「少年マガジン」掲載時の初期の作品を纏めたもの。私が鬼太郎に接した初めての作品群なので思い出深い。少年誌掲載前は「墓場の鬼太郎」で、もっとドロドロとしたものだったが、随分スマートになっている。ただし掲載作品順が、私の記憶と異なっているので、出版社側で編集したものだろう。
初期の「鬼太郎」は鬼太郎が悪い人間を懲らしめるというパターンで、本作にも「地獄流し」が入っているが、「幽霊電車」(2巻収録)など他にもあった筈だ。本作ではネズミ男、猫娘などレギュラー陣が次々と登場し、読む者を楽しませてくれる。悪い妖怪にネズミ男が加担し、ネズミ男の裏切りの連続の中で事件が解決するというのがパターンだが、ネズミ男は単なる狂言回しではなく、非常に重要な役割を果たしていると思う。水木先生の戦争体験と生き方を考えると、水木先生の思想を体現しているのは勝手気儘に生きるネズミ男ではないかと思える程だ。水木先生の上手い所は、従来から存在されるとする「かまいたち」、「天邪鬼」、「見上げ入道」、「のっぺらぼう」と言った妖怪の中に「さら小僧」のようなオリジナルな妖怪を何気なく登場させ、澄ましている点だろう。もう一つは、本作の「妖怪大裁判」のように妖怪軍団どうしの闘いを描いて、より興奮度を高める作品(その代表は「妖怪大戦争」(3巻収録)。これも初期の作品の筈だ)を挟んでいる点であろう。そうかと思うと、「おばけナイター」のようにユーモアに徹している作品もある。
私を妖怪の世界に引きずり込んだ、妖異とユーモアとスリルに満ち溢れた妖怪マンガの嚆矢。
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ゲゲゲの鬼太郎 1 妖怪大裁判 (ちくま文庫 み 4-20) 文庫 – 1994/1/1
水木 しげる
(著)
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「地獄流し」「だるま」「妖怪城」「おばけナイター」「見上げ入道」「猫娘とねずみ男」「さら小僧」「天邪鬼」「おりたたみ入道」「悪魔ベリアル」他。【解説: 渡辺えり子 】
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1994/1/1
- ISBN-104480028811
- ISBN-13978-4480028815
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1994/1/1)
- 発売日 : 1994/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 352ページ
- ISBN-10 : 4480028811
- ISBN-13 : 978-4480028815
- Amazon 売れ筋ランキング: - 498,256位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1922年、鳥取県生まれ。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」など著書多数。1991年、紫綬褒章受章。妖怪と精霊を求めて全世界を旅する。1996年 に郷里の境港市に「水木しげるロード」を設立し、「世界妖怪協会」の会長に就任、「世界妖怪会議」を開催する。2003年、旭日小綬章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『姑娘』(ISBN-10:406276735X)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2004年7月12日に日本でレビュー済み
ゲゲゲの鬼太郎はテレビの正義の味方のイメージが強い。しかし漫画の鬼太郎をたくさん呼んでみてわかったことは、タバコはすうは、女の子は大好きだは、ゴミ箱はあさるはとそんなにいいイメージではない。一般に知られている鬼太郎のイメージはテレビによって作られたものだとわかる。しかし実際テレビになるほどに人気が付いた鬼太郎は、この本の中の鬼太郎である。ぜひそれをたくさん出ている鬼太郎の漫画を読んで確かめてもらいたい。鬼太郎の魅力がやたら人間くさいところにあることが簡単に分かるはずである。それはきっと作者の水木しげるの人柄なのだろう。それが鬼太郎に現れているのだ。
2006年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は13の短編集で、ご存知、ねずみ男、ネコ娘、砂掛けばばあ、子泣きじじいなどに会うことができます。
テレビの鬼太郎のイメージとは少々雰囲気が異なりますが、しっかりと勧善懲悪の思想が基調を成している点は変わらない。それにしても、ねずみ男は、相変わらず変わり身が早く、カネの亡者だ。そんな男に対しても、鬼太郎はあくまでも友情を尽くす。
「カランコロン」の下駄の音、「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ」のBGMがコマ中に描き込まれているのがおもしろく感じる。p.162、p.175などに代表される緻密で雄大なランドスケープは、水木しげる氏の真骨頂といえましょう
テレビの鬼太郎のイメージとは少々雰囲気が異なりますが、しっかりと勧善懲悪の思想が基調を成している点は変わらない。それにしても、ねずみ男は、相変わらず変わり身が早く、カネの亡者だ。そんな男に対しても、鬼太郎はあくまでも友情を尽くす。
