一時期流行したナレッジ・マネジメントという言葉ですが、最近はあまり聞かなくなりました。当たり前のツールとして浸透したため目立たなくなったのかもしれませんが、ほとんどの企業では導入したものの使われなくなってしまったのだと思います。
この本は、Concept Base で評価の高いジャストシステムのエンタープライズソリューション協議会 によって書かれていますが、実に面白い構成をしています。
小説・ドラマ仕立てになっていて、ナレッジ・マネジメントとは何か、なぜ重要なのかと言ったことから、導入に当たって突き当たる壁などが詳しく描かれています。舞台となるのは架空の企業ですが、これがまた危機的状態ではないが、ゆっくり衰退していきそうな、どこにでもありそうな企業として描かれています。
縦割りになった部署間の争いや、保守的な上司など、「あるある!」と思わず叫んでしまうほど共感してしまいます。「思考停止企業」は特別な企業ではなく、社内の部署間の神経が切れた、ありふれた企業です。その企業の神経を IT でつなぎ、ナレッジ・マネジメントにより再生しようというのが本書で描かれるドラマです。
技術者以外の人にもお薦めです。
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思考停止企業 単行本 – 2005/4/14
- 本の長さ291ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2005/4/14
- ISBN-104478374899
- ISBN-13978-4478374894
商品の説明
メディア掲載レビューほか
思考停止企業
一枚岩であったはずの企業の中で、深刻な情報の断絶現象が起き始めている。今日の組織は、営業部門、開発部門、研究部門、マーケティング部門、管理部門などに高度に専門化されているが故に、一体感を持ちにくい。このような状態だと、一度全社的な問題が生じた場合に解決の一手が打ち難い。社員個々の危機意識が乏しく、責任を部門同士で押しつけ合う傾向が強いからだ。本書はそうした実例を間近に見てきたコンサルタントらが、「ナレッジマネジメント」をキーワードに社内改革法を提案するもの。
一枚岩であったはずの企業の中で、深刻な情報の断絶現象が起き始めている。今日の組織は、営業部門、開発部門、研究部門、マーケティング部門、管理部門などに高度に専門化されているが故に、一体感を持ちにくい。このような状態だと、一度全社的な問題が生じた場合に解決の一手が打ち難い。社員個々の危機意識が乏しく、責任を部門同士で押しつけ合う傾向が強いからだ。本書はそうした実例を間近に見てきたコンサルタントらが、「ナレッジマネジメント」をキーワードに社内改革法を提案するもの。
問題の深刻さを現実感を持って知ってもらおうと、本書全体を架空の企業と問題解決に立ち向かう社員の姿から成る小説形式で構成した。創業社長が残した従業員2000人強の中堅メーカーが、表面的には大きなトラブルがないのに業績低迷の危機に直面している。業務改革室に抜擢されたメンバーらは、社員一人ひとりの心に巣食う「事なかれ主義」や「個人主義」による情報の断絶、目的意識の不徹底などが原因であることに気づいた。急激な改革とナレッジマネジメントの推進には抵抗勢力も現れるが、結果として会社は業績アップを達成する。各章の間に専門家による解説を挿入して、改革の方法論を分かりやすく説いていく。
(日経ビジネス 2005/07/11 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2005/4/14)
- 発売日 : 2005/4/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 291ページ
- ISBN-10 : 4478374899
- ISBN-13 : 978-4478374894
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,438,427位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 970位企業革新
- - 21,813位政治 (本)
- - 50,912位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年5月25日に日本でレビュー済み
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2017年7月23日に日本でレビュー済み
