演劇における立場 めぐりあわせ 時代により異なる感性と理性 時代錯誤の予感
自然への憧れと虚構への憧れの両立を指摘した上で
美や夢に大人の現実感覚が裏打ちされ 解放されているのを とらえている
観客にとっての効果 社会人から見た劇場 役者についての批評 制作準備など
体験談 幕間 終幕後を論じたり
幕が上がっているあいだの憑依 暗転 魂が流れ せき止められ 跳ね返る原型が
どのように美 夢 生命力として発展するのかを論じている
能や歌舞伎などの伝統芸能において 超越しようとすれば押さえつけようとする相克
幻と人間という矛盾 具現化しづらさ うごめきが静的安全に高められているさま
鑑賞者の余韻や想像力を喚起する象徴性とは何かを論じている
オペラについて歌舞伎について 時代も国境も生きづらさも超える感動がどのように
重層的なのかを論じている
芸術家のなかで物質 時代 経験がどのように飛び交い 沈められ
大人の好悪として発現されるのか
技法や観念や人間が純粋な美しさ 力強い感動として魅惑の普遍性まで
どのように昇華していくのか三島は解き明かす
解説が空想的青少年への害悪であるとしていることに一言
現実ーー個人差が激しい愛 優劣 悟りのない希望 鬼っ子 綱渡りという
人生に絶望しないため人々は夢を見る
恐ろしい現実の生存者はトラウマという錯誤と真実を自己愛にしていき
日常生活では嫌悪感に終わる
これから論じる「ラマン」は原作の文体についてであって
わたしは映画は観たことがない
遠近法という思考がナルシシズムという醜態から救っている
苦難に始まり苦難に満ちたデュラスの七十年
中国人青年と少女の結びつきを社会も家族もどう見るのか
幻想が活きてくる変身 夢と現実の のびやかな反転
自然体を重んじつつも時間は軽んじない
近くの罪人と悲惨を遠いはずの普遍性と崇拝に栄転させた
芸術は こんな奇跡を起してきた
わたしはコクトーが理解できない
三島によればコクトーは外面から書くという
三島は本書で自分は大人になっても少年向け冒険小説を愛読していることを書いている
わたしは魂 凝縮 女心が呪いから救われる瞬間ばかり考える
よく読むバルザックは両性具有
愛読するランボーやヴァレリーは豊潤 流麗 総花的
女のように刹那的で 男として後先考える
三島がコクトーは少年的なのだと教えてくれた
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芸術断想 (ちくま文庫 み 13-8 三島由紀夫のエッセイ 4) 文庫 – 1995/8/1
三島 由紀夫
(著)
- 本の長さ315ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1995/8/1
- ISBN-104480030700
- ISBN-13978-4480030702
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1995/8/1)
- 発売日 : 1995/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 315ページ
- ISBN-10 : 4480030700
- ISBN-13 : 978-4480030702
- Amazon 売れ筋ランキング: - 544,679位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,098位ちくま文庫
- - 8,867位近現代日本のエッセー・随筆
- - 22,620位評論・文学研究 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。
1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年6月27日に日本でレビュー済み
1953年(昭和28年)から1969年(昭和44年)の間に新聞や雑誌に掲載された、様々な芸術に関する三島由紀夫の文章が集められた本です。
半世紀近く前に書かれた文章なので本書に登場する映画や演劇の話題はほとんどの現代人には馴染みがなく、面白いことは面白いけれど随所に隔靴掻痒の感を禁じえないのはある程度は仕方ないでしょう。インターネットの画像検索やウィキペディアなどで情報を補いながら読むとイメージが湧きやすいかと思います。
しかし古いからといって本書の価値が減じられるものではないと私は思います。三島由紀夫が鋭利な刃物のような知性で分野を問わず芸術を腑分けしていく様子はまるで手馴れた病理学者が遺体を腑分けするが如く実に見事です。彼のダイナミックな思考の軌跡として結実した珠玉の文章の数々は時代を超えた普遍に接続しています。それは本書が現代の世界に生きる我々をも唸らせる力があることからも明らかだと私は思います。
私がもっとも印象に残ったのは彼の自決の前年に書かれた「裸祭り」に関する考察です(p120-128)。明治維新後に「野蛮」とされた日本の原始的(プリミティブ)な習俗が日本の高度経済成長期に再び「誇るべき日本の伝統」として見直された事実が皮肉混じりのユーモアを添えつつ明快に説明されています。日本でプリミティブな習俗の価値が再評価される時代が来たことは、三島氏にとって、切腹というプリミティブな行動の意味がようやく世間に再評価される準備が整ったことをも含意したのではないかと私は考えてしまいました。
半世紀近く前に書かれた文章なので本書に登場する映画や演劇の話題はほとんどの現代人には馴染みがなく、面白いことは面白いけれど随所に隔靴掻痒の感を禁じえないのはある程度は仕方ないでしょう。インターネットの画像検索やウィキペディアなどで情報を補いながら読むとイメージが湧きやすいかと思います。
しかし古いからといって本書の価値が減じられるものではないと私は思います。三島由紀夫が鋭利な刃物のような知性で分野を問わず芸術を腑分けしていく様子はまるで手馴れた病理学者が遺体を腑分けするが如く実に見事です。彼のダイナミックな思考の軌跡として結実した珠玉の文章の数々は時代を超えた普遍に接続しています。それは本書が現代の世界に生きる我々をも唸らせる力があることからも明らかだと私は思います。
私がもっとも印象に残ったのは彼の自決の前年に書かれた「裸祭り」に関する考察です(p120-128)。明治維新後に「野蛮」とされた日本の原始的(プリミティブ)な習俗が日本の高度経済成長期に再び「誇るべき日本の伝統」として見直された事実が皮肉混じりのユーモアを添えつつ明快に説明されています。日本でプリミティブな習俗の価値が再評価される時代が来たことは、三島氏にとって、切腹というプリミティブな行動の意味がようやく世間に再評価される準備が整ったことをも含意したのではないかと私は考えてしまいました。