学院大学教授に就任、以降この地で執筆と教育、コンサルティング活動を続けた。
ファシズムの起源を分析して、イギリスの後の宰相ウィンストン・チャーチルの絶賛をうけた処女作『「経済人」の終わり』、GMのマネジメントを研究した『企業とは何か』をはじめ、40冊近い膨大な著作群は、「ドラッカー山脈」とも呼ばれる。
ドラッカー教授の専門領域は、政治、行政、経済、経営、歴史、哲学、心理、文学、美術、教育、自己実現など多方面にわたっており、さまざまな分野に多大な影響を及ぼした。
東西冷戦の終結、高齢化社会の到来、知識社会への転換といった社会の根源的な変化をいち早く示した現代社会最高の哲人であるとともに、マネジメントの体系を確立し、「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」などマネジメントスキルのほとんどを生み出したマネジメントの父である。
GEのジャック・ウェルチ、P&Gのアラン・ラフリーなど、ドラッカー教授を師と仰ぐ世界的経営者は多い。『エクセレント・カンパニー』のトム・ピータース、『ビジョナリー・カンパニー』のジム・コリンズといった著名な著述家たちも、ドラッカー教授の薫陶を受けている。
親日家としても知られる。1934年、ロンドンの街角で雨宿りに偶然入った画廊で目にした日本画の虜となり、室町水墨画などのコレクションを有する。
2005年、あと8日で96歳の誕生日を迎えるという日に永眠。「20世紀の知的巨人」「マネジメントの父」など、ドラッカー教授を称する言葉はたくさんあるが、本人は自らを社会生態学者と規定した。
生涯を通じた最大の関心事は「社会的存在としての人間の自由と平等」であり、そのために社会、組織、企業はどうあるべきか、一人ひとりの人間は何をなすべきかを問い続けた。その思想は、モダン(近代合理主義)を超えて、21世紀を支配するポストモダンの旗手である。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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基本的に同じ趣旨を展開している。
【要旨】
われわわれは今、転換の真っ只中にある。
ドラッカーは、経営や経済分野での豊富な経験と、広範な歴史的知識に裏付けされた
パースペクティブの中で、この転換を的確に捉え、描写して見せる。
そして、この転換の後に来るべき「ネクスト・ソサエティ」に備えよと訴えかける。
それは、大企業のトップマネジメントに対してのみならず、働く人一人ひとりに対しでである。
なぜなら、「ネクスト・ソサエティ」の到来は社会を根本的に変化させ、
そこで働く人たちの役割を規定していくからである。
ここでいわれる転換とは何か?
すでに起こっているIT革命であり、インターネットの普及である。
これらの登場によって、経済や社会のありようが大きく変わる。
それは、200年前の第1次産業革命や第2次産業革命における変化と同様である。
とりわけ、鉄道や電報の登場といった第2次産業革命は人々の世界観を変え、社会を変えた。
現在のインターネットの普及はそれに相当するものと考えられる。
しかし、これらの変化も大きな社会的変化の要因の一つにすぎない。
ほかにも、若年人口の減少、労働力人口の多様化、製造業の変身、
企業とそのトップマネジメントの機能などの変容がある。
これらの転換によって導かれるものは、過去の産業革命の場合がそうであったように、
新たな制度、新たな理念、新たなイデオロギー、新たな問題の誕生につながってゆく。
急激な変化と乱気流の時代にあっては、個々の変化に振り回されることなく、
大きな流れを知り、基本に従わなければならない。
第2次大戦後、1990年代までは経済と技術の変化が著しく、社会は安定していた。
しかし、これからの時代、組織や一人ひとりの成功と失敗にとって、
経済の変化よりも社会の変化の方が重要な意味をもつにいたった。
この社会の変化を好機とするためにも、「ネクスト・ソサエティ」の様相を理解し、
自らの戦略とすることが不可欠である。
【感想】
「ネクスト・ソサエティ」の方が、企業の事例でアマゾンが登場したり、日本の事が
さらにたくさんでてくるのでなじみやすいかもしれない。
しかし、4部構成で21の論文で成り立っており、この点が体系的に書かれた「ポス知資本主義社会」
と違っている。
個人的には、後者の方が理解しやすかった。
マネージャーなどのリーダー層が今後の世界を予測するのに自社のこれからの事業の在り方をどうすべきか、今後の指針の一つとして手に取るべきなのは言うに及ばず、社会を動かしたい人がこれからの時代をどのように生きていけば良いか参考にする上で是非読んでおくべき。
でも多少の実践者ならすごく為になると思います
まだ読んでいる途中ですが、世界の経済の出来事を復習しながら理解が深まっています。
全て実現しているか、実現しつつあります。
幅広く、奥深く、遠くを見、かつ現実を直視しているこの観察眼を、
私たちも見習う必要があると思います。
現実を近視眼的にしか見られないと、将来を見間違えます。
また将来だけを見ようとしても、現実とのギャップを見失います。
惜しい人を亡くしましたが、この知恵を引き継がなければなりません。
なお、本書で述べられていることの先は誰にもわかりません。
更に、本書が社会にどのような影響を与えるかも誰にもわかりません。
本書の記述内容を盲信するのではなく、その観察眼を学ぶことが重要だと思います。
未来は予測不可能なのですし、一つの方向に収束するわけではありませんので、
何が起きているのか、起きようとしているのか、を見つめる必要があるでしょう。
2002年読了
あれ以来、日本では想像もできない規模とレベルで静かにイノベーションが始まりまっています。今までの歴史で経験したことのない自発的な未来創造型の驚愕の無数の技術革新です。
それは伏流のように進行しているため決してビッグデータなどの薄っぺらな仕組みでは捉えることのできない流れのように思えます。
ドラッカーのこの本は、その本質を突いた驚くべき著作です。未来社会の創造にチャレンジしている日本人にとってこの上ない励ましの書だと思います。