昨今の年金不安を背景に台頭してきた『自分年金』という言葉。「国家や体制に頼らない自立したオレ様」を夢想させ、「そんなオレ様が他人より上手く運用できない訳がない」と根拠無く楽観視させてしまう、そんな耳障りの良さがなかなか曲者である。
本書はタイトルこそ「自分年金」と銘打ってはいるものの、内容はと言えば「国家破産・預金封鎖はもう間近→資産を海外に疎開させろ→著者主催の資産運用クラブへの勧誘」という、浅井氏お決まりのワンパターン。シリーズ本まで出して大々的に喧伝した
『2003年日本国破産』
のシナリオがものの見事に外れたにも関わらず、未だに金太郎飴のような著作を出し続ける著者って一体・・・(汗)。厚顔無恥ぶりもここまで来ると思わず畏敬の念すら抱いてしまうからアラ不思議(毒)。内容にしても、口では分散投資を謳っている割には、情報入手先や推奨ファンドは著者の息のかかったしかも同じ手法のものばかりで、ちっともリスク分散になっていないやんけ(汗)。何度も言うが、自分年金とやらを構築する第一歩は、国家破産や預金封鎖といったハルマゲドンを煽るこの種の「ハルマゲ本」の妄言を真に受けないことである。
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