佐々木和彦氏は、代ゼミの看板講師の一人である。「代ゼミでいちばん英語ができる人」と評する人もいる。そうした実力派講師の予備校の授業の一端が垣間見えるのが本書である(とは言え、佐々木氏が得意とし授業でも連発する駄洒落(脱力系のpun)は収録されていない)。
「英文法の82ポイントを、新鮮な切り口で、基礎から応用に至るまで、とことん解説。」と本書の裏表紙には書かれているが、本書の重点は「基礎」よりも「応用」に置かれている。例えば、過去の習慣を表すused toとwouldの違いを明確に説明している学習書は、余りないのではないだろうか? また、制限用法と非制限用法の違いに関しても、類書に例を見ぬほど明確な説明がなされている。
このようにハイレベルな文法項目に関する知見が収められているという意味では評価できる本なのだが、改善点がないわけではない。どこを直すべきかと言えば、英語ではなく、日本語のほうだ。
例を挙げよう。「固有名詞、人称代名詞、指示代名詞(this/ that)は、原則的に、意味が明確であるという前提で述べれるので、これらが先行詞の時には、非制限用法でなければならない」(原文ママ、本書p.156)
>「意味が明確であるという前提で述べれる」・・・恐らくこれは「述べられる」の誤植かもしれないが、仮にこの個所を「固有名詞、人称代名詞、指示代名詞(this/ that)は、原則的に、意味が明確であるという前提で述べられる」と修正しても、余り上等な日本語とは言えない。例えば、「意味が明確であるという前提で用いられる」と修正すれば、理解できないこともないのだが・・・。
佐々木氏は代ゼミの看板講師なので、多忙な毎日を送っていることと推察する。だから、本書を校正する時間的な余裕が余りなかったのかもしれないが、受験英語の盲点を集めた良書が、分かりづらい日本語のせいで、台無しになっているような気がしてならない。今後もしも学習書を出すのならば、日本語にも留意していただきたい。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
完全攻略佐々木のとことん英文法 (実践編) 単行本 – 1997/8/1
佐々木 和彦
(著)
大学受験に必須の英文法のルールを身につけながら、それを長文読解問題・英作文問題につなげるユニークな方法を、徹底的に講義する。実践問題付き。
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社大和書房
- 発売日1997/8/1
- ISBN-104479190384
- ISBN-13978-4479190387
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 大和書房 (1997/8/1)
- 発売日 : 1997/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 184ページ
- ISBN-10 : 4479190384
- ISBN-13 : 978-4479190387
- Amazon 売れ筋ランキング: - 845,560位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,318位英文法・語法
- - 1,660位高校英語教科書・参考書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ネットでのレビューであったり「富田一彦氏が推薦している」というのを見て、
ものすごく深入りした内容があるとか、特別ハイレベルな内容で読み応えがあるものなのか
といったことを期待しましたが、実物を読んで感じたのは、この本は予備校講師の名前で持ち上げられ過ぎです。拍子抜けしました。
そもそもこの問題集としての構成が、難関大で本格的に出てくる英作文でも正誤問題でもなく、
文法を主にした空所補充形式なので、当然ですがそんなに難しいはずもなく、はっきり言って普通です。
amazonの商品紹介の箇所に『大学受験に必須の英文法のルールを身につけながら…」とあるように、
必須の文法空所補充をやるレベルです。
(「難しい、難しい」と言いたがる人は、ここの必須レベルの文法空所補充を解くレベルすら身に付いていないから、苦戦されているのでしょう。
それか中古本であることも関係するのかどうかわかりませんが、「ただ宣伝したい」かです。
この絶版になった参考書を買うことでしか、解くことが出来ない「必須レベルの英文法」による空所補充問題があるような言い分は、率直に不毛だと思います。)
収録されている問題数も少ないため、網羅性も高くありません。
解説自体は数行に渡っているのですが、それが特に真新しいことが書いてあるといったこともなく、
ほぼ『Evergreen』のような文法の参考書に書いてあるようなことばかりで、そりゃそうだろうと思うような中身でした。
しいて言えば、この著者特有の点なのですが、文法事項の書き方が、