「カランコロン」の下駄の音、「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ」のBGMがコマ中に描き込まれているのがおもしろく感じる。p.162、p.175などに代表される緻密で雄大なランドスケープは、水木しげる氏の真骨頂といえましょう
2013年7月18日に日本でレビュー済み
爺いになった今でもしばしば頭に浮かぶTVアニメソングといえば「ゲゲゲの鬼太郎」です。♪ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲー♪、ゲッ!というのは幽霊、妖怪にびっくりした人間の発声だろうに妙に落ち着き払って幽霊、妖怪サイドが歌います。たいてい最後はこの鳴き声でめでたし、めでたしなのだが、ゲゲゲと鳴く虫、生物というのもにわかに思い浮かびません。それに中間の「の」が妙です。まあ一等気に入っていたのは♪お化けにゃ学校もー、試験も何にもない(キッパリ)♪のくだりですが。冥途に行く前に本でまとめて見ておきたいと調べてみて驚いた、文庫だけで4種もあります。うち角川文庫「墓場鬼太郎」全6巻はブレイク前の貸本時代の作だそうで、TVの人間に仇なす妖怪をやっつける単純なヒーローとはイメージがちと違うようです。こちらこそオリジナルで真正という見方も当然ですが、一応裏鬼太郎、黒鬼太郎として除外します。アニメや少年マガジンなどの表鬼太郎、白鬼太郎は残り3種ですが、収録作、順序はまちまちで困ってしまいます。本書(ちくま文庫1)のAmazonのなか見!検索は他文庫に導かれ、内容紹介もその他文庫についてです。レビューも他文庫についてのが混じっています。おかげでよけい混乱します。この混乱は巨匠が死後妖怪大魔王となって自作を表紙から何から何まで刊行順刊行サイズ大全集を出されるまでおさまりそうにありません。それまでは3種の内容をよくよく比較対照して選ばれたほうがよいでしょう。私が、ちくま文庫版で揃えたのは本版が最も古くからあり、昔買ったのが2巻あったからに過ぎません。さて、本書の正しい収録作名は貧書生氏がレビューされています。だいたい対決する妖怪が題名になっていますが、そうでないものを補足すると「妖怪城」たんたん坊、二口女、かまいたち、「おりたたみ入道」むじな、「オベベ沼の妖怪」かわうそ、「妖怪大裁判」百々じじいです。読後記憶に残るが故に傑作とみるのは、「だるま」ビルの4階は死界、「のっぺらぼう」人魂の捕獲、調理です。先述の鳴き声や幽霊の親父が目玉だけになって生きのびて茶わんぶろにつかるというのと同じ天真な奇想がストレートに味わえます。
2004年10月15日に日本でレビュー済み
第1部「地獄流し」「だるま」「妖怪城」、第2部「おばけナイター」「見上げ入道」「猫娘とねずみ男」「さら小僧」、第3部「天邪鬼」「おりたたみ入道」「悪魔ベリアル」「のっぺらぼう」「オベベ沼の妖怪」「妖怪大裁判」の13作品を収録。解説は渡辺えり子の好エッセイ「逢魔が時に」。
ちくま文庫版「ゲゲゲの鬼太郎」は、週刊少年マガジン(1965-69年)、別冊少年マガジン(1966-1970年)、週刊少年サンデー(1971年)に発表された作品を収録しています。単行本化された回数が一番多くて、もっともポピュラーなシリーズです。ただし鬼太郎の出生をえがいた「鬼太郎の誕生」は未収録となっています。
ちくま文庫版「鬼太郎」は鬼太郎シリーズのなかで現在でも入手可能な、数少ないシリーズです。そのためレア度は高くありませんが、コンビニコミックもなかった当時、鬼太郎のファン層を広げるうえで本文庫がはたしてきた役割は大きいと思います。縁の下の力もち的な存在ではないでしょうか。
難点は初出誌の記載がないことです。とくに本巻と第2巻は当初「水木しげるマンガ集」として刊行されたので、さまざまな時期の作品を収録しています。そのため、いっそう不便な印象をうけます。なんとかならないものでしょうか。(なお初出誌一覧は最終巻に掲載されています。)
以上は編集への注文であって、作品じたいの評価は不動であることには変わりありません。
ちくま文庫版「ゲゲゲの鬼太郎」は、週刊少年マガジン(1965-69年)、別冊少年マガジン(1966-1970年)、週刊少年サンデー(1971年)に発表された作品を収録しています。単行本化された回数が一番多くて、もっともポピュラーなシリーズです。ただし鬼太郎の出生をえがいた「鬼太郎の誕生」は未収録となっています。
ちくま文庫版「鬼太郎」は鬼太郎シリーズのなかで現在でも入手可能な、数少ないシリーズです。そのためレア度は高くありませんが、コンビニコミックもなかった当時、鬼太郎のファン層を広げるうえで本文庫がはたしてきた役割は大きいと思います。縁の下の力もち的な存在ではないでしょうか。
難点は初出誌の記載がないことです。とくに本巻と第2巻は当初「水木しげるマンガ集」として刊行されたので、さまざまな時期の作品を収録しています。そのため、いっそう不便な印象をうけます。なんとかならないものでしょうか。(なお初出誌一覧は最終巻に掲載されています。)
以上は編集への注文であって、作品じたいの評価は不動であることには変わりありません。
2006年7月27日に日本でレビュー済み
ストーリーの面白さもさることながら、作者の戦争体験と重ねて読めば、その戦争観や戦後観がじんわりと伝わってくる。
かつてテレビで見ていたときとは違う奥深さを感じた。
かつてテレビで見ていたときとは違う奥深さを感じた。