一言で言えば、こういうのが好きなんだろうなぁと思う。こういう金にならないことをウジウジ考えて、うぅんそうなのかなぁ、と結論を出すことをあえて先送りにして、大切に大切に悩む。
その気持ちは分かる。誰にも悩ませてなんかあげない、自分だけの悩み。この場合の悩みというのは、要するに設問のことだから、それも芸のうちである。上手に楽しく悩むためには、それそれなりの絞り込み方が要求される。ただ漠然と突っ立っていたのでは、悩むことすらできない。ただ焦るだけである。悩むことが辛くならないように、問題をコンパクトにまとめる。人は、自分の器でしか悩めない。一億円の借金で首が回らない人からすれば、一千万円の借金など朝飯前である。悩むのも才能のうち。養老孟司自身、そのむかし、言われたことがあったハズである。
『ヒトの見方』や『からだの見方』など、科学エッセイ、身辺雑記、書評、社会時評が、雑炊みたいに奥行きのある味を出していた頃が懐かしい。
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ヒトの見方 (ちくま文庫 よ 6-1) 文庫 – 1991/12/1
養老 孟司
(著)
- ISBN-104480025901
- ISBN-13978-4480025906
- 出版社筑摩書房
- 発売日1991/12/1
- 言語日本語
- 本の長さ350ページ
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1991/12/1)
- 発売日 : 1991/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 4480025901
- ISBN-13 : 978-4480025906
- Amazon 売れ筋ランキング: - 414,548位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2003年5月5日に日本でレビュー済み
著者を知ったのはNHK「人体」だった。常識から逸脱したおもしろい事を言うおじさんだと思った。この本は「唯脳論」という金字塔をうち立てる前の習作だと思える。などと高いところから書いてしまったが、すでに3回ほど本書を読み返しているが半分も理解しているかどうか自信がない。2章解剖に関する記述は難しい。もちろん「見ればわかる」事だからだと思うが。著者の本を読むと頭が良くなったような錯覚に陥るので困る。何事でも「それは脳が考えていることだから」と切って捨てたくなる。文体もすばらしい。であろう、私の故ではない、ならざる得ない、往生する、などなどついつい使ってみたくなる。個人的にこの本の中で印象に残るのはヒトは人面を凹面として読みとることはできないというp22の記述である。これを応用すれば鏡の左右問題も、人面魚も、「見ているのはおまえだろう」と言えるわけだ。自分に跳ね返ってくる話が好きなら本書は赤線だらけになること請け合い。