上述にあるように『Evergreen』のような総合英語の文法書にあるぐらいの内容を
わざわざ数式的に書いたり、過大に抽象的な形にしたりして
「なんでそんな書き方を好き好むんだ」と言いたくなるような、
やや独特な書き方でもって載せているために、内容として同じものだと気が付かない。
ものすごい秘伝の内容を公開しているように受け取られる人も中にはいるのでしょう。
富田一彦氏の推薦と言うのは、こういうのも何ですが、友達が多そうなタイプには見えないですし、
予備校講師になる以前からの付き合いの長い、古い友人としての立場から、リップサービス
のような形で、過剰な賛辞でもって推薦図書として挙げられてしまったようにも感じます。
ものすごく深入りした内容があるとか、特別ハイレベルな内容で読み応えがあるものなのか
といったことを期待しましたが、実物を読んで感じたのは、この本は予備校講師の名前で持ち上げられ過ぎです。拍子抜けしました。
そもそもこの問題集としての構成が、難関大で本格的に出てくる英作文でも正誤問題でもなく、
文法を主にした空所補充形式なので、当然ですがそんなに難しいはずもなく、はっきり言って普通です。
amazonの商品紹介の箇所に『大学受験に必須の英文法のルールを身につけながら…」とあるように、
必須の文法空所補充をやるレベルです。
(「難しい、難しい」と言いたがる人は、ここの必須レベルの文法空所補充を解くレベルすら身に付いていないから、苦戦されているのでしょう。
それか中古本であることも関係するのかどうかわかりませんが、「ただ宣伝したい」かです。
この絶版になった参考書を買うことでしか、解くことが出来ない「必須レベルの英文法」による空所補充問題があるような言い分は、率直に不毛だと思います。)
収録されている問題数も少ないため、網羅性も高くありません。
解説自体は数行に渡っているのですが、それが特に真新しいことが書いてあるといったこともなく、
ほぼ『Evergreen』のような文法の参考書に書いてあるようなことばかりで、そりゃそうだろうと思うような中身でした。
しいて言えば、この著者特有の点なのですが、文法事項の書き方が、
上述にあるように『Evergreen』のような総合英語の文法書にあるぐらいの内容を
わざわざ数式的に書いたり、過大に抽象的な形にしたりして
「なんでそんな書き方を好き好むんだ」と言いたくなるような、
やや独特な書き方でもって載せているために、内容として同じものだと気が付かない。
ものすごい秘伝の内容を公開しているように受け取られる人も中にはいるのでしょう。
富田一彦氏の推薦と言うのは、こういうのも何ですが、友達が多そうなタイプには見えないですし、
予備校講師になる以前からの付き合いの長い、古い友人としての立場から、リップサービス
のような形で、過剰な賛辞でもって推薦図書として挙げられてしまったようにも感じます。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
これに低評価をつける人はよほど英語に堪能でここまでいう必要はない!!と言い切れる人 or 英語の実力がない人のどちらかでしょう。 この参考書を完全に理解するにはかなり時間がかかります。私は佐々木先生の教え子です。英語偏差値32(記述の英語模試で4点)から最終的には偏差値86まで行きました。大学を卒業後この書物を見ましたが、歯応えありすぎです。英語初心者にはお薦めしません。偏差値60の壁を超えそれ以上を目指す人向けの参考書だと思います。
2018年4月23日に日本でレビュー済み
重要な文法項目を掲げて、そこを重点的に明確にみっちりと解説してくれる。
氏の妥協ない姿勢と明確な解説には舌を巻くことも。
丸二日ほどかけて一気に読んで、文法の考え方、とらえ方を氏から学んでほしい。
かなり論理を重視する展開である。そして、一般に日本人が苦手とされている分野を理詰めで話してくれる数少ない文法書である。
出てきた例文は別のノートに書き起こし、なぜこの例文が挙げられたかを暗記し理解できているかを確認しながら音読してほしい。
ものすごい力になるはずである。
氏の妥協ない姿勢と明確な解説には舌を巻くことも。
丸二日ほどかけて一気に読んで、文法の考え方、とらえ方を氏から学んでほしい。
かなり論理を重視する展開である。そして、一般に日本人が苦手とされている分野を理詰めで話してくれる数少ない文法書である。
出てきた例文は別のノートに書き起こし、なぜこの例文が挙げられたかを暗記し理解できているかを確認しながら音読してほしい。
ものすごい力になるはずである。
2003年9月12日に日本でレビュー済み
この本はまさに、英語を得点源にしたい受験生が、その基盤を磐石なものにする「隠れた名著」と言えるでしょう。文法項目のすべてについて解説がなされているわけではありませんが、依然、情報量が多く、ハイレベルなので、基本的な勉強が一通り済んでから使ったほうがより効果的かもしれません。
ただ、それだけに残念なのは、巻末に索引がついていれば、使いこなすうえでもっと便利だったかもしれない、という点です。
