映画『ラストエンペラー』を観たのは、まだ子供の時だったが、それでも印象的な場面は幾つも覚えている。
思い立って原本を読んでみたら。
凄まじい、内務官僚たちの泥棒っぷりに驚いた。清朝の宝物庫は、その盗みがばれないように、放火までされている。
宮殿の中って、こんなに無法地帯なのか……心安まる時がない、寒くて暗くて冷たい場所、そして豪華な見かけで重くて機能的じゃない新品の服、皿だけ沢山並べられてるけど、実際に食べていいのは数皿だったりする食事など、「こんな暮らしは嫌だ」的な生活が淡々と綴られる。
最後の、洗脳された(のか、そう書かないと殺されるからなのか)文章も、いろんな意味で読み所満載だ。
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わが半生 上: 満州国皇帝の自伝 (筑摩叢書 245) 単行本 – 1977/12/1
- 本の長さ310ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1977/12/1
- ISBN-104480012451
- ISBN-13978-4480012456
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1977/12/1)
- 発売日 : 1977/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 310ページ
- ISBN-10 : 4480012451
- ISBN-13 : 978-4480012456
- Amazon 売れ筋ランキング: - 310,172位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,616位歴史・地理 (本)
- - 58,670位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年5月29日に日本でレビュー済み
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以前よりこの本の存在は知っていたのですが、中々手に入る機会がなかったので、とても感謝してます。大事に読まさせていただきます。ありがとうございました。
2015年7月22日に日本でレビュー済み
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登場人物の中国名が馴染めず『この人誰だっけ?』状態になり何がなんだかわからなくなってしまいギブアップしました。
2013年11月27日に日本でレビュー済み
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知っているようで知らなかった近代史理解の一助
映画:ラストエンペラーよりダイナミック!
映画:ラストエンペラーよりダイナミック!
2020年8月31日に日本でレビュー済み
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字が細かすぎて、読みずらいことこの上なし。
2016年1月25日に日本でレビュー済み
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原書は1964年に発行。著者は清朝最後の皇帝である。
曰く・・・
同治帝の皇后と西太后(姑)には嫁姑問題があり、西太后は皇后を折檻している。同治帝が死ぬと、西太后は皇后の飲食を制限し、皇后をいじめ殺している。
光緒帝を廃位し、愛新覚羅奕キョウの子を次の皇帝にしようと袁世凱がたくらんでいるという情報を西太后はキャッチし、西太后は溥儀を立てた。
光緒帝は死ぬまでぴんぴんしていたが薬を一服飲んだとたんにいけなくなったという。その薬は袁世凱が送ったものだという噂がある。光緒帝はただの感冒だった。西太后は溥儀を皇嗣にすると宣言したときにはまだ自分が死ぬとは思っていなかったのではないか。
