本書に初めて出会ったのは8年近く前、不覚にも2週間ほど入院を余儀なくされたとき。病院の病棟内に備え付けてある書架にあったのでたまたま手に取ったのがなれそめである。たしか藤沢周平かなんかと一緒の本棚に置いてあった。
内容は心臓病の薬であるとともに高性能爆薬の材料ニトログリセリンのもろもろのことどもをエピソードを交えてわかりやすく解説するとともに、黒色火薬からはじまる火薬全体の発達史も触れると言う一冊でいくつもおいしいお買い得本に仕上がっている。
構成は前半が狭心症発作抑制薬としてのニトロの原理と作用、研究史、後半は同じニトロを使うダイナマイトからひもといて火薬爆薬の開発史となっている。
わりと歴の長い軍オタでもこの後半の火薬、爆薬についての知識は結構曖昧なんじゃないだろうか。燃焼、爆燃、爆轟の違い、言えますか?
こんな比較的初歩の必須知識の整理もできるおススメ本なのだ。退院後、そのまま忘れてしまっていたが、最近になってまた読みたくなってマーケットプレイスを漁る羽目になったのが今回の購入理由。
ただ、やはりその後20年以上の医学、火薬学双方の発達は反映されていない。その部分も補うものがほしいのは確か。さらに歴史学に関係するが、本書も火薬の発明は中国としており、それはある面正しいのだが、フォーブズの唱える13,4世紀に欧州という説を西欧中心主義のなせる説と簡単にいなしてしまっている。昨今、このフォーブズ説の方が再評価されているだけにやはりここは新装改訂版がほしいところだ。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
火薬が心臓を救う 単行本 – 1990/2/1
- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日1990/2/1
- ISBN-10447881001X
- ISBN-13978-4478810019
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (1990/2/1)
- 発売日 : 1990/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 447881001X
- ISBN-13 : 978-4478810019
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,371,611位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,313位医学
- - 109,929位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3つ
5つのうち3つ
1グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。