ただ、それだけに残念なのは、巻末に索引がついていれば、使いこなすうえでもっと便利だったかもしれない、という点です。
2006年10月22日に日本でレビュー済み
この本を手にとったのはかなり昔のことである。その当時著者である佐々木和彦氏の本はこれ一冊しかなかったと思う。
当時、英語学習に私は行きづまっていた。
数々の疑問が脳内にあふれかえって、もうそこから先に進めない状態だったのである。
もちろん、英語教師、英語が得意と称する人々に疑問をぶつけてみたりもした。
しかし、私の疑問は「愚問」のようであった。彼らはそのような疑問をもったことすらないのか、それとも誰にも教えられなくてもわかるのか、それすらもわからなかった。返答があるとしても「多読すればわかる」「音読すればわかる」と月並みなものであったのだ。しかし、一行一行の文の成り立ちや意味に疑問を持ってしまう私にとって、そのような方法はよけい絶望的に感じられたのである。一行をわからずして、それ以上をどうしてわかれというのか?疑問は宙を舞うばかりでとにかく疑問は疑問のままであった。そのような疑問を自力で解決できない自分は本当に馬鹿かもしれないと落ち込む日々であった。そんな状態が何年か続き、英語を見ることさえ嫌になったときもあった。
しかし、この本を手にとって、私はおどろいた。
めくるページすべてに、私が疑問としていたことがしっかり前提としてのっていて、それらに詳細な解説がくわえられている。
今でこそ時制を「アスペクト」の観点から説明している本もないではないが、その当時は受験参考書としては時制にこのような観点から詳しく切り込んだ本はなかったのではないかと思うのだ。そんな風にのっているすべての単元に、斬新な切り口で解説が与えられている。
自分の疑問をちゃんと疑問として取り扱ってくれた人がここにいた!感激で私は読みふけり、重要ポイントを小さなファイルに全部まとめ、常に手元においていたものである。
扱っている分野こそ少ないが、それでもここにのっている単元は生の英語を読み解く上でまさに鍵となるものであり、それこそこの本により私は学習を先に進めることができたのである。
本を読んでいるうちに気づいたのは、著者がおそらく、若いころから英語のさまざまな単元でいろんな疑問を持ち、それらに粘り強くひとつひとつ自分で解決を試みてきたのであろういうことがひしひしと感じられる、という事である。(もちろん表立ってはそんなこと書いていない。行間と詳細な解説からにじみ出ているといいたいのだ。)それらの解答をおしげもなく出し、私のような迷える子羊であったものに、ひとつの道を与えてくれた。たとえ一文であってもおろそかにしない、そんな態度が間違っていなかったということを示してくれたのである。
そしてもっとうれしいことは、著者が、読者を「いい加減学習者」扱いしていないことだ。適当な解説でごまかせばいい、なんていうそのへんの本にありがちな態度とは無縁である。平たくいえば、学習者のレベルを信じてくれているからこそ、このような本がかけると思うのだ。
もし、私と同じように、行き詰っている人がいたら、自分の疑問を、疑問として取り扱ってくれる人がいないと嘆く人がいたら、一行一行ごとに疑問があふれかえって英語が読めないという人がいたら、私はこの本をお勧めする。
読むのに易くはないが、読めば読んだだけ、それだけきっちりと得られるものがあることを保障する。
最後に、このような本を書いてくれた著者に改めて御礼を言いたいものである。
当時、英語学習に私は行きづまっていた。
数々の疑問が脳内にあふれかえって、もうそこから先に進めない状態だったのである。
もちろん、英語教師、英語が得意と称する人々に疑問をぶつけてみたりもした。
しかし、私の疑問は「愚問」のようであった。彼らはそのような疑問をもったことすらないのか、それとも誰にも教えられなくてもわかるのか、それすらもわからなかった。返答があるとしても「多読すればわかる」「音読すればわかる」と月並みなものであったのだ。しかし、一行一行の文の成り立ちや意味に疑問を持ってしまう私にとって、そのような方法はよけい絶望的に感じられたのである。一行をわからずして、それ以上をどうしてわかれというのか?疑問は宙を舞うばかりでとにかく疑問は疑問のままであった。そのような疑問を自力で解決できない自分は本当に馬鹿かもしれないと落ち込む日々であった。そんな状態が何年か続き、英語を見ることさえ嫌になったときもあった。
しかし、この本を手にとって、私はおどろいた。
めくるページすべてに、私が疑問としていたことがしっかり前提としてのっていて、それらに詳細な解説がくわえられている。
今でこそ時制を「アスペクト」の観点から説明している本もないではないが、その当時は受験参考書としては時制にこのような観点から詳しく切り込んだ本はなかったのではないかと思うのだ。そんな風にのっているすべての単元に、斬新な切り口で解説が与えられている。
自分の疑問をちゃんと疑問として取り扱ってくれた人がここにいた!感激で私は読みふけり、重要ポイントを小さなファイルに全部まとめ、常に手元においていたものである。