1912年に清朝は滅亡し、溥儀は6歳にして皇帝でなくなる。帝位を棄てても尊号は廃止されず、中華民国は諸外国君主を遇する礼をもってこれを遇する、中華民国は年金を支払う、などの優待条件が定められる。
儒教古典は習ったが、高校生くらいになるまで加減乗除を学ばず、物理化学などまったく知らなかった。ワシントン、ナポレオン、ワット、ニュートンなども知らなかった。宇宙の知識も易経の範囲内にとどまる。
他の人も同じ感覚を持っていて、他の人も打たれれば痛い、そういう常識がなかったわけではないが、そういうことはなかなか念頭にのぼらない環境で育った。自分と他人を同列に論じるなどありえなかった。他人は奴隷であり、しもじもの者にすぎない。
乳母は貧しい家庭の出身で、舅姑、娘を養うために乳母になった。紫禁城に来ると家には帰れない。彼女の娘は栄養不良で死んでいるが、乳の質が悪くなるといけないのでそれも知らされていない。溥儀は9歳まで乳を飲み、彼女がいるときだけ、他人も私も同じ人間だという道理を意識させられたという。乳母が去ったのちには「人間性」に通じた人が周りにいなかったため、溥儀(自分)も人間性を失っていったと告白している。
清朝が崩壊し、袁世凱の時代になる。袁世凱が食事をするときには奏楽が始まる。それが遠くから紫禁城に聞こえてきた。そのことに屈辱を感じた。
袁世凱は自分の娘を溥儀の皇后にしようと画策していたが、袁世凱が憤死したため話は沙汰やみになった。袁世凱が死ぬと、紫禁城はお祭り騒ぎになった。
段祺瑞と黎元洪が決裂し、このどさくさで張勲は仲裁者のようにふるまいつつ黎元洪に国会を解散させ、溥儀の復辟を演じている。しかし、段祺瑞が反撃し、復辟はあえなく失敗。
英国の家庭教師ジョンストンに影響され、西洋人はもっとも賢く、もっとも文明的な人間であると信じさせられた。ジョンストンにはヘンリーという外国名をつけてもらっている。皇后や弟妹たちにも外国名をつけてもらった。
文繍と婉容を嫁にしたが、写真で適当に文繍を選び、ついでに婉容も押しつけられた。まったくポリティカルに決まった。
溥儀は外国に行きたい。ジョンストンによって西洋文明を知るにつれ、自分の環境にまったく我慢がならなくなった。
溥儀は強硬に電話を取り付けるように主張。電話が引かれると京劇役者にいたずら電話をしている。
信ずべきは人であり、信ずべからざるも人である(雍正帝)。
人の上に立つ者は人を用いるにあたって、人を信じなくてはならぬが、そうかといってにわかに信じてもいけない(康熙帝)。
内戦で馮玉祥により紫禁城を追い出され、一家は上海に逃れる。
張作霖が日本に爆殺されたのは、張作霖が張学良の影響で次第に日本の言うことを聞かなくなったからだといわれる。張学良の影響で日本を捨ててアメリカとよしみを結ぼうとしていたから、と聞いた。
蒋介石の部下・孫殿英は祖先の墓を盗掘し、孫は蒋介石の新妻・宋美齢に西太后の宝珠を贈る。溥儀はこれに激怒し、復辟・復仇の意志を強くする。しかし、蒋介石の国民政府は次第に各国から承認されてしまう。ストレスのたまった溥儀は占いにはまり、蒋介石滅亡という占いの結果になぐさめられた。
弟の溥傑は軍人になりたがり、溥儀は溥傑を日本に送る。溥傑は日本の陸軍の軍事を学ぶ。溥傑の日本語教師として紹介された遠山は、黒竜会の会員だとあとで知った。
上海に来てから、溥儀は次第に日本軍の強さと日本軍人の自分に対する支持を堅く信じるようになる。
リグレーのチューインガム、バイエルのアスピリン錠などでもため息をつかされ、中国人は実に愚かで、外国人は実に頭がいいと思う。ただし、溥儀が考える中国人には溥儀自身は含まれていない。あの賢い外国人さえ、自分のことはそう見ている、と溥儀は思っている。
突然、文繍に離婚を切り出されるが、溥儀は復辟にしか興味がない。他の人にとっては平等なものである夫婦というものが、溥儀にとっては主人と奴隷の関係でしかない。文繍は小学校教師になり、二度と結婚しなかったという。
