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したたかな生命 単行本 – 2007/11/15
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◆あらゆるシステムの基本原理「ロバストネス」とは何か?
生命の本質を理解するには、分子生物学の成果を基盤とした「システムとしての生命」の理解が不可欠。システムバイオロジーの提唱者が、生命の持つ「ロバストネス(頑健性)」原理、脆弱性とのトレードオフ、進化との関係をわかりやすく伝える。
その応用として、癌の予防や治療への新しい試み、人工的にロバストなシステム(会社など)の考察など、生命システムを超えた知的議論を展開する。
生物学、代謝工学、システム論、ゲノム科学、複雑系、組織論、戦略論、進化論、共生論、そして宇宙論までをも包括するような、新しい思考枠組みを提示する。
- 本の長さ229ページ
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2007/11/15
- ISBN-104478810036
- ISBN-13978-4478810033
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商品の説明
出版社からのコメント
生物システムの持つ強さの性質(ロバストネス)は、実は工業製品や企業組織にも当てはまるといいます。生物のみならず、強いシステムの条件とは何かを考える1冊です。
また、癌や糖尿病などに対して、ロバストネスの特性(脆弱性とのトレードオフ)を使った新しい治療への試みなど、先端的な研究動向もわかります。
さらに、進化のプロセスや宇宙の生成についても、ロバストネスの考えから、新たな視点を与えます。生物学やシステム論を超えた知的読み物です。
抜粋
この本は、システム生物学の基礎的な概念を知りたい人だけでなく、会社組織への幅広い応用を図りたい人にも、ぜひ読んでもらいたい。(「プロローグ」より)
著者について
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所取締役副所長、特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構会長、財団法人癌研究会癌研究所システムバイオロジー部客員部長。東京大学客員教授、慶應義塾大学理工学部客員教授。国際基督教大学教養学部理学科物理学専攻卒業、京都大学博士(工学)。
著書・編書に『Foundations of Systems Biology』(The MIT Press)、『システムバイオロジー』(秀潤社)、『システムバイオロジーの展開』(シュプリンガー)などがある。
The Computers and Thoughts Award (1993)、Prix Ars Electronica Special Award (2000)、ベネチア・ビエンナーレ招待アーティスト (2000)、ニューヨーク近代美術館 Worksphere 展招待アーティスト (2001).
竹内 薫(たけうち・かおる)
1960年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科・理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了。理学博士(高エネルギー物理学専攻)。サイエンスライターとして、科学誌『Nature』などの翻訳も手掛け、テレビ・ラジオでも活躍。著書に『99%は論理力1%は直感力』(ビジネス社)、『闘う物理学者!』(日本実業出版社)、『99.9%は仮説』(光文社新書)などがある。
登録情報
- 出版社 : ダイヤモンド社 (2007/11/15)
- 発売日 : 2007/11/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 229ページ
- ISBN-10 : 4478810036
- ISBN-13 : 978-4478810033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 680,596位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 342位遺伝子・分子生物学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年、東京都生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。カナダ・マギル大学大学院博士課程修了。理学博士。ノンフィクションとフィクションを股にかける 科学作家。小三から小五までニューヨークの現地校に通ったせいで、帰国後、カルチャーショックに悩まされ、学業も落ちこぼれる。現在は妻子とともに裏横浜 に在住(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『思考のレッスン』(ISBN-10:4062165082)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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単なる要素の集まりではなく、どのように相互作用し、どのようなダイナミクスが発生し、さらには、どのような動作原理に基づいているかを考えることで、日常の生活の中のシステムをよりよく理解できます。
「ロバストネス」が様々な研究分野のブレークスルーとなることを期待します。
非常に面白かった。「ロバストネス」のという機能を生命だけでなく目的を持っているシステム全体にあてて、実際にロバストネスな生命、癌細胞、会社としての組織などを例に挙げながらロバストネスの各機能「モジュール化」「バッファリング」「多様性」「フィードバック」などを具体的に説明してくれている。特におもしろかったのはソフトウェアのコードに適用した例だった。ソフトウェアは確かに進化していくべきだと思うし、複数の機能的目的をもって存在しているもので、各モジュールが疎結合で結び付いてこそ、ロバストネスな存在として価値があると定義している。またコアモジュールの概念も、現在のソフトウェアの在り方についての定義に聞こえる。
生命に焦点を当てている本かと思いましたが、ロバストネスというシステムの特性をわかりやすく説明してくれている書籍だと思いました。組織としてのシステムを考えている人や、生命をシステムの側面から考えてみたい人、実際に何らかの複数の構成要素からシステムを設計するひとは是非ロバストネスの価値観をもって取り組むべきだと思いました。
まずロバストネスとは何か?
システムが様々なゆう乱に対してその機能を維持する力と定義できます。
このゆう乱は内部的なものと外部から来るものの二種類あります。
このゆう乱によってシステムが脆弱性を持つ事になり機能不全に陥る。
この脆弱性を防ぐためにロバストネスはあるわけですが、いかなる場合も
ロバストネスが強くなればなるほど、想定外のゆう乱が現れて大きな脆弱性を
持つ事になるわけです。
それはロバストネスを強化した分、他の部分に脆弱性を持つと言う
トレードオフの関係になるわけです。
例えばF1車は高速に走るのには最適ですが、そのために車体を600Kg程度の
軽量化を要求されます。
これで高速化は実現できますが、その軽量化のために降水の影響が著しい。
つまり道路に水の膜ができると一般車よりも脆弱になってしまう。
本書はロバストネスを軸に癌治療からネットワーク理論、カドヘリン、
航空機、糖尿病など多種多様のトピックスを挙げて説明しています。
「強くなればなるほど弱点が生じる(ロバストネスが高いほど、フラジリティが上がる)」という見方は非常に面白い。
本書は、この視点を、オーディオの音響特性や、戦車の走行速度など
複数の一般的な問題に適用して説明したり、生態系、癌になぞらえて説明している。
著者の言い分を言い換えるならば、「問題を想定すると、その問題に対しては強くなるが、想定されていなかった問題に対して、より脆弱性が上がる」という事であろうか。
また、ロバストネスーフラジリティの関係を進化論の中で考えると著者の見方も面白い。
著者は、「メンデル・ダーウィン流の進化、すなわり自己のゲノムレベルでどんどん変化して、
そこから選択していく事によって環境によりロバストな種や固体が広がっていくという部分」
と
「自己拡張矯正のように、外部からいろいろなものを取り込み、さらにどんどん殻をまとって自己を拡張していく部分」の二つがあるという。
特に後者に関しては、昨今、
私自身としても感じており、日々問題定義してきた点であるから、
すごくしっくりくる論だと感じている。
☆3つとした理由は、もう少し読みやすい構成にしたり、
内容を磨く事で、ページ数を減らす事が出来そうであるからであります。
是非、同様の内容で、新書サイズ、安価で出版し、より多くの人に読んでもらいたい書籍です。