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内容としては、素晴らしいし、とても勉強になった。
中小企業では使えるのではないか?と思う。
現実に実行もしてみたが、改善のつもりのコミュニケーションも、相手との知識格差が大きいと、
何年経ってもいつまでも学校の授業のような感じであった。
何年かかっても上手く行かないものは上手く行かない。
駄目なときは駄目で、単なる悪あがきになることもあると実感できた。
中小企業では使えるのではないか?と思う。
現実に実行もしてみたが、改善のつもりのコミュニケーションも、相手との知識格差が大きいと、
何年経ってもいつまでも学校の授業のような感じであった。
何年かかっても上手く行かないものは上手く行かない。
駄目なときは駄目で、単なる悪あがきになることもあると実感できた。
2005年6月7日に日本でレビュー済み
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危機的状況から再生へ!!「プロジェクトX」を見ているようなストーリーの展開
にワクワク感を覚えるのは事実。「V字回復の経営」のような全社的な改革
ではなく営業部門の改革に絞ってKM導入までの条件整備、導入、運用を描いている。
プロジェクトに参加している若手ビジネスマン、プロジェクト運営に行き詰まっている
リーダー、KM関連のサイト構築に携わっている人、には参考になるだろう。
しかし、「思考停止企業」と言うタイトル、そしてハードカバーのわりに、
2時間程度でアッサリ読めてしまうのは、「考えながら読む」部分が少なく「深さ」
感じないからだろう。ビジネス書の中では「軽量級」の印象。ビジネス書入門編・・の位置づけだと思う。
にワクワク感を覚えるのは事実。「V字回復の経営」のような全社的な改革
ではなく営業部門の改革に絞ってKM導入までの条件整備、導入、運用を描いている。
プロジェクトに参加している若手ビジネスマン、プロジェクト運営に行き詰まっている
リーダー、KM関連のサイト構築に携わっている人、には参考になるだろう。
しかし、「思考停止企業」と言うタイトル、そしてハードカバーのわりに、
2時間程度でアッサリ読めてしまうのは、「考えながら読む」部分が少なく「深さ」
感じないからだろう。ビジネス書の中では「軽量級」の印象。ビジネス書入門編・・の位置づけだと思う。
2005年4月25日に日本でレビュー済み
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この本はナレッジマネジメントに関するビジネス書ですが、ストーリー仕立てになっているので、「ナレッジマネジメントって何よ?」という初心者である私でもスムーズに素直に読めました。
ナレッジマネジメントの内容やその必要性が理解できることはもちろんですが、それだけでなく現在の日本企業の問題点や、逆に日本型経営のよさを見直すなど、いろいろ考えさせられる一冊かと思います。
ナレッジマネジメントの内容やその必要性が理解できることはもちろんですが、それだけでなく現在の日本企業の問題点や、逆に日本型経営のよさを見直すなど、いろいろ考えさせられる一冊かと思います。
2005年5月12日に日本でレビュー済み
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事業部の縦割りで、隣で何をしているのか知らない、
コアな人材を流出させたリストラの影響、
会社としての成果より個人成績が優先される成果主義の弊害、
このままじゃジリ貧なのは分かっているけど、
日常業務が忙しくて、考えることを停止してしまっている。
日本の企業の多くが陥っていると思われる閉塞状態を、
ナレッジマネージメントを営業活動に取り入れることで、
打破していこうというストーリー。
問題点の深刻さに比べ、解決策として出てきたものが、
悪く言えば、ありきたりのものでしかないのが、
現在の日本が陥っている状態の深刻さを、
物語っているのかもしれません。
さらっと読んでしまった後、ふ~ん、という印象でしたが、
こういう活動が、自分の会社でも、根付かないことを思えば、
結局は、活動を地道に根気よく継続していくことが、
大事なんだな、と考えさせられました。
問題の具体的な解決策を求めると、期待はずれですが、
はじめの一歩の踏み出し方の例、として読めば、
きっと、得られるものがあると思います。
コアな人材を流出させたリストラの影響、
会社としての成果より個人成績が優先される成果主義の弊害、
このままじゃジリ貧なのは分かっているけど、