何年に運がひらける、などの神降ろしになぐさめられた。日本領事館の人相見にもかならず大事が成就するといわれた。こういったすべてが溥儀を時代に逆行させる原動力だった。
期待していた東北三省が国民党に忠誠を誓うとすっかり意気消沈。そんなとき溥傑を日本でもてなした吉岡安直は「満州では何か事件がおこるかもしれない。希望がないわけではない」と示唆している。
関東軍の土肥原は溥儀に新国家設立を勧める。このとき、土肥原は天皇陛下は関東軍を信じている、新国家は帝国である、と断言したため、溥儀は決意。新国家で溥儀は「執政」に推戴される。皇帝ではない。帝政ではなく執政制。不満だがもはや拒否できない。今は力を蓄えるべき、と折り合いをつける。
などなど。
曰く・・・
同治帝の皇后と西太后(姑)には嫁姑問題があり、西太后は皇后を折檻している。同治帝が死ぬと、西太后は皇后の飲食を制限し、皇后をいじめ殺している。
光緒帝を廃位し、愛新覚羅奕キョウの子を次の皇帝にしようと袁世凱がたくらんでいるという情報を西太后はキャッチし、西太后は溥儀を立てた。
光緒帝は死ぬまでぴんぴんしていたが薬を一服飲んだとたんにいけなくなったという。その薬は袁世凱が送ったものだという噂がある。光緒帝はただの感冒だった。西太后は溥儀を皇嗣にすると宣言したときにはまだ自分が死ぬとは思っていなかったのではないか。
1912年に清朝は滅亡し、溥儀は6歳にして皇帝でなくなる。帝位を棄てても尊号は廃止されず、中華民国は諸外国君主を遇する礼をもってこれを遇する、中華民国は年金を支払う、などの優待条件が定められる。
儒教古典は習ったが、高校生くらいになるまで加減乗除を学ばず、物理化学などまったく知らなかった。ワシントン、ナポレオン、ワット、ニュートンなども知らなかった。宇宙の知識も易経の範囲内にとどまる。
他の人も同じ感覚を持っていて、他の人も打たれれば痛い、そういう常識がなかったわけではないが、そういうことはなかなか念頭にのぼらない環境で育った。自分と他人を同列に論じるなどありえなかった。他人は奴隷であり、しもじもの者にすぎない。
乳母は貧しい家庭の出身で、舅姑、娘を養うために乳母になった。紫禁城に来ると家には帰れない。彼女の娘は栄養不良で死んでいるが、乳の質が悪くなるといけないのでそれも知らされていない。溥儀は9歳まで乳を飲み、彼女がいるときだけ、他人も私も同じ人間だという道理を意識させられたという。乳母が去ったのちには「人間性」に通じた人が周りにいなかったため、溥儀(自分)も人間性を失っていったと告白している。
清朝が崩壊し、袁世凱の時代になる。袁世凱が食事をするときには奏楽が始まる。それが遠くから紫禁城に聞こえてきた。そのことに屈辱を感じた。
袁世凱は自分の娘を溥儀の皇后にしようと画策していたが、袁世凱が憤死したため話は沙汰やみになった。袁世凱が死ぬと、紫禁城はお祭り騒ぎになった。
段祺瑞と黎元洪が決裂し、このどさくさで張勲は仲裁者のようにふるまいつつ黎元洪に国会を解散させ、溥儀の復辟を演じている。しかし、段祺瑞が反撃し、復辟はあえなく失敗。
英国の家庭教師ジョンストンに影響され、西洋人はもっとも賢く、もっとも文明的な人間であると信じさせられた。ジョンストンにはヘンリーという外国名をつけてもらっている。皇后や弟妹たちにも外国名をつけてもらった。
文繍と婉容を嫁にしたが、写真で適当に文繍を選び、ついでに婉容も押しつけられた。まったくポリティカルに決まった。
溥儀は外国に行きたい。ジョンストンによって西洋文明を知るにつれ、自分の環境にまったく我慢がならなくなった。
溥儀は強硬に電話を取り付けるように主張。電話が引かれると京劇役者にいたずら電話をしている。
信ずべきは人であり、信ずべからざるも人である(雍正帝)。
人の上に立つ者は人を用いるにあたって、人を信じなくてはならぬが、そうかといってにわかに信じてもいけない(康熙帝)。
内戦で馮玉祥により紫禁城を追い出され、一家は上海に逃れる。
張作霖が日本に爆殺されたのは、張作霖が張学良の影響で次第に日本の言うことを聞かなくなったからだといわれる。張学良の影響で日本を捨ててアメリカとよしみを結ぼうとしていたから、と聞いた。