扱っている分野こそ少ないが、それでもここにのっている単元は生の英語を読み解く上でまさに鍵となるものであり、それこそこの本により私は学習を先に進めることができたのである。
本を読んでいるうちに気づいたのは、著者がおそらく、若いころから英語のさまざまな単元でいろんな疑問を持ち、それらに粘り強くひとつひとつ自分で解決を試みてきたのであろういうことがひしひしと感じられる、という事である。(もちろん表立ってはそんなこと書いていない。行間と詳細な解説からにじみ出ているといいたいのだ。)それらの解答をおしげもなく出し、私のような迷える子羊であったものに、ひとつの道を与えてくれた。たとえ一文であってもおろそかにしない、そんな態度が間違っていなかったということを示してくれたのである。
そしてもっとうれしいことは、著者が、読者を「いい加減学習者」扱いしていないことだ。適当な解説でごまかせばいい、なんていうそのへんの本にありがちな態度とは無縁である。平たくいえば、学習者のレベルを信じてくれているからこそ、このような本がかけると思うのだ。
もし、私と同じように、行き詰っている人がいたら、自分の疑問を、疑問として取り扱ってくれる人がいないと嘆く人がいたら、一行一行ごとに疑問があふれかえって英語が読めないという人がいたら、私はこの本をお勧めする。
読むのに易くはないが、読めば読んだだけ、それだけきっちりと得られるものがあることを保障する。
最後に、このような本を書いてくれた著者に改めて御礼を言いたいものである。
2005年3月22日に日本でレビュー済み
数年前、佐々木先生の授業を初めて受講したとき、先生自身が半ば自嘲気味に「眠れない夜にどうぞ」と本書を紹介するのを聞いてから、一体どういうことかと訝っていたが、後日本屋でこの本を開いてみてようやく納得したのを、いまでも覚えている。その書面は黒と赤の二色刷りで、細かい字がぎっしり詰まっていたのだった。いやまったく、これは下手な覚悟で手を出せばアスピリンなんぞよりも強い睡眠作用を得られること請け合いであろう。
しかしながら、私はここで本書の催眠効果に敬意を表して星5つをつけたわけではない(わかっているだろうけれども、念のため)。
本書の特筆すべき美点は、その執拗と言えるまでに詳細な解説にある。わけても時制と助動詞の解説は素晴らしいの一言に尽きる。それに佐々木受講者にはお馴染みの「思考・認知・告知(本書では告示となっている)動詞」による節の判別など、この一冊には英文を前から読むための読解原則が高濃度に凝縮されているのである。
ただ残念なのは、名物のダジャレが入っていないこと・・・ではなく、関係代名詞・関係副詞の解説がカットされていることで、以前先生にその不平を漏らしたところ、先生も困ったような顔で「実は原稿は書くつもりだったのだけど、ページ数の都合上載せられないと言われてしまったんだよね」と、ちょっとした裏話を聞かせてくれたことがあった。
だが、そうした多少の瑕疵はあるにせよ、決して本書の美点が損なわれるわけではなく、受験生に限らず幅広い層の英語学習者を導いてくれることは確かである。かくいう私も本書と先生の授業のおかげで、晴れて第一志望校に合格することが出来た人間のひとりである(偶然にもそれは先生の母校であった)。著者は本書がすべての英語学習者の福音書になることを願って、原稿を書いたらしい。
本書が福音書になるか、睡眠薬になるかは、ひとえに学習者の取り組みにかかっている。願わくば遍く読者にとって前者となることを祈りつつ、ここで筆を擱くとしよう。
しかしながら、私はここで本書の催眠効果に敬意を表して星5つをつけたわけではない(わかっているだろうけれども、念のため)。
本書の特筆すべき美点は、その執拗と言えるまでに詳細な解説にある。わけても時制と助動詞の解説は素晴らしいの一言に尽きる。それに佐々木受講者にはお馴染みの「思考・認知・告知(本書では告示となっている)動詞」による節の判別など、この一冊には英文を前から読むための読解原則が高濃度に凝縮されているのである。
ただ残念なのは、名物のダジャレが入っていないこと・・・ではなく、関係代名詞・関係副詞の解説がカットされていることで、以前先生にその不平を漏らしたところ、先生も困ったような顔で「実は原稿は書くつもりだったのだけど、ページ数の都合上載せられないと言われてしまったんだよね」と、ちょっとした裏話を聞かせてくれたことがあった。
だが、そうした多少の瑕疵はあるにせよ、決して本書の美点が損なわれるわけではなく、受験生に限らず幅広い層の英語学習者を導いてくれることは確かである。かくいう私も本書と先生の授業のおかげで、晴れて第一志望校に合格することが出来た人間のひとりである(偶然にもそれは先生の母校であった)。著者は本書がすべての英語学習者の福音書になることを願って、原稿を書いたらしい。
本書が福音書になるか、睡眠薬になるかは、ひとえに学習者の取り組みにかかっている。願わくば遍く読者にとって前者となることを祈りつつ、ここで筆を擱くとしよう。