日常業務が忙しくて、考えることを停止してしまっている。
日本の企業の多くが陥っていると思われる閉塞状態を、
ナレッジマネージメントを営業活動に取り入れることで、
打破していこうというストーリー。
問題点の深刻さに比べ、解決策として出てきたものが、
悪く言えば、ありきたりのものでしかないのが、
現在の日本が陥っている状態の深刻さを、
物語っているのかもしれません。
さらっと読んでしまった後、ふ~ん、という印象でしたが、
こういう活動が、自分の会社でも、根付かないことを思えば、
結局は、活動を地道に根気よく継続していくことが、
大事なんだな、と考えさせられました。
問題の具体的な解決策を求めると、期待はずれですが、
はじめの一歩の踏み出し方の例、として読めば、
きっと、得られるものがあると思います。
2007年12月27日に日本でレビュー済み
激変する現代の事業環境にうまく適応できない企業に見られる
・組織内の部門分断
・社員意識の隔絶
・知恵の結集と連携のなさ
・社員は現状に安住するが実はジリ貧の状況
こんな場面での「活力の失われた組織」と「意欲の低下した社員」をまとめて
著者は「思考停止状態」と呼ぶ。
この状況を打破する手段としてナレッジマネジメント(KM)の有用性を解いているが、
仮想企業のKM実践ドキュメントにしているため、非常に読みやすく、理解しやすい。
非常に興味深く読ませてもらった。
「ユニバーサル精機」まさに自分の職場ではないかと思った。
抵抗勢力の数は、本書では少なめだったような気もするが(関西営業本部長など)、
実際自分がKMを実践し、こういった抵抗勢力相手をすることを想像するとやっぱり気が重い。
社長を味方につけているのは心強いが、そうそうトップの協力をとりつけるのも難しい。
いよいよKMを展開する段階での困難かつ重要なポイント
・上位職をどう取り込んでいくか
・システムへの入力負担とその推進
・多様な抵抗勢力への理解と対処法
について厚く書いた続編を期待します。
・組織内の部門分断
・社員意識の隔絶
・知恵の結集と連携のなさ
・社員は現状に安住するが実はジリ貧の状況
こんな場面での「活力の失われた組織」と「意欲の低下した社員」をまとめて
著者は「思考停止状態」と呼ぶ。
この状況を打破する手段としてナレッジマネジメント(KM)の有用性を解いているが、
仮想企業のKM実践ドキュメントにしているため、非常に読みやすく、理解しやすい。
非常に興味深く読ませてもらった。
「ユニバーサル精機」まさに自分の職場ではないかと思った。
抵抗勢力の数は、本書では少なめだったような気もするが(関西営業本部長など)、
実際自分がKMを実践し、こういった抵抗勢力相手をすることを想像するとやっぱり気が重い。
社長を味方につけているのは心強いが、そうそうトップの協力をとりつけるのも難しい。
いよいよKMを展開する段階での困難かつ重要なポイント
・上位職をどう取り込んでいくか
・システムへの入力負担とその推進
・多様な抵抗勢力への理解と対処法
について厚く書いた続編を期待します。
2005年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説仕立てでスラスラ読めるけれど、中身は普通すぎて線を引きたくなる箇所もありませんでした。提案書の使い回しくらい今時どこでも当たり前にやっているでしょう。何年前のKMなんだろう、というのが率直な感想です。入門書だから敢えて身近な話題にしたのかもしれませんが、KMの研究会の成果ということで期待感がちょっと大きすぎたのかもしれません。
2005年4月27日に日本でレビュー済み
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一太郎のジャストシステムとビジネス本で有名なダイヤモンド社が結びつかず、タイトルに惹かれて思わず買ってしまったが、内容を読んでビックリした。
自分の会社と比べるといろいろ頷くところがあり、共感する内に、一気に読んでしまった。「こんなに上手くいくのか」「まだまだ書けていないドロドロした話があるのではないか」と勘ぐってしまう点もあるが、よく会社のことを分かっている人が書いている点が、コンサルタントや学者の先生が書いた本とは大きく違って好感が持てる。
自分の会社と比べるといろいろ頷くところがあり、共感する内に、一気に読んでしまった。「こんなに上手くいくのか」「まだまだ書けていないドロドロした話があるのではないか」と勘ぐってしまう点もあるが、よく会社のことを分かっている人が書いている点が、コンサルタントや学者の先生が書いた本とは大きく違って好感が持てる。