蒋介石の部下・孫殿英は祖先の墓を盗掘し、孫は蒋介石の新妻・宋美齢に西太后の宝珠を贈る。溥儀はこれに激怒し、復辟・復仇の意志を強くする。しかし、蒋介石の国民政府は次第に各国から承認されてしまう。ストレスのたまった溥儀は占いにはまり、蒋介石滅亡という占いの結果になぐさめられた。
弟の溥傑は軍人になりたがり、溥儀は溥傑を日本に送る。溥傑は日本の陸軍の軍事を学ぶ。溥傑の日本語教師として紹介された遠山は、黒竜会の会員だとあとで知った。
上海に来てから、溥儀は次第に日本軍の強さと日本軍人の自分に対する支持を堅く信じるようになる。
リグレーのチューインガム、バイエルのアスピリン錠などでもため息をつかされ、中国人は実に愚かで、外国人は実に頭がいいと思う。ただし、溥儀が考える中国人には溥儀自身は含まれていない。あの賢い外国人さえ、自分のことはそう見ている、と溥儀は思っている。
突然、文繍に離婚を切り出されるが、溥儀は復辟にしか興味がない。他の人にとっては平等なものである夫婦というものが、溥儀にとっては主人と奴隷の関係でしかない。文繍は小学校教師になり、二度と結婚しなかったという。
何年に運がひらける、などの神降ろしになぐさめられた。日本領事館の人相見にもかならず大事が成就するといわれた。こういったすべてが溥儀を時代に逆行させる原動力だった。
期待していた東北三省が国民党に忠誠を誓うとすっかり意気消沈。そんなとき溥傑を日本でもてなした吉岡安直は「満州では何か事件がおこるかもしれない。希望がないわけではない」と示唆している。
関東軍の土肥原は溥儀に新国家設立を勧める。このとき、土肥原は天皇陛下は関東軍を信じている、新国家は帝国である、と断言したため、溥儀は決意。新国家で溥儀は「執政」に推戴される。皇帝ではない。帝政ではなく執政制。不満だがもはや拒否できない。今は力を蓄えるべき、と折り合いをつける。
などなど。
2010年9月15日に日本でレビュー済み
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正に傑作であろう。歴史が好きな私にとっては、特に「ベールに隠された皇帝生活」、「退位後の環境の変化そして満州国皇帝への道程」、「満州帝国での役割」、「囚われ時代の思想改造」部分について食い入るように読んだ。溥儀の詳細な感情の変化と共に、数々のストーリーが展開されており、リアリティを強く感じる。確かに、本書は本当に溥儀によって描かれたものなのか、また真実が書かれたものなのか、という疑問が常に頭をよぎるだろう。また、溥儀は独特の出自であり、また想像を絶するアップダウンを繰り返した後、「思想改造」に接した後に書かれたものであることから、物事の捉え方への偏りも有り得る。ただ、私が読む限りでは、本書は溥儀により描かれた(述べられた)ものであり、彼自身が見た事、体験した事(聞いた事などは除く)は極めて真実に近いのではと考えている。
上巻は、当時の中国の政治状況について多少の理解がないと読み辛い。また多数の中国人名も追い辛い。その為、日本との係りが出てくる下巻から読み出すのも良いだろう。但し、溥儀の人間性を理解するには上巻から読んで欲しい。映画「ラストエンペラー」は確かに素晴らしいが、当然ながら、内容の濃さは本書に遠く及ばない。著者、日本人、中国人、当時生きて歴史の渦に巻き込まれて犠牲になった全ての人を強く偲ばれた。
上巻は、当時の中国の政治状況について多少の理解がないと読み辛い。また多数の中国人名も追い辛い。その為、日本との係りが出てくる下巻から読み出すのも良いだろう。但し、溥儀の人間性を理解するには上巻から読んで欲しい。映画「ラストエンペラー」は確かに素晴らしいが、当然ながら、内容の濃さは本書に遠く及ばない。著者、日本人、中国人、当時生きて歴史の渦に巻き込まれて犠牲になった全ての人を強く偲ばれた。
2015年11月1日に日本でレビュー済み
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